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「離婚への道」を回避するために~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングの実例より~

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「離婚への道」を回避するために

「離婚への道」を回避するために

2025/02/18

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて家族と過ごす時間の過ごし方によっては夫婦間のトラブルや衝突が表面化しやすくなることがあります。

 

もし「このままでは離婚に向かってしまうかも…」と感じているなら、まずは夫婦の心理的なステップを正しく理解し、できるだけ早く対処に取りかかることが重要です。

 

そこでこのブログでは、離婚に至るプロセスを3つの段階に分けて解説し、それぞれに必要な対処法を紹介します。

 

第1フェーズ:期待が崩れる「幻滅の時期」


結婚当初は「幸せな新婚生活が続く」「パートナーは自分を理解してくれる」といった期待を抱きやすいものです。

 

しかし、実際の生活が始まってしばらくすると、そうした理想が揺らぎ始めることがあります。

 

ここでは、夫婦の“幻滅の時期”に生じる具体的な原因と、早期解決の重要性について掘り下げてみましょう。

 

1-1.幻滅が始まる3つの要因


● 行動を押し付け合う

 

・生活パターンや家事ルールの違い
結婚前はそれぞれ実家やひとり暮らしなど、異なる環境で生活してきたため、家事のやり方や時間の使い方に違いがあるのは当然です。


・「自分の方法が当たり前」という思い込み
「普通はこうするものだ」「こういうふうに動いてくれないと困る」という気持ちが強いと、パートナーに対して「どうしてやらないの?」と不満が募りやすくなります。


・押し付けは相手の反発を招きやすい
一方的に「こうすべき」と強要されると、パートナーは「自分の考えややり方を尊重してもらえていない」と感じ、不満や抵抗感が高まります。


1-2.無責任な振る舞い

 

・些細な約束を守らない
たとえば「帰宅時間を連絡する」「ゴミ出しを担当する」といった簡単な取り決めでさえ、守られないと信頼関係にヒビが入ります。


・家事や育児の負担が偏る
どちらか一方ばかりが家事を負担すると、負担側は「私ばかり大変な思いをしている」と感じ、相手への失望感が徐々に蓄積されていきます。


・長期的な影響
小さな不満の積み重ねが、後々の大きな決裂につながることも少なくありません。

最初は我慢できても、何度も繰り返されると「もう信用できない」と幻滅するきっかけになります。


1-3.感情を支えてもらえない孤独感

 

・パートナーからの思いやり不足
気分が落ち込んだときや仕事で失敗したときなど、心が弱っているときほど、パートナーの支えを求めるものです。

ここでサポートが得られないと、「自分は大切にされていない」と強く感じてしまいます。


・感情的なすれ違い
「そんなことで落ち込むなんて理解できない」「それくらい大したことないよ」と軽んじられると、孤独や悲しみが増幅され、パートナーへの信頼が損なわれていきます。


・共感が不足すると絆が弱まる
励ましや寄り添いがない状態が続くと、二人の間の“心の距離”が開き、結果的に「こんな相手だったのか」と幻滅感を深める原因になります。


1-4.早期解決がカギになる理由


・不満を軽視しない
幻滅の時期に抱く「ちょっとした違和感」や「些細な不満」は、放置すると後々深刻な問題に発展することがあります。

早めの段階で問題を共有し合い、対策を話し合うことで、関係が大きく崩れるのを防げます。

 

・コミュニケーションの重要性
「わざわざ言うほどのことじゃない」「新婚のうちは多少我慢してでもうまくやらなきゃ」と考え、パートナーに本音を伝えないケースは多くみられるものです。

しかし、互いの率直な気持ちを理解し合わないままでは、誤解や不満を抱え込んでしまいがちです。

 

・小さな改善の積み重ねが夫婦関係を支える
幻滅を感じる原因が明確になったら、話し合いや譲り合いによって、すぐに改善できる部分から取り組むのがおすすめです。

たとえば「ゴミ出しの曜日を忘れないようにリマインダーを設定する」「帰宅時間が遅れるときは必ず連絡を入れる」など、シンプルな対策を積み重ねることで、お互いに対する不満を解消しやすくなります。

 

1-5.まとめ


「幻滅の時期」は、結婚生活を送る上で多くの夫婦が通る道ともいえます。

 

理想と現実のギャップに直面し、相手の行動や考え方に不満を抱くのは珍しいことではありません。

 

しかし、この段階で気づいた問題を早めに話し合い、少しずつ解決していくことで、夫婦関係を大きく損なう前に立て直すことが可能です。

 

もし違和感や失望を感じたときは、遠慮せずパートナーに気持ちを伝え合い、協力して乗り越えていきましょう。

 

第2フェーズ:「不満」の蓄積で生まれる心の距離


結婚生活が進むにつれ、互いの習慣や価値観の違いが明確になると、「幻滅」という初期の反応から、徐々に「不満」という形で心の奥に溜まっていくことがあります。

 

