ネガティブでも、心を穏やかにするヒント
2024/10/22
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、今回はネガティブな状態でいることのつらさと、ポジティブ思考について考ええてみたいと思います。
ポジティブ思考の強要が辛い現実
近年、「ポジティブシンキング」「ポジティブ思考」が幅広く推奨されていますが、これに強要されることで、逆にストレスや苦痛を感じている方も少なくありません。
「自分はネガティブなのに、どうしてポジティブに考えられないのか」と自分を責め、心の負担を増してしまうのです。
ポジティブに考えることができる人もいれば、どうしてもネガティブに考えざるを得ない人もいることを理解し、無理にポジティブになろうとしなくても良いのです。
実はポジティブ思考は必要ない?
ポジティブ思考が必ずしも必要ではない理由はいくつかあります。
以下にその詳細を示します。
現実的な評価の重要性:
ポジティブ思考は、時に現実から目を背ける原因になります。
困難な状況に直面しているとき、ポジティブな見方を強いることで、問題を適切に評価できなくなることがあります。
例えば、課題や問題を無視したり、軽視したりすると、根本的な解決を図れない可能性が高くなります 。
感情の表現:
ネガティブな感情を無視したり抑圧したりすることは、心の健康に悪影響を及ぼします。
感情を抑えることで、ストレスや不安が増加し、最終的にはうつ病や不安障害などの精神的健康問題を引き起こす可能性があります 。
研究では、感情を表現することが心の回復に寄与することが示されています。
自己受容の促進:
自己受容は、自己肯定感を高める重要な要素です。
ポジティブ思考に強制されると、自分自身を否定的に捉えがちです。
自己受容は、ネガティブな感情や思考を受け入れることによって実現され、これが心の平穏をもたらすとされています 。
バランスの取れた視点:
ポジティブだけでなくネガティブな視点を持つことで、よりバランスの取れた判断ができるようになります。
ネガティブな思考も含めて考えることで、リスクを適切に評価し、より良い意思決定ができるようになります。
これにより、個人の成長や発展にも寄与します 。
社会的なつながり:
ネガティブな感情を共有することで、他者とのつながりが深まります。
感情を共有することで共感を得やすくなり、人間関係の強化につながります。
ポジティブシンキングを強要されると、孤独感や疎外感を感じることがあるため、率直なコミュニケーションが重要です 。
これらの理由から、ポジティブ思考を強制されることなく、自分自身の感情や思考を受け入れることが重要であるとされています。
心の健康を保つためには、ネガティブであってもそれを大切にし、心穏やかに過ごす方法を見つけることが大切です。
ネガティブでも心穏やかに過ごすためのヒント
ネガティブな感情を抱いているときでも、心穏やかに過ごすためのヒントはたくさんあります。
ここでは、ポジティブな思考や行動に切り替えるのではなく、ネガティブな状態を受け入れ、より良い心の安定を得るための方法を詳しく紹介します。
1. ネガティブな感情を受け入れる
まず重要なのは、自分のネガティブな感情を受け入れることです。
「自分はネガティブだ」と思ったとき、それを否定するのではなく、その気持ちを認識しましょう。
この感情は、一時的なものであり、誰にでも訪れるものです。
感情を抑え込むのではなく、自分に許可を与えることで、心が少し軽くなるかもしれません。
2. 感情を言葉にする
ネガティブな感情を内に秘めておくと、ストレスが増すことがあります。
思っていることを紙に書いたり、信頼できる友人に話したりすることで、自分の感情を外に出すことができます。
このようにすることで、感情の整理が進み、心が穏やかになる効果が期待できます。
3. ルーチンを持つ
日常生活の中で安定したルーチンを持つことは、心の安定に寄与します。
たとえば、毎日の散歩や、決まった時間に読書をすることなど、心が落ち着く活動を取り入れましょう。
ルーチンを守ることで、予測可能性が生まれ、安心感を得やすくなります。
4. マインドフルネスの実践
マインドフルネスは、現在の瞬間に意識を向ける練習です。
呼吸に意識を集中させることで、過去や未来の不安から解放され、現在に焦点を当てることができます。
簡単な呼吸法を取り入れて、心を穏やかに保ちましょう。
呼吸を意識することで、感情の波に翻弄されずに済む場合もあります。
5. 小さな喜びを見つける
ネガティブな感情の中でも、小さな喜びを見つけることが大切です。
日々の中で、「美味しいコーヒーを飲む」「好きな音楽を聴く」「ちょっとした散歩を楽しむ」といった小さな体験に目を向けてみましょう。
こうした瞬間が、心の穏やかさを保つ助けとなります。
6. カウンセラーに相談する
ネガティブな感情が持続する場合、心理カウンセラーなどの専門家に相談することも一つの手です。
心の専門家は、あなたの感情に対して適切なサポートを提供してくれます。
時には、誰かに話を聞いてもらうだけでも心が軽くなることがあります。
7. 自分のペースを大切にする
ネガティブな状態にあるときは、無理にポジティブな思考に切り替えようとせず、自分のペースで過ごすことが重要です。
他人と比較したり、期待に応えようとしたりせず、自分自身を大切にする時間を持ちましょう。自分の気持ちを優先させることで、心の安定が得られます。
ネガティブであっても、心穏やかに過ごすことは可能です。
自分の感情を受け入れ、小さな幸せを見つけ、心を軽く保つ工夫をすることで、毎日をより豊かに過ごせるようになるでしょう。
ポジティブであることが強要されることなく、自分の感情に正直に生きることが大切です。
最後に
ネガティブな感情を抱えたままで心穏やかに過ごすことは可能です。
自分自身を受け入れ、無理にポジティブになろうとせず、日常の中で小さな喜びを見つけることが重要です。
もし、その過程で不安や孤独を感じたときは、ぜひカウンセリングサービスの利用を検討してください。
カウンセラーと話すことで、自分の気持ちを整理し、新たな視点を得ることができます。
神戸市、芦屋市、西宮市には多くのカウンセリングサービスがありますので、安心してサポートを受けることができるでしょう。
あなたは一人ではありません。自分を大切にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
参考論文
Positive illusions and well-being revisited: separating fact from fiction
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こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27 サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871
兵庫でメンタルケアを実施
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。