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インナーチャイルドと向き合う:本来の人格を取り戻すための3ステップ~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの実例より~

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インナーチャイルドと向き合う:本来の人格を取り戻すための3ステップ

インナーチャイルドと向き合う:本来の人格を取り戻すための3ステップ

2025/04/09

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、日々の生活の中で…

 

「なんとなく生きづらい」

「人との関係に違和感がある」

「頑張っているのに満たされない」

 

インナーチャイルドの問題を抱えている場合、このように感じることは珍しくありません。

 

そして心理療法の世界では、それはインナーチャイルドの問題により「本来の自己(本当の自分)」から離れてしまっているのではかいかと考えられています。

 

そこで今回お伝えするのは、「インナーチャイルド」と呼ばれる心の中の繊細で大切な部分を、改めて見つめなおすための理論と実践についてです。

 

そのため、ここでは「本来の人格(Authentic Personality)」を中心とした心理統合(Psychosynthesis)の視点から、私たちがどうすればより自分らしく生きられるのかを深く掘り下げていきたいと思います。

 

1.「本来の人格」とは何か? 〜“ありのままの自分”として生きる感覚〜


「本来の人格(Authentic Personality)」とは、私たちが他者の期待や社会の価値観に左右されることなく、自分自身の内側から自然に湧き上がってくる感覚や思いに正直に生きるあり方を意味します。

 

これは、仮面をかぶるような「こうあるべき」という外側の基準ではなく、「私はこう思う」「私はこれが好き」「私は今、こう感じている」という内側の「実感」に根差した生き方です。

 

このような本来の人格は、私たちがもともと備えている「真の自己(True Self)」、つまり「I-amness(私はここに存在しているという感覚)」に基づいています。

 

これは単なる性格の一部ではなく、その人の存在の核であり、もっとも自然で自由な状態の自己だと考えられています。

 

1-1.本来の人格は「関係性の中」で育まれる


John Firman & Ann Gila の論文において重要視されているのは、本来の人格が個人の内面だけで自動的に形成されるものではないという点です。

 

むしろ、それは周囲との共感的な関係性の中で、ゆっくりと育まれていくものなのです。

 

特に幼少期において、子どもが「こんな自分でも受け入れてもらえる」「わかってもらえている」と感じられるような体験が、人格の健全な形成には不可欠です。

 

たとえば、子どもが悲しんでいるときに、「そんなことで泣かないの」と突き放されるのではなく、「悲しかったんだね」とその感情に寄り添ってもらえる。このような感情の共感的な承認が、本来の人格の土台になります。

 

言い換えれば、本来の人格は「自己主張の強さ」や「自立性」といった能力によって成り立つのではなく、無条件に受け入れられ、尊重されてきた経験の積み重ねによって築かれていくのです。

 

1-2.「そのままでいていい」と言ってくれる存在の大切さ


幼い子どもにとって、「そのままでいていいよ」とメッセージを送ってくれる存在は、自分の存在そのものに「価値や意味」があると感じさせてくれる、かけがえのない他者です。

 

こうした関係性の中では、子どもは次第に

 

✔「私は私でいいんだ」

✔「私の気持ちは尊重されていい」

✔「私はこの世界に歓迎されている」

 

という存在的な安心感(being valued)を獲得していきます。

 

このような土台があってはじめて、人はのびのびとした感情表現ができ、健全な自己主張ができ、他者と信頼に基づいた関係を築いていくことができるようになります。

 

1-3.一方で、本来の人格が阻害されるとどうなるか


もし、こうした共感的な環境が幼少期になかった場合、人は自分の「本当の気持ち」や「本音」を表現することに不安を感じ、「傷つかないための人格=サバイバル人格」を形成してしまいます。

 

これは社会に適応するための一時的な「防衛」であり、大なり小なり私たちには存在するものです。

 

そのため、サバイバル人格はある程度は必要なものでもありますが、その状態が長く続くと、次第に「本来の自分がどんな人だったのか」がわからなくなってしまいます。

 

