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不安をやさしくケアする:「マインドフルネス×心理柔軟性」が心を守る理由とは~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの実例より~

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不安をやさしくケアする:「マインドフルネス×心理柔軟性」が心を守る理由とは

不安をやさしくケアする:「マインドフルネス×心理柔軟性」が心を守る理由とは

2025/05/03

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、多くの方が「この不安な気持ちをなくしたい」「ネガティブな思考を止めたい」という思いを抱えておられます。

 

確かに、とても自然な反応です。

 

しかし、そうした気持ちと「戦おうとする」ほど、心はかえって疲れてしまうのです。

 

そこで今回は不安障害に関する研究を踏まえつつ、不安障害と関連する「体験の回避」と「マインドフルネス」に焦点をあててみたいと思います。

 

ここには、つらい気持ちや考えを「なくす」のではなく、「そのままにしておく」ことで、心理的な健康を回復していく新しい視点が示されています。

 

1.「回避」が心の柔軟性を奪う


不安障害に関する研究が強調しているのは、「体験の回避」という心の働きが、どれほど私たちの心理的な健康に影響を与えているかということです。

 

1-1.体験回避とは?


体験の回避とは、「嫌な気持ちや考えを感じたくない」「苦しい記憶を思い出したくない」という自然な防衛反応です。

 

人は誰でも、不快な感情やストレスを避けたいと感じます。

 

たとえば、怒り、悲しみ、不安、恥、罪悪感といった感情は、なるべくなら感じたくないものかもしれません。

 

しかしこの研究では、その「避けたい」という反応こそが、不安や抑うつの持続・悪化に大きく関わっていると示されています。

 

1-2.避けることで、かえって苦しみが深まる


一見すると、ネガティブな感情や記憶から距離を取ることは、対処として合理的にも思えます。

 

けれども、この「避ける」という行動は、以下のような副作用を持ちやすいのです。

 

例えば…

 

✔「緊張するから人前で話さない」 → 自信を育てる機会を失い、ますます人前が怖くなる

 

✔「落ち込むのが怖いから誰にも頼らない」 → 孤立感が深まり、抑うつ傾向が進む

 

✔「未来が不安だから何も始められない」 → 行動が停止し、無力感が強まる

 

こうした体験回避は、一時的には「安心したような気がする」かもしれません。

 

しかしそれは問題の根本的な解決ではなく、「後回し」にしているだけなのです。

 

そのため、時間が経つごとに「避けてきたもの」がますます重く、怖く、コントロール不能に感じられるようになり、結果として回避する行動がさらに強化されてしまいます。

 

この悪循環が、心の柔軟性を著しく損なってしまうのです。

 

1-3.「心の柔軟性」が低いとはどういうことか?


心理的柔軟性とは、簡単に言えば「つらい感情があっても、自分が大切にしたい方向に行動を選べる力」のことです。

 

体験の回避が強い方は、感情に左右されて行動を決めてしまいます。


例えば…

 

✔不安があるから挑戦しない

✔恥ずかしいから意見を言わない

✔怖いから関係を断つ

 

それに対して、柔軟な方は…

 

✔不安があっても自分にとって大事なことには手を伸ばす

✔恥ずかしさがあっても、自分の声を出す

✔怒りや悲しみを感じても、大切な人とのつながりを保とうとする

 

というふうに、「感情に巻き込まれすぎず、自分で選んで動ける」のです。

 

Roemer & Orsilloの研究は、「体験の回避が強いほど不安や抑うつのレベルが高くなりやすい」「マインドフルネスによって心理的柔軟性を高めることで、苦しさのループから抜け出しやすくなる」といった点を、理論的・臨床的に裏付けています。

 

2.心を守る「心理的柔軟性」とは?


Roemer & Orsilloの研究において、中心的なキーワードとなるのが「心理的柔軟性」という概念です。

 

これは、近年の心理学、特にアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)やマインドフルネス実践の分野において非常に重視されている心の力です。

 

2-1.心理的柔軟性とは?


心理的柔軟性とは、つらい感情やネガティブな思考があっても、それに圧倒されたり、それから逃げたりするのではなく、「自分にとって大切なこと」を選び続ける力のことを指します。

 

たとえば以下のような場面でその力が問われます

 

✔「怖いけれど、伝えたいことがあるから話す」

✔「不安だけれど、やってみたいから挑戦する」

✔「落ち込んでいるけれど、大切な人との関係を保つ」

 

このように、感情に巻き込まれすぎることなく、その場その場で選択肢を持てる力が心理的柔軟性です。

 

これは、「ポジティブ思考をしよう」といった無理な発想転換ではなく、「その感情があることも受け入れたうえで、自分の方向性を見失わない」ための土台となる力です。

 

2-2.柔軟性を高める鍵~マインドフルネス~


この心理的柔軟性を育む手法として、研究では「マインドフルネス」が紹介されています。

 

マインドフルネスとは、今この瞬間の体験に、判断せずに注意を向ける心のあり方です。

 

具体的には次のような感覚です

 

✔「今、不安を感じている自分に気づいている」

✔「この落ち込みがあることを否定せず、そのまま観察している」

✔「嫌な気持ちがあっても、それと一緒にいながら生活している」

 

重要なのは、「その感情を消そうとしないこと」。

 

私たちは、怒りや不安、悲しみを「感じてはいけないもの」として無意識に抑え込もうとしがちですが、マインドフルネスではむしろ「そのままの感情に気づき、それにとらわれない」ことが重視されます。

 

この態度こそが、体験の回避、つまり「感じたくないから避ける」心の反応を和らげ、不安や抑うつを長期化させる心のパターンを断ち切るきっかけになるとされています。

 

2-3.「回避しない」ことが、心の回復を助ける


不安や抑うつに苦しむ人にとって、「感じないようにする」「考えないようにする」ことは一時的には楽に感じられます。

 

けれども、それを繰り返しているうちに、心の柔軟性が失われ、「感情=危険」「考え=避けるべきもの」といったルールが無意識の中で強化されていきます。

 

その結果、「何をしてもまた不安になる」「気持ちが悪化するのが怖いから行動できない」といった、行動の自由を奪われた状態が続いてしまいます。

 

心理的柔軟性とは、感情に支配されるのではなく、「感情があっても選べる」という自由を取り戻す力です。

 

✔「つらいけれど、自分の大切なことに向かって一歩進む」

✔「苦しい感情と共に、穏やかな時間を過ごしてみる」

✔「不安を感じながらも、人とのつながりを保とうとする」

 

そうした一歩一歩が、抑うつや不安からの回復だけでなく、心の成熟や幸福感の土台になっていきます。

 

まとめ~感情と向き合う力が、心の健康を育てる~


つらい気持ちは誰にでもあります。

 

それを「なかったこと」にするのではなく、「そこにある」と認め、「それでも自分の大切なことを選んでいく」という姿勢が、結果的に抑うつや不安をやわらげてくれます。

 

私たちは、困難な感情を感じながらも前に進む力を、誰もが内側に持っています。

 

もし今、苦しい気持ちのなかにいるなら、回避ではなく、時に必要であればカウンセラーのサポートを得ながら心理的柔軟性を育むようにしていきましょう。

 

参考論文

Expanding our conceptualization of and treatment for generalized anxiety disorder: Integrating mindfulness/acceptance-based approaches with existing cognitive-behavioral models

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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