このフェーズでは、以前には気にならなかった些細な行動や言葉も大きくクローズアップされ、夫婦間の距離が広がっていく傾向が強まるのです。

 

ここでは、不満がどのように心をむしばみ、離婚を意識し始めるサインへとつながっていくのかを詳しく掘り下げてみましょう。

 

2-1.不満が心をむしばむプロセス


相手のネガティブな行動に過度に注目してしまう
人間の心理には「ネガティビティ・バイアス」という傾向があり、一度不快な思いをすると、さらに悪いところや嫌な側面ばかり目に入るようになることがあります。

たとえば些細な言葉遣いや態度に対しても、「ここもダメ」「また同じことをしている」と、マイナスな評価をしがちです。

 

愛情が少しずつ削り取られていく
「最初は気にならなかった」あるいは「多めに見ていた」ことが、回数を重ねるたびに心の中で大きく膨らんでいきます。

結果として「もう許せない」「どこを好きになればいいのかわからない」という感情に発展しやすく、夫婦関係の土台となる愛情が次第に失われていきます。

 

お互いを傷つけ合うエピソードの増加
不満が積み重なることで、つい感情的になったり、きつい言葉をぶつけてしまったりする場面が増えます。

こうしたやり取りが繰り返されると、「あのときの態度は許せない」「あの発言は一生忘れられない」というように、相手へのわだかまりや怒りの感情が長期的に残りやすくなります。

 

2-2. 離婚を意識し始めるサイン


夫婦の将来像が描けなくなる

何かを決めるにも衝突が多く、話し合っても平行線のまま。

「この先もずっとこんな状態なのか」と、悲観的な未来像が頭をよぎります。
こうした思考パターンが定着すると、「一緒にいる意味があるのだろうか」と、離婚を現実的に考え始めるきっかけになります。


過去の出来事を頻繁に掘り返す

一度は収束したはずのトラブルや口論を、再び引き合いに出して責め合うようになると要注意です。
「あのときのひどい言葉」「これまでに何度も同じ失敗をしている」など、相手を否定する材料が次々と表面化し、関係修復の糸口が見いだせなくなるケースが少なくありません。


未来を楽観視できない状態が続く

夫婦関係を続ける意義や幸福感を感じられず、精神的に息苦しさが増していきます。
こうした状態が長期間にわたって続くと、離婚に向かう気持ちがより一層強まるのが一般的です。


2-3. 不満期の衝突が将来に及ぼす影響


深く記憶に残る失望感や怒り
不満の時期に経験した衝突や心の傷は、その後の夫婦関係に大きな影を落とします。

「まだ完全に愛情が残っているからこそ、相手の行動が許せない」という矛盾した感情を抱えることもあり、強いストレスを伴います。

 

妻が出産時に感じた失望は長期的に影響しやすい
特に指摘されるのが、妻が出産前後に感じたパートナーの態度に対する失望です。

産後の身体的・精神的な負担が大きい時期に、配慮やサポートが得られないと、「この人は私を助けてくれない」「この先の人生も期待できない」と感じる女性が多いのです。

これが長年にわたって不満として蓄積され、のちの熟年離婚につながるケースも報告されています。

 

関係が継続しても後を引く可能性
不満の時期を何とか乗り越え、離婚を回避できたとしても、根深い失望感や怒りをしっかり解消できていない場合は、夫婦関係に大きな溝が残り続けることがあります。

そのため、早めの対処やコミュニケーションの改善が不可欠となります。

 

2-4. まとめ


「不満が積もる時期」は、夫婦間の衝突が頻発し、離婚を現実的に考えるようになる大きな転機です。

 

相手のマイナス面にばかり焦点が向きやすくなり、お互いが深く傷つけ合う悪循環に陥りやすいのも特徴です。

 

過去の嫌な記憶やトラブルを何度も掘り返すようになったら要注意のサインといえます。

 

この段階で早めに問題を見つめ直し、対話の機会を増やすことで、不満の度合いを軽減し、夫婦関係を修復へと導く可能性があります。

 

強い怒りや失望が出てくるからこそ、その根底にある「理解されたい」「助けてほしい」という気持ちを認め合うことが、離婚の回避にもつながるのです。

 

第3フェーズ:感情が冷え切る「無関心の時期」


夫婦間の感情的なつながりが薄れ、「怒り」や「悲しみ」すら感じられなくなる段階を、離婚への最終ステップと呼ぶことがあります。

 

このフェーズでは、互いの存在意義や役割に興味を失い、「もう相手のことはどうでもいい」という諦めの気持ちが中心になってしまいがちです。

 

以下では、この「無関心の時期」がどのように離婚につながるのか、その特徴や背景を深掘りしていきます。

 

