逃げることは悪くない!心が限界を感じた時のセルフケア
2025/05/27
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、私たちは日々、仕事や人間関係、さまざまな課題やプレッシャーに直面しています。
時には「もう無理かもしれない」と感じるほど心身が消耗することもあるでしょう。
そんなとき、無理に立ち向かおうとせず、「一度距離を取る」、すなわち「逃げる」という行動は、実はとても有効なセルフケアのひとつです。
1.「逃げる」ことは恥でも悪いことでもない
「逃げる」ことは恥でも悪いことでもない
…この言葉に対して、皆さんはどう思われるでしょうか?
私たちは子どもの頃から「逃げてはいけない」「最後までやり抜くことが大切」と教えられてきました。
そのため、「逃げる=負け」や「逃げたらだめだ」という思い込みに縛られがちです。
しかし、現実には限界を迎えた心や体にむち打って無理を続けてしまうことで、ますます状況が悪化したり、本来の自分を大きく傷つけてしまうことがあります。
心身の不調が長引けば、回復に何倍もの時間がかかることも珍しくありません。
1-1.心理学から見た「逃げる」ことの意味
心理学の分野では、「逃避」や「回避」といった行動はしばしば「問題行動」として扱われがちです。
例えば、テストが怖くて学校を休んでしまう、苦手な人からLINEが来ても返事をしない…。
このような逃避や回避は、一時的には不安やストレスから自分を守りますが、長い目で見ると問題を先延ばしにしたり、さらに苦しさが増してしまう場合があります。
けれども、すべての「逃げる」が悪いわけではありません。
実は、「健全な逃避」や「自分を守るための回避」も大切な心の働きです。
1-2.健全な逃避・回避とは
例えば、極度のストレスや困難な状況に直面したとき、人間の認知や感情の処理能力は一時的に大きく低下します。
まるでパソコンがフリーズするように、頭が真っ白になり、正しい判断や冷静な行動が取れなくなってしまうこともあります。
そんなとき、あえて「その場から少し離れる」「気分転換に外の空気を吸う」「違うことに集中してみる」など、意図的に距離を取ることは、決して悪いことではありません。
むしろ自分の心と体を守るための大切なセルフケアなのです。
たとえば、職場で大きなトラブルが起きて頭がパニックになった時、無理にその場で決断を下すのではなく、一度席を立って深呼吸したり、短い散歩に出たりすることで、心が少しずつ落ち着いてきます。
こうして気持ちと頭をリセットできれば、問題をより冷静に見直し、新しい視点から解決策を探す力も戻ってきます。
1-3.「逃げること」を選ぶ勇気
どんなにがんばり屋さんでも、すべてを完璧にやり遂げることはできません。
時には「一歩引く」「距離を取る」ことで守れるものがたくさんあるのです。
そして、ここで大事なのは「ずっと逃げ続ける」ことではなく、「一時的に自分を安全な場所に退避させる」こと。
自分の中に余白を作り、落ち着いたらまた向き合えばいいのです。
そのサイクルこそが、長く健やかに生きるための柔軟な生き方だといえるでしょう。
2.日常的に「離れる時間」をつくる工夫の必要性
日常の中で「離れる時間」を意識的につくることは、私たちの心身の健康を守るうえで非常に重要です。
特に忙しく働くビジネスパーソンや、家庭や育児のことに日々追われている方は、「そんな余裕はない」と感じるかもしれません。
けれども、ほんの数時間でもいいので、自分のためだけの時間をあらかじめ予定に組み込む工夫をしてみてください。
2-1.「自分の時間」を持つことの意味
ストレスは、知らず知らずのうちに心と体に大きな負担を与えています。
目の前の仕事や家事、育児に追われていると、自分の気持ちや疲れに気づきにくくなり、「いつの間にか限界を超えていた」ということも珍しくありません。
こうしたストレスを放置してしまうと、集中力や意欲の低下、不眠、イライラなどの不調が現れるだけでなく、やがてうつ病や不安障害といった心の病気に発展するリスクも高まります。
だからこそ、「自分の心を守る」意識がとても大切なのです。
2-2.離れる時間を「意識的」に作る
本当に忙しいときほど、意識して「自分だけのための時間」を取るよう心がけてみましょう。
