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他人の感情に振り回されない心のつくり方~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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他人の感情に振り回されない心のつくり方

他人の感情に振り回されない心のつくり方

2025/12/04

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

さて、カウンセリングをしていると、多くの方が他者の感情に巻き込まれてしまうというお悩みを抱えている方を数多く担当させていただいています。

 

また、他者の不機嫌さ等を自分に向けられたものと感じてしまい、苦しくなってしまう方も珍しくありません。

 

この原因の1つは「共感力」、そして「脳の警戒信号の過敏さ」にあると言えるでしょう。

 

つまり、共感力や脳の過敏さによって「他人の感情に巻き込まれてしまう」つらさが、繰り返し語られてしまうんですね。

 

そこで、このブログでは「共感力」「脳の過敏な警戒信号」というテーマを中心にしつつ「他人の感情に巻き込まれる」「他人のネガティブ感情が自分に向けられている」という問題についてシェアしたいと思います。

 

1.なぜ私たちは、こんなにも他人の感情に影響されるのか

 

 

私たち人間は、相手の表情や声色、姿勢、視線、会話の間といった「言葉にならない情報(非言語的情報」を読み取る能力を、生まれつき備えています。

 

これは性格上の問題というよりは、脳の進化がもたらした結果と言えるでしょう。

 

そこで、少し進化(心理心理学)の観点から考えてみましょう。

 

私たち人間はもともと、群れの中で生きることで生存率を高めてきた社会的な生物です。

 

そのため脳には、表情のわずかな変化を察知したり、声のトーンの違いを感じ取る、雰囲気の変化から危険を予測する、といった能力が、「脳の標準装備」として組み込まれています。

 

このしくみがあるからこそ、相手の気持ちを思いやれたり、人間関係の危険を事前に察知する、あるいは逆に他者と協力関係を築ける、という人間関係の土台が作られてきました。

 

1-1.他人の感情に「感染」する脳のしくみ

 

人が感情を察知できるのは、脳の中に「他者の状態を自分の中でシミュレーションする脳の装置」があるからです(これを『ミラーニューロン』と言います)。

 

例えば、誰かが緊張しているのを見ると、自分にもその緊張が伝染するように同調してしまうというケースがあります。

 

また、誰かが怒っていると、こちらの心拍も少し早くというケースもありますよね。

 

これは、相手の状態を脳のミラーニューロンにより、自分の脳の神経にコピーし、感情が同調するという現象です。

 

この働きは以下のプラスの面があり、以下のものが自然に生じます。

 

✔共感
✔思いやり
✔協調

 

これは、ある意味で「共感力」の賜物といえるでしょう。

 

ただ、こうした共感力に基づく問題は「感じ取れること」ではなく「受け取りすぎること」にうあります。

 

本来こうした共感する能力は、私たちを守るためのものです。

 

しかし、共感力が強い、言い換えると感受性が高い方の場合は、人の微妙な変化まで拾ってしまったり、空気の変化を過剰に察知するという現象が生じやすくなります。

 

また、これは本当に大きな問題なのですが、気が付いたら相手の感情を「引き受けてしまう」という状態が起こりやすくなります。

 

これはまるで、共感力という感情センサーが常に最大感度になっているようなもの、と言えるでしょう。

 

その結果、脳は…

 

✔ 過剰に感じ取り
✔ 深く処理し
✔ 長く記憶し

 

というように、フル稼働し続けています。

 

これは当然、疲れやすくなったり、気力もすり減っていきます。

 

2.「あの人の不機嫌」が「私のせい」に変換される瞬間

 

 

心理カウンセリングの相談で多いのが、他者の不機嫌さの原因を自分自身に求めてしまう、というものです。

 

つまり、以下のメカニズムが生じているんですね。

 

相手のネガティブな感情
↓ ↓ ↓
自分の責任であるという解釈
↓ ↓ ↓
自分自身の責任となり、対人関係に恐怖が生まれる

 

もう少し具体的に言うと…

 

相手が無愛想

→「私が何か悪いことをしたかも」

相手がイライラしている

→「嫌われたのかもしれない」

相手が沈んでいる

→「私が何かしたから沈んでいるんだ」

 

こうして、本来は相手の内側の出来事であるはずの感情を、自分の問題として抱え込んでしまうんですね、

 

2-1.なぜ、そうなってしまうのか

 

この傾向は、人の顔色を見て育ってきた、あるいは家庭の中で空気を読まざるを得なかったなどの成育歴や養育者との関係が影響していることがあります。

 

また、成育歴に問題がなくても、人間関係等で感情を出すことでトラブルになった、問題のある上司や教師の機嫌で場の安全が左右された、という環境が影響していることが考えられます。

 

その結果…

 

