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不安が止まらない…「最悪の事態」を想像してしまう思考を乗り越える方法~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングの実例より~

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不安が止まらない…「最悪の事態」を想像してしまう思考を乗り越える方法

不安が止まらない…「最悪の事態」を想像してしまう思考を乗り越える方法

2025/02/09

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

不安障害を抱えている方や、日常的に強い不安を感じる方の中には、「最悪の事態ばかりを想像してしまう」思考パターンに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

 

これは「破滅的思考」と呼ばれ、私たちの心に大きな負担を与えるものです。

 

例えば、以下のような考えが頭から離れなくなることはありませんか?

 

「抑うつの症状がひどい。もう治らないのかもしれない」
「ミスをしたから仕事をクビになり、生活が破綻するかもしれない」
「大切な人が突然自分を嫌いになり、関係が終わってしまうかもしれない」


このように、何か問題が起きるとすぐに「最悪の結末」へと結びつけてしまうのが破滅的思考の特徴です。

 

破滅的思考がもたらす深刻な影響


破滅的思考は、私たちの脳と心に大きな負担をかけ、日常生活にさまざまな悪影響を及ぼします。

 

この思考パターンが続くことで、生活の質の低下、心身の健康への悪影響、人間関係の悪化といった問題が引き起こされる可能性があります。

 

1. 生活の質の低下:行動が制限されてしまう


常に最悪のシナリオを考えてしまうと、不安や恐怖が先行し、新しいことに挑戦するのが怖くなります。

 

その結果、積極的に行動できなくなり、人生の選択肢が狭まってしまうのです。

 

● 行動の制限

 

「人前で話すのが怖いから会議で発言しない」
「失敗するのが怖くて新しい仕事にチャレンジできない」
「拒絶されるのが怖くて人との交流を避けてしまう」

 

2. 心身の健康への影響:ストレスが蓄積される


不安が過剰になると、脳は常に警戒モードに入り、ストレスホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されます。

 

これにより、心と体の両方に悪影響が及ぶことがあります。

 

● 身体的な影響

 

慢性的な疲労感:何もしていないのに常に疲れている
不眠症・睡眠の質の低下:不安で寝つけない、夜中に何度も目が覚める
胃痛や頭痛、動悸:ストレスが原因で身体的な症状が出る


● 精神的な影響

 

抑うつ状態になりやすい:何をしても楽しく感じられない
自己否定感が強まる:「自分はダメだ」「どうせうまくいかない」と考えてしまう
思考の柔軟性が失われる:物事をポジティブに考えにくくなる


このように、破滅的思考が続くと、心身ともに疲弊し、日常生活のあらゆる場面で悪影響を及ぼします。

 

3. 人間関係の悪化:不安が対人関係にも影響を及ぼす


破滅的思考は、人間関係にも大きな影響を与えます。

 

例えば、「相手は自分を嫌っているに違いない」といった思い込みが強くなることで、相手の言動を過剰に気にしてしまうことがあります。

 

● 対人関係における影響

 

・「嫌われるのが怖い」と思いすぎて、素直にコミュニケーションが取れない
・些細な言葉や態度に敏感になり、必要以上に落ち込んでしまう
・相手の気持ちを勝手に決めつけ、距離を置いてしまう


● 具体的な例

 

・友達から返信が遅いと「もう嫌われた」と思い込む
・上司の表情が厳しいと「自分がミスをしたせいだ」と考える
・恋人が忙しくて会えないと「もう愛されていない」と思ってしまう


こうした思考パターンが続くと、相手の本当の気持ちを確かめる前に関係を悪化させてしまうことにもなりかねません。

 

破滅的思考を和らげるための対処法


最悪の事態ばかりを想像し、不安に押しつぶされそうになる「破滅的思考」。

 

この思考パターンが続くと、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

 

では、破滅的思考をどのようにコントロールすればよいのでしょうか?