自分の感情に鈍感になったり、常に他人の目を気にしてしまったりするのは、本来の人格との断絶が背景にあるケースが多いのです。

 

2.非存在の傷とサバイバル人格〜なぜ私たちは「本当の自分」を見失ってしまうのか〜

 

私たち一人ひとりには、本来の自分として自然に生きる力が備わっています。

 

しかし、現実の中でこの力が抑えられてしまうことは、決して珍しいことではありません。

 

たとえば…

 

✔感情を素直に表現したときに「そんなこと言っちゃダメ」と否定された

✔自分の欲求や好みを伝えたときに「それは変だよ」と笑われた

✔親や周囲の人から「いい子」でいることを強く求められた

 

こうした体験が積み重なると、子どもは次第に「そのままの自分では受け入れてもらえない」と感じ始めます。

 

すると、自分の中にある感情や欲求を押し殺し、「こうすれば愛されるはず」「こう振る舞えば怒られない」と周囲に合わせて生きるようになります。

 

このとき、心の深いところに刻まれるのが、「非存在の傷(Wound of Nonbeing)」です。

 

2-1.「非存在の傷」とは?


John Firman & Ann Gila の論文において、この「非存在の傷」は非常に重要な概念として位置づけられています。

 

この傷は、単なる心理的ダメージではなく、存在そのものが否定されたという深いレベルの傷つき体験を意味します。

 

たとえば…

 

✔「あなたの気持ちは関係ない」

✔「あなたの存在よりも、周囲のルールのほうが大事」

✔「あなたは黙って従っていればいい」

 

といった明示的・暗黙的なメッセージを繰り返し受けることで、子どもは「私はここにいてはいけないのかもしれない」「私のままでは価値がないのかもしれない」と感じるようになります。

 

それは、自分の感情、欲求、存在を丸ごと「認めてもらえなかった」という痛みです。


言い換えれば、「私」という存在がまるで「この世界に居場所がない」かのような、深い孤独と絶望の記憶です。

 

この非存在の傷は、時に記憶としては残っていなくても、人間関係や自己認識の中に、無意識のかたちで影響を及ぼし続けることが知られています。

 

2-2.サバイバル人格:傷から身を守るための仮の姿


非存在の傷はあまりにも痛いため、人はそれに直接向き合うことを避けようとします。

 

すると、次に現れるのが「サバイバル人格(Survival Personality)」です。

 

これは、自分を守るために無意識に発達させた“もうひとつの自分”のようなもので、次のような行動や思考パターンとして現れます。

 

✔常に他人の期待に応えようとする

✔「いい子」「できる人」「優等生」でいようとする

✔自分の気持ちよりも、相手の気分や場の空気を優先する

✔不安や怒りを感じても、それを押し殺して笑顔で対応する

✔「感情を感じること」そのものを避ける

 

一見すると、周囲からは「順応性が高い」「しっかりしている」「気が利く人」と評価されることもあります。


しかし、内面では…

 

✔「本当の私は誰なんだろう?」

✔「誰にも理解されていない気がする」

✔「頑張っているのに、満たされない」

 

といった虚しさや孤独感、不安定さが根底に流れていることが多くあります。

 

2-3.サバイバル人格は「敵」ではない


ここで強調したいのは、サバイバル人格は「間違っている」わけでも、「壊すべきもの」でもないということです。

 

この人格は、その人がこれまでの人生で「生き抜くために必要だった適応」であり、苦しみを乗り越えてきた証でもあります。


むしろ、私たちがサバイバル人格に「ありがとう」と言えるようになることが、本当の回復の第一歩なのです。

 

4.回復の3ステップ:認識・受容・包含〜インナーチャイルドとの関係を再び築くために〜

 

インナーチャイルドとのつながりを取り戻すことは、「本来の自分」を回復するための大切なプロセスです。

 

研究では非存在の傷により切り離されてしまった「本当の自分との再会」のために、3つの重要な段階、つまり認識・受容・包含を提案しています。

 

