株式会社ユナイテッド

なぜ別れる恋愛と続く恋愛があるのか?コミットメント理論から学ぶ幸せな恋愛の秘訣~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの臨床より~

お問い合わせはこちら

なぜ別れる恋愛と続く恋愛があるのか?コミットメント理論から学ぶ幸せな恋愛の秘訣

なぜ別れる恋愛と続く恋愛があるのか?コミットメント理論から学ぶ幸せな恋愛の秘訣

2025/06/07

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて…

 

「恋人やパートナーと長く続く人と、すぐに関係が終わってしまう人。その違いはどこにあるんだろう?」

 

実は、心理学では「コミットメント(commitment:関係への約束・持続意志)」というキーワードが、恋愛や夫婦関係の安定と満足度を左右する大きな要因であることが明らかにされています。


今回は、Rusbult & Buunkによる研究論文を踏まえつつ…

 

「なぜ関係が長く続くのか?」

「どんな努力が絆を深めるのか?」

 

という問いについてエビデンス(科学的根拠)のある解説をしたいと思います。

 

1. コミットメントとは何か~「関係を続けたい」という心理的土台~


コミットメント(commitment)とは、恋人やパートナーとの関係を「ずっと続けたい」「どんなときも大切にしたい」と願う、心理的な「約束」や「意思」を指します。


このコミットメントは単なる「好き」という気持ちや、瞬間的な情熱とは異なり、「困難があっても関係を守り抜く」「長期的にこの人と人生を歩みたい」といった持続的で深い意志のことです。

 

1-1.「好き」以上の「深い意思」が絆を作る


恋愛の始まりには「好き」という感情が大きな役割を果たします。

 

しかし長く安定した関係を育てるには「一緒にい続けたい」「この人となら困難を乗り越えられる」といった、自分自身の「意志」や「決断」が重要になります。


コミットメントが強いカップルほど、トラブルや誘惑があっても関係を続けようとする力が高く、安心感や信頼感も育ちやすいことが、心理学の研究で分かっています。

 

1-2.論文が示す「コミットメントの三要素」


Rusbult & Buunk(1993)の論文では、コミットメントを3つの要素で科学的に分析しています。

 

● 満足度(Satisfaction)


✔この関係にどれだけ幸せや満足を感じているか。


パートナーと過ごす時間が楽しい、心が安らぐ、一緒にいて自分らしくいられる、など日々の体験のなかで「幸せだな」と思える瞬間が多いほど、コミットメントは自然と強くなります。

 

そして、その満足度は、日常の小さな感謝や信頼の積み重ねから生まれるものです。

 

● 投資(Investment)


✔ここまでどれだけのものをこの関係に注いできたか


一緒に過ごした年月、共有した思い出、解決したケンカや困難、相手のために費やした努力や金銭、時にはお互いの夢や計画などが豊富であればあるほど、 「ここまで築いてきたものが多いほど、この関係はかけがえのないもの」と感じやすくなります。


そして投資が多いほど、「簡単に終わらせたくない」という気持ちが強くなるのです。

 

● 代替可能性(Quality of Alternatives)


✔今のパートナー以外に、より魅力的な選択肢があるかどうか


例えば、「もっと自分を理解してくれる人が現れたら?」「別の誰かの方が幸せになれるのでは?」と感じることが多いと、コミットメントは揺らぎやすくなります。


しかし一方で、「この人以上のパートナーはいない」「今の関係に十分満足している」と感じられる場合、他の選択肢にはあまり心が動かなくなり、関係を大事にする気持ちが強くなります。

 

1-3.3つの要素が高いほど、コミットメントも強くなる


この3つの要素、つまり「満足度」「投資」「代替可能性」が高まるほど…


「この人と一緒にいたい」

「関係を長く続けていきたい」

 

…という気持ちは自然と強くなります。

 

逆に、満足度が下がったり、これまでの投資をあまり感じられなかったり、「もっと良い選択肢があるのでは」と思いがちになると、コミットメントは揺らぎやすくなり、別れやすい関係になってしまうことが研究からも示唆されています。

 

2. なぜ「満足度」や「投資」が大切なのか?


