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不安と抑うつが続く理由:無力感・絶望感の悪循環を断ち切るには?~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの実例より~

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不安と抑うつが続く理由:無力感・絶望感の悪循環を断ち切るには?

不安と抑うつが続く理由:無力感・絶望感の悪循環を断ち切るには?

2025/03/14

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、不安障害と抑うつ障害は、多くの人々に影響を及ぼす一般的な精神的健康問題です。​

 

これらの障害が同時に存在する、いわゆる「併存状態」は、症状の重篤化や治療の複雑化を引き起こすことがあります。​

 

そこでこのブログでは、「無力感-絶望感」の視点から、不安障害と抑うつ障害の併存について探り、効果的な対処法を考察します。

 

1.不安障害と抑うつ障害の併存:現状と課題


不安障害と抑うつ障害は、しばしば同時に発症することが知られています。​

 

研究によれば、抑うつ障害を持つ人の約57%が何らかの不安障害を併発していると報告されています。

 

​この併存は、症状の慢性化、回復や再発率の増加、自殺リスクの上昇など、さまざまな負の影響をもたらす可能性があります。​

 

特に、若年層においては、物質乱用の増加、自分自身を害する行為のリスク上昇、行為障害の診断リスク増加、そして治療効果の低下が指摘されています。

 

2.無力感-絶望感モデルとは?~不安障害と抑うつ障害をつなぐ心理的メカニズム~


不安障害と抑うつ障害が同時に発症する背景には、共通する心理的な要因があると考えられています。

 

その一つとして、心理学者のローレン・B・アロイ(Lauren B. Alloy)とリン・Y・エイブラムソン(Lyn Y. Abramson)は、「無力感-絶望感モデル(Helplessness-Hopelessness Model)」を提唱しました。

 

このモデルは、人がストレスの多い出来事に直面したとき、それをどのように捉え、感じるかによって、不安障害や抑うつ障害の発症リスクが変わるという考え方に基づいています。

 

具体的には、ストレスを「自分ではどうにもできない」と感じること(無力感) が、不安障害の発症につながります。

 

そして、その結果「これから先も状況が良くなることはない」と感じること(絶望感) が、抑うつ障害の発症につながると考えられています。

 

この二つの感情が組み合わさることで、不安と抑うつが互いに影響を及ぼし合い、症状がより深刻化しやすくなるという悪循環が生まれるのです。

 

1-1.無力感と不安障害の関係


無力感(Helplessness)とは、「どれだけ努力しても状況を変えられない」と感じる心理状態を指します。

 

この感覚が強くなると、「何か対処しなければ」と焦る気持ちが生まれ、それが過剰な不安 へと発展しやすくなります。

 

● 無力感が不安障害を引き起こすメカニズム


✔コントロールできない状況への過敏な反応
→ 例:「また失敗するかもしれない」「努力しても変わらない」と考え、常に警戒してしまう。

✔過剰な心配(全般性不安障害)
→ 例:「最悪の事態になったらどうしよう?」と常に不安を抱き、考えすぎてしまう。

✔回避行動(社交不安障害)
→ 例:「何を言っても誤解されるかもしれない」と思い、人との交流を避けてしまう。

✔強迫行動(強迫性障害)
→ 例:「きちんと確認しないと取り返しのつかないことになる」と考え、何度も確認行動を繰り返す。

 

このように、無力感が強くなると、脳が「不安」に敏感になりすぎてしまい、さまざまな不安症状が発症しやすくなるのです。

 

1-2.絶望感と抑うつ障害の関係


絶望感(Hopelessness)とは、「未来に希望を持てない、自分の人生が好転するとは思えない」と感じる心理状態です。

 

無力感が続くことで、「何をやっても無駄だ」と感じるようになり、次第に意欲が低下していきます。この絶望感こそが、抑うつ障害を引き起こす主な要因となります。

 

