不安と上手く付き合って「大丈夫」になる方法
2025/01/04
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、最近はさまざまな社会的変化や予期しない出来事により、不安を感じることが多くなった方が増えているように感じます。
特に生活の変化や経済的な不安、将来への漠然とした心配は、多くの人々にとって深刻な悩みの種となっています。
そんな中、不安を感じやすい自分にどう向き合えばいいのか、どのように心のバランスを保つべきかと悩んでいる方も少なくないでしょう。
このブログでは、「不安」という感情と上手に付き合っていくための方法を紹介します。
不安を抱えながらも、心の平穏を取り戻すために実践できる具体的な方法を一緒に探していきましょう。
不安に振り回されやすい人の特徴
不安に振り回されやすい方には、いくつか共通する特徴があります。
これらの特徴は、心の状態や思考の癖に起因することが多く、意識して改善することができます。以下に、代表的な特徴を詳しく解説します。
1. 完璧主義である
完璧主義な方は、物事を「完璧にこなさなければならない」と感じるため、小さなミスや予期しない出来事に対して強い不安を抱えがちです。
完璧を目指すあまり、少しでも計画通りに行かないと、過剰に自己批判したり、失敗を極度に恐れたりします。
このような思考が積み重なることで、常に「最善でなければならない」というプレッシャーを感じ、不安が大きくなってしまうのです。
2. 未来への不確実性に過敏
不安を感じやすい方は未来に対する不確実性に敏感で、どうしても「もし○○になったらどうしよう」と考えてしまいます。
例えば、「もし病気になったら」「もしお金が足りなくなったら」といった漠然とした不安に悩まされ、未来に起こるかもしれない出来事を過剰に心配します。
これが習慣化すると、何も起きていないにも関わらず、先々のことに対する不安が日常的なものとなり、心の余裕を失ってしまいます。
3. 責任感が強すぎる
他人に対して強い責任感を感じすぎる方も不安になりやすい傾向があります。
特に、仕事や家庭、社会的役割において「自分が全てを背負わなければならない」という感覚を持っていると、プレッシャーが大きくなります。
このような方は、自分の行動が他者に与える影響を過剰に考えてしまい、思うように物事が進まないと不安を感じることが多いです。
特に、他者を守ろうとしすぎて自分自身を犠牲にすることで、心が疲れていきます。
4. 他人の評価を過剰に気にする
他人の評価に過敏になりがちな方も不安を感じやすい特徴があります。
自分がどう見られているか、他人が自分に対してどう思っているかを過度に気にしてしまい、そのことが常に頭を占めてしまいます。
このような方は、自分の意見や行動が他人にどう受け取られるかを気にしすぎるあまり、自分の感情を抑え込んでしまうことがあります。
このような思考の癖は、どうしてもストレスや不安を増大させる原因となります。
5. 自信が持てない
自分に自信がないと感じている方は不安に振り回されやすい傾向があります。
自分の判断や選択に自信が持てないため、些細な決断でも不安を感じ、結果として何をするにも不安が先行してしまいます。
自信を持てないことから、他人からの評価や意見に依存しがちで、それがさらに不安を増す要因となります。
6. 他人に影響されやすい
他人に影響されることが多い方も、不安に振り回されやすい傾向があります。
自分で解決するチカラを信じることができず、常に周囲の方に影響されてしまうため、他人の態度や言動に一喜一憂します。
相手の気持ちや意見に左右されることが多く、周囲の反応が自分の心の安定に大きな影響を与えるため、他者からの期待や評価が不安に繋がりやすくなります。
7. 未知の状況に対して極度に恐れを感じる
予測できない事態や変化に対して過度に不安を感じることも特徴です。
新しい環境や状況の変化に対して、恐怖や不安が先行してしまい、事前に心配しすぎて行動を起こせなくなることがあります。
例えば、新しい仕事や引っ越し、新しい人間関係が始まる前に不安を感じ、心の中でそのことばかりを反復してしまうというのが典型例です。
