自分も相手も大切にできる、感情に巻き込まれない人間関係の築き方
2025/05/23
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて…
職場で上司がピリピリしていると、なぜか自分も落ち着かなくなったり…。
パートナーがご機嫌だと、自然と自分まで嬉しい気分になったり…。
忙しい毎日のなかで、他人の感情に左右される場面は誰にでも起こり得ます。
これは「共感性」や「ミラーニューロン」の働きによるもので、社会生活には欠かせない能力です。
しかし、そのチカラが強すぎると、他人の感情に振り回され、自分の気持ちがわからなくなってしまうことにもつながります。
そこで今回の記事では、そんな「感情の巻き込まれ」を防ぎ、自分も相手も大切にするための心理的セルフケアを解説します。
ステップ1:自分の感情に細かく気づく練習
日々の生活のなかで「最近なんだかモヤモヤする」「どうも気分が晴れない」と感じたとき、私たちはそのままにしてやり過ごしてしまいがちです。
しかし、実はここに「心の健やかさ」を保つヒントが隠れています。
まず大切なのは、「モヤモヤ」や「しんどさ」といった漠然とした感覚を、できるだけ具体的な言葉に置き換えてみることです。
例えば…
「イライラする」
「寂しい」
「悔しい」
「孤独」
「不安」
「焦り」
「罪悪感」
「期待外れ」
「絶望感」
……など、ネガティブな感情も実は「さまざまな顔」を持っています。
そしてそれぞれ、感じる理由や背景がまったく違うのです。
1-1.感情を「細分化」することの効果
感情を細かく言葉にすることで、「自分は何に反応しているのか」「どんな場面で特に感じやすいのか」が自然と見えてきます。
そこで、頭に浮かんだ気持ちや思考を、そのまま紙やスマホのメモに書き出してみてください。
書くことで、心の中のモヤモヤが整理され、客観的に自分の状態を眺めることができるようになります。
1-2.「本当は…」の声を拾う練習
多くの方が、職場や家庭、学校など社会的な役割を優先するあまり、「本当は疲れている」「無理して笑っていた」という自分の小さな声に気づかないまま過ごしています。
しかし、その「本音」を丁寧に拾い上げることで、自分自身との信頼関係が深まり、心に無理をさせすぎない「境界線」を引くことができるようになっていきます。
ステップ2:「相手は相手、自分は自分」と唱えることの大切さ
カウンセリングの現場でも非常に重要視されるのが、「心の境界線」をしっかりと意識することです。
これは、他人の感情や期待、さらにはプレッシャーに巻き込まれすぎないためのセルフケアの第一歩です。
多くの方は、つい他人の気持ちや態度に合わせようとしてしまいがちです。
「あの人がイライラしているのは私のせいかもしれない」
「もっと期待に応えなくては」
…と、必要以上に自分を責めたり、無理を重ねてしまうことがあります。
しかし、どれだけ気を遣っても、他人の感情や考え方を根本から変えることは、とても難しいのです。
そこで大切なのが、「私は、相手の感情や期待を引き受けすぎない」と心の中で自分に繰り返し伝えてあげることです。
たとえば、職場で誰かが不機嫌そうにしているのを見たとき、「私のせいかも?」と反応するのではなく、「その人にはその人の事情がある。私は私の気持ちに意識を向けよう」と切り替えてみてください。
自分がコントロールできるのは、あくまで「自分自身の感情や反応」です。
他人の感情や行動は、本人の課題であり、そのすべてを自分で背負う必要はありません。
そこで、「私は私の感情を大切にする」「相手の問題は相手に任せる」という言葉を、朝や夜、心が揺れたときなどに何度も自分に語りかけてみましょう。
最初は違和感があるかもしれませんが、少しずつ「自分と他人の間に安心できる心のバリア」を作ることができるようになります。
このようにして、「相手の感情は相手のもの、私は私」と意識する習慣がついてくると、人間関係においても自分軸を取り戻しやすくなり、心が疲れにくくなります。
気持ちが揺れたときこそ、ぜひ「私は私、相手は相手」と、優しく自分に言い聞かせてあげてください。
それが、健やかな心の土台を築く第一歩です。
ステップ3:アサーティブに「NO」と言うためのステップ~自分も相手も大切にできる伝え方~
「他人に合わせてばかりで、なかなか自分の気持ちが言えない」
「断るのが苦手で、つい無理をしてしまう」
…そんな悩みを抱える方はとても多いものです。
仕事や家庭、友人関係で人と関わる場面が多いほど、自己主張の難しさは共通の悩みです。
そこで実践したいのが「アサーティブ」なコミュニケーションです。
3-1.アサーティブとは?
