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不安障害に悩む方へ~筋弛緩法と認知行動療法でできる効果的な対処法~:神戸、芦屋、西宮のカウンセリングサービスの実例より

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不安障害に悩む方へ~筋弛緩法と認知行動療法でできる効果的な対処法~

不安障害に悩む方へ~筋弛緩法と認知行動療法でできる効果的な対処法~

2025/01/05

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、不安は誰にでも起こりうる感情ですが、それが日常生活に支障をきたすほど強く、長く続く場合は全般性不安障害(GAD)の可能性があります。

 

全般性不安障害は、慢性的な不安や心配が特徴であり、放置すると身体的な症状やうつ状態を引き起こすリスクもあります。

 

最新の研究によると、筋弛緩法と認知行動療法(CBT)を組み合わせたアプローチが、全般性不安障害の症状を効果的に軽減することがわかっています。

 

このブログでは、研究論文「Efficacy of applied relaxation and cognitive-behavioral therapy in the treatment of generalized anxiety disorder」の内容を基に、全般性不安障害のケアの詳細について解説します。

 

1. 全般性不安障害とは?

~その特徴と影響~

 

1-1. 全般性不安障害とは何か?

 

全般性不安障害とは、日常生活のさまざまな出来事や状況に対して過剰な不安や心配を感じ続ける精神疾患です。

 

この不安は、実際にはそれほど危険ではない状況に対しても強く生じるため、生活の質(QOL)を著しく低下させることがあります。

 

この障害は、特定の出来事や物事に限定されず、「もし◯◯が起きたらどうしよう」といった漠然とした不安が長期間にわたって続くのが特徴です。

 

1-2. 全般性不安障害の主な症状

 

全般性不安障害(GAD)を抱えている方は、心や身体にさまざまな症状を抱えることが多く、これらが日常生活に大きな影響を与えます。

 

ここでは、心理的症状と身体的症状に分けて詳しく解説します。

 

1. 心理的症状—止まらない不安や心配

 

1-1. 過剰な心配や不安感

 

全般性不安障害を抱えている方は、日常のあらゆる出来事について過剰に心配する傾向があります。

 

このような心配は、現実には起こりにくいことや、些細な出来事にまで広がり、本人の意思では止められないことが特徴です。

 

1-2. 不安のコントロールが難しい

 

心配や不安が強すぎて、自分でうまくコントロールできない状態が続きます。

 

特に「どうにかなる」と考えられず、悪い結果ばかりを予測してしまうことが特徴です。

 

1-3. 集中力や判断力の低下

 

不安にとらわれているため、注意力や集中力が著しく低下します。

 

これにより、仕事や家事の効率が落ちることが多くなります。

 

1-4. イライラ感や焦燥感

 

過度の不安や緊張感によって、些細なことでイライラしやすくなります。

 

また、焦りや落ち着かなさを感じることも多く、じっとしていられない状態になることもあります。

 

1-5. 恐怖感や絶望感

 

強い不安が続くことで、「何をしてもうまくいかない」「この状態は変わらない」という絶望感に陥ることがあります。

 

2. 身体的症状—緊張とストレスによる影響

 

2-1. 筋肉の緊張と痛み

 

不安を抱えることで体が常に緊張状態になり、肩こりや首の痛み、頭痛を引き起こします。

 

特に慢性的な肩こりや腰痛を訴える方が多くいます。

 

2-2. 動悸や息苦しさ

 

ストレスホルモンの分泌が活発になることで、心拍数が増加し、動悸や息苦しさを感じます。

 

これがパニック発作に発展することもあります。

 

2-3. 胃腸の不調

 

ストレスによる自律神経の乱れが消化器系にも影響を与えます。

 

胃痛や吐き気、下痢や便秘などの症状が現れることが多くみられます。

 

2-4. 倦怠感や疲労感

 

常に心と体が緊張状態にあるため、十分に休息を取っても疲労感が抜けにくくなります。

 

2-5. 睡眠障害

 

心配や不安が頭から離れず、寝つきが悪い・途中で目が覚める・早朝に目が覚めて眠れなくなるといった睡眠トラブルがよく見られます。

 

3. 症状の悪循環—身体と心のつながり

 

全般性不安障害を抱えている方は、不安や心配が身体的な症状を引き起こし、その身体的な不調がさらなる不安や心配を増大させるという悪循環に陥りやすい傾向があります。

 

このような悪循環を断ち切るためには、心と身体の両方からアプローチすることが重要です。

 

2. 筋弛緩法と認知行動療法

~併用による効果的なアプローチ~

 

全般性不安障害を抱えている方は、心理的な不安だけでなく、身体的な緊張やストレスにも悩まされることが多くあります。

 

こうした症状に対処するために、筋弛緩法と認知行動療法(CBT)を組み合わせたアプローチが高い効果を示すという研究結果があります。

 

ここでは、それぞれの療法の特徴と効果、そして併用による相乗効果について詳しく解説します。

 

2-1. 筋弛緩法とは?

