株式会社ユナイテッド

ポジティブになるための予想のテクニック~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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「小さな予想」で脳が喜びメンタルケアができる

「小さな予想」で脳が喜びメンタルケアができる

2025/11/11

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

私たち心理カウンセラーは、いわゆる「ポジティブシンキング(ポジティブ思考)」については距離を置いています。

 

というのは、ポジティブであることには功罪あり、ポジティブであることによって「ポリアンナ症候群」や「ポジティブ・イリュージョン」という問題が生じやすいからです。

 

とはいえ、ポジティブであることに越したことはありませんし、また心理的健康を考えた場合、ポジティブさは必要な要素です。

 

そして私たち心理カウンセラーは「ポジティブになりましょう」とは決して言いません。

 

というのは、そういわれてポジティブになれるのだったら、誰も苦労しませんよね。

 

そのため、私たちは「いかにすればポジティブになれるか」を考えます。

 

そのポジティブになれる方法の1つが「未来を予想する」というものなのです。

 

例えば…

 

「夕方に小雨が降るかも」

「次に会う人が笑顔で挨拶してくれる気がする」


このような「小さな1日1予想」を立てるだけで、脳は「楽しみ」や「希望」を感じるための神経回路を自然に動かし始めるんですね。


これは、ポジティブ心理学の中でも注目されている「ポジティブ感情トリートメント(Positive Affect Treatment:PAT)」のアプローチでもあります。

 

そこで、このブログでは、脳科学と心理学の両面から、「予想すること」がなぜ前向きな気持ちを育てるのか、そして日常の中でどう実践できるのかをシェアしたいと思います。

 

1. 「1日1予想」で、気分が自然と明るくなる理由

 


例えば、次のような予測を立ててみてください

 

✔今日一日で「ありがとう」を何回言えるか

✔1時間で届くメールの数

✔7時ちょうどの気温(天気予報は見ずに!)

✔次に会う人がどんな表情で挨拶してくれるか

 

この予想はどんなに小さなことでも構いません。

 

大切なのは「予測をすること」にあります。

 

この「ちょっとした予測」を立てるだけで、脳の中では「ドーパミン(意欲や幸福感を司る神経伝達物質)が分泌されます。


神経心理学(脳科学)の分野では「人が予測を立てるたびに、脳の報酬系が活性化する」ということが知られています。

 

つまり、予測が「正解しても、間違っても」脳は「報酬」を受け取るのです。

 

具体的には…

 

✔当たれば「うれしい」

✔外れても「そう来たか」「ちょっと意外だったな」と、軽く気分が動く

 

この「どちらでも前向きになれる」状態こそ、ポジティブ感情トリートメントのアプローチであり、ポジティブになれる方法なんですね。

 

2. 予測が「心の報酬回路」を整えるメカニズム

 

 

普段私たちは意識していませんが、日々の生活の中で私たちは多数の「予測」を立てて行動しています。

 

そして意外かもしれませんが、「予測を立てる」という行為そのものが、実は私たちの「脳の報酬回路」を活性化させ、気分を整え、モチベーションを高めるための自然なトレーニングになるんですね。

 

2-1.脳は「先のことを考える」ときに元気になる

 

私たちが「次に何が起きるか」を想像すると、脳はその未来を理解しようと集中します。


このとき活性化するのが、前頭前野(思考・判断・計画を担う部分)と側坐核(快感や達成感を感じる部位)です。


そして側坐核が刺激されるとドーパミンが分泌され「やってみよう」「知りたい」「もう少し頑張ってみよう」という気持ちが自然に湧き上がります。

 

つまり、「予測とは脳にとって『小さな楽しみ』や『ご褒美の種』」なのです。

 

2-2.「予測 → 結果 → フィードバック」のサイクルが、回復力を育てる

 

予測を立てると、脳は「次にどうなるか」に注意を向け、結果を観察するようになります。


そして、その結果がどうであれ、「予測した自分」と「実際に起きたこと」を照らし合わせる過程で、脳は学習と修正を繰り返します。

 

この仕組みは、心理療法でも用いられる「行動実験」と似ています。


つまり、自分の考えを検証し、小さな結果を確かめていくうちに、「現実を柔軟に受け止める力」や「変化への耐性」が少しずつ育っていくんですね。

 

