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強迫性障害の4つのタイプから考える自分らしい向き合い方とは?~神戸市、芦屋市、西宮市のカウンセリングの実例より~

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強迫性障害の4つのタイプから考える自分らしい向き合い方とは?

強迫性障害の4つのタイプから考える自分らしい向き合い方とは?

2025/06/28

みなさん、こんにちは。

神戸市や芦屋市、西宮市などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて…

 

「手洗いや確認がやめられない」

「頭から離れない不安やイメージがずっと続いてしまう」

 

こうした強迫症状でお悩みの方やご家族にとって、強迫性障害はとても身近で深刻な問題です。

 

私自身も心理カウンセラーとして臨床でクライエント様にで接する中でも、「なぜ自分はこうなってしまうのか?」といったご質問をよくいただきます。

 

そこで今回は、最新の科学的研究(Stewartら, 2008)を基に、強迫性障害の「4つの因子(サブタイプ)」について解説し、それぞれの具体的な症状例や日常でできる対処法までお伝えしたいと思います。

 

1.強迫性障害(OCD)の4因子モデルとは?~「4つのパターン」で読み解く「こだわり」とその向き合い方


強迫性障害(OCD)は…

 

「何度も手を洗わずにいられない」

「頭の中で繰り返し不安なイメージが浮かぶ」

「モノを捨てられずに溜め込んでしまう」

 

…など、さまざまな症状として現れます。

 

しかし、実はこうした「強迫症状」はバラバラに見えますが、科学的な観点から見ると、4つのパターン(因子・サブタイプ)に整理できることが、Stewartらによる大規模な国際研究で明らかになっています。

 

また、この4因子モデルは、「子ども」「思春期」「大人」など年代を問わず広く当てはまることが分かっており、自分や家族が「どのタイプの強迫症状に悩んでいるのか」を理解する大きな手がかりとなります。

 

1-1.強迫性障害のサブタイプとは?

 

強迫性障害の4つの因子(サブタイプ)は以下に分類されます。


1. 攻撃的/性的/身体的イメージ + 確認強迫


● 内容の特徴


 「人を傷つけてしまうのでは」

「不適切な性的な考えが頭から離れない」「不適切な行動をおこなってしまうかもしれない」

「自分の体に異常があるのでは」

 

…という「不快なイメージや考え」が繰り返し浮かぶものです

 

● 行動の特徴

 

強迫性障害に伴う不安を打ち消すために…

 

「鍵を何度も確認」

「コンロや水道を何度も見直す」

「謝り続ける」

「念のため誰かに確認する」

 

などの「確認強迫」がセットで起こりやすいのが特徴です。

 

2. 対称性/秩序/繰り返し/数唱強迫


● 内容の特徴

 

このタイプは…


「本や物の位置がぴったり揃っていないと気持ち悪い」

「何度も決まった順番で行動しないと不安」

「特定の回数だけドアノブを回す」

 

…など、「完璧さや規則正しさ」に対する強いこだわりです。

 

● 行動の特徴


「左右対称に並べ直す」

「何度も物を並び替える」

「頭の中や口で特定の数字を何度も数える(数唱強迫)」

 

…といった「儀式的な行動」が繰り返されます。

 

3. 汚染恐怖・洗浄強迫


● 内容の特徴


「手や体、身の回りが汚れていると感じる」

「細菌やウイルス、化学物質などに強い恐怖を持つ」

 

という「汚染恐怖」が、このタイプの特徴です。

 

● 行動の特徴

 

「不安を和らげるための過剰な手洗い」

「シャワー、消毒を繰り返す」

 

という「洗浄強迫」が生じます。

 

4. ためこみ(ホーディング)


● 内容の特徴


「この物はいつか使うかもしれない」

「捨てたら何か悪いことが起きるのでは」

 

…という思いが強く、不要な物でも手放すことができなくなるのが特徴です。

 

● 行動の特徴


「結果的に家や部屋に物がどんどん溜まり、日常生活に支障をきたす」

 

という「ためこみ行動」が生じます。

 

このように、4因子モデルを知ることで、自分やご家族の強迫性障害の「こだわり」がどこから来るのか」「どんな対処が有効か」が見えやすくなります。

 

