仕事もプライベートも充実させる回復方法をカウンセラーが解説!
2024/11/21
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、現代の多忙な社会では、職場のストレスが健康や仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼしています。
「ストレスは避けられない」と感じる人も多いでしょう。
しかし、ストレスに対抗する鍵は、ストレスそのものではなく、その後の回復にあるのです。
神戸、芦屋、西宮エリアでも多くの方が日々のストレスに悩んでいますので、このブログでは、「Take Action, Recover Well? The Role of Daily Proactive Recovery Strategies for Recovery, Stress, Affect, and Next-Day Performance」という研究を基に、ストレス軽減と回復の方法を心理カウンセラーの視点からご紹介します。
日々のストレスをどう解消する?回復戦略の基本
この研究では、日々のストレスを解消し、心身のエネルギーを回復するための具体的な回復のための方法が議論されています。
これらの回復の方法は、ストレス管理だけでなく、翌日のパフォーマンス向上にも寄与することが示されています。
ここでは、論文をもとに回復の方法、つまり「回復戦略」の基本を詳しく解説します。
1. 回復戦略の重要性
職場や日常生活でのストレスは、多くの人々にとって避けられないものです。
しかし、ストレスそのものが問題ではなく、どのように回復するかが心身の健康を維持する鍵となります。
適切な回復戦略を取り入れることで、以下のような効果が期待されます。
●心身の疲労を軽減する
●ポジティブな感情を増やす
●集中力や創造力を高める
●長期的な健康リスク(バーンアウトや慢性疾患)を予防する
2. 回復戦略の分類とその特徴
研究では、回復戦略をプロアクティブ回復戦略と非回復的行動の2つに大別しています。
(1)プロアクティブ回復戦略
「プロアクティブ」とは、先手を打って能動的に行動する、または主体的な行動を意味します。
プロアクティブ回復戦略は、心身のエネルギーを意識的に回復させるための積極的な行動を指します。
以下に、主な回復戦略を詳しく説明します。
回復的活動
●運動、趣味、瞑想など、リフレッシュできる活動。
●科学的にストレス軽減効果が認められた活動(例:ヨガや散歩)。
効果
●ストレスホルモンの減少(コルチゾールレベルの低下)。
●気分の改善とポジティブ感情の増加。
心理的切り離し(Psychological Detachment)
●仕事やストレス源から意識的に離れること。
●たとえば、勤務終了後に仕事のメールを見ない、プライベート時間を確保する。
効果
●心理的なリフレッシュが促進され、ネガティブ感情が軽減される。
●認知的リソースが回復し、翌日の集中力や問題解決能力が向上。
新しい活動への挑戦
●学びや趣味に時間を使うことで、自己成長を感じる活動。
●たとえば、料理を学ぶ、楽器を練習するなど。
効果
●成功体験がポジティブ感情を増やし、自己効力感を高める。
(2)非回復的行動(プロアクティブでない回復戦略)
非回復的行動(プロアクティブでない回復戦略)は、短期的なストレス緩和に見えるものの、実際には心身の回復を妨げる行動を指します。
仕事の延長
●プライベートな時間にも仕事を続ける(例:メール返信、書類作成)。
●一見、生産性を高めるように思えるが、長期的には疲労が蓄積。
回避行動
●飲酒、暴飲暴食、ネットサーフィンなど、問題から一時的に目を逸らす行動。
●これらの行動は、ストレス源に対処するわけではなく、短期的な快楽に過ぎない。
非回復的行動のリスク
●心理的負担の増加(解決されないストレスが蓄積)。
●翌日の集中力や生産性の低下。
●健康リスクの増加(睡眠不足や体重増加など)。
プロアクティブな回復戦略の効果
この研究では、プロアクティブな回復戦略がどのように日常のストレス軽減や翌日のパフォーマンス向上に寄与するかが詳しく分析されています。
ここでは、その具体的な効果を論文の内容に基づいて詳しく解説します。
1. プロアクティブな回復戦略とは?
