職場の人間関係を変える!カウンセラーが教える3つのアプローチ
2025/03/07
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
職場での人間関係は、働くうえで大切な要素ですよね。
しかし、実際には「周囲との距離感がつかめない」「どう振る舞えばいいかわからない」と悩む方も少なくありません。
実際に、職場でのストレスの多くは対人関係が原因になりがちです。
そこで今回は、人間関係をよりよくするための3つの方法をお伝えします。
1. 「ポジティブ領域」を知る
まず大切なのは、自分の「心地のよいイメージや好み」が詰まった「ポジティブ領域」を理解することです。
これは、自分にとって肯定的なものや居心地の良いものを集めたイメージの集合体です。
好きな音楽や映画、行きたい場所、夢や憧れなど、現実離れしていても構いません。
自分だけの「好きなものリスト」をイメージしてください。
この「ポジティブ領域」が重なる相手とは、初対面でもなんとなく気が合うものです。
一方で、ここから外れてしまうと、関係がギクシャクしてしまうことも。
そのくらいに、人間関係では「互いに快く感じられる部分」が大きな影響を持ちます。
1-1.ワーク:自分の「ポジティブ領域」を書き出す
以下のような質問にリズム良く答えてみてください。
考え込まず、浮かんだイメージをそのまま書き出すのがポイントです。
✔好きな食べ物は何ですか?
✔いま買いたいものは何ですか?
✔これまで観た映画で一番良かったものは?
✔魔法が使えたら何をしますか?
✔親しい友達は誰ですか?
✔いま行きたい場所はどこですか?
✔好きな音楽は何でしょう?
✔会いたい人は誰ですか?
✔好きな芸能人やタレントは?
✔よく観るテレビ番組は何ですか?
✔やってみたい仕事や夢の職業は?
このようにして、「これが自分にとって居心地がいいんだな」と頭で把握するだけでも、大きな気づきになります。
2. 相手の長所を積極的に探す
職場には、必ずしも自分と全く同じ「ポジティブ領域」を持つ人ばかりが集まるわけではありません。
趣味も価値観も違う人同士が働く以上、意見の食い違いやコミュニケーションのズレが生まれやすいのは当然とも言えます。
しかし、だからこそ意識して相手の長所を探し、そこに目を向ける姿勢を持つことが、良好な関係の土台となります。
2-1.なぜ「長所を探す」ことが大切なのか?
安心感を与える
→自分を理解してくれると感じる相手には、誰でもほっと安心します。自分の良い面を認められたり、肯定的に見てもらえたりすると、「ここなら自分らしくいられる」と思えるようになるのです。
信頼感が高まる
→人は、自分のことを受け入れてくれる相手に対して好感を抱きやすいものです。
感謝やポジティブなフィードバックを受けることで、「この人は味方になってくれそう」と感じ、自然に距離が縮まっていきます。
相乗効果が生まれる
→褒める側と褒められる側の両方にメリットがあるのが、「相手の長所を探す」という行動の特徴です。
褒められた相手がより前向きに仕事に取り組むようになるだけでなく、褒めた本人も「人を認める視点」を持ちやすくなり、自分の“ポジティブ領域”が拡大します。
2-2.どのように褒めればいいのか?
● 感謝の言葉にのせて伝える
「ありがとう」「助かったよ」などのシンプルな言葉と一緒に、具体的な長所や良い行動を伝えましょう。
例えば「資料を準備してくれて助かったよ。あなたの段取りの良さに本当に感心した」というふうに、行動と評価をセットにすると、相手も「自分のどこが良かったのか」を理解しやすくなります。
● ポジティブな表現を活用する
「ここが素晴らしい」「あのやり方に感心した」「とても助かった」といった前向きな言葉を意識して使います。
短くても構いませんが、できるだけ「具体的」かつ「称賛」に近い表現にすると、相手の心にしっかり届きやすくなります。
● 褒めるタイミングは自然に
「今日こそ褒めなきゃ」と気負いすぎると、かえって不自然になりがちです。
もちろん褒め慣れていない方は、意識してタイミングを見計らうことから始めても良いですが、あくまでも無理のない範囲で続けることがポイントです。
● 短い一言でもOK
「褒めるのはなんだか照れくさい」「そんなに仲が良いわけでもないのに…」と思うかもしれませんが、まずは一言から始めるだけでも十分です。
「よかったね」「すごいね」「さすがだね」など、短くてもポジティブな言葉は相手の気持ちを軽やかにしてくれます。
2-3.ワーク:長所発見トレーニング
①周囲の人を3名ほどリストアップする
一緒に仕事をしている同僚・先輩・上司など、皆さんと関わりのある職場の人を3名ほど挙げてみてください。
苦手意識を抱いている人を含めるのもおすすめです。
②それぞれの長所を具体的に3つ書き出す
リストアップした人ごとに、「こんなところが助かっている」「あの業務が得意」「ここが魅力的」というポイントを3つ挙げてみましょう。
たとえば「仕事が早い」「アイデアが独創的」「いつも笑顔で明るい」など、なるべく具体的に書くと良いです。
③1日1回、自然な形で伝えてみる
書き出した長所の中で、一番伝えやすい内容を探してみましょう。
感謝の言葉とセットにするとスムーズなので、「今日は〇〇さんの早い対応が本当に助かった。ありがとうね!」というように、まずは1日1回でも伝えられると理想的です。
