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仕事と家庭のストレスが心に与える影響:不安とうつ症状との関係を解説

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仕事と家庭のストレスが心に与える影響:不安とうつ症状との関係を解説

仕事と家庭のストレスが心に与える影響:不安とうつ症状との関係を解説

2024/12/04

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、「最近、仕事の締め切りに追われ、家に帰れば家事や育児が待っている。頭ではわかっているのに、心が疲れてしまう。」


こんな感覚を抱えている方はいませんか?

 

私たちを取り巻く環境では、職場と家庭の両方で求められる役割に圧倒され、多くの人がストレスを感じています。

 

このようなストレスが積み重なると、心の健康に影響を及ぼし、不安やうつの症状を引き起こすことがあります。

 

このブログでは、心理学での研究結果の観点から、仕事と家庭におけるストレスが不安症状やうつ症状にどう関係するのかを詳しく解説します。

 

そして、実際にストレスを軽減し、心の健康を守るための具体的な方法をご紹介します。

 

職場や家庭におけるストレスと心の健康との関連

 

「Work and home stress: associations with anxiety and depression symptoms」という研究論文では、職場と家庭におけるストレスがどのように心の健康に影響を与えるのかを調査しました。

 

この研究では、職場の仕事量や対人関係の問題、家庭での役割分担や家族間の摩擦が、心理的な不安やうつ症状にどのように関与しているのかが分析されています。

 

1. 職場のストレスと心理的健康


1:高い仕事負荷と役割の過剰性


職場でのタスクが多すぎる、または役割が過剰に求められる状況が、不安やうつ症状を引き起こすリスク要因となります。


特に、タスクを効率的に処理できない環境や、目標が曖昧で達成感を得られない場合、精神的な疲労感が増幅されます。


2:職場での対人関係の問題


職場での対人関係(例: 上司や同僚との摩擦、孤立感)が、心理的ストレスを高める大きな要因であることが確認されました。


上司や同僚からの支援が少ないと、ストレスの悪影響が増幅される傾向があります。


3:職場ストレスの緩衝要因


職場での感情的サポート(例: 上司の理解、同僚との協力)は、ストレスの影響を軽減し、不安やうつのリスクを下げる効果が確認されました。


2. 家庭のストレスと心理的健康


1:家庭内での役割衝突


家庭内での役割(例: 育児、家事)が重なりすぎると、特に女性でうつ症状のリスクが増加します。


例えば、育児とフルタイムの仕事を両立しようとする際、時間やエネルギーの不足がストレスの原因となります。


2:配偶者や家族間の対人関係


配偶者や家族間での意見の不一致、サポート不足は、家庭ストレスの大きな要因です。


家族との関係が悪化すると、ストレスが蓄積し、不安やうつ症状が現れる可能性が高まります。


3:家庭ストレスの緩衝要因


家族からの感情的な支援(例: 配偶者が積極的に協力する、温かい対話がある)は、家庭内のストレスを軽減し、心理的健康を守る重要な役割を果たします。


3. 職場と家庭のストレスが相互作用する影響


1:ネガティブな相乗効果のリスク


職場と家庭で同時に高いストレスを抱えると、不安やうつのリスクが相乗的に増加することが確認されました。


例えば、職場での過剰な仕事負荷と家庭内での育児のプレッシャーが重なると、両者が心理的健康に悪影響を与える傾向があります。


2:ワーク・ライフ・バランスの重要性


ワーク・ライフ・バランスの欠如が、精神的健康を悪化させる大きな要因です。


特に、職場と家庭の間での切り替えができず、どちらの役割にも追われ続ける場合、心身の疲労が蓄積し、不安やうつ症状を引き起こす可能性が高くなります。


4. 再発率と長期的影響


1:職場ストレスの長期的影響


職場のストレスは、短期間では回復可能であっても、長期的に継続する場合、うつ症状が慢性化する可能性があります。


また、ストレスによる心身の影響がパフォーマンス低下につながり、それが再びストレスを生む悪循環が生じるリスクがあります。


2:家庭ストレスの長期的影響


家庭内でのサポート不足や衝突が続くと、自己効力感が低下し、不安やうつが慢性化しやすくなります。


特に、感情的なサポートが欠けた環境では、心理的健康がさらに悪化することが示唆されています。


総合的な結果


●職場と家庭のストレスは、それぞれが独立して不安やうつ症状のリスクを増加させることが確認されました。


●さらに、職場と家庭のストレスが同時に存在する場合、心理的健康への影響は相乗的に大きくなります。


●ワーク・ライフ・バランスを整えることが、ストレス軽減において極めて重要であることが示されています。


この研究は、ストレス源ごとに異なる対処法が必要であることを示しており、特に職場や家庭でのサポート環境の整備が、不安やうつ症状の軽減において重要な鍵となることを明らかにしています。

