「不安」「怒り」を乗り越えるための感情処理の方法
2025/02/01
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、たとえば皆さんが困難な状況に直面したとき、まず最初に感じる感情は何でしょうか?
それは「不安」かもしれませんし、「怒り」や「悲しみ」といった感情かもしれません。
そうした感情が浮かぶこと自体は自然な事であり、否定するべきものではありません。
問題となるのは、そうした感情に私たちがいとも簡単に支配されてしまうということです。
この「支配的な感情」を認識することは、感情的な健康を保つための第一歩に繋がります。
私たちが感じる感情は、それぞれに重要な目的があります。
しかし、同じ感情を繰り返し感じ続けることで、ストレスが増し、精神的に疲れ果ててしまうこともあります。
そこで、ここでは自分の支配的な感情を理解し、その感情にうまく向き合う方法を解説します。
自分の支配的な感情を診断する方法
自分の支配的な感情を診断する方法は、日常生活でどの感情が強く感じられるか、そしてその感情がどのような状況で現れるかを観察することから始まります。
自分の感情のパターンに気づくことで、その感情にどのように対処すべきかが見えてきます。
以下に、自分の支配的な感情を診断するためのステップを詳しく説明します。
1. 日常的に感じる感情を振り返る
まず、日々の生活の中で最も強く感じる感情を振り返ってみましょう。
感情は無意識のうちに強く感じることが多いため、まずは「どんな感情を感じることが多いのか」を認識することが重要です。
たとえば、ストレスがたまりやすい職場環境や家族との関係において、自分がよく感じる感情をリストアップしてみます。
不安
→未来の不確実性に対して、過度に心配することが多い。
怒り
→他者の行動や状況に対してイライラすることが多い。
悲しみ
→孤独や失望感をよく感じる。
罪悪感
→他人に対して自分が足りないと感じ、自己責任を強く意識する。
2. 感情が強く現れる状況を特定する
自分がどの感情を強く感じるかが分かったら、その感情がどんな状況で特に強く現れるのかを見ていきましょう。
特定の状況や人物とのやり取りが、感情を引き起こすトリガーとなっている場合があります。
これを観察することで、感情の原因やパターンを掴むことができます。
たとえば、「会議の後に不安を感じる」、「誰かに注意されると怒りを感じる」、「失敗したときに悲しみを感じる」などです。自分がどの状況で最も感情的に反応するのかを認識することは、感情の支配的なパターンを見つけるための大きなヒントになります。
3. 反応の仕方を観察する
感情を感じたとき、自分がどのように反応しているかを観察しましょう。
感情が湧き上がったときの自分の反応には、無意識的な行動や思考が含まれていることがあります。
たとえば、次のような行動が見られることがあります。
不安
→小さなことに過度に心配し、何度も確認する、準備を過剰に行う。
怒り
→声を荒げて反論する、相手を避ける、感情的に怒りをぶつける。
悲しみ
→落ち込んで何もしたくない、自己評価が低くなる。
罪悪感
→自分を責める、過去の出来事を何度も繰り返し考え、自己批判に陥る。
自分がどう反応するのかを観察することは、自分の感情の癖を理解するために有効です。
4. 反応の原因を探る
自分がどの感情に支配されがちで、どんな状況で強く現れるのかが分かったら、その感情がなぜ現れるのか、その原因を掘り下げて考えてみましょう。
例えば、不安が強い場合、それが「不確実性に対する恐れ」や「他人に対する評価の不安」に起因していることがあります。
また、怒りを感じることが多い場合は、自分が「不公平な扱いを受けている」と感じることが多いかもしれません。
自己批判の強い人は、失敗したときに悲しみや罪悪感を強く感じる傾向があります。
この段階で、なぜその感情が自分に強く影響を与えるのかを考えることで、感情の根本的な原因に気づくことができます。
5. 自分の支配的な感情を受け入れる
最後に、診断した支配的な感情を受け入れることが重要です。
どんな感情も、良いも悪いもありません。
感情はすべて何らかの意味を持っているため、その感情を否定せず、認めることが心の安定に繋がります。
自分の感情に気づいたら、その感情が自分にとってどのような意味を持っているのかを考えてみましょう。
不安
→自分の未来に対する不確実性や心配事を示しているかもしれません。
怒り
→自分の権利が侵害されたり、不公平な状況に直面していることを示しているかもしれません。
悲しみ
→自分の喪失や期待が裏切られたことを示しているかもしれません。
罪悪感
→自分の行動が他人に与えた影響を考えることが求められるサインかもしれません。
支配的な感情を理解し、その意味を受け入れることで、感情に対する自己コントロールを持つことができ、感情的に安定した状態を保つことができます。