3-1. 無関心がもたらす感情的な断絶


怒りすらわかない状態
通常、パートナーに対して不満や失望があるときは怒りや悲しみなど、強い感情を抱きやすいものです。

しかし「もう何をされても気にならない」と感じるようになったとき、そこには愛憎や期待といった感情が残っていない状態といえます。


物理的・精神的な距離の拡大
「顔を合わせるのが面倒」「話しても無駄」という気持ちから、会話やスキンシップが極端に減少。

結果として“ただの同居人”に近い存在となり、夫婦としてのコミュニケーションはほぼ途絶えてしまいます。


3-2. 「他人」に感じるパートナーへの視線


気の毒に思うほどの他人感
この時期において、相手を「かわいそう」と感じる場面があるかもしれませんが、それは愛情や同情によるものではなく、客観的に「この人も大変だな」と見る程度の感覚です。

もはや「自分に関わる問題ではない」という冷めた認識が根底にあります。


感情の温度が下がるほど回復は難しくなる
夫婦関係を修復するには、ある程度の感情が残っているほうが良い場合があります。

怒りや不満があるうちは「修復を望む気持ち」が見え隠れしますが、無関心になると、「もう何をしても無駄」という諦めのほうが強くなり、巻き返しが難しくなる傾向があります。


3-3. 数多くみられる「離婚手続き」への急展開


多くの方が具体的なアクションを検討
この無関心の時期に入った夫婦の場合、相当数の方が離婚手続きを検討し始めることが多くみられます。

つまり、別居や協議離婚、調停といった具体的な選択肢を、本格的に模索する段階です。


最終的な決断が容易になる
感情的なつながりが残っていれば「踏みとどまろう」と葛藤することもありますが、無関心になると「お互いの人生のために別れたほうがいい」という合理的な結論に至りやすくなります。

もはや後悔や悲しみよりも、「早く状況を変えたい」という意識が優先されるのです。


3-4. 無関心の時期を迎えないために


感情のすれ違いを初期の段階でケアする
幻滅や不満といった初期フェーズで、どれだけ互いの気持ちを話し合えたかが、その後の展開を大きく左右します。

無関心になってしまう前に、言葉や態度で解決の糸口を探ることが大切です。


外部サポートの活用
もし自身だけでは修復が難しいと感じる場合は、カウンセラーなど第三者の力を借りるのも有効です。

無関心の状態に入る前に適切なサポートを得ることで、コミュニケーションを再構築できる可能性があります。


3-5.まとめ


「無関心の時期」は、夫婦としてのつながりがほぼ断絶しており、最も離婚に傾きやすいフェーズといえます。

 

怒りや不満とは異なり、すでに心が離れてしまっているため、ここからの関係修復は一筋縄ではいきません。


しかし、多くのケースではこの最終段階に至る前に、より早いタイミングで対話やサポートを活用していれば、状況を改善できた可能性も考えられます。

 

もし「もしかしたら自分たちも無関心の入り口にいるかもしれない」と感じたら、なるべく早期に解決策を模索し、歩み寄りを試みることをおすすめします。

 

離婚を防ぐための4つのコミュニケーション・ヒント


お互いへの「関心」を呼び戻す

・言葉以外のサインにも目を向ける
・相手が普段と違う表情や仕草をしていたら、そのまま放置しない


相手の話を「最後まで」聞く

・自分の意見を言いたくなる気持ちを抑え、相手の思いを受け止める姿勢を示す
・パートナーの話が終わる前に結論を急がない


落ち着いて話し合う時間と場所を確保

・どちらもリラックスできる環境を整えてから、お互いの考えを共有する
・忙しさにかまけて話し合いを先延ばしにしない


「~すべき」ではなく「~したい」と感情で伝える

・「もっと一緒にいたい」と言うのと「一緒にいる時間を作るべきだ」と言うのでは、相手の受け止め方が大きく異なる
・感情を素直に表現することで、パートナーも理解しやすくなる

 

おわりに:夫婦関係を修復するために


夫婦にはさまざまな危機が訪れますが、どのステップにあるかを自覚し、早めに手を打つことが最善策です。

 

夫婦問題は「コミュニケーションの不足」や「相手への興味の喪失」に起因することが多くあります。

 

そのため、例えば連休や長期休暇といった家族が集まるタイミングこそ、関係を立て直す好機かもしれません。

 

もし一人で対処が難しいと思うときは、カウンセラーに相談するのも一つの選択肢です。

 

第三者の視点が加わることで、夫婦間の誤解や行き違いを解きほぐし、より良い方向へ進めるきっかけになるでしょう。

 

離婚に踏み切る前に、もう一度パートナーとの関係を見直してみませんか?

 

互いの気持ちを理解し合い、歩み寄る機会を大切にすることで、結婚生活の新たなステージが開ける可能性は十分にあります。

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電話番号 : 090-5978-1871

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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