また、この「予測→結果→気づき」の繰り返しは、失敗を恐れずに新しいことへ挑戦する「心理的柔軟性」を高める効果もあります。

 

というのは、予測が習慣になると脳は常に報酬を出し続け、そして結果を柔軟に受け止めるように変化するからです。

 

2-3.予測の内容は「ポジティブ」でも「ニュートラル」でもOK

 

ここまでの解説の中で多くの方が「ポジティブなことを予測した方がいいの?」と思われたのではないでしょうか。


もちろん「今日いいことがありそう」「誰かに優しい言葉をかけられそう」といった前向きな予測は、幸福感や希望を高める助けになります。

 

しかし、常に前向きな予測を立てることは難しいですよね。

 

ここで重要なのは予測そのものを立てることであり、内容がポジティブでなくても全く問題がないということです。

 

例えば…

 

「今日は少し疲れるかもしれない」

「午後に気持ちが落ちるタイミングがあるかも」


というような現実的な予測でも、脳は「備えよう」「どう対処しよう」と考え始めます。

 

このとき生まれるのが、「自己調整感」と呼ばれる心理的スキルです。


つまり、こうした現実的な予測が、「何が起きても対応できる自分」という安心感を育ててくれるんですね。

 

2-4.ネガティブな結果になっても、予測が「役に立つ」理由

 

予測が役に立つ理由をお伝えしたが、「予測をするのが怖い」と感じる方もおられるかと思います。

 

というのは、予測をした結果がネガティブなものだったらどうしよう、という心配が生じるからです

 

しかし、予測が外れたり、期待した結果が得られなかったとしても、その体験は「ネガティブ」ではなく、脳の学習機会になります。

 

神経科学的に見ると、予測が外れた瞬間、つまり「思っていたのと違った」と脳が感じたときにも、ドーパミンは放出されます。

 

これは「予測誤差」と呼ばれる現象で、結果がネガティブであった場合、脳が「次はもっと正確に予測したい」「別のやり方を試したい」と学習をしようとするからです

 

この反応は…

 

✔ゲームで失敗しても「もう一度やってみよう」と思える

✔プレゼンがうまくいかなくても「原因と対策を知りたい」と思う


…というような前向きな気持ちを支えてくれるんですね。

 

つまり、外れた予測であっても、そこに意味を与えることができれば、脳にとっての報酬やメンタル面での回復につながるんですね。

 

実際に、心理学的にも、「うまくいかなかった経験を意味づけできる人ほど、レジリエンス(心の回復力)が高い」ことが報告されています(Bonanno, 2010)。

 

2-5.「1日1予想」は「ポジティブさへの筋トレ」

 

予測とは、未来に対して小さな「興味」や「期待」を持つ行為です。

 

これは、将来に対して何かしらの希望を持つことを意味しています。


そして、未来への予測というものは気分が落ち込みがちなときほど失われやすく、また予測が残っていてもネガティブな予測にどうしても傾きがちになります。

 

だからこそ、1日1回でもいいので、「今日、何が起こるかな?」と未来に目を向ける習慣を作ってみてください。

 

それが、脳を少しずつ「前向きなモード」に戻し、「希望を感じ取る力」のリハビリにもなります。

 

3.日常に使える「1日1予想」セルフケアの実践方法

 

 

「1日1予想」は、わずか1分でできるシンプルなセルフケアです。


しかし、心理学的に見ると、これは「脳の報酬系」と「感情調整機能」を整える非常に効果的なエクササイズでもあります。

 

日々のストレスや気分の波がある中でも、「小さく未来に目を向ける」ことが、心に「希望の回路」を再び作ってくれるようになるんですね。

 

そこで、以下の3ステップを、1日のどこかで静かに実践してみてください。

 

Step 1:今日、1つだけ「予想」を立てる

 

まずは、今日という一日の中で「ちょっとした未来」をひとつだけ想像してみることから始めてください。


大きな目標でなくて構いません。

 

むしろすぐ確かめられる小さな予測が理想的です。

 

例えば…

 

✔「お昼ご飯のあと、少し眠くなるかもしれない」

✔「午後に空が晴れてきそう」

✔「通勤途中で猫を見かける気がする」

✔「夕方に、同僚と楽しいおしゃべりができるかも」

 

…という小さなものであり、またどんな内容でも構いません。


ポイントは「未来を少し意識することそのものなんですね。

 

● 予測はポジティブである必要はありません!