例えば、2週間に一度だけでも、自分がやりたいこと・心地よいと感じることのための時間を予定表にしっかり書き込みましょう。
映画を観たり、お気に入りのカフェで一息ついたり、ただ静かに本を読むだけでも構いません。
自分のペースで過ごせるひとときが、心に余裕をもたらしてくれます。
2-3.家族や職場にも「離れる時間」の文化を
また、自分だけでなく、部下や家族にも「疲れたときは離れる時間を作ってもいいんだよ」と伝えられる環境づくりも大切です。
「いつも全力で頑張らなければならない」「休むのは甘え」という価値観が根付いていると、メンバーや家族全員のストレスが溜まり、職場や家庭の空気がピリピリしやすくなります。
たとえば職場であれば、部下や同僚がリフレッシュのために休みを取ったり、早めに帰宅したりすることを応援できる雰囲気を作るという方法があります。
また家庭でも、お互いの「ひとり時間」や「趣味の時間」を大切に認め合うことが、関係性を良好に保つポイントになります。
2-4.ストレスの放置は心の健康にマイナス
ストレスを無理に我慢したり、放置したりしてしまうと、やがて心のエネルギーが枯渇し、「何もしたくない」「人と会いたくない」と感じる状態に陥りやすくなります。
そのまま頑張り続けてしまうと、心身のバランスが崩れ、回復にも時間がかかってしまうことが多いのです。
だからこそ、「少し立ち止まる」「一度離れてリセットする」ことは、決して甘えや逃げではなく、自分の心を守るための大切なセルフケアです。
3.「逃げる」ことで見えてくる新しい自分
日々の生活や仕事、人間関係で大きなストレスや重圧を感じるとき、私たちはつい「もっと頑張らなくては」「逃げてはいけない」と自分を追い込んでしまいがちです。
しかし、メンタルヘルスやメンタルケアの観点から見ると、「逃げること=悪いこと」と決めつける必要はありません。
むしろ、心が限界に近づいたときに「ここで一度離れよう」「無理をしないでおこう」と自分自身に許可を出せることは、自分の心を守るための重要なセルフケアスキルなのです。
3-1.逃げることは「心のリセット」になる
ストレスや問題から一時的に距離を取ることは、決して逃避や弱さではありません。
私たちの心には回復するための時間や余白が必要です。
「逃げる」という選択によって、疲れきった心がリセットされ、心身が少しずつ回復していきます。
この「リセット」の時間があるからこそ、改めて自分の気持ちや状況を冷静に見つめ直すことができ、再び前向きに動き出すエネルギーが生まれるのです。
3-2.自分を責めず、逃げることを肯定する
日本社会では、「最後までやり抜くこと」「苦しくても耐えること」が美徳とされがちですが、メンタルヘルスの分野では「自分を守るためにあえて逃げる」ことも大切な選択肢とされています。
「逃げてしまった」「あきらめた自分はダメだ」と自分を責めるのではなく、「この行動は自分のメンタルケアに必要なことだったんだ」と優しく受け止めてみましょう。
大切なのは心の安全の確保です。
逃げることで心の安全が確保できれば、長い目で見たとき、しなやかで折れにくい心を育てていくことができます。
3-3.逃げた後にできること
一度ストレスや問題から離れることで、再び同じ問題に直面したときの感じ方や対処法が変わることがあります。
例えば、「どうにもならない」と思い詰めていたことが、少し時間を置くだけで「こんな解決策があるかもしれない」「別の視点で見てみよう」といった柔軟な発想に変わることも珍しくありません。
このプロセスを繰り返すうちに、「無理を続けて心を壊すより、時には離れる・休むことで、より健やかに生きていけるんだ」という感覚が身についてきます。
まとめ
「逃げる」という行動は、決して「負け」や「失敗」ではなく、自分の心を守る大切なメンタルケアの1つです。
ストレスに押しつぶされそうなときこそ、「逃げてもいい」「一度距離を取ろう」と自分にやさしく声をかけてみてくださいね。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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