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双極性障害II型が脳に与える影響とは~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングサービスの実例より~

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双極性障害II型が脳に与える影響とは

双極性障害II型が脳に与える影響とは

2025/01/22

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、今日は双極性障害Ⅱ型と脳の関係について解説したいと思います。

 

双極性障害II型とは

 

1.双極性障害Ⅱ型の特徴


双極性障害II型は、感情の浮き沈みが特徴的な精神疾患で、「軽躁エピソード」と「抑うつエピソード」の繰り返しを特徴としています。

 

双極性障害I型とは異なり、激しい躁状態は見られませんが、軽躁エピソードは以下のような特徴を持っています

 

気分の高揚や過剰な自信

→一時的に気分が高揚し、何でもできるように感じる。
活動の増加

→普段より多くの計画を立てたり、活動を増やしたりする。
睡眠の減少

→睡眠時間が少なくても元気に感じる。


一方、抑うつエピソードでは、以下のような症状が現れます

 

気分の落ち込み

→自分に対する否定的な感情が強くなる。
エネルギー不足

→何をするにも疲れてしまい、意欲が湧かない。
集中力の低下

→仕事や家事に集中することが困難になる。


双極性障害II型の特徴は、こうした感情の波が繰り返されることです。

 

特に抑うつエピソードの頻度が高いため、日常生活や仕事、対人関係に深刻な影響を与えることが多いのが特徴です。

 

2.認知機能と双極性障害II型の関連


認知機能は、脳が情報を処理し、計画を立てたり、記憶したりする能力を指します。

 

この機能が低下すると、日常生活にさまざまな支障が出ることがあります。

 

双極性障害II型の方において、認知機能低下は重要な課題の一つとされています。

 

以下に、具体的な関連性を示します:

 

1. 記憶力の低下

 

短期記憶

→例えば、買い物リストを覚えたり、電話番号を記録することが難しくなることがあります。
エピソード記憶

→過去の出来事を思い出す際に、詳細を忘れてしまうことが増える傾向があります。
読者のイメージ

→家庭では「何を買うか忘れてしまう」、職場では「指示された仕事の手順を思い出せない」といった困難が発生します。

 

2. 注意力や集中力の欠如

 

タスクの切り替えが困難

→仕事中に複数のタスクをこなす能力が低下し、一つのことに集中し続けるのが難しくなる。
外部からの刺激に影響されやすい

→周囲の音や光に気を取られ、注意が散漫になることがあります。
読者のイメージ

→「会議中に話が頭に入らない」「途中で気が散って、作業が進まない」といった場面が挙げられます。

 

3. 実行機能の低下

 

実行機能は、計画を立てたり、目標に向かって行動したりする能力を指します。

 

この機能が低下すると、次のような影響が出ます

 

タスクの優先順位付けが難しい

→どの作業を先に行うべきか判断がつかず、すべてが中途半端になる。
問題解決能力の低下

→直面した課題に適切な解決策を見つけるのが難しい。
読者のイメージ

→「締切のある仕事が複数あると、どれを優先すべきか分からなくなる」「問題を解決するための具体的なアイデアが浮かばない」という状況です。

 

3.双極性障害II型で認知機能が低下する理由


気分の影響

→抑うつエピソードが続くことで、脳の認知機能に悪影響が及びます。

一方、軽躁エピソードでは注意が散漫になりやすく、集中力に影響を与えることもあります。
脳の変化

→MRI研究では、双極性障害II型の方の脳構造に微細な変化が見られることが報告されています。
慢性的なストレス

→感情の波によるストレスが長期的に認知機能を損なう要因となる場合があります。


4.日常生活への影響


認知機能の低下は、気分の波と同様に日常生活や仕事、対人関係に大きな影響を与える可能性があります。

 

ただし、これらの課題に気づき、適切な治療や支援を受けることで、症状の改善が期待できます。カウンセリングを検討されている方は、専門のカウンセラーと一緒に適切な対応策を探ることが可能です。

 

2. 論文が示す認知機能低下の具体的な影響


2-1. メタ認知能力の低下


メタ認知とは、「自分が何を考え、どう行動しているのかを客観的に把握し、コントロールする能力」を指します。

 

この能力は、物事を計画的に進めたり、問題解決をする際に非常に重要です。

 

双極性障害II型では、このメタ認知能力が低下することが論文で示されています。

 

1.メタ認知能力の低下が引き起こす影響

 

自己評価の困難

→自分の考えや感情、行動を正確に把握できず、物事を客観的に見られなくなる。
具体例

→自分の感情が高ぶりすぎている、または落ち込みすぎていることに気づかない。


適切な反応の選択が難しい

→状況に応じた対応が難しくなり、不適切な言動をしてしまうことがある。
具体例

→軽躁状態での衝動的な発言や行動が人間関係に悪影響を与える。


学習や成長の妨げ

→過去の経験から学び、同じミスを繰り返さないための認識が弱まる。

具体例

→以前に失敗した方法で再び問題に取り組むなど、自己改善が難しい。

 

