心療内科や精神科と心理カウンセリング、何が違うの?:心理カウンセリングの意義とは
2025/05/07
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
「診療と心理カウンセリングって、何が違うのですか?」
心理カウンセリングをしていると、クライエントの方からこうしたご質問を受けることがよくあります。
確かに、うつ病や不安障害など、同じ精神的な不調を対象としていても、精神科の診療と心理カウンセリングとでは、アプローチの仕方が大きく異なります。
そこで今回は、診療と心理カウンセリングの違いを、具体的な視点からやさしく解説していきます。特に「なぜ心理カウンセリングは心の問題に有効なのか?」「薬とどう違うのか?」といった疑問をお持ちの方に向けてお届けします。
1. 診療と心理カウンセリングは「目的」は同じでも、「アプローチ」が違う
うつ病や不安障害、強迫症状や適応の難しさ…。
こうした心の不調に対して、診療(主に精神科や心療内科)と心理カウンセリングは、どちらも「苦しみを軽減し、よりよく生きられるよう支援する」ことを共通の目的としています。
ただし、そのアプローチには明確な違いがあります。
1-1.診療は「薬による症状の緩和」が中心
診療では、医師の診断に基づいて薬物療法が行われます。
これは、不安感や抑うつ、イライラ、不眠などの「症状そのもの」を軽減・緩和することを目的としたアプローチです。
脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)の働きを調整する薬が処方され、つらい状態を少しでも和らげて、日常生活の回復を図ります。
とくに症状が強く、日常生活に支障が出ている場合には、薬物療法によるサポートが効果的です。
1-2.心理カウンセリングは「考え方・行動の見直しを通じた改善」が中心
一方、心理カウンセリングでは、クライエントの方の「考え方のクセ・傾向」や「感情・行動のパターン」に焦点をあてていきます。
たとえば、「失敗=自分は無価値」といった極端な思い込みや、「気を遣いすぎて疲弊する」ような行動スタイルが、心の不調や人間関係のストレスを引き起こしていることも少なくありません。
そのため心理カウンセラーとの対話を通じて、そうしたパターンに気づき、柔軟な視点を持てるようになっていくことが、心理療法の目的です。
このようなプロセスを重ねることで、単なる一時的な症状の緩和だけでなく、「再発を防ぐ力」や「より自分らしく生きる力」が育まれていきます。
1-3.症状と「生きづらさ」の両方にアプローチする
心理カウンセリングは、症状(不安・抑うつ・緊張など)の軽減だけでなく、「なぜその症状が繰り返し起きるのか」「自分はどうありたいのか」といった深い部分にも向き合っていきます。
つまり、表面的な不調だけでなく、背景にある「生きづらさそのもの」への根本的な理解と変容を支援するのです。
薬物療法が「症状を落ち着かせる」のに対し、心理カウンセリングは「その背景にあるパターンに光を当てて変えていく」アプローチだと言えるでしょう。
2. 心理カウンセリングの軸は「考え方や行動の変容」
心理カウンセリングの中心にあるのは、「今感じているつらさ(症状)」を緩和することに加えて、そのつらさを引き起こしている「心の習慣」に光を当てていくことです。
たとえば、以下のような「心のパターン」に着目します。
ネガティブな自己イメージ
→「どうせ私はダメ」「人に迷惑ばかりかけている」といった、過剰な自己否定や無価値感
対人関係での過剰な気配り
→「相手の機嫌を損ねないようにしないと」「NOと言ってはいけない」といった自他の境界があいまいな関係性
過去の経験による思考の偏り
→子ども時代の否定的な言葉かけや、繰り返された失敗体験による「偏った見方」
心理カウンセリングでは、心理カウンセラーとの対話を重ねることで、こうした心の習慣を少しずつほどいていきます。
最初は「そういう考え方しかできなかった自分」に気づくことから始まり、徐々に視点が広がり、新しい選択肢に手を伸ばせるようになります。
結果的に、症状そのもの(不安・抑うつ・緊張など)がやわらぎ、「生きづらさ」の根本的な軽減につながっていくのです。
3. 同じ「うつ」でもアプローチは異なる
たとえば、「気分の落ち込み」や「無気力」など、いわゆる「うつ」の症状を例にとっても、診療と心理カウンセリングではアプローチの視点が異なります。
診療(医療)では、抗うつ薬や抗不安薬などを用いて、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の働きを調整し、症状を緩和することが主な目的です。
