不安に振り回されないためにできる2つの心の習慣
2025/06/02
みなさん、こんにちは。
神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
さて、困難な場面やプレッシャーの強いとき、気づけば「不安」が心の中心に居座っている…。
そんな思いはありませんか?
「また失敗したらどうしよう」
「自分のせいかもしれない」
「ちゃんとできるだろうか」
…ストレスや変化に直面したとき、すぐに「自分を責めるような不安」が湧いてくる方も少なくありません。
このように、特定の感情(ここでは『不安』)がストレス時に最初に現れやすい傾向を「支配的な感情」と言います。
不安がデフォルトの反応になる方は、無意識に「何か悪いことが起こったのは自分のせいかも」と自分に矢印を向けがちです。
1. 不安ばかりを感じ続けることの落とし穴〜不安の性質と心のバランスを考える〜
私たちの心には、本来さまざまな感情が同時に存在しています。
悲しみ、喜び、驚き、温かさ、安らぎ、そして不安…。
それぞれの感情は、人間がよりよく生きていくために欠かせない大切な役割を持っています。
1-1.不安という感情の性質
不安は、「まだ起きていない危険」や「将来への備え」を促す、いわば「心のセンサー」です。
、テスト前に「勉強しなくては」と感じたり、夜道で「用心しよう」と身を守ったりできるのは、不安という感情が働くからです。
不安は本来、私たちが安全に生き抜くための防衛本能とも言える大切なサインなのです。
しかし、この不安が「過剰」になると、物事の見方が一気に狭まり、心のバランスが崩れやすくなってしまいます。
1-2.不安に支配されると起こりやすいこと
● 日常の小さな出来事も「悪いことが起こるサイン」に思えてしまう
例えば、友人からの返事が少し遅いだけで「嫌われたのかも」と不安になったり、予定外の出来事に「このあと大変なことになるかも」と心配が止まらなくなるなど、不安がどんどん膨らんでいきます。
● 他の人が気にしない場面でも、過剰な不安や緊張にとらわれる
会議での発言や人前に立つとき、ささいなミスに対しても「どうしよう」と緊張しすぎてしまい、本来の自分の力が発揮できなくなることにもつながります。
● 不安によって行動にブレーキがかかる
本当は挑戦してみたいことがあっても、「失敗したらどうしよう」「恥をかいたら…」という不安から、一歩が踏み出せなくなってしまうことがあります。
その結果、変化や新しい挑戦が怖くなり、現状維持を選びがちになります。
1-3.不安の「悪循環」
こうした不安が続くと、心と体は次第に疲弊していきます。
不安にとらわれる時間が長くなるほど、本来感じているはずの「嬉しい」「楽しい」「安心」などのポジティブな感情に気づきにくくなってしまいます。
その結果…
✔気分が落ち込む
✔何事にもやる気が出ない
✔夜に考えごとが止まらず眠れなくなる
✔人とのコミュニケーションや仕事・家事が億劫になる
…といった「メンタル不調」につながっていきます。
2.「いろいろな感情」を認めることの大切さ~不安も「心の一部」として大切に~
私たち人間は、毎日の中で実にさまざまな感情を経験しながら生きています。
不安、喜び、怒り、悲しみ、安心、戸惑い…。
どの感情も、私たちの心が健やかに生きるために欠かせない大切なサインです。
2-2.不安を感じることも、決して悪いことではありません。
不安は、未来に備えたり、危険を回避するための「心の危機管理センサー」として私たちを守ってくれます。
たとえば「大事な仕事の前に緊張して準備を念入りにする」「暗い夜道では注意深く歩く」など、不安があるからこそリスクを減らし、安全に行動できるのです。
2-3.ただし、不安だけが心の主役になってしまうと…
不安は大切な感情ですが、それだけが強くなりすぎると、人生の選択肢や自由をどんどん狭めてしまいます。
何か新しいことに挑戦したり、未知の世界へ踏み出す勇気が持てなくなったり、日常の中で「楽しさ」「安心感」「嬉しさ」などの他の感情に気づきにくくなってしまうこともあります。
2-4.幅広い感情を味わうことの大切さ