プロアクティブな回復戦略とは、ストレスから心身を意識的に回復させるために、積極的に取り組む活動や行動を指します。
具体的には以下のような活動が含まれます。
先述しましたが、改めてコンパクトにご説明いたします。
(1)回復的活動
●運動(例:ジョギングやヨガ)
●趣味(例:アート、音楽、ガーデニング)
●リラクゼーション(例:深呼吸、瞑想)
(2)心理的切り離し(Psychological Detachment)
●仕事やストレス源から意識的に距離を置く行動。
●たとえば、勤務終了後は仕事のメールを確認しない、仕事に関する思考を止める。
(3)新しい体験への挑戦
●新しいスキルを学ぶ、興味のある分野に挑戦するなど、自己成長を目的とした活動。
2. プロアクティブな回復戦略の効果
(1)心理的効果
ポジティブ感情の増加
プロアクティブな回復戦略は、ポジティブな感情を引き出す効果があります。
たとえば、運動や趣味に取り組むことで、達成感や楽しさを感じることができ、幸福感が高まります。
具体例
運動やリラクゼーションを日課に取り入れた場合、ポジティブ感情が平均20%増加したと報告されています。
(2)ネガティブ感情の軽減
心理的切り離しは、ストレスや不安感を軽減する効果があります。
仕事やプレッシャーから一時的に距離を置くことで、心の平穏を取り戻すことが可能です。
具体例
仕事から心理的に切り離す時間を確保した被験者は、ネガティブ感情が平均15%低下したとされています。
(3)生理的効果
ストレスホルモンの減少
プロアクティブな回復戦略、特に運動や瞑想は、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑える効果があります。
これにより、心身がリラックスし、ストレス耐性が向上します。
具体例
毎日15分の瞑想を行った被験者では、コルチゾールレベルが10%以上低下しました。
(4) 身体のリフレッシュ
適度な運動は、血流を促進し、筋肉の緊張を緩和します。
また、適切な運動は睡眠の質を向上させるため、翌日のエネルギーを高める効果もあります。
3:認知的効果
(1)集中力の向上
心理的切り離しを実践した日は、認知的リソースが回復し、翌日の集中力や問題解決能力が向上します。
これにより、仕事や学業においてより効率的に取り組むことが可能になります。
具体例
心理的切り離しを行った被験者は、翌日のタスク集中スコアが平均25%向上しました。
4:創造性の増加
新しい活動への挑戦や趣味に取り組むことで、脳がリフレッシュされ、創造的なアイデアが生まれやすくなります。
5:社会的効果
(1)人間関係の改善
趣味や社会的活動を通じて、家族や友人との交流が増えることで、信頼関係や絆が深まります。
これにより、孤立感が軽減され、精神的なサポートを受ける機会が増えます。
(2)コミュニケーションの質の向上
心身がリフレッシュされると、他者と接する際の余裕が生まれ、より良いコミュニケーションが可能になります。
(3)翌日のパフォーマンスへの影響
プロアクティブな回復戦略を行うことで、翌日のパフォーマンスが飛躍的に向上することが論文で確認されています。
生産性の向上
疲労やストレスが軽減されることで、業務効率が高まり、短時間で成果を出せるようになります。
意思決定能力の改善
認知的リソースが回復することで、冷静で的確な意思決定が可能になります。
モチベーションの持続
回復戦略を取り入れることで、「また頑張ろう」という前向きな気持ちが持続します。
6:プロアクティブ回復戦略を持続させるために
効果的なプロアクティブ回復戦略を継続するためには、次のようなポイントに留意すると良いでしょう。
小さな習慣から始める
毎日10分の散歩や深呼吸など、簡単に実行可能な活動から始める。
自己を振り返る時間を設ける
どの戦略が自分に最適かを定期的に見直すことで、効果を最大化する。
環境を整える
仕事とプライベートの境界線を明確にし、回復戦略を行う時間を確保する。
プロアクティブな回復戦略は、ストレス軽減、ポジティブ感情の増加、集中力や創造力の向上など、多くの心理的・生理的・認知的効果をもたらします。
この戦略を日常生活に取り入れることで、ストレスに強い心と体を育てるだけでなく、翌日のパフォーマンスを大きく向上させることができます。
最初は小さな一歩から始め、回復を習慣化することが鍵です。
おわりに:ストレス管理は未来への投資
日々のストレスを軽減し、明日をもっとポジティブに迎えるためには、プロアクティブな回復戦略が不可欠です。
ストレスに立ち向かう力を身につけることで、仕事もプライベートも充実したものにすることができます。
神戸、芦屋、西宮のカウンセリングサービスでは、ストレス管理や回復戦略に特化したサポートを提供しています。
ストレスに対するセルフケアも行いながら、必要に応じて専門のカウンセラーのサポートも検討してみてくださいね。
参考論文
----------------------------------------------------------------------
こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27 サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871
----------------------------------------------------------------------
この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。