うつ病(鬱病)の方が取りやすい行動と家族等によるサポートについて
2024/10/17
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
はじめに
うつ病は、本人が気づくことが難しい場合が多く、家族が最初に異変に気づくことが一般的です。
「最近、元気がないように見える」「何か悩んでいるのでは?」といった微妙な変化を捉えることが、早期発見につながります。
しかし、家族として「どう接したら良いのか」と悩むことも少なくありません。
そこで今回は、うつ病の方が取りやすい行動と、本人が抱える困りごと、そして家族の支援方法について具体的に見ていきます。
また、カウンセリングの重要性と効果についても詳しく解説します。
うつ病の方が取りやすい行動
うつ病の方がとる行動には、以下のようなものがあります。
睡眠障害
多くのうつ病患者は、過眠または不眠といった睡眠の問題を抱えています。眠れていない、または眠りすぎても疲れが取れないなどの症状が見られます。
意欲の減退
何に対してもやる気が出ず、趣味や仕事に対する興味を失うことがあります。身だしなみや日常生活が疎かになることも。
食欲の変化
食欲が減退したり、逆に過食に走ったりすることがあります。これは、心の健康状態に大きな影響を与える要因です。
人とのコミュニケーションを避ける
認知機能の低下により、会話が困難になることがあり、社会的な孤立を招くこともあります。
外出を避ける
身体的な重さやだるさから、外に出ることが億劫になる傾向があります。
感情の不安定さ
小さなことでイライラしたり、落ち着かなくなったりすることがあります。これは、内面的な葛藤を反映しています。
家族の支援方法
家族の支援は、うつ病患者の回復において非常に重要です。
家族はご本人の生活環境を理解し、日常的なサポートを提供することで、安心感を与えます。
早期発見や専門機関への受診を促す役割も果たし、治療の第一歩を助けることができます。
ご本人が孤立感を感じにくくするための情緒的支えも大切です。
以下、うつ病を患っておられる家族や周囲の方ができる支援をご紹介します。
1. 理解を深める
家族は、うつ病は「気の持ちよう」で解決できるものではないと理解することが重要です。
本人の行動がうつ病の影響によるものであることを認識し、責めたり、無理に励ましたりするのではなく、寄り添う姿勢が求められます。
2. 安心できる環境を整える
本人が安心できる家庭環境を作ることが大切です。
日常生活の中でのストレスを軽減し、心の安定を保てるように配慮しましょう。
3. 受診を勧める
家族が「うつ病かもしれない」と感じたら、早めに専門家の診断を受けることを勧めましょう。
適切なサポートを受けることで、症状が悪化する前に対処することができます。
しかし、家族が支援を行うことは容易ではありません。
特に、うつ病のご本人に対して、どうしても励ましたり、逆に苛立ちを感じるということは生じがちになります。
また、ご本人の状態が変動するため、どのように関わるべきかの判断が難しいこともあります。
支援者自身がストレスを感じ、精神的に疲れてしまうことも少なくありません。
このような状況を乗り越えるためには、適切な知識とコミュニケーション、そして専門家によるサポートが不可欠です。
カウンセリングの効果
心理カウンセリングは、うつ病の回復において非常に効果的です。以下は、カウンセリングが持つ主な効果です。
自己理解の向上: カウンセリングを通じて、うつ病の方は自分の感情や思考のパターンを理解することができます。この理解は、自己受容を高めることにつながります。
ストレス管理のスキル向上: カウンセリングでは、ストレスに対処するための具体的な技法やスキルが提供されます。これにより、日常生活におけるストレスをより上手に管理できるようになります。
問題解決のアプローチ: カウンセリングは、ストレスの原因を明らかにし、それに対する解決策を共に考える場です。うつ病の方が直面している特定のストレス要因に焦点を当て、具体的な対策を立てることができます。
支援ネットワークの構築: カウンセリングは、支援ネットワークを広げる手助けにもなります。専門家の指導の下で、家族や友人との関係がより強化され、サポート体制が整います。
具体的なアプローチ
家族がカウンセリングをすすめる際には、以下の点に注意しましょう。
理解を示す: うつ病の方に対して理解を示し、感情を尊重することが大切です。「どうしてカウンセリングを受ける必要があるのか」といった問いかけよりも、「どのようにサポートできるか」を重視するアプローチが効果的です。
オープンな対話を持つ: カウンセリングに対する不安や疑念があれば、率直に話す機会を設けましょう。この対話を通じて、共にカウンセリングの必要性を感じることができるかもしれません。
専門家の意見を取り入れる: カウンセリングを進める際には、専門家の意見やアドバイスを大切にすることが重要です。医療機関やカウンセラーに相談することで、最適なアプローチを見つけることができます。
うつ病に関する研究文献
うつ病に関連する行動についての研究も多く存在します。
うつ病患者を介護する家族間の情報共有が家庭内コミュニケーションに及ぼす影響という論文では、家族介護者が患者の健康状態に関する情報を共有することが、家庭内のコミュニケーションや介護関係に与える影響について研究されています。
また、研究ではありませんが、厚労省のご家族にできることは、うつ病の方を抱えているご家族ができることを具体的に解説していますので、対応方法についての参考になります。
まとめ
うつ病は、本人が気づきにくい病気であり、家族の気づきが早期治療につながることがあります。
うつ病の方がとる行動を理解し、家族がどのように支援できるかを考えることが大切です。
また、専門家の助けを借りることで、より良いサポートが可能になります。
心のケアを大切にし、必要なサポートを受けることが重要です。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。