近年の心理学の研究でも、日々さまざまな感情を意識しながら体験できている人ほど、うつ病や心の不調のリスクが低く、ストレスへの耐性が高いことがわかっています。
「嬉しい」
「ほっとする」
「ちょっと寂しい」
「イライラする」
「新しいことにワクワクする」
…どんな感情も、すべてあなたの「心の様々な在り様」であり、それを感じること自体が自然なことなのです。
2-5.ネガティブな気持ちを否定しなくて大丈夫
不安や落ち込み、怒り、寂しさなど、いわゆる「ネガティブな感情」を感じることは、ごく自然で人間らしい反応です。
大切なのは、「不安を感じてはいけない」「明るくしなければ」と自分を責めたり否定することではなく、「今の私はこんなふうに感じているんだな」と一歩引いて自分の気持ちを受け入れることです。
2-6.「不安だけが自分の全て」ではない
もしも今、不安が心の大部分を占めていると感じても、それは「あなたのすべて」ではありません。
他にもたくさんの感情が、きっと心の中に生きています。
「今日、少しだけ嬉しかったこと」
「ちょっとホッとした瞬間」
「悲しかったけど、誰かに話してラクになった経験」
…こうした小さな感情にも目を向けていくことで、不安から回復するための第一歩が踏み出せます。
2-7.心の健康を守るために
不安を含め、さまざまな感情をありのまま受け入れること。それは、心のバランスを取り戻し、毎日をより豊かに生きるための大切な習慣です。
自分自身の中にある多彩な感情すべてを、ぜひ大切にしてあげてください。
3.不安に支配されすぎないための2つの方法~「不安」の中にある別の可能性と、自分の心に寄り添うコツ~
方法1.「他の見方もあるかも」と自分に問いかけてみる
不安に飲み込まれているとき、私たちは無意識のうちに…
「きっと全部自分が悪い」
「また失敗してしまうかも」
「失敗して周りに迷惑をかけるかも」
…と自分を責める考えにとらわれがちです。
ですが、その思い込みが本当に事実なのか、一度立ち止まって自分に問いかけてみましょう。
「本当にそれだけが原因だろうか?」
「ほかの理由や事情もあったのでは?」
「他の人の影響や、偶然の出来事が重なっただけかもしれない」
…といったように、意識的に「別の視点」や「他の解釈」を探してみるのです。
この問いかけだけでも、心にほんの少し余白が生まれます。
すると…
「悔しかった」
「寂しかった」
「予想外で戸惑った」
…など、不安以外のさまざまな感情も心の中に浮かび上がってくるかもしれません。
こうした複数の感情に気づくことができれば、「不安」だけが自分を支配している状態から、一歩抜け出しやすくなります。
方法2.「小さな感情」にも気づいてみる
強い不安を感じているとき、その裏には「まだ気づいていない小さな感情」が隠れていることがあります。
例えば…
✔ほんの少し「がっかり」した気持ち
✔わずかだけど「期待」していた気持ち
✔一瞬の「安心」や「ほっとした」感覚
✔かすかな「希望」や「好奇心」
…など、普段なら見過ごしてしまうような微細な感情です。
不安でいっぱいのときこそ、「他にもどんな気持ちが心にあるかな?」と、あえて意識を向けてみてください。
紙に書き出したり、声に出してつぶやいてみるのも良いでしょう。
こうして小さな感情たちに目を向けていくと、心の中で「不安」一色だった世界に、少しずつ「他の色」が戻り始めます。
このように自分の中に複数の感情が共存していることを感じられると、心のバランスが自然と整い、不安が和らいでいく感覚を持てるようになるでしょう。
まとめ
「他の見方」を探したり、「小さな感情」にも気づいてみる…
こうした心の工夫は、不安に振り回されがちな日々の中で、自分を守り、回復へ向かう大切な一歩となります。
一人で難しいと感じるときは、信頼できる人や心理カウンセラーと一緒に、ぜひ心の中を丁寧に見つめてみてくださいね。
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こころのケア心理カウンセリングRoom
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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