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攻撃的な人に対する心理的アプローチとその対処法~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングの実例より~

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攻撃的な人に対する心理的アプローチとその対処法

攻撃的な人に対する心理的アプローチとその対処法

2025/01/11

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、人間関係において、攻撃的な言動や態度を取る方との接し方は非常に悩ましい問題です。

 

実際に人間関係のトラブルに悩んでいる方は多く、攻撃的な性格の人との接し方に困惑することは少なくありません。

 

攻撃的な態度を取る方は、しばしば周囲との関係が悪化しがちですが、そうした方々の行動の背後には多くの心理的背景があります。

 

このブログでは、攻撃的な方の心理を理解し、その方との関係を改善するための実践的な方法について解説していきます。

 

攻撃的な人が性格を変えない理由

 

攻撃的な方がその性格を変えない理由にはいくつかの要因があります。

 

例えば、攻撃的な態度を取ることで一時的に自分の不安や恐怖を抑えることができる場合があるため、その行動を続けてしまうことが考えられます。

 

心理学的には、攻撃的な行動は自己防衛本能からくるものとも言われており、相手を攻撃することで自分を守っているつもりになることがあります。

 

また、攻撃的な行動を取ることによって、他者からの反応や支配権を得ることができると感じることも、その態度を続ける一因です。

 

しかし、攻撃的な態度は長期的には周囲の人々にストレスを与え、人間関係を悪化させる原因となります。

 

こうした行動を改善するためには、攻撃的な性格が得ている「利益」を別の方法で得られるように支援することが重要です。

 

攻撃的な人の心理的背景

 

攻撃的な人の心理的背景には、さまざまな要因が絡み合っています。

 

攻撃的な行動は、単なる感情の爆発や反応として現れることもありますが、背後には深層の心理的な要因が潜んでいることが多いです。

 

以下に、攻撃的な行動を取る人々に共通する心理的背景を詳細に説明します。

 

1. 低い自己肯定感と自信の欠如

 

攻撃的な方は、しばしば自己肯定感が低く、自分に対する信頼感が欠けていることが多くみられます。

 

己評価が低いと、自分を守るために他者に対して攻撃的な態度を取ることがあります。

 

この場合、相手の言動や意見を自分への攻撃と受け取って過剰に反応してしまいます。

 

自己肯定感が低いと、自分の価値を確認するために他人を傷つけたり、相手を下げることで自分の優位性を感じようとすることがあります。

 

攻撃的な行動は、こうした不安や劣等感からくる自己防衛の一種です。

 

2. 過去のトラウマや未解決の感情的な傷

 

攻撃的な行動の背後には、過去のトラウマや未解決の感情的な傷があることがあります。

 

例えば、幼少期に虐待やネグレクトを受けた経験、家庭内での不和や暴力を目の当たりにしたことが、攻撃的な行動に結びつくことがあります。

 

これらの未処理の感情や過去の傷が、現在の人間関係で爆発することがあるのです。

 

トラウマを経験した人は、無意識のうちに他者からの攻撃を恐れたり、自分が再び傷つけられることを避けようとします。

 

この恐怖から、攻撃的な行動に出ることがあるのです。これは「予防的攻撃」とも言えるもので、過去に感じた痛みを回避するために、先に自分が攻撃して相手を遠ざけるという心理です。

 

3. 学習された行動パターン

 

攻撃的な行動は、家庭や社会環境で学ばれた行動パターンの一環である場合もあります。

 

例えば、家庭内で暴力が日常的に繰り返されていたり、親や周囲の大人が攻撃的な行動を示していた場合、子どもはそれを模倣し、攻撃的な態度を学ぶことがあります。

 

このような環境で育つと、感情のコントロール方法を学べず、攻撃的な方法で問題を解決しようとする傾向が強まります。

 

また、社会的に攻撃的な行動が許容される文化や環境で育った人々も、同じように攻撃的な態度を取りがちです。

 

学習された行動は、意識的または無意識的に繰り返され、年齢を重ねても改善されにくいことがあります。

 

4. 感情のコントロールができない

 

攻撃的な方は、感情のコントロールが苦手な場合が多い傾向があります。

 

特にストレスやフラストレーションを感じたときに、それを適切に処理する方法が分からず、すぐに爆発してしまうことがあります。

 

感情をうまく処理できないため、衝動的に怒りを表出し、その結果として攻撃的な行動に繋がるのです。

 

感情のコントロールに困難を感じる背景には、感情教育の不足や自己理解が乏しいことが影響している場合があります。

 

攻撃的な行動が出た後に罪悪感を感じることもありますが、その罪悪感が次第に「防衛的」な反応へとつながり、再度攻撃的な行動を取るという悪循環に陥りがちです。

 

5. 承認欲求と認知的不協和

 

攻撃的な方は、しばしば他人からの承認を求めることがあります。

 

このような人々は、自分の存在や価値を確認するために他人を攻撃し、自己主張を強化しようとすることがあります。

 

