自分を理解し向き合うために感情を「感じる」大切さ
2025/01/18
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、感情をしっかりと感じることは、意外にも難しいことです。
なぜなら、感情を感じることは弱さではなく、実は非常にエネルギーを要する作業だからです。
だからこそ、私たちは感情から逃れようとする様々な方法を使ってしまいます。
例えば、飲みすぎたり、食べ過ぎたり、ギャンブルに走ったり、忙しさで心を紛らわすなどの方法です。
しかし、感情を感じることが、私たちの成長や大切なことを実現するために不可欠であることがわかっています。
では、なぜ感情を感じることが難しいのでしょうか?
心理学者であるビクトリア・レムル・ベックナー博士は「感情の機能はすばやく行動を引き起こすことであって、感情を感じることではない」と述べています。
進化的に見ると、感情は環境に対して迅速に適応するために存在しており、私たちが脅威を感じると即座に行動しなければならないという役割を果たしています。
しかし、感情にただ反応するだけではなく、それを「しっかりと感じる」ことは私たちの内面の問題を解決するために重要です。
感情を感じることができなければ、私たちはその感情の背後にある根本的な問題を見逃し、結果的に未解決の問題を抱え続けることになります。
感情は、私たちに何が大切かを教えてくれるサインであり、これを無視することは自分を見失うことに繋がります。
感情を感じることができると、自分の能力について新たに学び、反応的で破壊的な行動を抑え、深い価値観に基づいた行動を選択することが可能になります。
そのため、感情をしっかりと感じ、そして受け止めて対処する事が大切です。
感情を感じ、受け止め、対処する6つのステップ
感情を感じることは、私たちが自分の内面を理解し、より健康的に感情を扱うために重要です。
しかし、多くの人が感情を感じることを避けがちです。
感情を感じることは決して弱いことではなく、むしろ心身の健康を保ち、成長を促す大切なプロセスです。以下は、感情をしっかりと感じるためのステップです。
1. 感情を特定する
まずは、自分が今感じている感情を特定しましょう。
感情は多種多様ですが、焦点を当てるべきは、何を感じているかを正確に認識することです。
「不安」や「怒り」、「悲しみ」など、今自分が感じているものを特定し、名前をつけることが第一歩です。
例
→もし誰かに対して怒りを感じているなら、「今、私は怒っている」と自分に言い聞かせてみます。
ポイント
→自分の感情を正確に認識することは、感情に振り回されずに冷静に対応できるようになります。
2. 感情を分析しない
感情を感じるとき、頭でその感情を分析しがちです。
しかし、感情を感じるプロセスには、分析や解釈は必要ありません。
まずはその感情がどのように自分に影響を与えているか、感じたままでいることが大切です。
例
→「なぜこんなに怒っているんだろう」と考えるのではなく、ただ「私は怒っている」と認識するだけです。
ポイント
→分析することなく、感情そのものに焦点を当てることで、余計な思考が入り込むのを防ぎます。
3. 体で感じている感情を観察する
感情は心だけでなく、体にも影響を与えます。
体の中でどの部分に感情を感じているのかを意識することで、感情がより明確になります。
例えば、怒りを感じているとき、胸が圧迫されるような感覚があったり、恐怖を感じているときにお腹が痛くなることがあります。
例
→怒りを感じたときに、胸がどのように反応しているのかを観察します。
「胸が締め付けられる感じがする」「首がこわばっている」といった具合です。
ポイント
→感情が体に与える影響を観察することで、感情の正体がよりわかりやすくなります。
4. 感情をそのまま受け入れる
感情を感じる過程では、その感情がネガティブであれポジティブであれ、まずは受け入れることが大切です。
「こんな感情を感じてはいけない」と否定するのではなく、その感情が今自分に必要なものであることを認識し、受け入れましょう。
例
→怒りを感じているとき、「怒りを感じている自分を受け入れよう」と思うことです。
感情を否定せず、そのまま感じてみます。
ポイント
→感情を受け入れることで、感情が自分の中で過剰に膨らむのを防ぎます。
5. 深呼吸して感情に集中する
感情が強くなると、心と体が一体化して反応します。
強い感情に振り回されそうになったときは、深呼吸をして、感情そのものに集中します。
呼吸に意識を向けることで、感情を静め、穏やかにその感情を感じ続けることができます。
例
→怒りや不安で心が高ぶっているとき、深呼吸をして、自分の感情に集中します。
「深く息を吸って、吐いて、怒りを感じる」と心の中で思いながら、感情をそのまま感じ続けます。
ポイント
→深呼吸をすることで、感情の波に飲み込まれず、冷静にその感情を観察できます。
6. 感情の変化を観察し、手放す
感情を感じることに集中していると、徐々にその感情が変化していくのを感じることがあります。
感情は一時的なものであるため、しっかりと感じた後は、手放すことも大切です。
感情が過ぎ去ることを信じ、意識的にその感情から解放されることを促します。
例
→怒りが少しずつ和らいでいく感覚を観察し、自然に感情が収束するのを待ちます。
ポイント
→感情は一時的なものであるため、感情が過ぎ去るのを見守り、無理に感情にしがみつかないようにします。
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感情を感じることは、決して簡単なことではありませんが、心と体を健やかに保つためにはとても重要なプロセスです。
感情にしっかりと向き合い、そのまま感じることができるようになれば、自己理解が深まり、より良い選択ができるようになります。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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