 

実践的な提案:ストレス軽減と心理的健康を守るために


ここでは、論文の研究結果をもとに仕事と家庭でのストレスを軽減し、心理的健康を保つための具体的な方法を以下に詳しく解説します。

 

1. ワーク・ライフ・バランスを見直す


ストレス軽減のためには、仕事と家庭の役割を適切に管理し、バランスを取ることが重要です。

 

1:タスクの優先順位をつける


1日の中で行うべきタスクをリスト化し、「重要かつ緊急なもの」「重要だが緊急でないもの」など、優先順位を明確にします。これにより、ストレスの原因となる過剰な負担感を軽減できます。

 

2:「断る勇気」を持つ


職場や家庭での過剰な要求に対して「ノー」と言うスキルを身につけることも重要です。

 

自分の限界を超えた仕事や役割を引き受けないことで、負担を減らすことができます。

 

3:柔軟な働き方を検討する


可能であればリモートワークや時短勤務など、柔軟な働き方を取り入れることで、家庭やプライベートの時間を確保できます。

 

2. 職場でのストレスを軽減する


職場でのストレスを軽減するために、周囲との適切なコミュニケーションとサポートの活用が重要です。

 

1:上司や同僚に相談する


負担が大きいと感じた場合、率直に状況を上司や同僚に伝えましょう。

 

「助けてほしい」と言うことは決して弱さではありません。

 

適切なコミュニケーションにより、タスクの再分配や支援が得られる可能性があります。

 

2:職場のメンタルヘルス支援を活用する


多くの企業では、従業員向けにメンタルヘルス支援プログラムやカウンセリングを提供しています。

 

これらを活用することで、ストレスを適切に管理するためのサポートを受けることができます。

 

3:ミニ休憩を取り入れる


長時間の集中作業が続くと、心身の疲労が増します。

 

1~2時間ごとに短い休憩を取り、深呼吸や軽いストレッチを行いましょう。

 

3. 家庭内のコミュニケーションを改善する


家庭内での負担を軽減するためには、家族とのコミュニケーションを見直すことが必要です。

 

1:役割分担の話し合い


家事や育児の負担が一人に集中しないよう、家族と話し合って役割を分担します。

 

具体的なタスクをリスト化し、それぞれの負担感を共有することが重要です。

 

2:感情を共有する時間を持つ


家族間での感情的なつながりを強めるために、定期的に「今日はどうだった?」と聞き合う時間を作りましょう。

 

これにより、家族内のストレスを緩和しやすくなります。

 

3:子どもとの質の高い時間を確保する


親子間で楽しい活動(例:ゲームや読書)を取り入れることで、ポジティブな家庭環境を築くことができます。

 

4. 自己ケアとストレス管理を実践する


日常生活で自己ケアを習慣化することで、ストレスを軽減し、心の健康を保つことができます。

 

1:マインドフルネスや瞑想


マインドフルネスや瞑想を取り入れることで、ストレス反応を抑え、リラックスした状態を作り出せます。

 

1日5分でも、静かな場所で呼吸に意識を向ける時間を持つことが効果的です。

 

2:適度な運動を取り入れる


ウォーキングやヨガなど、軽い運動を日常生活に取り入れることで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えることができます。

 

3:睡眠を優先する


質の高い睡眠を確保することは、心身のリカバリーに欠かせません。

 

就寝前のスマートフォン使用を控え、リラックスできる環境を整えましょう。

 

5. 専門的サポートを活用する


ストレスが慢性化している場合や、不安やうつ症状が現れている場合は、専門的なサポートを検討してください。

 

1:心理カウンセリングを利用する


神戸、芦屋、西宮エリアで提供されるカウンセリングサービスでは、職場や家庭でのストレスに特化したアプローチが受けられます。

 

専門のカウンセラーと話すことで、具体的な解決策や心の整理をサポートしてもらえます。

 

2:ストレス管理プログラムへの参加


セミナーやグループセッションを通じて、ストレス対処スキルを向上させることができます。

 

3:医療機関での相談


ストレスが身体的な不調を伴う場合は、心療内科や精神科で適切なアドバイスや治療を受けることも選択肢の一つです。

 


このようにストレスを軽減し、心理的健康を保つためには、仕事と家庭の両方でのバランスを取ること、セルフケアを習慣化すること、そして必要に応じて専門的なサポートを活用することが重要です。

 

一人で抱え込まず、身近なサポートやプロの助けを得ながら、心の健康を取り戻しましょう。

 

参考論文

Work and home stress: associations with anxiety and depression symptoms

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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