恋愛やパートナーシップを長続きさせるためには、「今、満足しているか」という「満足度」と「ここまで一緒に積み上げてきたものを大事にしたい」という実感、つまり「投資」が大きく影響します。

 

Rusbult & Buunk(1993)のコミットメント理論では、この「満足度」と「投資」という2つの柱が、関係の安定と継続の原動力であることが繰り返し強調されています。

 

2-1.満足度~日々の小さな積み重ねが「続けたい」を生む~


「満足度」とは、関係の中でどれだけ幸福や安心、心地よさを感じているかという心理的な指標です。

 

たとえば、一緒にいるとリラックスできる、楽しい会話ができる、何気ない日常の中で「ありがとう」と言い合える…。

 

そんな小さな幸せや温かい気持ちの積み重ねが、「この人といるのが一番」という思いにつながります。

 

多少のすれ違いやケンカがあっても、根っこの部分に信頼や「肯定的な気持ち」があれば、「また仲直りしよう」と前向きに努力できるのです。

 

そのため、満足度が高い関係ほど、心の距離が自然と近くなり、「一緒にいること自体が自分の幸せ」と感じやすくなります。

 

2-2.投資~「ここまで築いてきたもの」が関係を守る盾になる~


もう一つの大きなポイントが「投資」の感覚です。


ここでいう投資とは、金銭だけでなく、一緒に過ごした時間、共有した思い出、お互いに努力してきた出来事、時には喧嘩や困難を乗り越えた経験など、二人の歴史のすべてが含まれます。

 

たとえば、初めて旅行に行った思い出、一緒に乗り越えた引っ越しや仕事の大変さ、互いの家族や友人との関わり…。


 「これまで積み上げてきたもの」が多ければ多いほど、「この関係は簡単には手放せない」と感じやすくなるのです。

 

実際、「投資が多いカップルほど、多少の危機や困難に直面しても別れにくい」という研究結果もあります。

 

そのため、関係に「意味」や「重み」を感じられると、「多少うまくいかないことがあっても、もう少し頑張ってみよう」「二人で乗り越えよう」と考えやすくなります。

 

2-3.満足度×投資=「強い絆」の源


満足度が高いだけでも、投資が大きいだけでも、関係が簡単に壊れてしまうことはあります。

 

しかし、この2つがそろっている関係は、お互いへの思いやりや感謝の気持ちが自然と増していきます。

 

その結果、多少の問題にも「これまで一緒に歩んできた道」を支えにして乗り越えやすくなり、関係への安心感や特別感が深まります。

 

「満足度」と「投資」は、恋愛やパートナーシップにおける「土台」であり、「鎧」でもあるのです。

 

3. 代替可能性~「もっと良い人がいるかも」と感じる心の仕組み~


人間関係、とくに恋愛やパートナーシップでは、例えばケンカや関係がギクシャクしているときなどでは、「他にもっと自分に合う人がいるのでは?」と一瞬考えてしまうことは誰にでもあるものです。

 

心理学ではこれを「代替可能性(Quality of Alternatives)」と呼びます。

 

代替可能性が高いとき、つまり「他にも魅力的な選択肢がある」と感じやすいと、今の関係へのコミットメント(続けたい・守りたいという意志)は揺らぎやすくなります。

 

3-1.満足度が高いほど「この関係は特別」と思いやすくなる


しかし、ここで注目したいのが「関係の満足度」と「代替可能性」の関係です。

 

● 満足度が高い場合


日常の中で安心感や幸せ、深い信頼や喜びを感じていると、「今のパートナーとの関係が自分にとって一番大切」「かけがえのないものだ」と自然に思えるようになります。


そうすると、ケンカが発生したり、多少関係がギクシャクしても、「今の関係には価値がある」と感じやすくなり、他の恋愛やパートナーという選択肢(代替可能性)への関心が自然と下がります。

 

● 関係が「特別」になる心理


長い時間をともに過ごした、共に乗り越えた出来事が多い、深く分かり合える…

 

そのような「積み重ね」があるほど、「この人以外は考えられない」「代わりなんていない」と特別な思いが強くなります。


こうして、満足度の高さが「代替は存在しない」「今のパートナーこそが唯一無二」と感じさせるのです。

 

3-2.逆に満足度が低いと…


一方で、日々の関係に満足できず、不安や不満を抱えていると…

 

「他にもっと自分を大切にしてくれる人がいるのでは」

「他の人の方が幸せになれるかも」

 

…というように、自然と「代替可能性(別の恋愛やパートナーを選ぶ可能性)」が高まりやすくなります。

 

3-3.現代は「代替可能性」が見えやすい社会


SNSやマッチングアプリが身近な現代は、他人の魅力的な生活や新しい出会いの情報が簡単に目に入る時代です。

 

その分、「他にも素敵な人がいそう」と錯覚しやすく、コミットメントが揺らぎやすいともいえるでしょう。

 

ですが、「今の関係がどれだけ自分にとって意味があり特別」という思いがある事によって、他の選択肢への誘惑や迷いは大きく減っていきます。

 

