株式会社ユナイテッド

不安に対する認知行動療法のアプローチ~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

お問い合わせはこちら

不安に負けず行動できる方の思考法~認知行動療法×ACT~

不安に負けず行動できる方の思考法~認知行動療法×ACT~

2025/11/25

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

多くの方が、新しく変化した状況や仕事、そして人間関係において、ふと胸の中に湧き上がる不安と言ったネガティブな感情を経験します。

 

こうした自己否定は決して愉快なものではありませんが、そうした感情が生じる原因は性格がネガティブだからということではなく、脳が未来の不確定さを察知して「リスク」と判断した結果です。

 

こうした時に役に立つのが、あるシンプルな方法です。


それは「上手くやれる自分を演じてみる」というアプローチです。

 

1. 「うまくやれる自分」を一時的に「演じてみる」~認知行動療法の視点~

 

 

認知行動療法(CBT)には「行動活性化」というアプローチがあります。


このアプローチは、感情や思考が整ってから行動するというものではなく、むしろ逆で、まず行動することから初めて変化を生み出すというアプローチです。

 

多くの方は、自信のなさや不安、気持ちの整理がついていないという状況になると行動ができなくなってしまいます。

 

しかし、心理学的には全く逆です。

 

つまり…


行動 → 経験 → 自信 → 新しい行動


…という順番を経ることで、自己効力感が育っていきます。

 

とはいえ、不安や自信のなさがあるときに行動するのは大変です。


そこで役に立つのが「うまくやれる自分を仮設定する」という認知技法です。

 

これは自分を偽ったり、背伸びで誤魔化すのではなく、次のような問いかけからはじめるものです。

 

「もしも これが『上手くやれる自分』だったら、どんな表情?どんな姿勢?どんな動き方をするだろう?」

 

この問いは、脳に新しい考え方や行動化を促します。

 

このように行動のモデルが言語化されることで、集中して行動に移りやすくなったり、不安や自信のなさよりも「やってみよう」という感覚、そして本来持っている能力を最大化するという効果が生まれます。

 

これはいわば「まだできない私」ではなく、「可能性としての私」を選択する行動だと言えるでしょう。

 

2.不安は排除する対象ではなく「同行者」~ACTの視点より~

 

 

認知行動療法の第三世代であるACT(アクト:アクセプタンス&コミットメントセラピー)では、不安や自己否定的思考を取り除く努力を中心にしません。

 

というのは、不安は「未確定な未来」を知らせる正常な反応であり、それを消そうとすればするほど、逆に強固になることがわかっているからです。

 

しかし、いくら不安や自信のなさがあっても、行動することも大切にしている価値観や考え方に基づいた行動ができますよね。

 

例えば、私はよく企業において心理学に基づく研修を行うのですが、当然「上手くやれるのだろうか?」という不安や自信のなさは生じます。

 

しかし、そうした不安や自信のなさが生じても「受講される方のためにベストを尽くそう」と思い、研修を実施します。

 

そのとき、不安や自信のなさが消えている、ということはありません。

 

むしろ、不安や自信のなさは依然として私の中にあります。

 

ただ、不安や自信のなさがあっても「行動する」という選択肢を選ぶことはできますよね。

 

不安や自信のなさというものは、行動する前に私たちに対して次のように語りかけてきます。

 

「失敗するかもしれない」
「良い結果が生まれないかもしれな」
「上手くやれないかもしれない」

 

しかしACTでは、それを止めずこう言い換えます。

 

「その声が『単なる、ただの声』。それに耳を傾けず大事な行動を選ぶ」

 

これは、不安や自信のなさがゼロになったら動くのではなく、不安と共存しながら前に進むという心理的柔軟性のことを指します。

 

つまり、不安や自信のなさがあるとき、それが消えるのを待つ必要はない、ということを指します。

 

3.実生活での使い方 ~「上手くやれる自分」を設定して行動する~

 

 

これまでで「上手くやれる自分」を設定して行動する効果について解説しました。

 

次は、それを実際に日常生活に応用する方法をお伝えいたします。

 

この方法を現実の生活に落とし込む際のポイントは、理想像ではなく「行動モデルとしての仮の自分」を設定することです。

 

つまり、「未来の完成された自分になりきる」という仮想ではなく…

 