相手に対して支配的な態度を取ることで、自分の力を誇示し、自分の存在価値を確認しようとするのです。

 

また、攻撃的な方は、認知的不協和を感じやすいことがあります。

 

認知的不協和とは、矛盾する考えや行動に悩まされる状態のことです。

 

自分が「攻撃的でない自分」でありたいと思いつつ、攻撃的な行動を取ることで、心の中での矛盾を感じ、その矛盾を解消しようと攻撃的な行動がエスカレートすることがあります。

 

6. 社会的ストレスとプレッシャー

 

社会的なプレッシャーやストレスも攻撃的な行動に影響を与えることがあります。

 

特に経済的な不安や人間関係のプレッシャー、職場でのストレスなどが積み重なると、そのストレスを外向きに発散するために攻撃的な態度を取ることがあります。

 

過度なストレスは、感情の抑制が効かなくなり、他人に対する不満が爆発的な攻撃性に繋がることがあるのです。

 

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攻撃的な方の心理的背景には、低い自己肯定感や過去のトラウマ、学習された行動パターン、感情のコントロールの難しさ、承認欲求、社会的なストレスが複雑に絡み合っています。

 

これらの要因が合わさることで、攻撃的な行動が現れるのです。攻撃性を減らし、建設的なコミュニケーションを促進するためには、これらの深層的な原因を理解し、自己理解を深めるとともに、感情の管理スキルを学ぶことが重要です。

 

攻撃的な人との関係を改善する方法

 

攻撃的な方との関係を改善するためには、感情的な反応を抑え、冷静で建設的な対応をすることが重要です。

 

攻撃的な態度はしばしば誤解やストレス、過去の経験に起因しているため、根本的な原因を理解し、対応方法を見直すことで、関係性を改善することができます。

 

以下に、攻撃的な方との関係を改善するための方法をいくつか紹介します。

 

1. 感情を管理し、冷静でいること

 

攻撃的な相手と接する際には、感情的にならず冷静でいることが最も重要です。

 

相手が感情的になったときにこちらも感情的に反応すると、状況はさらに悪化しやすくなります。

 

自分がどのように反応するかを意識的にコントロールし、感情の波に流されないようにしましょう。

 

自分の感情が高ぶりそうなときには、深呼吸をする、数秒間黙って沈黙を守るなど、冷静さを保つための方法を取り入れることが大切です。

 

2. 非攻撃的な言葉遣いを心がける

 

攻撃的な相手に対しては、こちらが攻撃的な言葉を使うことを避けることが重要です。

 

攻撃的な態度に反応して同じような言動を取ることは、相手をさらに刺激し、状況を悪化させてしまいます。

 

非攻撃的で落ち着いたトーンで、相手の言動に対して自分の立場や感情を伝えることが効果的です。

 

例えば、「その言い方はちょっと辛いですが、どうしてそう感じるのか教えてもらえますか?」といった質問形式で、攻撃的な言動を避け、問題解決へと導く方法を取ります。

 

3. 相手の立場を理解し、共感する

 

攻撃的な人が何かを言っているとき、その裏には何らかの理由や不安、過去の経験が隠れていることが多くみられます。

 

相手の立場を理解し、共感することで、相手の感情を和らげ、建設的な対話を促進することができます。

 

「あなたがそう感じるのは理解できますが、私も少し違う視点を持っています」といった具合に、相手を批判するのではなく、感情を理解し合いながら話を進めましょう。

 

4. 境界を明確にし、自分の立場を伝える

 

攻撃的な方は、しばしば他人の境界を超えて自分の意見を押し付けたり、過剰な期待を寄せたりすることがあります。

 

そのため、関係を改善するためには、自分の境界を明確にし、自分が受け入れられる範囲を伝えることが必要です。

 

「その言い方は少し辛く感じるので、もう少し穏やかな方法で話してもらえますか?」といった具合に、自分の感情を適切に伝えることが重要です。

 

自己主張をしつつ、相手との間で自分自身の尊重を保つことで、健全な関係が築けます。

 

5. ポジティブな変化を促す

 

攻撃的な態度は、長い間続けていると習慣になってしまうことがあります。

 

そのため、相手が少しでもポジティブな行動や態度を見せたときには、それを積極的に認め、感謝の意を示しましょう。

 

「その言い方、とても冷静で助かりました」といったように、相手の良い行動に注目し、肯定的なフィードバックを与えることで、相手も自分の態度を改めやすくなります。

 

ポジティブな強化を行うことが、相手にとっても良い変化をもたらすきっかけとなるでしょう。

 

6. 適切なタイミングで距離を取る

 

場合によっては、攻撃的な人との対話が効果的でないことがあります。

 

相手が感情的に激しくなりすぎている場合、冷静に話し合うことができる状態ではありません。

 

そのような場合は、無理に対話を続けるのではなく、一度距離を取ることも大切です。

 

「今は冷静になって考える時間が必要だと思うので、少し落ち着いてから話し合おう」と伝え、後で話し合うことを提案することで、双方の感情が整理され、より良いコミュニケーションが取れる可能性があります。