2.4因子モデルで何がわかるのか~診断・治療・理解のヒント~


2-1.4因子モデルの意義


Stewartらの大規模研究が明らかにした強迫性障害(OCD)の4因子モデルは、子どもから大人まで幅広い年齢層に適用できる「共通のパターン」を示しています。

 

つまり、どんな年代の方でも自分の症状がこの4つのいずれか、あるいは複数に該当することが多いのです。

 

このことは、「自分だけが特別におかしいのではないか」「恥ずかしい・誰にも言えない」と感じている方にとって、孤独感や恥の感情を和らげる大切な第一歩になります。

 

さらに、「自分や家族の強迫症状がどの因子にあたるのか」を知ることで、治療方針や日常生活での工夫がぐっと立てやすくなります。

 

カウンセリングや認知行動療法(CBT)などの専門的なサポートも、この「症状のパターンの整理」が土台になります。

 

2-2.カウンセリングでの4因子モデルの活用方法


1. 攻撃的/性的/身体的イメージ+確認強迫


● 症状の理解

 

「浮かんでくる考え」や「繰り返しの確認」など、他人に話しづらい内容も「珍しくないパターン」であると伝えることで、自己否定や罪悪感の軽減につながります。

 

● カウンセリングでの活用

 

✔「思考の内容」ではなく、「思考への反応」に注目する認知行動療法を提案。

✔「頭に浮かぶこと=行動するわけではない」という情報提供(ノーマライゼーション)。

✔安全確認や謝罪を減らすための「行動実験」や、「1回だけ確認する」練習を段階的に行います。

 

2. 対称性/秩序/繰り返し/数唱強迫


● 症状の理解

 

「左右対称」「順番や回数へのこだわり」が強い場合は、まず何に不安や安心を感じているのかを一緒に整理します。

 

● カウンセリングでの活用

 

✔「全部完璧にしなくても大丈夫だった体験」を振り返るエクササイズ。

✔儀式行動の“回数や手順を少しずつ減らす”曝露反応妨害法(ERP)の導入。

✔生活の中で、柔軟性や「多少ズレてもOK」と思える場面を一緒に探します。

 

3. 汚染恐怖・洗浄強迫


● 症状の理解

 

「菌や汚れの不安」は多くの人が持つものですが、度を越して日常生活に支障が出る場合、「洗い過ぎ」「清潔へのこだわり」が強迫的になっているという説明から始まります。

 

● カウンセリングでの活用

 

✔「手洗いの時間や回数を記録し、徐々に減らす」具体的な行動計画を作成。

✔少し汚れていても平気”な経験を積み重ねる曝露法(ERP)。

✔家族が過剰な手洗いを助長しないようサポート方法を相談。

 

4. ためこみ(ホーディング)


● 症状の理解

 

「物を捨てられない」「整理ができない」ことの背景には、思い出・安心・不安などさまざまな感情が絡むことが多いと丁寧に理解を深めることがケアの第一歩です。

 

● カウンセリングでの活用

 

✔「大事なもの」と「実は手放せるもの」を一緒にリストアップし、1日1つ手放す練習からスタート。

✔片付けの行動に伴う不安や後悔の感情にも寄り添い、無理のないペースで進める・

✔家族や支援者も巻き込んで、環境調整や心理的サポートを組み合わせる。

 

2-3.まとめ:4因子モデルは「安心」と「作戦」をくれる


このように、強迫性障害の4因子モデルを知ることで…

 

「自分はひとりじゃない」

「症状は「脳のクセ」であり、対処や練習のコツがある」

「自分に合ったカウンセリングや治療を選べる」


といった「安心と作戦」を手にすることができます。

 

そのため、症状のタイプや強さに合わせて、心理カウンセラーと二人三脚で少しずつ工夫を重ねていくことで、日常の苦しさが和らいでいくことが期待できます。

 

3.各因子ごとの日常生活での対処法とは?