自分の感情を整理する方法
自分の感情を整理することは、心の安定を保つために非常に重要です。
感情が複雑に絡み合っていると、思考や行動にも影響を与え、うまく物事が進まなくなります。
そこで、感情を整理する方法をいくつかのステップに分けて説明します。
1. 感情を認識する
感情を整理する第一歩は、まず自分が今どんな感情を感じているのかを認識することです。
感情が湧き上がったとき、まずはその感情に気づき、名前をつけることが大切です。
例えば、「今、私は不安を感じている」「怒りがこみ上げている」など、自分の感情を具体的に言語化します。
感情を認識することで、その感情をコントロールする第一歩が踏み出せます。
● 感情を認識するポイント
・どんな状況で感情が湧いたのか
・自分がどのように感じているのか(怒り、悲しみ、不安、恐れなど)
・感情が身体にどのように表れているか(胸がドキドキする、顔が赤くなる、手が震える、など)
2. 感情を分析する
感情を認識したら、その感情の原因や背景を分析します。
感情はしばしば過去の経験や期待、価値観と関連して湧いてきます。
感情を整理するためには、なぜその感情が湧いたのか、その原因を明確にすることが重要です。
● 質問を使って感情を分析する
・「この感情はどこから来たのだろう?」
・「この感情は何を意味しているのか?」
・「どのような状況がこの感情を引き起こしたのか?」
例えば、仕事で上司に指摘されたことで不安を感じた場合、その不安は「自分が認められないのではないか」という過去の経験や恐れから来ているかもしれません。
自分の感情の背景を理解することで、感情をより適切に受け入れ、処理することができます。
3. 感情を表現する
感情を整理するためには、感情を適切に表現することも重要です。
感情を抑圧するのではなく、適切に外に出すことが心の健康に繋がります。
ただし、感情の表現は他人に対して攻撃的にならないように注意が必要です。
● 感情の表現方法
書き出す
→日記やジャーナルに自分の感情を書き出すことで、感情を整理することができます。
自分の気持ちを文字にすることで、感情が明確になり、解放されることがあります。
話す
→信頼できる友人や家族に、自分の感じていることを話すことで、気持ちが楽になることがあります。
自分の感情を言葉にすることで整理がつく場合も多くあります。
4. 感情を受け入れる
感情を整理する過程で、最も重要なことは、感じている感情を否定せず、受け入れることです。
「こんなことを感じてはいけない」と思ってしまうと、感情が抑圧され、逆に心の中で膨らんでしまうことがあります。
感情はすべて自然なものであり、否定することなく受け入れることが、感情の整理には不可欠です。
● 感情を受け入れるコツ
自分を責めない
→自分が感じている感情は、無理に変えようとせず、まずはそのまま受け入れます。
「今は不安を感じているんだ」とその感情に寄り添うことが大切です。
自分の感情に優しく接する
→自分の感情を否定せず、理解しようとする姿勢が大切です。
「どうしてこの感情が湧いてきたのか」を自分に問いかけ、受け入れることが整理への第一歩です。
5. 感情を解放する方法を見つける
感情を整理するためには、その感情を適切に解放することも重要です。
感情を整理し、受け入れるだけでは十分ではなく、それを解放する方法を見つけることで、心の中に残らないようにすることができます。
● 感情を解放する方法
深呼吸や瞑想
→不安やストレスを感じたとき、深呼吸や瞑想を行うことで、心を落ち着かせ、感情を解放することができます。
体を動かす
→運動をすることで、体内にたまったストレスを解消し、感情を整理することができます。
ジョギングやウォーキングなど、軽い運動でも効果的です。
6. 感情の整理後のポジティブな行動
感情を整理した後は、その感情に基づいて前向きな行動を取ることが重要です。
感情に振り回されるのではなく、その感情を通じて自分を成長させる方向に活かすことができます。
● ポジティブな行動例
感情を整理した後は、その経験を元に学びを得て、今後どう行動すればよいかを考えることができます。
自分を励ます言葉をかけることで、ネガティブな感情に引きずられず、前向きに進むことができます。
まとめ
感情はすべて重要な役割を持っていますが、支配的な感情が過剰になると、心に負担をかけ、精神的な健康に悪影響を与えることがあります。
自分の支配的な感情を理解し、他の感情にも目を向けて心のバランスを取ることが大切です。
感情を無視するのではなく、感じることを受け入れ、バランスよく感情と向き合うことで、心の健康を保つことができるようになるでしょう。
ぜひ、トライしてみてくださいね
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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