アダルトチルドレンが「自分を生きる」ために心の重荷を降ろす方法
2025/11/15
みなさん、こんにちは。
神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
アダルトチルドレンの方をカウンセリングしていると、ある共通点が見えてきます。
それは、「人の顔色を見てしまう」「嫌われないように頑張ってしまう」というものです。
いわゆる「機能不全家族」の元で育った方の多くは、家庭の中で安心して感情を出せなかったという経験をされています。
そして、その結果「自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先する」という生き方を身につけることになります。
それは、過酷な世界(家庭)を生きる子供にとって自分を守るために必要だった「サバイバルのための戦略」でした
しかし、大人になってもそのままの、その戦略を使い続けてしまうと、「いい人でいなければ愛されない」という思い込みが生じ、それによって苦しみが生まれてしまいます。
このとき、心の奥に押し込めてきた感情、例えば怒りや悲しみ、寂しさが「心の重荷」として積み重なっていくのです。
以下では、アダルトチルドレンの方が経験するネガティブな感情の総称として「心の重荷」としますね。
この「心の重荷」が問題なのは、年齢を重ねるごとに、その重荷が増えてしまうということです。
というのは、怒りや悲しみ、寂しさというものは人間関係の中で再生産され続けてしまいます。
その結果、心の重荷はどんどんと大きくなってしまうんですね。
そこで、このブログではアダルトチルドレンの方が「心の重荷」を降ろす方法についてシェアしたいと思います。
1.「心の重荷」は「感じられなかった感情」の集まり

アダルトチルドレンの方が抱える「心の重荷」とは、「つらい出来事の記憶」もありますが、それよりも重要なのが本当は感じていたのに、感じることを許されなかった感情です。
1-1.感じたはずの感情が「感じなかったこと」になる理由
幼少期、家庭が不安定だったり、親が感情的だったり、逆に無関心だったりすると、子どもはこうしたことを学んでしまいます。
✔悲しむと邪魔になる
✔怒るともっと混乱が起きる
✔甘えると拒絶される
✔つらいと言うと、さらに傷つく
つまり、感情の表出が養育者によって否定されてしまうため、「感情を感じること」は危険なものとなってしまいます。
しかし、感情は現実にそこに存在します。
この存在する「危険な感情」に対する対処として、子供は「感じないことが身を守る最も安全な方法」として身についてしまうのです。
この結果、感情は押し込められ、言葉にならなかった感情が未処理のまま心に積み上がっていきます。
これが「心の重荷」なんですね。
1-2.アダルトチルドレンの生きづらさの核心
アダルトチルドレンの方のカウンセリングをしていると、多くの方が「過去の出来事がつらい」とおっしゃいます。
つまり、機能不全家族で育った記憶そのものが鮮明な形で存在しているため、それが苦しさを生んでいるんですね。
しかし、もう少し苦しさを掘り下げてみると、本当に苦しみを生んでいるのは 「感情を素直に感じられなくなった自分」であることが見えてきます。
つまり、感情の抑圧が生じているんですね。
そのため、「もしかしたら●●●という感情を感じておられませんか?」と問いかけると、「そうそう!そうです!」という反応が返ってきます。
つまり、自分の感情に気づけない、という問題が生じているのです。
そして、それは自分自身が持っている感情もそうですし、人間関係で生じるべき感情も含まれています。
例えば…
✔悲しいのに悲しいと気づけない
✔怒っているのに怒りだと認識できない
✔寂しいのに「平気」と言ってしまう
✔助けて欲しいと言いたいのに「迷惑になる」と我慢する
本来、感情は心が欲しているものを伝えるメッセージのような役割を持ち、「何がつらいのか」「何が嫌なのか」「何を望んでいるのか」を教えてくれます。
しかし、そのメッセージを受け取れなくなると、あらゆる場面で「方向感覚」を失い、それが生きづらさとして表れます。
1-3.感情麻痺は「生き延びるための戦略」
本来感じるべき感情をそのまま感じることができず、ずっと抑圧されたままだとどうなるのでしょうか?
心は何かを欲している、あるいは必要と判断している状態なのに、そのメッセージが届かないという場合、「悲しい」や「寂しい」という個別的な感情ではなく、漠然とした「もやもや」や「苦しい」という感情体験になってしまいます。
そのため、アダルトチルドレンの方は「何かもやもやする」「何か苦しい」という状態を抱えることになります。
アダルトチルドレンの方がかつて感情を押し込めてきたのは、そのときの自分を守るために必要な戦略でした。
これは心理学では「感情麻痺」などと呼ばれます。
つまり、感情を感情としてしっかりと感じることができず、漠然とした「もやもや」や「生きづらさ」「苦しさ」の状態になってしまうということですね。
とても重要なポイントは、素直に感情を感じられなかったのは性格的な問題ではなく、「生き抜くために必要だった戦略」だということです。
しかし、子ども時代の戦略は大人になった後は有効に機能しません。
そのため、やがて心が苦しくなり、「なぜかわからないのに生きづらい」状態になってしまうのです。
では、この後はアダルトチルドレンによって生じる「生きづらさ」に対するケアを、「心の重荷を降ろす」という観点からお伝えしますね。
2.「他人の評価」から「自分の心地よさ」へ