 

では、ここからは各因子別で日常生活での工夫を見ていきたいと思います。

 

1. 攻撃的・性的・身体的イメージ/確認強迫


● 日常での対処法

 

✔「考え=本心ではない」と意識してみる


頭に浮かぶ攻撃的や不快なイメージは「強迫性障害の特徴」であり、自分の性格や本音とは関係ありません。

 

「浮かぶこと自体は自然なこと」「誰にでも不快な思考は出てくる」と受け止める練習をすることが効果的です。

 

✔「確認は一度だけ」とルールを決める


ガスの元栓や鍵、火の元など、心配が浮かんだときには「最初に確認した時の記憶を信じる」「二度目以降は『強迫症状』だからやらない」と決めて実行していきます。

 

最初は不安ですが、何度も経験することで徐々に「一度確認」で安心できるようになっていきます。

 

✔強い不安が来た時の「逃げ場」を作る


「不安が高まった時は、深呼吸する」「一度外に出て散歩をする」「お茶を飲む」など、別の行動で一旦気持ちを切り替える工夫も役立ちます。


不安な考えにとらわれすぎない「行動の選択肢」をあらかじめリストアップしておくと、さらに効果的で安心できるでしょう。

 

2. 対称性・秩序・繰り返し・数唱強迫


● 日常での対処法

 

✔「完璧でなくても大丈夫」を体験する


例えば、部屋の物をわざと「少しだけ」ずらしてみる、ペンをまっすぐに並べずに勉強を始めるなど、「小さな不完全」を意識的に経験していきます。

 

そうすることを通して「多少ずれていても問題なく生活できた」と確認することを繰り返します。

 

✔こだわり行動の「回数」を少しずつ減らす


同じ行動を10回繰り返していたら、まずは9回、その次は8回……と、徐々に減らしていきましょう。


最初は強い違和感や不安が生じますが、「減らしても大丈夫だった!」という成功体験を積み重ねることで、少しずつ柔軟性が広がります。

 

✔家族・周囲の協力を得る

 

家族や信頼できる人に「今日は少しこだわりを減らす挑戦をしたい」と伝え、見守ってもらうと、安心して実践できます。

 

また、「一緒に片付ける」「ずれていても指摘しない」など、家族も「完璧」へのこだわりを強めないサポートが重要となります。

 

3. 汚染恐怖・洗浄強迫


● 日常での対処法

 

✔手洗いの「適切な回数・方法」を相談する


医師や心理カウンセラーに「どこまでが健康的な手洗いか」を相談し、目安となる時間・回数を決めます。

 

そして家族とも共有して「その基準を守る」ことで、「やりすぎ」に気づきやすくなります。

 

✔手洗いや掃除の「回数・時間」を記録する


手帳やスマホで1日ごとの回数を記録し、まずは現状を「見える化」します。

 

そこから「今日は1回だけ減らす」「時間を1分短縮する」など、無理のないペースで挑戦してみてください。

 

✔不安な時に「我慢する時間」を短く設けてみる


すぐに手を洗いたくなった時、「5分だけ我慢してみる」など、少しずつ耐える練習を重ねることで、「手を洗わなくても意外と大丈夫」という体験が増えていき、症状が緩和されていきます。


この場合、無理をしすぎず、「今日は少しできた」と自分を認めることがポイントです。

 

4. ためこみ(ホーディング)


● 日常での対処法

 

✔「1日1つだけ手放す」を目標にする

 

片付けは一気にやると心が折れてしまいます。

 

まずは「毎日1つだけ不要な物を捨てる」ことから始めてみてください。


例えば、「今日はレシートを1枚捨てる」「使わないペンを処分する」といった「小さな一歩」を積み重ねていくのがコツです。

 

✔「本当に必要な物」だけを残す基準を明確にする


「1年使わなかった物は手放す」「壊れている物はありがとうと言って処分する」など、ルールを決めて家族と共有し、迷ったときに参考にできるようにすることも効果的でs。

 

✔片付け・整理は短時間ずつ行う

 

「15分だけ片付ける」「この引き出しだけ整理する」など、小分けにして取り組むと負担が少なく続けやすいです。


また、どうしても捨てられない場合は、心理カウンセラーの支援を受けて、一緒に整理の練習をするのもおすすめです。

 

 

どの因子も、「いきなり完全に克服しよう」とせず、日常の中で「少しずつ減らす・慣らす」ことがコツです。

 

成功体験を積み重ねることで、徐々に自信と柔軟性が生まれていきます。

 

また、強迫性障害は「心の力だけで克服する」のが難しいことも多い病気です。

 

無理に我慢せず、時には医療・心理カウンセラーに頼る勇気や選択肢も持ってくださいね。

 

参考論文

Four-factor structure of OCD symptoms in children, adolescents, and adults.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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