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心の平穏を取り戻す実践スキル:自己安定化とは?~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングの実例より~

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心の平穏を取り戻す実践スキル:自己安定化とは?

心の平穏を取り戻す実践スキル:自己安定化とは?

2024/11/26

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、日々の生活の中で、私たちは様々なストレスや不安と向き合っています。

 

仕事や家庭、対人関係など、多くの要因が心の負担となることがあります。

 

そんなときに重要なのが、自分自身を落ち着かせ、感情を安定させる「自己安定化(Self-Soothing)」のスキルです。

 

今回は、心理学の観点から自己安定化を解説した「Self-Soothing: Definition + 14 Techniques & Skills」という研究をもとに、自己安定化の具体的な技術やその効果についてご紹介します。

 

この記事を通じて、日常生活で活用できる実践的なスキルを獲得し、心の平穏を取り戻す参考になれば幸いです。

 

自己安定化とは?


自己安定化(Self-Soothing)の定義


自己安定化とは、ストレス、不安、悲しみ、怒りなどの強い感情に圧倒されずに、自分自身で心を落ち着かせ、精神的な安定を取り戻すためのスキルやテクニックの総称です。

 

このスキルは、心理学的な感情調整(Emotion Regulation)の一部であり、内外のストレス要因に対して、自分を安心させる手段を持つことを指します。

 

自己安定化の目的


自己安定化の目的は、感情の嵐に飲み込まれることなく、冷静でバランスの取れた状態を取り戻すことです。

 

これにより、以下のような効果が得られます

 

・問題解決能力の向上
・自己効力感(自分で状況を乗り越えられるという感覚)の増大
・他者との円滑なコミュニケーション
・心身のリフレッシュとストレス軽減


自己安定化の重要性


私たちを取り巻く社会は、仕事のプレッシャー、家庭内の課題、情報過多、社会的孤立など、多くのストレス要因で溢れています。

 

その中で、自己安定化スキルは、自分の感情を調整し、健康的な生活を送るために不可欠なツールとなります。

 

例えば、突然のトラブルや対人関係での衝突があった場合、自己安定化スキルがあれば、冷静に対応する力が養われ、感情的な決断を避けることができます。

 

また、このスキルを持つことで、精神的な柔軟性が高まり、不安やストレスに対処しやすくなります。

 

自己安定化が有効な場面


自己安定化は、日常生活のさまざまな場面で役立つスキルです。

 

感情のコントロールやストレスの緩和を目的としたこのスキルは、特に以下のような状況で効果を発揮します。

 

1. 日常生活のストレスへの対応


(1)職場でのストレス

 

プレッシャーの緩和

仕事の締切や上司からのフィードバック、同僚との競争など、日常的に感じる職場のストレスを軽減します。


例:重要な会議前に深呼吸を行うことで、緊張を和らげて冷静な状態を保つ。


集中力の向上

自己安定化スキルを活用することで、気持ちを落ち着かせ、目の前のタスクに集中できる環境を整えます。


(2)家庭でのストレス

 

親子関係

子どもの反抗や家庭内での予期せぬトラブルが発生した際、冷静な対応が求められる場面で役立ちます。


例:子どもが宿題を拒否しているときに、一呼吸置いて気持ちを整え、感情的にならずに対応する。


家事負担

家事や育児での過労感を感じた際、自己安定化を取り入れることで、感情のリセットが可能です。


2. 対人関係の調整


(1)友人やパートナーとのコミュニケーション

 

感情的な反応を抑える

些細なことでイライラしたり、誤解から生じた衝突を回避するために有効です。


例:感情的なメールやメッセージを送る前に、深呼吸や一時的にその場を離れることで冷静さを取り戻す。


共感的な態度の強化

自己安定化は、感情を整理することで他者の気持ちを受け止めやすくし、より深い共感的な対話を可能にします。


(2)新しい人間関係の構築

 

緊張の軽減

初対面の人や大勢の前での会話に不安を感じたとき、自己安定化スキルを使うことでリラックスできます。


例:イベントや交流会で深呼吸を取り入れ、笑顔を意識することで自然に場に馴染むことが可能です。


3. 健康的な習慣の維持


(1)食生活の改善

 

感情的な過食の抑制

ストレスや不安から過食に走りがちな場合、自己安定化スキルを使うことで、衝動的な行動を防ぎます。


例:イライラして食べすぎそうなときに、手を温かいタオルで包み、感覚に意識を向けることでリラックスする。


(2)睡眠の質向上

 

寝つきの改善

日中のストレスや考え事で寝つけない夜に、リラックスするテクニックを活用することで、心地よい睡眠環境を整えます。


例:就寝前に瞑想やボディスキャンを行い、体と心の緊張を解放する。


4. 感情の波への対処


(1)突然の怒りや不安感

 

感情を抑える

自己安定化スキルは、感情が高ぶりやすい場面で冷静な行動を取るために役立ちます。


例:電車の遅延や待ち時間のストレスを感じたときに、ポジティブな自己対話を行うことで、焦りやイライラを鎮める。


(2)悲しみや喪失感への対応

 

バランスを保つ

友人との些細な誤解や期待が外れたときの落ち込みを自己安定化で乗り越えることができます。


例:失敗したときに、自分を責めるのではなく、ポジティブな側面に目を向けるリフレーミングを行う。


5. 環境の変化への適応


(1)新しい環境への不安

 