④相手の反応を観察する
褒められるのを素直に受け取る人もいれば、少し照れてしまう人もいます。
どんな反応でも「自分の言葉が相手に届いているんだ」と受け止めてください。
相手のリアクションが思ったほどポジティブに見えなくても、言葉自体はきちんと伝わっている場合が多いです。
⑤自分自身にもフィードバックを
「自分は今日、どんなふうに相手の長所を伝えられたか?」「次に似た場面があったら、もっとこう言ってみようかな」と客観的に振り返ってみてください。
日々の小さな成功体験が積み重なることで、褒めることが少しずつ自然になり、自分の視野も広がります。
3. 小さなコミュニケーションを積み重ねる
職場の人間関係を良好に保つためには、特別なスキルや長時間の会話だけが重要なのではありません。
むしろ「ちょっとした挨拶や雑談をこまめに重ねる」ことこそが、大きな信頼感につながります。
以下に、その具体的なポイントを詳しくご紹介します。
● 挨拶から始める
朝の「おはようございます」や帰り際の「お疲れさまでした」など、ごくシンプルな声掛けで構いません。
短い挨拶でも、相手は「自分に関心を持ってくれている」「大切に扱われている」と感じやすくなります。
● アイコンタクトや相づちを意識する
相手の顔をきちんと見て話を聞く、うなずきや表情で「あなたの話に集中している」ことを示すのは、コミュニケーション上の基本です。
「それでどうなったの?」「わかるよ」など、一言添えるだけで会話が弾み、安心感を与えられます。
● ちょっとした雑談で軽い情報交換をする
昼休憩や休憩時間に、仕事以外の話題(テレビ番組、週末の予定、趣味など)を共有してみてください。
深い話をしなくても、日常の些細な話題をこまめに共有することで、「いつでも話せる」「気軽に声を掛けてもいい」という雰囲気が育まれます。
● 簡単な相談や質問をしてみる
相手の負担になりにくいレベルの相談や質問から始めてみましょう。
例えば「この書類の提出期限って、いつまででしたっけ?」程度のちょっとした確認でもOKです。
小さな相談がきっかけとなり、相手からも「そういえば、これ教えてほしいんだけど…」と相談を受ける流れが生まれ、人間関係がより近く感じられるようになります。
● 頻度とタイミングが大切
1回長く話すよりも、10回に分けて少しずつ話をしたほうが、親しみが深まりやすい場合があります。
コミュニケーションが苦手と感じる方ほど「一度にたくさん話さなきゃ」と頑張りすぎず、むしろ短いやり取りを回数多く重ねるほうがスムーズです。
これらの積み重ねが、長期的には「何か困ったときに助け合える関係」「仕事以外でも少し相談できる間柄」へとつながります。
大げさなコミュニケーションは必要ありません。むしろ、毎日の小さな声掛けのほうが、相手との距離感を心地よく縮めてくれるのです。
3-1.ワーク:1週間「プチ声掛け」チャレンジ
以下のステップを、まずは1週間続けてみましょう。
短い期間でも毎日実践することで、小さなコミュニケーションの積み重ねがどれほど効果的か体感できるはずです。
● 挨拶を必ずするリストを作る
職場でよく顔を合わせる人を5人ほどピックアップしてみましょう。
名前を書いて、出勤時・退勤時に必ず挨拶や一言を添えることを決めます。
例えば「今日も暑いですね」「いつもお疲れさまです」など、本当に短い一言でもOKです。
● 一度以上、個別に話しかける機会を作る
上記のリストのうち、少なくとも1人に対しては、1分ほどの雑談や質問をしてみてください。
「週末はどう過ごされましたか?」「そのお菓子、どこで買ったんですか?」といった軽い内容で十分です。
● 気づきをメモする
1日の終わりに「相手がどんな反応をしたか」「自分はどう感じたか」をざっくりメモしておきましょう。
相手の意外な一面に気づいたり、自分から話しかけるのが意外と気負いなくできることに気づけたりします。
小さな発見を記録しておくとモチベーションが続きやすくなります。
● 1週間後に振り返る
「どの人が話しかけやすかったか」「どんなタイミングで話しかけるとうまくいったか」などを振り返ります。
うまくいかなかった原因も自分なりに考え、次の週に修正ポイントを活かしましょう。
このワークを重ねるうちに、「小さな声掛け」をする習慣が自然と身についていきます。
すると、職場の人との距離感が少しずつ縮まり、お互いに相談しやすい関係が育まれることでしょう。
最初は緊張するかもしれませんが、続けるうちに自分のコミュニケーションスキルにも自信がついてきます。ぜひ試してみてください。
まとめ
職場の人間関係を円滑にするためには、自分自身の「ポジティブ領域」を知り、それを相手とも共有できるように工夫することが大切です。
そして、職場ではいろいろな人がいるからこそ、相手の良いところを見つけて伝えたり、小さなコミュニケーションを重ねたりすることで、お互いにとって心地よい関係が築けます。
心理カウンセラーとして、皆さんの職場がより穏やかな空気に包まれることを心から願っています。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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