不安とうまく付き合うための方法
不安は、私たちの身を守るために重要な感情ですが、過度に不安に振り回されると、日常生活に支障をきたします。
特に不安になりやすい方は、無意識のうちに不安を強化してしまうことが多く、これが心の健康に悪影響を与えることもあります。
では、どうすれば不安とうまく付き合っていけるのでしょうか。
以下の方法を実践することで、不安をコントロールし、心の平穏を保つことができるでしょう。
1. 未来の不確実性から現実的な行動に目を向ける
不安の多くは「未来の出来事」に対する心配から生まれます。
「もし○○になったらどうしよう」「あの人に嫌われたらどうしよう」といった未来の不安は、実際には現実の行動に直結しないことが多いです。
まず重要なのは、未来の不確実な心配から、今できる現実的な行動に意識を移すことです。
これにより、過度な心配を避け、行動に対する安心感を得ることができます。
例えば、仕事でプレゼンがうまくいかなかった場合を心配しているとします。
この不安を感じるのは自然なことですが、その不安を解消するためにできる行動に目を向けましょう
・プレゼン内容を何度も練習する
・想定される質問に答えられるよう準備する
・事前に同僚にフィードバックをもらう
未来を心配するのではなく、今できることに集中することで、不安を減らし、準備をすることで自信も高まります。
2. 身体をリラックスさせる
不安が身体に与える影響は大きく、過度な不安は自律神経に乱れを生じ、動悸、息苦しさ、頭痛、胃痛など、身体的な不調を引き起こします。
身体をリラックスさせることは、不安を和らげる効果的な方法です。
簡単な深呼吸や筋肉のストレッチ、ウォーキングなどが、リラックス状態を促し、心の余裕を生み出します。
以下のような方法で体をリラックスさせましょう
深呼吸
→腹式呼吸を意識して、ゆっくりとした呼吸をすることで、自律神経を整えます。
ストレッチ
→肩や腰、首をストレッチして緊張を解きほぐします。長時間座りっぱなしの仕事後に行うと、体全体が楽になります。
軽い運動
→30分程度のウォーキングや軽いエクササイズは、ストレスホルモンを減少させ、エンドルフィンを分泌し、気分を高めます。
身体と心は深く繋がっているので、体をリラックスさせることで、不安を感じにくくすることができます。
3. 「不安な出来事の9割は起こらない」と自分に言い聞かせる
不安を感じているとき、私たちは最悪のシナリオを想像し、現実的でない心配をしてしまうことがあります。
しかし、「不安な出来事の9割は起こらない」という言葉を意識的に繰り返すことで、その不安を現実的な視点に戻すことができます。
なぜなら、多くの心配は、実際には何も起こらないか、起こっても自分が予想したほど深刻ではないことがほとんどだからです。
例えば、飛行機に乗る前に事故が心配で不安になることがありますが、実際には飛行機の事故率は非常に低いという事実を知っていると、心の中でその不安を軽減できます。
「いま自分が心配していることは、9割がた起こらない」と心の中で言い聞かせることで、冷静になり、過剰な心配を減らすことができます。
4. 自己肯定感を高める
不安に振り回される方の多くは、自己肯定感が低い傾向にあります。
自分に自信がないと、何か起こるたびに「どうせ自分には無理だ」「失敗したらどうしよう」と思いがちです。
自己肯定感を高めることは、不安に振り回されることを減らすために非常に重要です。
自分の強みや成功体験を振り返ることで、自分の価値を再認識し、不安を減らすことができます。
そこで、以下の方法で自己肯定感を高めましょう
・自分の成功体験を日記に書く
・毎日自分を褒めることを習慣にする
・他人と比較せず、自己成長に焦点を当てる
自分に自信が持てるようになると、突発的な不安にも強くなり、冷静に対処できるようになります。
5. 支援を求める
不安を感じたとき、自分一人で抱え込むことは多くの人にとって辛いことです。
もし、不安に振り回されていると感じたら、信頼できる人に話を聞いてもらうことを検討しましょう。
