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職場環境と抑うつの関係性~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングサービスの実例より~

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職場環境と抑うつの関係性

職場環境と抑うつの関係性

2025/01/12

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、働く環境が私たちの心にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

日々の仕事の中で感じるストレスや職場の雰囲気は、メンタルヘルスに大きな影響を及ぼします。

 

今回取り上げる論文「A systematic review including meta-analysis of work environment and depressive symptoms」では、職場環境が抑うつ症状に与える影響について詳細に検討されています。

 

このブログでは、職場環境が抑うつ症状を引き起こす要因やその改善方法について、論文の内容をもとに詳しく解説していきます。

 

1. 職場環境とメンタルヘルスの関係

 

職場環境は、私たちの心の健康に深く影響を及ぼす重要な要因です。

 

仕事の内容や働く環境によっては、ストレスや不安感が増幅され、最終的に抑うつ症状に繋がることがあります。

 

ここでは、職場環境とメンタルヘルスの具体的な関連性について詳しく説明します。

 

1-1. 職場の心理社会的要因とメンタルヘルス

 

1. 高い仕事の要求度

 

仕事量が多すぎたり、短期間で多くの成果を求められると、以下のような影響を及ぼします

 

ストレスホルモンの増加

長期間の過負荷が、体内のストレスホルモン(コルチゾール)を増加させ、心理的な不安感を助長します。

 

バーンアウト(燃え尽き症候群)

持続的な高要求は、感情的な枯渇を引き起こし、最終的には抑うつに繋がることがあります。

 

2. 低い職務コントロール

 

自分で仕事の進め方を選べない環境は、心理的な無力感を生み出します。

 

意思決定の自由の欠如

自分で仕事の優先順位を決められない状況がストレスを引き起こします。

 

自己効力感の低下

「自分の行動が結果に影響を与えない」という感覚が、モチベーションを低下させ、抑うつ症状を誘発します。

 

3. 職場での社会的支援の欠如

 

同僚や上司との関係が希薄な環境は、孤立感を高め、心理的ストレスを増加させます。

 

サポート不足

他者からの共感や協力がないと、困難な状況に直面したときに心の負担が増大します。

 

コミュニケーションの断絶

人間関係が乏しいと、不安感や自己否定感が増幅されやすくなります。

 

1-2. 職場の物理的要因とメンタルヘルス

 

物理的な労働環境も、心理的健康に影響を与えることが知られています。

 

1. 騒音

 

職場の騒音は、集中力の低下やイライラ感を引き起こす可能性があります。

 

持続的な騒音

耳障りな音がストレス反応を引き起こし、仕事の効率を低下させます。

 

2. 不適切な照明

 

明るすぎる、または暗すぎる照明は、心理的および身体的な疲労を招きます。

 

薄暗い環境

長時間の薄暗い環境での作業は、エネルギーの低下や抑うつ気分を引き起こすことがあります。

 

3. 温度管理の不備

 

過剰な暑さや寒さは、心身のストレスを増加させます。

 

1-3. エルゴノミクス的要因とメンタルヘルス

 

1. 作業姿勢

 

長時間の不適切な姿勢での作業は、身体的な疲労感を引き起こし、それが心理的ストレスに波及します。

 

腰痛や肩こり

身体の不快感が気分の低下を招き、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。

 

2. 単調な動作

 

反復的な作業や変化の少ない業務は、心理的な疲れや退屈感を引き起こします。

 

1-4. 職場環境が引き起こす心理的影響

 

1. 抑うつ症状のリスク

 

職場環境が適切でない場合、次のような抑うつ症状が発生しやすくなります。

 

・気分の落ち込み

・自己評価の低下

・疲労感の持続

 

2. 不安感の増加

 

高い仕事の要求度や不明確な職務内容は、不安症状を悪化させる要因となります。

 

3. 生産性の低下

 

心理的なストレスが増加すると、集中力が低下し、ミスが増える可能性があります。

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~

 

職場環境は、心理的な健康に大きな影響を与えます。

 

高い仕事の要求度、低い職務コントロール、社会的支援の欠如といった心理社会的要因は、抑うつ症状やストレスのリスクを高めます。

 

また、騒音や照明などの物理的要因、作業姿勢といったエルゴノミクス的要因も、心理的な負担に関係しています。

 

職場環境が心の健康を支えるか、逆に負担となるかは、企業や職場の配慮次第です。

 

この課題を解決するためには、職場環境を整えるだけでなく、心理的サポートを提供することも重要です。

 

2. 職場環境の改善

~抑うつ症状予防のために~

 

職場環境を改善することは、従業員のメンタルヘルスを守り、抑うつ症状の発症リスクを低下させるために非常に重要です。

 

職場改善の取り組みは、心理社会的要因、物理的要因、エルゴノミクス要因の3つの視点からアプローチすることで、より効果的な結果を得ることができます。

 

2-1. メンタルヘルスサポートの強化


心理的なストレスに対処するための専門的なサポートを職場で提供することは、従業員のメンタルヘルス改善に効果的です。

 

1. メンタルヘルス教育


ストレス管理スキルの提供

セミナーやワークショップを開催し、ストレスへの効果的な対処方法を学ぶ機会を提供。

 

従業員教育
→メンタルヘルスの重要性を従業員全体に理解してもらう取り組みを実施。


2. カウンセリングサービスの導入


相談窓口の設置
→職場に専任の心理カウンセラーを配置するか、地域のカウンセリングサービスと連携する。
→神戸・芦屋・西宮等の地域のカウンセリングサービスを活用し、従業員が気軽に相談できる環境を整える。


3. 職場復帰プログラム


再適応支援
→抑うつやストレスによって休職した従業員がスムーズに職場復帰できるよう、サポートプログラムを提供。


→段階的な勤務時間の増加や上司のフォローアップ体制。

 

まとめ

~職場環境が心の健康を左右する理由~

 

職場環境が従業員のメンタルヘルスに与える影響は非常に大きいものです。

 

特に、高い仕事の要求度、低い職務コントロール、社会的支援の欠如といった心理社会的要因は、抑うつ症状のリスクを顕著に高めることが、今回の論文で示されました。

 

また、物理的環境やエルゴノミクス的要因も重要であり、快適な職場づくりが必要不可欠です。

 

職場環境を改善するためにできること

 

・職務コントロールを向上させるための柔軟な働き方の導入。

・同僚や上司とのコミュニケーションを活性化し、社会的支援を強化。

・騒音や照明などの物理的環境を整える。

・作業姿勢やデスク環境の見直しなど、エルゴノミクス的要因への配慮。

 

個人としての対策

 

職場環境が完全に整うまでの間も、自身でストレスを管理するスキルを身につけることが重要です。

 

専門的なカウンセリングを受けることで、ストレス管理や問題解決スキルを学び、心の健康を守る手助けが得られます。

 

職場のストレスを抱え込まず、一人で解決できないと感じたら、ぜひ専門家に相談してください。適切なサポートを受けることで、働く方の生活の質を向上させることができます。

 

参考論文

A systematic review including meta-analysis of work environment and depressive symptoms

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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