4. コミットメントを支える「行動」~信頼・貢献・誠実さ~


コミットメント(関係への意思や約束)が強いカップルほど、お互いを大切にするための「具体的な行動」が自然と増えていく傾向があります。

 

これらの行動は、単なる気まぐれや義務感ではなく、「この関係を守りたい、深めたい」という心理的な土台から生まれるものです。

 

具体的には、以下の行動が自然に増加していくことになります。

 

4-1.思いやり・配慮・誠実なふるまい


● 何気ない一言や日々の態度で、パートナーへの思いやりや気遣いを表現する

 

✔「疲れているみたいだね、少し休もうか」「大事なプレゼン頑張って」といった小さな声かけ

✔相手の気持ちや状況に敏感になり、サポートしようとする姿勢

 

● 誠実さを大切にする

 

✔嘘をつかない、隠しごとをしない

✔小さな約束も守る、遅れそうなときには必ず連絡するなど、信頼を損なわない行動

 

4-2.困難に「逃げずに向き合う」姿勢


✔ケンカや誤解が生じたときも、「面倒だから」「傷つきたくないから」と放置せず、しっかり向き合い、話し合おうとする

✔自分の気持ちを率直に伝えたり、相手の言い分を冷静に聞く

✔時には自分の非を認めたり、謝る勇気を持つ

 

この「逃げない姿勢」が、「この人は本気で私やこの関係に向き合ってくれている」という安心感や信頼感を深めます。

 

4-3.一緒に過ごす時間、記念日や約束を大切にする


✔仕事や趣味で忙しくても、意識的に一緒に過ごす時間を作る

✔ふたりだけの記念日や特別な日を祝ったり、「また来年も一緒にここへ来ようね」と小さな約束を大切にする

✔日々のルーティンの中でも「おはよう」「おやすみ」「ありがとう」と声をかけ合う

 

こうした「日常の積み重ね」が、満足度や「かけがえのなさ」を感じる源泉になります。

 

4-4.応援し合い、困ったときには支え合う


✔パートナーが挑戦していることや悩んでいることを積極的に応援し、必要なときは手助けする

✔相手が落ち込んでいるときには、寄り添い、支え、励ます

✔自分も困ったときは遠慮せずに助けを求める

 

これによって、ふたりの間に「支え合える関係」「何かあってもひとりじゃない」という絆や安心感が生まれます。

 

4-5.良い循環がコミットメントをさらに強くする


Rusbult & Buunkの論文でも指摘されているように、関係を大切にする具体的な努力や行動が、「関係への満足度」や「信頼感」をさらに高めます。


その結果、よりコミットメントが強くなり、ふたりの絆が深まっていきます。


こうした「良い循環」が、長く続く安定したパートナーシップを支えているのです。

 

5. コミットメントを高めるためにできること~心理カウンセラーからのヒント~


● 感謝と振り返りを大切に


日常の中で「ありがとう」「楽しかったね」と伝え合い、お互いに感謝できるポイントを探してみましょう。

 

●「投資」を意識してみる


これまで一緒に過ごしてきた時間や思い出、乗り越えた困難を一度振り返り、「ここまで来た意味」を感じる時間を作るのもおすすめです。

 

● 代替可能性に流されない工夫


関係の満足度を高め、かつ2人だけで共有できるものを多く作ることによって、問題が発生した場合でも別の恋愛やパートナーに相手が移行するリスクを最小化しましょう。

 

● 誠実でいること、率直に気持ちを伝えること


困ったことや不安なことがあれば、素直にパートナーに話してみるというアプローチが、信頼を築く最大のコツです。

 

● 二人での「未来」を語る


「これから一緒にやりたいこと」や「どんなパートナーでいたいか」を話すことで、二人の関係への期待や希望も高まりやすくなります。

 

まとめ


恋愛や夫婦関係が長続きするカギは、「コミットメント(関係への約束)」という心理的な土台にあります。


Rusbult & Buunkの研究は、満足度・投資・代替可能性という3つの視点から、カップルの安定や幸福感の「科学的な仕組み」を解き明かしてくれました。

 

関係が揺らいだときや迷いが生じたときこそ、ぜひ「今の関係にどんな価値があるのか」を自分自身やパートナーと一緒に見直してみてください。


小さな努力や思いやりが、二人の絆をより強く、豊かなものにしていくはずです。

 

参考論文

Commitment Processes in Close Relationships: An Interdependence Analysis

----------------------------------------------------------------------
こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27   サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871

お問い合わせはこちら


----------------------------------------------------------------------

この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

プロフィールはこちら

カウンセラー紹介

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。