職場復帰支援プログラム(リワーク)とは?
2024/09/15
皆さん、こんにちは。
心理カウンセラーの駒居です
今日は復職支援(リワーク)について解説していきたいと思います。
職場復帰支援プログラム(リワーク)は、メンタル不調による休職者が再び職場に戻るための準備を行う重要な取り組みです。
このプログラムは、単に病状を改善するだけでなく、復職後の職場環境に適応し続けるためのスキルやリズムを整えることを目指しています。
リワークの重要性は徐々に認識されつつありますが、まだ一部の会社や職場の中には、その有効性や必要性を十分に理解していない方もいます。
こうしたう有効性や必要性に関するギャップを埋めるのが、リワークプログラムの役割です。
リワークは、復職を希望される方と職場の橋渡しを行い、両者の協力によって復職を希望される方がスムーズに復職できるようサポートします。
しかし、現状ではリワークを利用する休職者は全体の1%以下にとどまっています。その理由として、リワーク施設の都市部集中やプログラムの知名度の低さが指摘されています
リワークに関するもう一つの課題は、プログラムの質のばらつきです。
リワークを提供している施設は増加していますが、その中には、質が十分でない施設も残念ながら存在します。
これに対して、うつ病リワーク協会では、リワークの質の向上が急務であると認識しており、2023年に開催された年次大会では「治療の高度化・多様化」をテーマに、より効果的なリワーク支援を提供するための技術的な洗練が議論されています。
では、リワークプログラムでは具体的にどのような治療が行われているのでしょうか。
リワークでは、まず自己分析(セルフモニタリング)を行います。
これは、臨床心理学の枠組みで個人の認知特性や対人関係の傾向を分析し、どのような思考パターンが休職につながったのかを理解するプロセスです。
この自己分析によって、休職者は自分の強みや弱点を再確認し、ストレスに直面した際にどう対処すべきかを学びます。
その後、リワークでは認知療法やメタ認知療法を活用し、休職者が自分自身の思考や感情に対して適切な対処方法を見つけられるよう支援します。
例えば、社会心理学の知見を活かして、対人関係の改善やストレス管理の方法を学び、再発防止のための具体的なセルフマネジメントスキルを習得することが目的です。
さらに、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を用いて、困難な感情を受け入れながら、価値に基づいた行動を取る方法も検討材料の1つです。
これにより、休職者は自分の感情やストレス反応をより柔軟に扱い、復職後の環境に適応する能力を高めます。
一方で、リワークプログラムは復職後の再発防止にも焦点を当てています。
職場でのストレスやコミュニケーションの課題に対処するための対人関係療法が導入されており、メンタライジング・アプローチを用いて、自分自身と他者の感情や行動を理解する能力を養います。
これにより、職場でのトラブルを未然に防ぎ、持続可能な働き方を実現できるようサポートします。
こころのケア心理カウンセリングROOMでのリワークでは、その方のご事情に合ったプログラムを提供しており、主に認知行動療法を用いて、可能な限り無理のない範囲で短期間での復職を目指します。
私のカウンセリングROOMでは、休職者が自分の認知特性を深く理解し、より効果的な対処スキルを身につけることで、職場復帰後の安定した働き方をサポートしています。
職場復帰支援プログラムは、単なる医療行為に留まらず、社会心理学や臨床心理学の知見を活かし、復職後の持続可能な働き方を実現するための包括的な支援です。
リワークの普及と質の向上が進めば、メンタル不調からの早期回復と職場定着率の向上に大きく貢献するでしょう。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27 サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。