2-2. 仕事と日常生活への影響


双極性障害II型の認知機能低下は、特に職場や日常生活でのパフォーマンスに顕著に影響を与えます。

 

1.仕事への影響


● 集中力の低下
→長時間の会議やプロジェクトに集中できない。
意義他のタスクに気を取られて、目の前の仕事に没頭できない。


● 優先順位付けが困難
→締切の近い仕事とそうでない仕事の区別ができず、効率が落ちる。
→結果として、タスクが滞り、同僚や上司に迷惑をかけることが増える。


● ストレス耐性の低下
→ストレスフルな状況に対処する能力が低下し、小さな問題でも過度に落ち込む。
→例えば、上司からのフィードバックに過剰に反応し、自信を失う。


● 日常生活への影響

→家事やスケジュール管理が難しい
→洗濯や買い物などのルーチン作業を忘れてしまう。
→医療の予約や支払い期限を忘れるなど、日常の重要なタスクが後回しになる。


● 対人関係への影響
→相手の感情を読み取る力が低下し、不適切なタイミングで発言や行動をしてしまう。
具体例

→軽躁状態での過剰な冗談や批判的な言葉が友人や家族との関係を悪化させる。

 

2.認知機能低下に対する臨床的意義


これらの影響を踏まえると、認知機能低下への介入が双極性障害II型の治療において重要です。

 

特に、メタ認知能力を高めるトレーニングや、仕事や生活のスキルを補うための具体的な支援が求められます。

 

また、必要に応じてカウンセリングサービスを利用することで、こうした問題に対応するための具体的なスキルやサポートを受けることが可能です。

 

適切な治療と支援を受けることで、認知機能を改善し、生活の質を向上させる道が開かれます。

 

まとめ—認知機能を取り戻し、日常を快適に


双極性障害II型がもたらす認知機能の低下は、日常生活や仕事、対人関係に多大な影響を及ぼします。

 

特にメタ認知能力の低下は、自分の思考や感情、行動を正しく把握する力を弱め、適切な意思決定や行動選択を妨げます。

 

この結果、職場でのパフォーマンスが低下したり、家庭内でのコミュニケーションがすれ違ったりする場面が増えることが懸念されます。

 

しかし、この状況は決して変えられないものではありません。

 

適切な治療とサポートを通じて、認知機能を取り戻し、生活の質を向上させることが十分に可能です。

 

1.認知機能の回復に向けたアプローチ


(1)専門的なカウンセリングの活用


神戸・芦屋・西宮で提供されるカウンセリングサービスを利用することで、自分の状態を正確に理解し、日々の課題に対処するスキルを習得できます。

 

認知行動療法や対人関係療法を通じて、思考や感情のコントロール力を高めることができます。

 

(2)認知機能を高めるトレーニング


専門のカウンセラーと協力し、注意力や記憶力、メタ認知能力を強化するトレーニングに取り組むことが効果的です。

 

これにより、日常生活の管理が容易になり、失敗から学び、適切な判断を下せる力を養えます。

 

(3)生活習慣の改善


定期的な運動や十分な睡眠、バランスの取れた食事は、認知機能の回復をサポートします。

 

さらに、ストレス管理技術を身につけることで、負担を軽減しながら日常を快適に過ごせるようになります。

 

(4)社会的サポートの活用


家族や友人、同僚からのサポートは、双極性障害II型の影響を和らげるための大きな助けとなります。

 

周囲に自分の状況を適切に説明し、協力を求めることで、安心感や支援を得ることができます。

 

新たな一歩を踏み出すために


双極性障害II型は、生涯にわたる挑戦を伴う可能性がありますが、専門的な支援を受けながら適切に対処することで、日常生活や社会的活動を快適に送ることができます。

 

特に、早期の介入と継続的なサポートは、認知機能を維持・改善し、自己管理能力を高める上で重要です。

 

カウンセリングは、双極性障害II型を抱えている方が自分自身を深く理解し、具体的な行動計画を立てるための強力な手段です。

 

神戸・芦屋・西宮の地域で提供されるカウンセリングサービスは、これらのニーズに応えるための支援を行っています。

 

必要に応じてこうした専門的なサポートを検討し、快適な生活への一歩を踏み出しましょう。

 

認知機能を取り戻し、日常をより快適に過ごすことは可能です。

 

一人で抱え込まず、適切な支援とアプローチを取り入れることで、前向きな変化を実現していきましょう。

 

参考論文

Cognitive impairment in bipolar II disorder

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兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27   サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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