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双極性障害の前兆とは?早期発見とケアの重要性について~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの実例より~

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双極性障害の前兆とは?早期発見とケアの重要性について

双極性障害の前兆とは?早期発見とケアの重要性について

2025/04/22

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と気分が沈む「抑うつ状態」を繰り返す疾患であり、早期の兆候を見逃さないことが重要とされています。

 

特に注目されているのが、発症前に見られる「前駆症状」と呼ばれる段階です。

 

今回、参考にする研究で、双極性障害における初期の前駆症状について包括的に分析されており、症状が本格化する前の初期サインを明らかにすることで、予防的介入や早期治療の重要性を示しています。

 

そこでこのブログでは、研究結果を踏まえながら、前駆症状の具体的な内容や早期に介入する意義等について解説していきます。

 

1.双極性障害の前駆症状とは?


双極性障害は、気分が極端に高揚する「躁(または軽躁)状態」と、著しく落ち込む「抑うつ状態」を周期的に繰り返す気分障害です。

 

その症状の激しさや日常生活への影響から、早期の発見と介入が重要とされています。

 

しかし、双極性障害はある日突然に発症するわけではありません。

 

実際には、「前駆期(prodromal phase)」と呼ばれる、発症の前段階にあたる期間が存在するとされており、この時期に見られる微細なサインに気づくことが、早期支援や予防的介入の鍵となります。

 

Skjelstadらの系統的レビューによれば、多くの双極性障害の方は、診断が確定する前にすでに何らかの心理的・行動的変化を経験しており、それらは「前駆症状」として注目されています。

 

1-1.主な前駆症状として報告されているもの


■ 気分の不安定さ


日常的に感情の波が大きくなるのが特徴です。

 

些細な出来事で怒りっぽくなったり、突然落ち込んだりするなど、感情が定まりにくく、自分でも気分の変化に戸惑う場面が増えてきます。

 

情緒の浮き沈みが激しくなることで、人間関係にも影響を及ぼしやすくなります。

 

■ 睡眠の乱れ


睡眠パターンの変化は、最も多く見られる前駆症状の一つです。

 

不眠や中途覚醒が続く、あるいは逆に過眠になるなど、質・量ともにバランスを欠いた睡眠状態が見られます。

 

躁状態が近づくと眠らなくても元気に活動できる一方で、抑うつの前兆では過剰な眠気や倦怠感が強くなる傾向があります。

 

■ 活動性の変化


ご本人の性格や生活スタイルに対して顕著な変化が見られます。

 

急に多弁になったり、スケジュールを詰め込んで精力的に動き出したりする一方で、ある時期にはまったく活動できなくなるなど、エネルギーの過不足が交互に現れる場合があります。

 

特に「極端さ」がポイントです。

 

■ 理由のない不安・焦燥感


明確な理由がないにもかかわらず、不安が強くなったり、落ち着かない気持ちが続くことも、前駆症状の一つとされています。

 

身体症状として、動悸や息苦しさ、胃腸の不調などを伴うケースもあります。

 

このような不安は、一時的なストレスではなく、慢性的に継続する点で注意が必要です。

 

■ 集中力の低下


物事に集中できない、思考がまとまらない、些細なことに気が散るといった状態も、前駆期に現れやすい変化です。

 

仕事や学業のパフォーマンス低下をきっかけに周囲が気づくこともあります。

 

1-2.前駆症状の「見極め」が難しい理由


これらの症状は、うつ病や不安障害、あるいは一時的なストレス反応と非常によく似ており、単独では双極性障害の診断にはつながりにくいのが現実です。

 

そのため、症状が現れた際には、「このぐらいは誰にでもあること」と見過ごされてしまうことも少なくありません。

 

しかし、Skjelstadらの研究が示す通り、これらの前駆的な変化が継続的に、かつ複数同時に現れている場合は注意が必要です。

 

特に、感情の波が激しい状態が数週間にわたって続いたり、日常生活に支障をきたすようになっているときは、心理的な評価を受けることが推奨されます。

 

2.前駆症状の重要性と早期介入の意味


先述しましたように、双極性障害は気分が高揚する「躁状態」と気分が沈み込む「抑うつ状態」を繰り返す疾患であり、そのサイクルの中でご本人の心身は大きな負担を受けることになります。

 

とくに、家族に双極性障害の診断を受けた方がいる場合や、過去にうつ病の治療歴がある方は、発症リスクが高くなることが知られており、こうした方には前駆症状の早期発見と適切な対応が非常に重要です。

 

前駆症状を見過ごすことなく捉え、適切な心理的・医療的サポートにつなげていくことで、症状の進行を抑えたり、将来的な生活の困難を予防することが可能になります。

 

1-1.早期介入によって得られる3つのメリット


前駆期のサインに早く気づき、必要な支援につながることは、双極性障害の経過において大きな意味を持ちます。

 

以下では、その主な利点についてご紹介します。

 

■ 症状の重篤化を防ぐ


双極性障害は、再発を繰り返すほど、症状が慢性化しやすくなる傾向があります。

 

しかし、前駆段階での気づきと介入によって、「躁状態」や「うつ状態」の急激な進行を緩やかにし、エピソードの出現頻度を下げることができる可能性が示されています。

 

たとえば、気分の不安定さや睡眠の乱れ、活動性の急変などが現れた段階で、医療サービスや心理カウンセリングを通して生活リズムの見直しやストレスマネジメントを行うことが、症状の悪化を予防する土台となります。

 

■ 生活の質の向上につながる


前駆症状に早期に対応できると、ご本人の日常生活への影響も大きく軽減されます。

 

仕事や学業、家庭内での役割を持続しやすくなるだけでなく、自分自身に対する理解と安心感が育まれるため、長期的な生活の質(QOL)の向上にもつながります。

 

特に、日常的な疲れやすさ・感情のコントロールのしづらさといった「ちょっとした困りごと」が蓄積すると、それが大きな支障へとつながっていくため、早い段階での対応が重要です。

 

■ 家族や周囲の理解とサポート体制の構築が進む


双極性障害は、本人だけでなく周囲の人々にも影響を及ぼしやすい疾患です。

 

前駆症状の段階で早期に専門家の支援を受け、情報共有を進めていくことで、ご本人やパートナーが「何が起きているのか」を理解しやすくなります。

 

これにより、必要以上に自分を責めたり、人間関係で誤解を深めたりすることなく、協力的な関係性を築くことが可能になります。

 

そうすることで自他共に「病気を抱えている人」としてではなく、「日々の揺らぎとともに生きている人」として、あたたかな眼差しを向けられる環境が整っていきます。

 

最後に

 

前駆症状とは、まだ「双極性障害」と診断される前の、ごく初期に現れるサインです。

 

この時期を見過ごさず、丁寧にケアすることが、未来の心の健康を守る第一歩になります。

 

何気ない日々の中で感じる違和感や揺らぎこそが、大切な「心からのサイン」です。

 

誰かに話してみること、自分の変化を知ろうとすることは、決して「大げさ」ではありません。

 

「今の自分や大切な人にに何が起きているのか理解したい」と思ったとき、ぜひ専門的なケアを検討してみてください

 

参考論文

Symptoms and signs of the initial prodrome of bipolar disorder: a systematic review

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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