アダルトチルドレンの方が長年抱える生きづらさの1つに「他人軸」で生きるクセがあります。
つまり、「自分自身の人生ではなく、他人の評価や視線の中で生きる」という状態になるということです。
子どもの頃、家庭内で安心して自分の感情を出せなかった方は、感情表出が養育者によって否定されたという経験から、常に「外側の基準」で自分を判断するようになります。
これは、「人(養育者等)の顔色を読むこと」こそが生存のための戦略だった時代があったため、その習慣が自動的に心に組み込まれていることによって生じてしまうのです。
2-1.「人にどう見られるか」から「自分はどう感じたいか」へ
心の重荷を軽くするためには外側の基準から少しずつ心を取り戻し、「自分の心地よさ」を感じ取る回路を育てていくことが有効です。
そのための小さな一歩として、次のような実践がおすすめです。
✔ 誰かに褒められる選択ではなく、「自分がほっとする選択」をする
具体例→無理して誘いに乗るのではなく、家で休むことを選んでみる。
✔ 「やらなきゃ」ではなく、「やってみたい」を選ぶ
具体例→義務感ではなく、興味に触れる時間をひとつ増やす。
✔ 他者に合わせるより、「自分が安心できる生活のペース」を優先する
具体例→承認欲求ではなく、「心の安全地帯」を大切にする行動を選ぶ。
これらは小さな取り組みですが、「自分を優先しても大丈夫」と脳が学習する大切なステップです。
つまり、他人の期待に応え続けてきた生き方から、「自分でいて楽でいられる生き方」へと軌道修正することを意味します。
それが、長年溜めた心の重荷を少しずつ降ろしていくプロセスになります。
3.「楽しむ力」は、心が回復しているサイン

アダルトチルドレンの方が回復していくプロセスを見ていると、ある共通の変化が見られます。
それは、日常のささやかなことを「楽しい」と感じられるようになることです。
実は、これには理由があります。
子どもの頃、安心して感情を感じることができなかった方は、「喜び」「ホッとできる」「嬉しい」といったポジティブな感情も抑え込んでしまう傾向があります。
そして、そうしたポジティブな感情の多くは日常生活のふとした瞬間に感じられるものです。
アダルトチルドレンの方の場合、日常生活が「危険」だったため、日常の中にあるポジティブな感情を感じることができないでいるんですね。
しかし、心が少しずつ安全を取り戻していくと、それまで眠っていた日常の中にあるポジティブな感情が自然と戻ってきます。
こうした小さな「心の動き」は内側の感受性が回復してきた証拠です。
幸福感とは、本来は外から与えられるものではなく、「感じる力」が戻ったときに内側から自然に生まれる感覚です。
逆に言えば、他人軸で生きていると幸福感を他人に求める傾向が強くなるので、日常の中での自然な幸福感を感じることができないでいるんですね。
回復のプロセスにおいて「特に楽しいことはないな」と思う時期があっても、それはとても自然なことです。
しかし、プロセスが進んでいくと日常生活が色鮮やかになっていきます。
そのため、まずは意識的に日常生活の中にあるポジティブな側面に目を向けるようにしてみてください。
4.「苦しみ」もまた、自分自身の一部
アダルトチルドレンの回復において最も大切な視点のひとつが、「苦しみを悪者にしないこと」です。
誰しもツラい感情は感じたくありませんし、苦しみから脱却したいと思うものです、。
しかし心理学的の観点から考えると、苦しみを避けようとすればするほど、その感情は影のように大きくなり、心を圧迫するようになっていきます。
つまり、「避けることで逆に大きくしてしまう」という現象が生まれるんですね。
4-1.苦しみは、「懸命に生きようとしてきた証拠」
アダルトチルドレンの方が抱える苦しみには、先述したように漠然とした「もやもや」や「苦しさ」、そして「生きづらさ」があります。
しかし、これらを敵視して否定するべきではありません。
むしろ、「いま、そう感じて当然なんだ」というスタンスで受容することが大切です。
自分自身の苦しみ等の受容は、自分自身そのものを受容することを意味します。
苦しみを受容し、「そう感じていた自分が確かにいる」と認めたとき、その痛みは自分自身を苦しめる刃ではなく、長い間、静かに耐えてきた証拠へと変わります。
そのとき、苦しみ等は敵ではなく「自分を今まで守っていてくれたもの」という形に変化していきます。
4-2.自分のヒストリーを肯定し直すことで、心の重荷は軽くなる
先述したように、自分自身の「苦しみ」や「もやもや」、「生きづらさ」といった感情を認めた瞬間、心は癒えていきます。
そして…
「ここまでよく生きてきた」
「十分に頑張ってきた」
と自分を静かに振り返り受け止められたとき、心の重荷は少しずつ、確実に軽くなっていきます。
そのため、「苦しみ」「もやもや」「生きづらさ」と言ったネガティブな感情が生じた時、過去から今までの自分自身のヒストリーを思い出してみてください。
そうすると、ネガティブな感情を穏やかに認めることができるようになります。
まとめ
今までのお話をまとめますね。
✔他人軸から自分軸へ。小さな「心地よさ」の選択が回復を支える。
✔楽しむ力が戻ってくるのは、安全を取り戻しつつあるプロセス
✔苦しみは、今まで生き抜いてきた証であり、回復の入口になる。
これまで背負ってきたものは、確かに誰にも気づかれなかったかもしれません。
しかし、それは間違いなく自分自身を守り、ここまで連れてきてくれた大切な戦略でした。
これからは、心の重荷を少しずつ降ろしながら、「自分の人生を生きる」選択を積み重ねていきましょう。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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