落ち込みから抜け出す!気分が沈むときに試したい「心の切り替え法」
2025/03/02
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
「最近、なんとなく気分が沈んでいる」「自分を否定しがちで、明日へのやる気が出ない」…
そう感じるときはありませんか? もしかすると、その背後には“自分を追い詰める悪習慣”が潜んでいるかもしれません。
落ち込み気味になったときこそ「何をやるか」より「何をやめるか」を見直すことで、心の負担を減らせることができます。
そこで今回は、気持ちを切り替えるために「やめておきたい3つの習慣」をご紹介します。
1.「自分を卑下する」言動を断ち、まずは原因を理解する
自分に対して「どうせ私なんて……」とネガティブな言葉を重ねていると、やがてそれが自分のイメージを形づくり、必要以上に落ち込んだり、行動にブレーキがかかったりしがちです。
最初のステップは、自分を卑下してしまう引き金(トリガー)を知ることと、思考のクセを客観的に把握することから始まります。
1-1.ネガティブなセルフトークの影響
● 低い自己評価を強化する
「私なんかダメ」「絶対無理」と繰り返し口にしていると、本当にそうだと信じ込んでしまうリスクがあります。
自己肯定感が下がると、新しいチャレンジや人付き合いに必要以上に消極的になり、結果として落ち込む機会が増えてしまいます。
● 思考の幅を狭める
いつもネガティブな方向へ思考が流れていくと、「他の可能性があるかもしれない」という発想をしにくくなります。
せっかくのチャンスを見逃したり、周囲のサポートに気づけなかったりするのも、この悪循環が原因かもしれません。
1-2.「原因の認知」から始める
● きっかけや行動のリスト化
「仕事でミスをした」「友人とうまく話せなかった」
…こうした具体的な場面を書き出してみましょう。
どのようなシチュエーションで「自分を卑下するスイッチ」が入るかを明確にしておくと、対策が立てやすくなります。
● 落ち込みスイッチの傾向を探る
何かの失敗があったときに、「自分はダメだ」という考えが瞬時に浮かぶのか、それとも誰かに言われた一言がトリガーになっているのか…
パターンを把握しておくと、自己卑下の連鎖を断ち切る手掛かりが増えます。
1-3.思考のクセを客観的に捉える
● 「こうあるべき」の囚われから自由になる
「100%完璧にこなさないといけない」「人前ではミスなんてあり得ない」という理想を抱えていませんか?
その理想と現実のギャップが大きいほど、ミスや予想外の出来事があったときに「自分は全然ダメ」と極端に思いこむ可能性が高まります。
● 「0か100か」の思考を緩める
理想と現実の折り合いをつけ、「失敗しても学びがある」「少しずつ成長できればいい」という柔軟な考えを意識しましょう。
自己評価が過度に低い場合、意外と周囲からは「そんなに落ち込むほどじゃないのに」と思われているケースも多いものです。
1-4.まとめ
自分を卑下する悪習慣を断つには、まず「いつ・どんなときに・どのように卑下しているのか」を具体的に把握することが重要です。
落ち込みの引き金を認識し、思考のクセを見直すだけでも、ネガティブなセルフトークの連鎖をゆるめる効果が期待できます。
自分への評価を過度に低くしすぎず、現実的な理想と折り合いをつけながら、少しずつ自己肯定感を育んでいきましょう。
2.セルフ・コンパッションを実践し、自分に優しくなる
「大切な友人が落ち込んでいるとき、あなたはどんな言葉をかけるか?」と想像してみてください。
おそらく、「焦らなくても平気だよ」「きっと大丈夫」といった、相手を励ます言葉をかけるのではないでしょうか。
しかし、自分自身が同じように落ち込んでいるときには、意外と厳しい言葉で自分を追い詰めてしまうことが多いものです。
そこで注目したいのが、「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」という考え方です。
2-1.他人にかける優しい言葉を自分にも
● 友人をいたわるように自分に話しかける
「どうしてそんなことで悩むの? しっかりしなきゃ」ではなく、「ゆっくりでいいよ」「あなたならきっとできる」と優しい言葉をかけてみましょう。
● 言葉の使い方を変えるだけで、気持ちがラクになる
たとえば「なんで私はこんなにダメなんだ」ではなく、「今日はうまくいかなくても、明日はきっともう少し前進できる」と声をかけるだけで、心の負担が軽くなるはずです。
2-2.内なる批評家をなだめる
● 「なにやってるんだ」という声を一時休止
ミスをしたり落ち込んだりすると、頭の中で「どうしてそんなこともできないの?」といった厳しい声が鳴り響くことがあります。
この声を一旦お休みさせるイメージを持つことが大切です。
● 友人を励ますフレーズを転用する
「あなたなら乗り越えられるよ」「多少失敗しても大丈夫」など、普段は友達に伝えているような励ましを、自分自身にも適用してみましょう。
自分への責めを減らせると、感情のリセットも早く行えます。
2-3.ネガティブ感情をコントロールしやすくなる
● セルフ・コンパッションが生む緩衝効果
自分を批判する言葉を少し控え、肯定的な言葉を取り入れるだけでも、気持ちの浮き沈みを上手に調整できるようになります。
● 落ち込みからの回復速度がアップ
心が沈んでいるときに自分を追い詰める言葉ばかりでは、回復に時間がかかってしまいがちです。
逆に、セルフ・コンパッションを高める習慣が身につけば、落ち込みのスパイラルから早く抜け出せるようになるでしょう。
2-4.まとめ
セルフ・コンパッションを実践するとは、要するに「大事な友人への思いやりと同じ優しさを、自分自身にも向ける」ことです。
頭の中で責め立てる声を一度ストップさせ、もう少し穏やかな言葉を自分にかけるだけでも、感情のコントロールが格段にしやすくなります。
忙しい日常の中で、つい自分に厳しくなってしまう人こそ、このセルフ・コンパッションの考えを取り入れてみてはいかがでしょうか。
3.「幸福」をもたらす要素を取り入れ、比較を卒業する
誰かと自分を比べて落ち込む状況が続くと、本来は楽しめるはずの目標や趣味にも手が伸びなくなることがあります。
そんなときこそ、「自分にとって本当に幸せを感じられるもの」を積極的に取り入れる習慣づくりが重要です。
以下では、その具体的な方法を詳しく解説します。
3-1.自分を幸せにするものは何か?