アサーティブ(assertive)とは、自分の気持ちや考えを率直に伝えながらも、相手の立場や気持ちも大切にする自己表現のことです。
「自己主張=ワガママ」「NOと言う=冷たい」と思われがちですが、アサーティブな自己主張はそのどちらでもありません。
3-2.「NO」の伝え方のポイント
たとえば、仕事でクタクタになって帰宅したとき、パートナーや友人から「今から買い物に付き合ってほしい」と頼まれる場面を想像してみてください。
このとき、「無理してでも付き合わないと…」と自分を押し殺してしまうと、心身の疲れが増してしまい、後でイライラしたり自己嫌悪に陥ることにもなりますよね。
そこでアサーティブな伝え方の出番です。
具体的な方法は次の通りです。
1. 自分の気持ちを素直に言葉にする
「今日はすごく疲れていて、家で休みたいんだ」と、まずは自分の状態や気持ちを正直に伝えましょう。
2. 相手の希望も尊重する
「せっかく誘ってくれてありがとう。今日は難しいけれど、今度一緒に行けたら嬉しいな」と、相手の気持ちや期待もちゃんと汲み取る姿勢を見せます。
3. 代替案や次の約束を提案する
「もし急ぎでなければ、次の土曜日なら時間が取れるよ」と、相手の希望に少しでも寄り添える案を示すのも有効です。
3-3.練習は身近な人から
最初から職場や苦手な人にアサーティブな「NO」を伝えるのは、誰でも緊張します。
まずは家族や親しい友人など、言いやすい相手とのやり取りからスタートしましょう。
「断ること=悪いこと」と思わず、「自分を大切にするための新しい習慣」として小さく始めるのがおすすめです。
慣れてくれば、職場や幅広い人間関係でも、自分の気持ちを守りつつ相手とも良い関係を築くことができるようになります。
ステップ4:人間関係の距離を見直す
人間関係は、私たちの日々の生活に大きな影響を与えています。
どんなに努力しても、どうしても波長が合わなかったり、一緒にいると心身ともに疲れてしまう相手がいるのは、ごく自然なことです。
そのため、「気が合わない人がいる=自分が悪い」「相手が悪い」と白黒つける必要はありません。
大切なのは、「自分を守る」という視点を持つことです。
誰とでも無理に仲良くしなければならないという思い込みを手放し、自分の心が安心できる距離感を意識してみましょう。
たとえば、職場や家族など、簡単には縁を切れない関係性も多いものです。
そのようなときは、以下のような工夫が役立ちます。
● 物理的な距離をとる
例えば仕事中は必要以上に関わらず、休憩時間は一人でリフレッシュするというのも効果的ですし、また家庭内でも、無理に会話や行動を合わせず、自分だけの時間を持つ工夫をすることも大切です。
● 心理的な境界線を引く
「この話題には深入りしない」「相手の感情には巻き込まれない」と心の中で決めておくことで、相手の機嫌や言動に振り回されにくくなります。
例えば、「この人のイライラは私の責任じゃない」と線引きをすることも大切です。
● 人間関係の「整理整頓」を意識する
日常の中で、本当に自分を大切にしてくれる人や、自分が心地よいと感じる人間関係を見直しましょう。
意識的に「会いたい」「話したい」と思える相手とのつながりを増やし、負担が大きい相手とは適切な距離感を保つことが、心の健康には欠かせません。
また、「距離を取る=冷たい」「自分勝手」というイメージを持たれるかもしれませんが、むしろ自分も相手も無理をしないための優しさだと考えてみてください。
無理に自分をすり減らして関係を続けるより、お互いにとって健全な境界線を保つことの方が、長期的には良い関係を築けることが多いものです。
人付き合いも時には「整理整頓」が必要です。
「どの関係が自分の心にとって健全か?」を時々見直すことで、より自分らしく、心地よく生きていくことにつながります。
自分自身の心と体を大切にすることを、どうか忘れずにいてください。
まとめ
私たちは社会生活の中で、無意識に他人の感情に巻き込まれることがあります。
しかし…
「自分の感情や欲求を大切にする」
「相手の感情を引き受けすぎない」
「自分軸で考える」
…という意識を持つことで、心を守り、より健康的な人間関係を築くことができます。
心の境界線を引くことは冷たさではなく、自分も相手も大切にする思いやりの行為です。
無理に全ての人と仲良くしようとするのではなく、自分にとって本当に大切な人たちとの時間を意識的に大事にして、心穏やかな毎日を送ってくださいね。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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