悩みを手放す心理カウンセリング的アプローチ
2024/09/16
皆さん、こんにちは
心理カウンセラーの駒居です。
今日は、どうしても手放せない悩みとどう向き合うか、ということを心理カウンセラーの立場からお話ししたいと思います。
まず、悩みが尽きないときや、悩みがずっと頭の中から離れないときは、その悩みが本当に必要なのか、一度立ち止まって考えてみることが有効です。
実は悩むこと自体が悪いわけではありません。しかし悩んだ結果が何も変わらないなら、その時間やエネルギーは無駄になってしまいます。これを、少し臨床心理学や心理カウンセリングの観点から考えてみましょう。
例えば、臨床心理学では「反芻思考(はんすうしこう)」という概念があります。
これは、過去の出来事や将来の不安について、繰り返し同じことを考え続けることです。
反芻思考は、特にネガティブな内容に対して強く現れることが多く、これが心の健康に悪影響を与えることがわかっています。
悩みすぎると、脳が問題解決ではなく、その悩みにとらわれてしまうため、結果として何も改善されないことがあるのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
まず、悩んでいる問題が「悩むことで解決できるものかどうか」を見極めることが大切です。
つまり、悩むこと自体を「役に立つものかどうか」という観点から見直すのです。
もし、悩んでも結果が変わらないことなら、その悩みを手放す勇気が必要です。
悩んでも変わらないということは、その悩みは「(少なくとも精神衛生的には)役に立たない悩み」という事が言えます。
つまり、考え続けても気分を落ち込ませるだけで、何か有益な結果を出してくれない悩みということが言えるのです。
臨床心理学の観点から考えると、問題が解決できない状況では、受け入れることがストレスを軽減する鍵ということが言えます。
これを「受容」と言い、ストレスや不安を減らす効果があるとされています。
具体的な方法としてはマインドフルネスによって受容するというものが代表的なものです。
一方で、悩むことで結果が変わる可能性がある場合には、その悩みを前向きに活用するということを選択すると良い結果に結びつきやすくなります。
具体的には、「どうすれば問題が解決できるのか」「どのように行動すればよいのか」といった、建設的な問いを自分に投げかけることが重要です。
これは「問題解決志向」のアプローチで、臨床心理学や心理カウンセリングでも推奨される方法です。
特に認知行動療法と呼ばれる心理カウンセリングの技法だと「問題解決技法」と呼ばれるものです。
悩みを単なるストレス要因として捉えるのではなく、行動に結びつけるためのきっかけとするのです。
さらに、臨床心理学の研究では、行動を伴う悩みは、自己効力感(自分にはできるという感覚)を高めることが示されています。
自分が問題に対して何かしらのアクションを起こすことで、コントロール感が得られ、それが心理的な安定につながるのです。
ですので、もし今あなたが悩んでいることがあるならば、まずはその悩みが解決可能かどうかを見極めてみてください。
そして、もし解決が現時点でできないのであるならば、その悩みは「役に立たないもの」として手放す、具体的には受容するようにしましょう。
また、もしも解決可能であるならば、小さなアクションでも良いので、少しでも行動を起こしてみましょう。
たとえ小さな一歩でも、それがモヤモヤを解消し、心を軽くする手助けになります。
最後に、悩む時間が長くなると、それだけで精神的な負担が増してしまいます。
繰り返しになりますが、悩むこと自体が悪いわけではありません。
ただ、悩む時間を短縮するために、悩みに対して適切に向き合うことが、より健康的な心の状態を保つ秘訣です。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。