友人や家族、カウンセラーに話すことで、自分の気持ちが整理され、不安の大きさが軽減されることがあります。
また、プロのカウンセリングを受けることで、不安をコントロールする方法を学ぶこともできます。
信頼できる相手に話をすることは、心の重荷を軽くし、冷静に物事を考える助けになります。
最後に
~不安とうまく付き合うために意識したいこと~
不安は自然な感情であり、私たちを守るために重要な役割を果たします。
例えば、危険な状況を避けたり、困難に備えたりするための「警告サイン」として機能します。
しかし、過剰な不安は私たちの生活に不必要なストレスをもたらし、心身の健康を害することがあります。
そこで、不安と上手に付き合うための心構えを持つことが大切です。
1. 不安はコントロールできる感情だと認識する
不安は感情であり、必ずしも支配されるべきものではありません。
不安に振り回されないためには、まずその感情を「自分のもの」として受け入れることが重要です。
不安を感じる自分を責めたり、避けたりするのではなく、「今、不安を感じているな」と冷静に認識することで、不安に対するコントロールが始まります。
無理に不安を消し去るのではなく、うまく付き合う方法を見つけることが大切です。
2. 不安を抱えながら行動することを意識する
不安は「何かがうまくいかないかもしれない」という未来に対する恐れから生まれますが、その不安を感じたまま行動に移すことが、最も効果的な対処法です。
行動を起こすことで、意識的に不安を乗り越える体験が得られます。
例えば、プレゼンテーションの前に不安を感じているなら、それを感じたままでも練習を重ねたり、実際に発表したりすることで、成功体験が得られます。
行動することによって、自信を高め、不安が薄れていくのです。
3. 自分のペースで無理なく進む
不安に対処するために重要なのは、自分のペースを守ることです。
急激に不安を減らそうと焦る必要はありません。
小さなステップで少しずつ不安に立ち向かいながら、ペースを守りましょう。
大きな課題を一度に解決しようとせず、目の前の問題に対してひとつずつ取り組むことが、精神的にも健康的にうまくいくポイントです。
4. 心のサポートを求める
不安が過度に強くなる前に、心のサポートを求めることも有効です。
友人や家族、カウンセラーに話を聞いてもらうことで、不安を軽減することができます。
自分の感情を整理し、冷静に問題を見つめるための手助けをもらうことが、心の健康を保つためにとても有効です。
5. 自己理解を深め、不安のトリガーを知る
不安が生じる背景には、特定の思考パターンや過去の経験が関係していることがあります。
自分がどんな状況で不安を感じやすいのか、何が不安のトリガーになっているのかを理解することが、対策の第一歩です。
例えば、過去に失敗した経験が不安を引き起こしているのであれば、その経験を振り返り、学びとして受け入れることが役立ちます。
自己理解を深めることで、不安を軽減する方法を見つけやすくなります。
6. 未来を完全にコントロールできないことを認める
私たちはどうしても未来の出来事に対して過剰に心配してしまいがちです。
しかし、未来のすべてをコントロールすることはできません。
その事実を受け入れ、現在できる最善を尽くすことに集中することが、過度な不安を避ける鍵となります。
例えば、将来の不確実性に対して過剰に心配している時は、「今できる準備をして、後は過剰に考えない」と自分に言い聞かせてみましょう。
不安を完全に消すことはできないかもしれませんが、不安とうまく付き合う方法を学ぶことで、より安心して日々を過ごせるようになります。
自分自身に優しく、不安を受け入れつつ、少しずつ対処していくことが大切です。
どんなに不安が大きく感じられても、必ず乗り越えられる方法があります。
心の余裕を取り戻し、前向きに過ごしていきましょう。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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