 

先述しましたように、「前向きなことを予想しないと意味がないのでは?」と思われがちですが、実際には予測の内容がポジティブであるかどうかは関係ありません。

 

重要なのは「自分で予測を立てて、それを確かめる」という主体的な行動です。


繰り返しになりますが、脳は「未来に向けて何かを想定する」だけで報酬系が活性化し、ドーパミンが分泌されます。

 

そのため、「今日はちょっと疲れるかもしれない」「会議が長引きそう」などの現実的な予測でも問題ありません。


このような予測を立てることによって、自分の心と身体の状態を事前に把握し、セルフモニタリング能力を高めることにつながります。

 

ただ一方で、もしも余裕がある日は、「午後に誰かと笑えるかも」「夕方に少しうれしいことがあるかも」など、ポジティブな方向の予測を取り入れてみるのも効果的です。


なぜなら、ポジティブな未来を想像する行為は「希望や楽観性を回復させる『感情リハビリ』」のような作用を持つためです。

 

つまり…

 

✔ ポジティブな予測は「気分を上げる練習」
✔ ニュートラルな予測は「現実を観察する練習」


どちらも「心の柔軟性」を取り戻す効果的なアプローチです

 

Step 2:その結果を確かめる

 

予測を立てたあとは、あえて「どうなったか?」を意識して観察してみてください。


結果が当たっていても、外れていても全く問題ありません。

 

大切なのは、「結果を振り返る」こと、そのものなんですね。


このとき、脳では「予測と現実の差」を学習する予測誤差の働きが起こります。


この機能は、脳が柔軟に学び、変化に適応するために不可欠なプロセスであり、「思ったより違った」「意外だった」と感じる体験そのものが、脳にとって「回復のための刺激」になります。

 

例えば…

 

✔「思ってたより仕事が早く片付いた」

✔「会議は長引いたけど、意外と穏やかに進んだ」

✔「疲れると思ってたけど、案外大丈夫だった」

 

…というような気づきを得られた瞬間、私たちの脳は「ストレス耐性を高める学習」をしたことになります。

 

Step 3:結果に対しての感情を理解する

 

実は、この「予測のワーク」の一番大切なのは、ここです。

 

結果がどうであれ、「そのとき自分がどう感じたか」を見つめてみてください。

 

✔「外れたので残念だった」

✔「意外な展開で少し驚いた」

✔「思っていたより穏やかに過ごせた」

 

…というように、「感情の小さな動き」を感じ取ることがワークにおいては重要です。

 

ここで大事なのは、「前向きに解釈しよう」と無理に思う必要はないということです。

 

仮にネガティブな感情になったとしても、それは心がケアを求めている証拠です。


そのため、「自分はこう感じたんだな」と素直に気づくことが、セルフケアの本質です。

 

心理療法の世界では、こうした「気づきの瞬間」を「メタ認知」と呼びます。


メタ認知が高まるほど、人は感情に振り回されにくくなり、落ち着いた心を保ちやすくなっていきます。

 

1日1予想がもたらす変化

 

この3ステップを続けていくと、日常の中に「自分で作り出せる小さなポジティブ体験」が少しずつ増えていきます。

 

それは、結果が良かったからではなく、「未来を自分の手の中に取り戻す感覚」、つまりある種の「コントール感」が生まれるからです。

 

「今日も予測できた」「結果を確かめられた」という経験が、心の中に小さな安定感を積み上げていきます。

 

この習慣は、自己効力感とポジティブ心理学でいうところの希望理論の両方を高める行動でもあります。


つまり…

 

✔「自分には未来を考える力がある」
✔「未来にはまだ可能性がある」

 

…というような「希望の回路」を日々少しずつ育てていくことができるようになっていくんですね。

 

まとめ~予測ことの大切さ~

 

私たちは、未来を予測するとき、脳の「自分の力で変化を起こせる」という感覚、つまり「自己効力感」が育っていきます。

 

この「予測の力」を日常の中で意識的に使うことが、ストレスに強く、楽観的で、柔軟な心をつくることにつながります。

 

そこで今日、ほんのひとつだけ「予想」を立ててみてください。


その瞬間から、脳はすでに「希望」に向かって動き始めています。

 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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