● 絶望感が抑うつ障害を引き起こすメカニズム


✔エネルギーの低下
→ 例:「どうせ頑張っても意味がない」と思い、何もする気が起きなくなる。

✔興味や喜びの喪失
→ 例:以前は楽しかったこと(趣味・食事・友人との会話)が、まったく楽しめなくなる。

✔自己評価の低下
→ 例:「自分には価値がない」「周りに迷惑をかけている」と考え、自分を責め続ける。

 

このように、無力感から絶望感へと移行すると、不安だけではなく「すべてに対する意欲の低下」へとつながり、抑うつ状態が悪化するのです。

 

1-3.無力感と絶望感が同時に存在することのリスク


無力感と絶望感が同時に存在すると、「何をしてもダメだ」と考えながらも、不安や焦りだけが募るという状態になります。

 

この状態が続くと、不安障害の強い症状(パニック発作、過度な心配、回避行動)と抑うつ障害の症状(無気力、興味喪失、自己否定)が絡み合い、精神的な負担が極端に大きくなるため、適切なサポートが必要になります。

 

また、無力感-絶望感モデルに基づくと、「不安症状が先に現れ、その後に抑うつ症状が現れる」 というパターンが多く見られることが分かっています。

 

つまり、不安を抱えている段階で適切に対処すれば、抑うつ状態へと進行するのを防ぐことができる可能性があります。

 

2.併存状態の理解と対応


不安障害と抑うつ障害が併存する場合、無力感と絶望感が相互に影響し合い、症状を悪化させる可能性があります。

 

​例えば、不安からくる無力感が絶望感を増幅し、それがさらに抑うつ症状を深刻化させるといった悪循環が生じることがあります。

 

​このような状態に対処するためには、以下のようなアプローチが有効とされています。​

 

2-1.認知行動療法(CBT)の活用


認知行動療法は、思考や行動のパターンを見直すことで、感情や行動の変化を促す心理療法です。

 

​無力感や絶望感を引き起こす否定的な思考パターンを特定し、それを現実的で前向きなものに置き換えることで、症状の改善が期待できます。​

 

特に、不安と抑うつの両方の症状に効果があるとされています。​

 

2-2.薬物療法の活用

 

不安障害や抑うつ障害の治療において、薬物療法は有効な治療法のひとつとされています。

 

特に、脳内の神経伝達物質のバランスを整える薬 は、不安や気分の落ち込みを軽減し、日常生活の質を向上させることに役立ちます。

 

薬物療法は、単独で用いられることもありますが、心理療法(カウンセリングや認知行動療法など)と併用することで、より効果的に症状を改善できるとされています。

 

2-3.ライフスタイルの見直し


規則正しい生活習慣、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠は、精神的な健康を維持する上で重要です。​

 

また、リラクゼーション法やマインドフルネス瞑想などのストレス管理技術も有効です。​

 

2-4.社会的サポートの活用


家族や友人や信頼できる人とのつながりは、無力感や絶望感を軽減するために非常に重要です。

 

一人で抱え込まず、支えとなる人々と話をすることで、心の負担を軽くすることができます。 

 

まとめ:不安と抑うつの悪循環を断ち切るために


不安障害と抑うつ障害が併存すると、「無力感」と「絶望感」が相互に影響し合い、症状が悪化するリスクが高まります。

 

しかし、適切な対応を取ることで、この悪循環を断ち切ることが可能です。

 

✔認知行動療法(CBT)を活用し、否定的な思考パターンを変える
✔薬物療法を適切に活用し、症状をコントロールする
✔生活習慣を整え、心と体のバランスをとる
✔社会的なつながりを大切にし、サポートを受ける

 

「不安も抑うつも、私のせいではないのにどうすればいいの?」


そんな風に感じることもあるかもしれません。ですが、あなたは決して一人ではありません。

 

専門医やカウンセラーといった専門家と一緒に、自分に合った方法を見つけることで、少しずつでも前に進むことができます。

 

心がつらいと感じたときは、一人で抱え込まずに、誰かに話してみませんか?

 

無力感や絶望感のループを断ち切り、少しずつ「自分らしい生活」を取り戻していきましょう。

 

参考論文

Comorbidity of anxiety and depressive disorders: A helplessness-hopelessness perspective

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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