~身体から緊張をほぐすアプローチ~

 

筋弛緩法は、意識的に筋肉を緊張させてから緩めることで、身体的な緊張を解消し、リラックスした状態を作り出すテクニックです。

 

この方法は身体のリラクゼーションを促進し、心の不安を軽減することを目的としています。

 

・具体的な手順

 

(1)筋肉を緊張させる

腕や肩、首など特定の筋肉に力を入れて、意識的に緊張させます。

 

(2)筋肉を緩める
数秒間筋肉を緊張させた後、力を抜いて緩めます。この動作を繰り返すことで、緊張と弛緩の違いを体感します。

 

(3)呼吸と組み合わせる
深呼吸と合わせて行うことで、副交感神経を優位にし、さらにリラックス効果を高めます。

 

・筋弛緩法の効果

 

身体的な緊張を解消

長時間続く筋肉の緊張を和らげ、肩こりや頭痛、胃腸の不調を軽減します。

 

自律神経を整える

副交感神経を活性化することで、不安感や動悸を抑えます。

 

即効性が高い

セルフケアとして日常的に取り入れやすく、ストレスを感じたときにすぐに実践できます。

 

不安の予防

身体的なリラックスが心理的な安心感につながり、全般性不安障害の再発防止にも役立ちます。

 

2-2. 認知行動療法とは?

~思考と行動の改善を目指すアプローチ~

 

認知行動療法(CBT)は、不安やストレスを引き起こすネガティブな思考パターンを修正し、適応的な行動を増やすことで症状を改善する心理療法です。

 

・具体的な手順

 

(1)妥当でない認知(考え)のを特定
不安を引き起こしている「自分にはできない」「失敗したらどうしよう」といった考え方を見つけ出します。

 

(2)現実的な考えに置き換える
「もし失敗しても次に生かせばいい」「完璧でなくても大丈夫」といった現実的で柔軟な思考に修正します。

 

(3)行動を変える
避けていた状況に段階的に挑戦し、不安に対処できる経験を積み重ねていきます。

 

・認知行動療法の効果

 

思考の修正

不安を悪化させるネガティブな考え方を現実的で前向きなものに変えます。

 

行動の変化

回避行動を減らし、ストレスに対処するスキルを身につけます。

 

持続的な改善

短期的な症状の軽減だけでなく、再発予防にも効果を発揮します。

 

柔軟な対応力の向上

思考と行動の両面からアプローチすることで、不安を感じても適切に対処できるようになります。

 

2-3. 筋弛緩法と認知行動療法の併用

~心と体の両面から改善を目指す~

 

筋弛緩法と認知行動療法を併用することで、心と体の両面からアプローチできるため、高い治療効果が期待できます。

 

この組み合わせは、次のような理由から効果的とされています。

 

1. 筋弛緩法が不安を和らげることで認知行動療法の効果を高める

 

筋弛緩法は、身体的な緊張を緩めることで心の安定を促します。

 

これにより、不安やストレスに過剰反応する心の状態を落ち着かせ、認知行動療法に取り組みやすくなります。

 

2. 認知行動療法が不安を根本から改善し、筋弛緩法の効果を持続させる

 

認知行動療法では、ネガティブな思考パターンを修正することで不安そのものを軽減します。

 

この変化により、筋弛緩法によるリラックス状態がさらに持続しやすくなります。

 

3. 再発防止効果が高まる

 

・筋弛緩法はストレスが高まったときのセルフケアに役立ちます。

 

・認知行動療法は、考え方や行動の改善を通じて不安に対する耐性を高めます。

 

このように、両者を組み合わせることで、不安の再発を防ぐ長期的な改善が期待できます。

 

まとめ

~心と体のバランスを整え、不安に振り回されない毎日へ~

 

全般性不安障害は、過剰な心配や緊張が続くことで、生活の質を大きく低下させる障害です。

 

しかし、筋弛緩法と認知行動療法(CBT)を組み合わせたアプローチによって、症状の改善や再発予防が十分に可能であることが研究によって示されています。

 

1. 筋弛緩法で身体の緊張をほぐす

 

筋弛緩法は、身体の緊張を解消し、自律神経を整えることで心を落ち着かせる効果があります。

 

セルフケアとしても取り入れやすく、不安を感じたときの即効性も魅力です。

 

2. 認知行動療法で思考と行動を整える

 

認知行動療法は、不安を引き起こすネガティブな思考パターンを修正し、行動を改善することで、根本的な不安への耐性を育てます。

 

3. 筋弛緩法と認知行動療法の相乗効果

 

これらを組み合わせることで、心と体の両面からアプローチできるため、短期的なリラクゼーション効果と長期的な不安管理スキルの両方を身につけることができます。

 

 

全般性不安障害は、放置することで慢性化しやすい傾向がありますが、適切な治療を受けることで症状を和らげ、穏やかな生活を取り戻すことができます。

 

不安に支配される生活から脱却するために、ぜひ慢性化する前に専門的なケアを受けてくださいね。

 

参考論文

Efficacy of applied relaxation and cognitive-behavioral therapy in the treatment of generalized anxiety disorder

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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