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リストカットの誤解と対処法

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リストカットの誤解と対処法

リストカットの誤解と対処法

2024/09/14

みなさん、こんにちは。

心理カウンセラーの駒居です。

 

今日は「リストカット」にまつわる誤解と、その対処法についてお伝えしたいと思います。

 

「リストカット」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

 

リストカットとは、自らの手首や腕に刃物や爪などで傷をつける自傷行為の一種を指します。

 

この行為を行う方々は、内面的な痛みや苦しみを抱えていることが多く、心の叫びを表現する一つの方法として現れることが多いです。

 

では、周囲の人々はこの行為をどのように捉えているのでしょうか?

 

「注目を引きたいだけ」「自己中心的でわがままだ」「自分を傷つけるなんて異常だ」など、否定的な見解や偏見を持つ人も少なくありません。しかし、これらの見方は、リストカットを理解していないことに起因する誤解です。

 

実際に、リストカットを行う人々は、単に「かまってほしい」と思っているのではなく、辛く不快な感情や思考に対する対処の方法として行われているのです。

 

今回は、リストカットを行う方々の心理的背景やその動機について、臨床心理学の視点から解説し、彼らが心の痛みを癒すための「代替対処法」についてもご紹介します。

 

リストカットに隠された心理と動機

 

リストカットを行う背景には、以下のような心理的な要因が存在します。

 

・心の痛みを身体的な痛みに置き換えることで、一時的に気持ちが楽になると感じる。

 

・自分の存在や価値を確認するために血や傷を見ることで、生きている実感を得ようとする。

 

・感情を表現する手段が分からないため、身体にメッセージを刻むことで自己表現を行う。

 

・罪悪感や自己批判の償いとして身体に傷をつけることで、自らを罰する。

 

・コントロールできない状況に対して、身体を傷つけることで自己のコントロール感を持つ

 

これらの理由から、リストカットは一部の人にとって、心の痛みを和らげる唯一の方法と感じられているかもしれません。

 

しかし、リストカットは問題解決にはなり得ず、むしろ心の問題を悪化させる可能性があります。

 

リストカットの危険性

 

リストカットには、次のような深刻なリスクが伴います。

 

・身体的リスク:傷口からの感染や出血、さらにリストカットがエスカレートすることで、生命に関わる深刻な事態に陥る可能性があります。

 

・心理的リスク:一時的に心の痛みが和らいだと感じることで、リストカットに依存する恐れがあります。自己肯定感の低下や他の健全なストレス対処法の欠如も招きます。

 

・社会的リスク:リストカットによって、周囲からの支援が得られない、あるいは偏見や非難を受けることがあります。身体に残る傷跡が、就職や結婚といった将来の選択肢に影響を与えることもあります。

 

リストカットは一時的な心の緩和策として機能しても、長期的には心身や人生に悪影響を及ぼす行為です。

 

リストカットからの脱却:代替対処法の活用

 

リストカットに頼らず、心の痛みを和らげるためには「代替対処法」が有効です。これは、リストカットに代わり心身に良い影響を与える方法です。

 

以下のような対処法が推奨されます。

 

・身体的代替法:リストカットの代わりに身体に刺激を与える方法。氷を握る、ゴムバンドを弾く、辛いものを食べる、運動をするなどの行為が心の痛みを一時的に和らげる助けになります。

 

・感情的代替法:感情を表現する方法。日記を書く、絵を描く、音楽を聴く、泣く、笑うなど、感情を外部に表現することで心の整理や解放を促します。

 

・社会的代替法:人との交流を通じた方法。信頼できる友人や家族、心理カウンセラーに話を聞いてもらう、相談することで、孤独感が緩和され、精神的な支えを得られます。

 

これらの代替対処法は、リストカットと同様に心の痛みを和らげることができますが、より持続的かつ建設的な方法です。

 

最後に、ストレス発散や自己肯定のための方法についても過去の記事で紹介していますので、そちらも併せて参考にしていただければと思います。

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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