● 落ち込んでいるときの悪循環
気分が沈んでいると、なかなか「やりたいこと」や「目指したいもの」に集中しにくくなり、他人と自分を比べて自己嫌悪に陥るケースが増えてしまいます。
● 「小さな幸福」を探してみる
「何をしているときに自分は満たされるのか」「どんな時間がいちばんリラックスできるのか」を改めて考えてみましょう。
たとえば好きなアーティストの曲を聴く、体を動かす、あるいは家でゆっくり読書をするなど、自分が本当に喜べるものをいくつかリストアップしてみると、意外な発見があるかもしれません。
3-2.「自分の道」に集中する
● 他人の成功に振り回されないコツ
友人や知人が輝かしい成果を上げている話を耳にすると、つい「自分はなんてダメなんだ」と羨ましさや自己否定が湧いてくることも。
でも、他人のペースに合わせる必要はありません。
自分にとってのゴールは何かを見つめ直し、その達成に向けてエネルギーを注ぐことが大切です。
● 「自分軸」を取り戻す
あなたが心から好きな趣味や目標があるなら、そこに時間や気持ちを注いでみてください。
仕事でもプライベートでも「これをやっているときは心が満ち足りる」という活動にフォーカスすることで、周囲の評価や他人との比較に振り回されにくくなります。
3-3.背中を押してくれる「習慣」をつくる
● 小さな習慣で大きな効果
「朝の10分だけ好きな音楽を楽しむ」「休日は公園で散歩する」など、生活に無理なく組み込める「小さな幸福」を定期的に取り入れると、メンタルの落ち込みを防ぎやすくなります。
毎日のなかに少しでも心地よい時間があるだけで、ストレスが和らぎ、気分の切り替えもスムーズです。
● 続けることで「自分をいたわる」意識が育つ
習慣として続けていくうちに、「自分にもこんなに大切な楽しみがある」「こんな風にリラックスできる」といった発見が増えていきます。
結果として、自分を否定するよりも「自分をケアする」方向へ意識を向けやすくなるのです。
3-4.まとめ
他人との比較に囚われて落ち込みやすいと感じるときこそ、「自分を幸福にしてくれるものは何だろう?」と自問することが有効です。
趣味、目標、居心地の良い空間など、自分にとっての“喜び”を明確にし、そこへ意図的に時間を割くことで、自然と他者との比較から解放されやすくなります。
また、小さな習慣を積み重ねることで、「自分をちゃんといたわっている」という安心感を育みやすくなるでしょう。
自分の道に集中し、自分ならではの幸せを大切にする姿勢が、落ち込みの解消と安定したメンタルづくりの鍵となります。
まとめ:落ち込みを手放すために「やめる」3つのポイント
1:自分を卑下する悪習慣を断つ
ネガティブなセルフトークを見直し、その原因を認知するだけでも解決策が見つかりやすくなります。
2:セルフ・コンパッションで自分に優しくなる
友達への言葉を自分にも向け、「心の中の批評家」を静めてみましょう。
3:「幸福を感じる要素」を増やすことで比較を卒業
自分自身を幸せにするものは何かを明確にして、そこへエネルギーを注ぐほど、他者との比較が減り、自分らしさを取り戻しやすくなります。
これらのステップが落ち込みを解消し、前向きな気持ちへの切り替えを後押ししてくれる可能性は非常に大きくなります。
自分への扱い方を少し変えるだけで、意外なほど心が軽くなるものです。
もし落ち込みが続いていると感じたら、「何をやるか」より先に「何をやめるか」をチェックしてみましょう。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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