それぞれのステップは、決して急いで進めるものではなく、時間をかけて丁寧に自分と向き合っていく歩みです。

 

第1段階:認識(Recognition)〜「感じてはいけなかった自分」に気づく〜

 

このステップではまず、自分の中にいる「もう一人の自分」すなわち「インナーチャイルド」の存在に気づくことから始まります。

 

この子どもは、多くの場合、表面的な意識には上ってきません。

 

なぜなら、かつてその存在が否定されたことで、心の奥深くに押し込められ、見ないふりをする癖がついてしまっているからです。

 

たとえば、日常の中でふと感じるモヤモヤ、不安、孤独感、人に強く依存したくなる気持ち。

 

それらの背景には…

 

✔「もっと見てほしかった」

✔「甘えたかった」

✔「ありのままを受け入れてほしかった」

 

という「幼い頃の“感情の記憶」が隠れていることがあります。

 

この段階では、自分の中に癒されていない部分があることに気づく勇気が求められます。


インナーチャイルドは、「問題を起こす存在」ではなく、「本当の自分を伝えようとしている存在」なのです。

 

第2段階:受容(Acceptance)〜感情を否定せず、「そのまま」でいさせてあげる〜

 

次のステップでは、そのインナーチャイルドが感じている感情を、そのまま受け入れる姿勢が求められます。

 

多くの人は、「怒っちゃダメ」「泣くのは弱いこと」「そんなことで傷つくなんて子どもっぽい」と、自分の感情を否定しながら生きてきました。


しかし、感情は「正しい・間違い」で判断するものではありません。

 

そもそも、「正しい感情・間違った感情」というのは存在しません。

 

それよりも、感じたことそのものに良い・悪いはなく、「感じていい」と許すことが回復への扉になります。

 

この受容のステップでは、次のような態度が大切になります

 

✔「怒ってもいいんだよ」

✔「そんなに悲しかったんだね」

✔「怖かったんだよね」

 

こうした内なる対話を、自分自身に向けて行うことで、長い間凍りついていた感情が少しずつ溶け出し、安心感や温かさが内側に戻ってきます。

 

第3段階:包含(Inclusion)〜「インナーチャイルド」とともに生きる選択をする〜

 

最後の段階では、インナーチャイルドを「修復する対象」としてではなく、「人生のパートナー」として日常に迎え入れるプロセスが始まります。

 

それは、インナーチャイルドを過去の記憶として封印するのではなく…

 

「今の私の一部」として存在を認め、

「今の私の選択」に影響を与えてもらいながら、

「今の私の人生」に共に参加してもらうことです。

 

たとえば…

 

✔無理をしそうになったとき、「この子は今どう感じているだろう?」と立ち止まる

✔自分を責めそうになったとき、「そんな風に言われて悲しかったよね」と声をかける

✔安心できる人間関係や環境を意識的に選び、「もうひとりで我慢しなくていいよ」と伝える

 

こうして、インナーチャイルドが「今の自分の中で居場所を持つ」ことが、真の意味での回復へとつながっていくのです。

 

1-1心の再統合としてのプロセス


この「認識・受容・包含」の3ステップは、心理統合(Psychosynthesis)というアプローチにおける核心的なプロセスでもあります。

 

心理統合では、人間の意識は多層的に構成されており、インナーチャイルドを含む「部分的自己」を排除せず、統合していくことが癒しと成長をもたらすと考えられています。

 

インナーチャイルドは、ただの記憶ではありません。

 

今も自分自身の中に生きている、大切な存在そのものです。

 

まとめ:インナーチャイルドと共に、「私らしく」生きるために


認識、受容、包含…。

 

この3つのステップは、私たちが自分自身とより深く出会い直し、「本来の自分」として生き直すための、大切な地図のようなものです。

 

ぜひ、皆さん自身の中にある声に耳を傾け、「本来の自分」と再びつながってくださいね。

 

参考論文

OPENING TO THE INNER CHILD RECOVERING AUTHENTIC PERSONALITY

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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