心の問題に上手に対処する方法
2024/09/14
私たちは日々、さまざまなストレスに直面しています。
たとえば、出かけようとしたら突然雨が降ってきたり、体調が悪いのに仕事に行かなければならなかったり(コロナ禍以降は減ったかもしれませんが)。
苦手な人と会わなければならないこともあるでしょう。
このように、仏教で言われる「四苦八苦」という言葉が示す通り、私たちの生活は常にストレスにさらされています。
しかし、私たちはそんな日々のストレスに対して、無意識のうちに対処しながら生活しています。
このストレスへの対処方法を「コーピング」と呼びます。
コーピングにはさまざまな種類があり、研究者によって分類方法が異なりますが、Folkman と Lazarus による基本的な分類は次の二つです。
問題焦点型コーピング
問題そのものに向き合い、解決を図るための行動や誰かに相談するなど、ストレスの原因に対して直接アプローチする方法。
情動焦点型コーピング
ストレスによる感情を一旦落ち着かせることに焦点を当てた方法。気分転換や視点の切り替え、気晴らしなどが含まれます。
従来、ストレスに対する最も効果的な方法は問題焦点型コーピングだとされ、情動焦点型はあまり効果がないとされてきました。
しかし、最近の研究では、情動焦点型コーピングを意識的かつ積極的に活用することで、ストレスに対して十分な効果を発揮することが明らかになっています。
また、問題焦点型を使う人ほど、視点の切り替えや気晴らしといった情動焦点型も上手に取り入れている傾向があることも分かってきました。
つまり、感情を調整するためのコーピングも、ただ逃げるのではなく、意図的に取り入れることが重要なのです。
コーピングには「柔軟さ」と「バリエーション」が求められます。
もちろん、問題解決に取り組むことは重要ですが、すべての問題がすぐに解決できるわけではありません。
問題解決に固執すると、かえって精神的な疲弊を招くこともあります。
そのため、解決が難しい場合には、情動焦点型のコーピングに切り替えたほうがストレスと向き合いやすくなるでしょう。
自分がどのようなコーピングを日常的に使っているかを振り返ることも大切です。
誰かに相談する、好きな食べ物を食べる、インターネットで情報を探すなど、コーピングにはいろいろな方法があります。
そのレパートリーを増やすことが、多様なストレスに柔軟に対応するための鍵です。
一度、自分がどんなコーピング方法を持っているか、リストアップして確認してみましょう。それが、今後のストレス対処に大きな助けとなるはずです。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。