「今はまだそうではないけれど、もしその能力が既にあるならどう行動する?」

 

という問いかけを行い、行動の方向性を引き出す認知行動療法の技法です。

 

この方法は認知行動療法での行動実験と似ています。


つまり、考えるだけではなく、行動を通して検証し、体感で新しい認知(考え)を育てる方法なんですね。

 

そこで、自分への問いかけを、具体的な例を用いてお伝えしたいと思います。

 

例1:朝早く起きたい

 

この場合の問いかけは…

 

「早起きが得意な人なら何をする?」

 

というものです。

 

これは認知行動療法の技法の応用であり、行動化をスムーズにしてくれます。

 

つまり、「早起きが得意な自分」という役割を仮定することで、脳は「朝の弱さ」ではなく「行動の設計」に焦点を向けやすくなります。

 

そうすると、目覚めた後にどのようなプロセスでベッドから出ればよいかが見えてきます。

 

例2:会議で発言したい

 

この事例での自分への問いかけは、例えば次のようなものが考えられます。

 

「意見を言える人ならどう座る?どう息を吸う?」

 

ACTでは、不安を消そうとするのではなく、自分が大切にしたい価値に沿った行動を選ぶことを重視します。

 

そのためには姿勢や呼吸を整えるという身体的なアプローチが有効です。


これは心理学で 身体性認知と呼ばれ、身体の変化は思考や感情に影響を与えるというものなんですね。

 

つまり…

 

姿勢を変える → 呼吸が変わる → 情緒が整う → 行動しやすくなる

 

…という流れが身体的認知によって生まれます。

 

例3:初めての環境が不安

 

この場合の自分への問いかけはいかのものが考えられます。

 

「慣れている人ならどう振る舞う?」

 

人は未知の環境に入ると、「脳の警戒回路(扁桃体)」が優位になります。

 

その結果、警戒警報として不安や自信のなさが浮かんできやすくなります。


しかし、歩き方・視線・テンポを「慣れている自分として仮設定」すると、脳は「これは危険ではない」と判断しやすくなり、ストレス反応が低下します。

 

4.なぜこれで行動力が引き出されるのか?

 

 

行動を先に変えると、当然浮かんでいる感情とは矛盾が生じますよね。

 

そして、脳はその矛盾を解消しようとします。


この現象は心理学で 「認知的不一致」と呼ばれるものです。

 

これは、行動が「できる人」のものになった瞬間、脳は「私は本当はできる人なのかもしれない」と認知を書き換え始めるのです。

 

これによって…

 

✔ 自己効力感(私はできる)
✔ 行動の最適化
✔ 不安や自己否定との新しい距離感

 

…というものが生まれます。

 

4-1.この方法が効果を生じさせる理由

 

実際に実践してみた方は…

 

「思ったよりできてしまった」
「困るほど不安が残らなかった」
「案外普通に対応できた」

 

という経験をされる方が大勢おられます。

 

これは、「恐怖予測モデル」と関係しています。

 

私たちは行動前に「最悪のシナリオ」を強くイメージしがちです。


しかし実際に行動すると多くの場合、意外と困らなかった、否定されなかった、上手く行動できたという結果を体験します。


その結果、脳は「予測の修正」を行い、それによって次の行動への前向きな循環を作ります。

 

まとめ

 

この方法は、あえて自身も持とうとしない、不安を消そうとしない、というアプローチです。

 

なぜなら、消そうとすると、その消すべき対象(不安や自信のなさ」を考えなければならないので、逆に不安や自信のなさは大きくなるからです。

 

しかし、「可能性の方向に体を動かす」というシンプルな行動を取ることによって、結果的に不安や自信のなさは解消されやすくなります。

 

このように、小さな行動が積み重なるほど、「仮の自分」は、やがて本来の自分自身として育っていくことでしょう。

 

そのため、「できている自分」を設定して「小さな行動」を起こしてみてくださいね。

----------------------------------------------------------------------
こころのケア心理カウンセリングRoom
兵庫県芦屋市浜芦屋町1-27   サニーコート浜芦屋302号
電話番号 : 090-5978-1871

お問い合わせはこちら


兵庫でメンタルケアを実施

----------------------------------------------------------------------

この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

プロフィールはこちら

カウンセラー紹介

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。