 

7. 自己ケアを大切にする

 

攻撃的な方との関係において、自分が感情的に疲弊しないように、自己ケアを行うことが非常に大切です。

 

ストレスを感じたときは自分の心と体を労わり、リラックスできる時間を持つことが、冷静な判断力を保つためには欠かせません。

 

自分を守るために、趣味の時間を持つ、リラックスできる環境を作る、サポートを求めるなど、自分自身を大切にする時間を確保しましょう。

 

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攻撃的な方との関係を改善するためには、冷静な対応と建設的なコミュニケーションが必要です。

 

感情的に反応せず、相手の立場を理解し、共感することで、関係を改善する可能性が高まります。

 

また、相手との間の境界を明確にすることで、自分を守りつつも健康的な関係を築くことが期待できます。

 

攻撃的な人に対して、最終的に必要なこと

 

攻撃的な方との関係が改善されない場合、最終的には関係を終わらせることを検討することが必要になることもあります。

 

関係が悪化すると、双方の心理的な健康に悪影響を与え、ストレスや不安が増し、感情的にも身体的にも疲弊する可能性があります。

 

そのため、最悪のケースでは、物理的な距離を取って接点を最小限にし、自分が攻撃的な相手から影響を受けないようにすることが重要です。

 

1. 最悪の場合、関係を終わりにする

 

攻撃的な方との関係が継続することで自分の精神的健康が損なわれていると感じる場合、関係を終わらせる決断をすることが最も健全な選択となることがあります。

 

自分が何度も理不尽に攻撃され、精神的に消耗し続けている場合、そのまま関係を続けることは逆効果であり、最終的には心身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

こうした場合、離れることが自分を守るために必要なことです。

 

2. 物理的な距離を取る

 

攻撃的な相手と物理的に距離を取ることは、感情的にも冷静に対処するために必要な措置です。

 

距離を置くことで、冷静に自分の感情を整理でき、反応をコントロールしやすくなります。

 

例えば、職場や家庭、友人関係の中で、物理的に会う回数を減らしたり、電話やメッセージの頻度を制限することなどが考えられます。

 

距離を取ることで、自分の心を守り、感情的に過剰に巻き込まれることを防げます。

 

3. 接点を最小化し、影響を受けないようにする

 

物理的な距離を取るだけではなく、攻撃的な人との接点そのものを最小化することも重要です。

 

必要最低限のやり取りだけを行い、それ以外の時間やエネルギーは自分のために使うように心がけましょう。

 

例えば、共同の仕事や責任がある場合でも、感情的なやり取りを避けるために、コミュニケーションの方法をメールやメッセージで簡潔に済ませるようにし、感情的なやり取りを減らします。

 

また、相手の攻撃的な言動に巻き込まれないよう、自己主張を強化し、毅然とした態度で接することも必要です。

 

4. 心の距離を取る

 

物理的な距離を取ることができない場合でも、心の距離を取ることが可能です。

 

相手の攻撃的な態度に対して、感情的に反応するのではなく、距離を置くことで自分の感情に影響を与えないようにすることが大切です。

 

冷静な態度を保ち、相手の言動を個人的に受け止めないようにすることで、自分の精神的な安全を確保します。

 

また、攻撃的な人との接触を避けるために、相手に対して「自分はその話題について話したくない」と明確に伝えることも効果的です。

 

5. 自分の精神的健康を最優先にする

 

攻撃的な人との関係において最も重要なのは、自分の精神的健康を守ることです。

 

関係を続けることが自分の心身に害を及ぼしていると感じた場合には、その関係を見直し、自分を最優先に考えるべきです。

 

自分を守るために、自分の感情やニーズを理解し、無理にその関係を維持しようとすることを避け、適切な距離を取ることが最善の選択となります。

 

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攻撃的な方との関係を改善するためには、冷静で建設的な対応を心がけることが大切ですが、それが効果的でない場合、最終的には関係を終わらせることを考える必要があります。

 

物理的な距離を取ること、接点を最小化すること、そして心の距離を取ることで、自分の精神的健康を守り、攻撃的な人の影響を最小限に抑えることができます。

 

自分の心を守るために、必要に応じて関係を見直し、自分の健康を最優先に考えましょう。

 

まとめ

 

攻撃的な人との関係は、非常にストレスがかかり、心身に悪影響を及ぼすことがあります。

 

しかし、関係を改善するためには冷静な対応が必要です。

 

まずは、相手の攻撃的な言動を感情的に受け止めず、冷静に距離を取ることが重要です。

 

物理的な距離を置き、接点を最小化することで、自分自身を守りながら、関わりを減らしていきます。

 

最終的に、自分の心身の健康が最優先です。

 

攻撃的な相手との関係が改善されない場合、関係を終わらせることや、心の距離を取ることで自分を守る選択も考えるべきです。

 

自分を守るために、冷静に行動し、適切な距離感を保つことで、攻撃的な人からの影響を最小限に抑え、心の平穏を取り戻すようにしていきましょう。

 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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