心理カウンセリングでは、「私は役に立たない」「がんばらないと見捨てられる」といった自己批判や、過剰な責任感・義務感といった考え方のクセに着目します。
そして、「なぜそう感じるようになったのか」「今、本当に必要な考え方とは何か」といった対話を通して、心の内側から整えていきます。
どちらが「正しい」「間違っている」ということではなく、異なる角度から心の苦しみに寄り添い、支える役割を担っているのです。
必要に応じて両者を併用するケースもあり、連携がとても重要です。
4. 心理カウンセリングの本当の意義とは
心理カウンセリングの最大の意義は、「その人が、その人らしく生きられるようになること」にあります。
単に症状を抑えるのではなく、「どうすれば自分らしく、安心して日々を送れるのか」を一緒に探していくプロセスです。
そのために、カウンセリングでは以下のような段階を丁寧に重ねていきます。
気づく
→これまで無意識に繰り返してきた思考や行動パターンに、まずは気づくこと
試してみる
→小さな行動の変化や考え方の視点を変えるチャレンジを重ねてみる
育てていく
→少しずつ「これでいいんだ」「こうしても大丈夫だった」という実感を増やしていく
こうしたステップを経て、自分にとって心地よい人間関係や生活スタイルが見えてきます。
心理カウンセリングは、一足飛びで大きな変化をもたらすものではありません(ただし、可能な限りの短期終結を目指します)。
クライエントとカウンセラーが協働しながら、丁寧に歩むプロセスの中で、心の柔軟性と安心を育てていく。それが、心理支援の本質なのです。
5.心理カウンセリングはどのような方に向いているの?
心理カウンセリングは、「今、困っていることがある方」はもちろんのこと、「自分の心のクセや考え方を見つめ直したい」「これからの生き方を整えたい」と感じている方にも広く開かれています。
たとえば、こんな方にカウンセリングは役立ちます
✔人間関係の中でいつも「我慢しすぎてしまう」「距離がうまく取れない」
✔気持ちの浮き沈みが激しく、自分でもコントロールしづらい
✔職場や家庭でストレスを抱え、心も体も疲弊している
✔「生きづらさ」の原因がよくわからないが、どこか苦しい感覚が続いている
✔発達障害、うつ病、双極性障害、パニック障害、不安障害などの診断を受けており、薬物療法とあわせて対話を通じたケアを必要としている
カウンセリングでは、「あなたがどんな状況にいて、どのように感じ、どのようにふるまっているのか」を一緒に言葉にしていきます。
そして、苦しさの背景にある思考パターンや感情の動きを丁寧に整理し、「もっと自分らしく生きるための選択肢」を見つけていくことが可能になります。
精神疾患や障害のある方にもカウンセリングは有効です
うつ病や不安障害、発達障害、双極性障害など、さまざまな精神疾患や障害のある方にとっても、心理カウンセリングは非常に役立ちます。
たとえば、薬によって不眠や強い不安などの症状が和らいでも、「考え方のクセ」や「自己否定感」「人との関わり方」が変わらないままでは、再発のリスクも残ります。
心理カウンセリングでは、「症状そのもの」だけでなく、その根底にある「心の仕組み」や「対人パターン」へアプローチすることで、より深いレベルでの回復と安定をめざします。
もちろん、薬物療法との併用が効果的なケースも多いため、医療との連携を大切にしながら、心のケアを進めていくことが大切です。
最後に
心理カウンセリングは、単なる「心の不調」への対処ではなく、その方が抱える考え方や感情の傾向、人との関わり方に焦点を当て、「より自分らしく生きる」ためのサポートです。
薬物療法が「症状の緩和」を主な目的とするのに対して、心理カウンセリングは「生きづらさの背景にあるパターンの変容」を目指します。
しっかりとしたプロセスを経ながら、じっくりと自己理解を深め、少しずつ望ましい方向へ行動や感情を整えていく…
そんなプロセスに寄り添うのが、私たちカウンセラーの役割です。
うつ病や不安障害、発達障害といった精神疾患のある方も、診療と並行してカウンセリングを取り入れることで、より深い回復を目指すことができます。
多くの方が心理カウンセリングを通して「本来の自分」と出会い直すことを、心より願っております。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27 サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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