変化への抵抗感を和らげる

転職や引っ越しなど、大きな変化がある場面で、自己安定化を活用することで新しい環境に馴染むサポートが得られます。


例:慣れない環境で、自分の好きな香りや音楽を取り入れ、安心感を得る。


(2)日常のイライラの解消

 

小さなストレスへの対応

満員電車や長い待ち時間といった日常的なイライラを和らげる。


例:通勤中にリラクゼーション音楽を聴いたり、深呼吸をして緊張をほぐす。

 


自己安定化は、大きな危機的状況だけでなく、日常生活で誰もが直面するような小さなストレスにも効果的です。

 

これらのスキルを活用することで、心の平穏を保ちながら、困難な状況に柔軟に対応する力を養うことができます。

 

自己安定化の具体的なテクニック


研究では、自己安定化のための14の具体的な方法が紹介されています。

 

ここでは、それらをいくつかのカテゴリに分けてご紹介します。

 

1. 身体的アプローチ


深呼吸

ゆっくりと息を吸い、吐くことで自律神経を整えます。


身体の緊張と緩和

全身の筋肉を順番に緊張させ、緩めることでリラックス効果を得られます。


軽い運動

ストレッチやウォーキングなどの軽い身体活動が心身をリフレッシュさせます。


2. 感覚を活用する方法


触覚

柔らかいブランケットに触れたり、温かい飲み物を手に持つことで安心感を得ます。


視覚

自然の風景や癒される写真を見ることでリラックスします。


音楽

落ち着く音楽や好きなメロディーを聴いて気分を和らげます。


3. 認知的アプローチ


ポジティブな自己対話

自分に優しい言葉をかけることで、不安や否定的な感情を和らげます。


リフレーミング

問題を異なる視点から見直し、新たな解釈を加えることで気持ちを軽くします。


感謝の練習(コンパッションのスキル)

日々の中で感謝できることをリストアップすることで、ポジティブな感情を増やします。


4. マインドフルネスと瞑想


瞑想

静かな環境で呼吸に意識を集中させ、心を穏やかにします。


ボディスキャン

身体の各部分に意識を向け、緊張を感じる場所を緩める練習です。


5. 行動的アプローチ


趣味や創造的活動

絵を描く、料理をするなど、好きな活動を通じてリラックスします。


自然と触れ合う

公園や森を散歩することで、自然の癒し効果を受けます。


安心できる環境での休息

静かな場所で自分だけの時間を持つことで心を整えます。

 

ストレス対策に「準備」が大切な理由とその方法


ストレスの多い現代社会では、予測できない出来事に対処する力が求められます。

 

自己安定化スキルを有効に活用するためには、「ストレスを感じたらどうするか」を事前に考え、準備しておくことが重要です。

 

これにより、感情に圧倒される前に適切な対応ができ、心のバランスを取り戻しやすくなります。

 

準備の重要性


ストレスは突然やってきます。

 

そのため、その場で適切な対応を考えるのは難しく、感情的になりやすい状況では冷静な判断ができないこともあります。

 

しかし、事前に「自分はどのように対処すべきか」を整理しておけば、迷わず行動に移せるため、感情がエスカレートするのを防ぐことができます。

 

ストレス対策のための準備方法


(1)自分のストレスサインを把握する

 

ストレスを感じたときの身体的・心理的な反応(肩の緊張、胸のドキドキ、不安感など)を知っておきましょう。

 

これを知ることで、「今、自分はストレスを感じている」と早めに気づくことができます。


(2)自己安定化スキルのリストを作成する

 

自分にとって有効なスキルをリストアップし、どの場面でどのスキルを使うか決めておきます。

 

先にあげた対処法の中から、ストレス場面においては何をするのかを決めておきます。


(3)「ストレスキット」を用意する

 

ストレスに対処するための道具を物理的に準備するのも効果的です。

 

たとえば、以下のものを用意するとよいでしょう。


・リラックスできる音楽が入ったイヤホンやスマホ。
・好きな香りのアロマやハンドクリーム。
・メモ帳とペン(感情を書き出すため)。


(4)対処のステップを決める

 

「ストレスを感じたらどう行動するか」を段階的に決めておきましょう。

 

例えば…


・ストレスを感じたら深呼吸をする。
・安心できる場所に移動する。
・必要に応じて誰かに相談する。


(5)練習を重ねる

 

準備したスキルは、いざというときにスムーズに使えるよう、日常の小さなストレスで練習しておくことが大切です。

 

練習によって、スキルが習慣化し、無意識に使えるようになります。


事前準備の効果


ストレスに直面したときに対処法が頭に浮かび、すぐに行動に移せると、気持ちが軽くなるだけでなく、「自分はこの状況をコントロールできる」という自己効力感が高まります。

 

また、準備するプロセスそのものが、自己安定化スキルの一環となり、安心感を生み出します。

 


このように、自己安定化のスキルは、事前の準備があってこそ真価を発揮します。

 

日頃から「自分にとって最適な方法は何か」を考え、実践を重ねておくことで、ストレスフルな場面でも冷静に対処できる自分を作り上げましょう。

 

神戸、芦屋、西宮エリアでカウンセリングを利用することも、ストレス対策の一環として有効です。安心して対処できる毎日を目指して、一歩を踏み出してみてください。

 

参考論文

Self-Soothing: Definition + 14 Techniques & Skills

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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