 

ここでは、心理学的に有効とされる具体的な対処法を紹介します。

 

1. 「本当にそれは起こるのか?」と自問する


破滅的思考が生じたときにまず試したいのが、「これは事実なのか、それとも自分の想像に過ぎないのか?」と問いかけることです。

 

● 考え方の切り替え方

 

例1:「このプレゼンで失敗したら、キャリアが終わる…」
→「過去にプレゼンで失敗した人はたくさんいるが、それが原因でキャリアを失ったわけではない」


例2:「人前で話したら笑われるかもしれない…」
→「実際に笑われることはどれくらいの確率で起こるのか?ほとんどの人は聞いているだけで、そんなに気にしていないのでは?」


このように、客観的な視点を持つことで、不安が現実的なものなのか、単なる思い込みなのかを整理しやすくなります。

 

2. マインドフルネスを取り入れる


不安な思考が頭の中でぐるぐると巡ってしまうときは、「今、この瞬間」に意識を向けることで、不安のループから抜け出すことができます。

 

● 具体的な方法

 

①深呼吸を意識する
→ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐くことで、脳がリラックスし、不安が和らぐ。
②周囲の環境に意識を向ける
→目の前にあるものをじっくり観察したり、聞こえてくる音に集中することで、不安から意識をそらす。

③瞑想を行う
→数分間目を閉じ、心の中の雑念を流すように意識することで、精神的な安定を取り戻せる。


マインドフルネスは「今考えていることは未来の不確定な出来事である」と気づく助けとなり、不安に過剰に囚われることを防ぎます。

 

3. 「最悪の事態が起きたらどうする?」と考えてみる


不安を抑え込もうとするのではなく、「もし最悪の事態が本当に起きたら、どう対処すればいいのか?」を具体的に考えてみることで、恐怖を軽減することができます。

 

● 不安に対処する思考の例

 

例1:「仕事でミスをしたらクビになるかもしれない…」
→「もしクビになったら、新しい仕事を探す、スキルを身につける、家族に相談するという対策がある」


例2:「友人に嫌われたらどうしよう…」
→「本当に嫌われているのか確認する。誤解なら話し合う、もし関係が壊れても新しい人間関係を築くことは可能」


こうして「最悪の事態が起きても、対応策はある」と考えることで、不安を現実的に受け止めることができるようになります。

 

4. 誰かに話してみる


不安な気持ちを「言葉にして表現する」ことは、感情を整理し、気持ちを落ち着けるのに非常に効果的です。

 

信頼できる人に話すことで、新たな視点が得られ、不安が和らぐこともあります。

 

● 話す相手の選び方

 

・家族や親しい友人
→気持ちを素直に話せる相手に相談することで、共感やアドバイスを得られる。

・心理カウンセラー
→専門的な視点からアドバイスを受けることで、より適切な対処法を得ることができる。


「こんなことで悩むのは自分だけかも」と思っていることでも、話してみると意外と多くの人が同じような経験をしているものです。

 

5. 専門家のサポートを受ける


破滅的思考が日常生活に支障をきたすほど強い場合は、心理カウンセラーや専門家の助けを借りることも検討した方が良いでしょう。

 

特に、不安が強すぎて仕事や生活に影響が出ている場合は、専門的なサポートを受けることで適切な対処法を得ることができます。

 

● カウンセラーに相談するメリット

 

・不安を感じる原因や思考パターンを客観的に分析してもらえる
・破滅的思考を緩和するための具体的な対処法が得られる
・自分に合ったストレス対処法やマインドセットを身につけられる

 

まとめ:破滅的思考を和らげるためにできること


破滅的思考は、最悪のシナリオばかりを考えてしまう思考パターンであり、不安感を増大させ、生活の質を低下させる要因となります。

 

しかし、この思考を完全になくすことは難しくても、適切な対処法を身につけることで、影響を軽減し、前向きな気持ちで日々を過ごすことができます。

 

● 今日から実践できる5つの対処法

 

①「本当にそれは起こるのか?」と自問し、冷静に考える
②マインドフルネスを取り入れ、今この瞬間に意識を向ける
③「最悪の事態が起きたらどうする?」と解決策を具体的に考える
④信頼できる人に話し、不安を整理する
⑤専門家のサポートを受け、自分に合った方法を見つける


破滅的思考にとらわれることで、行動が制限されたり、ストレスが蓄積されたりすることは避けたいものです。

 

小さな一歩からでもいいので、自分の思考のクセに気づき、少しずつ対処法を取り入れていくことで、不安に振り回されることなく、落ち着いて生活できるようになるでしょう。

 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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