「相手の機嫌 = 自分の安全」

 

…という思考が脳に組み込まれてしまうんですね。

 

そのため、相手の表情が少し曇るだけで体が勝手に「警戒モード」に入ってしまうという状況に至ります。

 

当然ですが、これらは今までの環境や人間関係の影響によって生じるものであるため、性格の問題ではありません。

 

正しく言うなら、生き延びるために身につけた脳の防衛機能だといえるでしょう。

 

2-2.「共感」と「責任」を混同すると、心は消耗する

 

この問題の解決はケースバイケースなので、ある程度のケアのプロセスが必要です。

 

しかし、目指すべきゴールは本当にシンプルです。

 

それは…

 

感情を察知するのは大切な能力だけど、相手の感情に責任まで背負う必要はない

 

…ということです。

 

しかし、相手の感情を自分に結びつけるという思考が癖になると、心は常に…

 

✔ 緊張
✔ 警戒
✔ 自己否定

 

…という状態の中で生きることになります。

 

この状態だと慢性的なストレス状態が続くため、心が消耗することは避けられませんよね。

 

2-3.共感力は「資質」であって「義務」ではない

 

他人の感情に敏感であることは、素晴らしい能力です。
 

✔人の痛みがわかる
✔空気が読める
✔優しい
✔気づける

 

こうした能力は、適切に扱うことができればより良い人間関係を形成できるでしょう。

 

しかし、「感じる力」と「背負う力」は別ものです。

 

他人の感情はその人の責任です。

 

そのため、背負うべきなのは「自分の感情だけ」なんですね。

 

3.他人の感情と「距離」を取る技術~「共感しすぎる自分」を守るためのセルフスキル~

 

 

感情に影響されやすい傾向は、誰しもが持っています。

 

そして、影響されやすい傾向を持っている方ほど、「自分に責任があるんだ」と自分を責めがちです。

 

しかし、自分を責める必要はまったくありません。

 

必要なのは、人の感情を「感じない」ことではなく、「巻き込まれない」力です(これは私の専門であるACTという心理療法のアプローチですね)。

 

この「心理的距離感」は意識的に育てていくことができます。

 

では、その方法を具体的にご紹介しますね。

 

3-1.感情に名前をつける~心の「巻き込み事故」を防ぐラベル貼り~

 

人の感情に飲み込まれやすいとき、多くの場合、脳内では次のようなことが起きています。

 

相手の表情・態度
↓ ↓ ↓
反射的に自分の感情と同調する
↓ ↓ ↓
自分の感情として処理する必要が生じる
↓ ↓ ↓
気が付いたら心が重くなる

 

こうした悪循環は自分を責める以外の効果を生みませんよね。

 

ここで有効なのが「感情のラベリング(言語化)」です。

 

具体的には、相手を見て、心の中で静かに言葉にします。

 

✔「この人、いまイライラしているみたい」

✔「不機嫌というより、疲れが出ている感じかな」

✔「不安そうだけど、私のせいとは限らないな」

 

すると、脳の中で起きていた「他人の感情=自分の感情」という同調や同一化が緩みます。

 

すると、感情=相手の状態という視点に切り替わります。

 

これは…

 

✔感情と距離を置く
✔感情を否定しない
✔ただ、自他の感情として分離する

 

…とまとめることができると思います。

 

この方法が効果を持つ理由は、感情に名前をつけると感情を司る脳領域(扁桃体)の過活動が落ち着き、「考える脳」(前頭前野)が働き始めるからなんですね。

 

つまり、感情に振り回される状態から冷静に観察できる状態へとスイッチを切り替えることができるようになります。

 

3-2.「これは私の感情?」と問い直す~「自動思考」の暴走を止める3つの質問~

 

知らないうちに、心が重くなったときや不安や罪悪感が急に湧いたとき。

 

そうした時は、そのまま飲み込まず一度立ち止まって以下の3つを自問してみてください。

 

質問1:これは「事実」か?それとも「解釈」か?

 

具体例

✔「相手の機嫌が悪い」→ 事実
✔「きっと私に怒っている」→ 解釈

 

私たちの認知機能(脳の機能)「事実」と「想像」をくっつけてしまいます。

 

そのため、まずは、「何が起きたか」と「どう意味づけたか(どう解釈したか)」を分けてみましょう。

 

質問2:これは私に向けられた感情か?

 

相手が不機嫌でも、様々な可能性が考えられますよね。

 

例えば、仕事で疲れている、体調がすぐれない、別のことで悩んでいる、といった可能性のほうが高いことが多々あります。

 

しかし、脳はつい「私のせいかもしれない」と瞬時に結論づけてしまいます。

 

それが長く続いた方ほど、「自分原因理論」がクセになってしまっています。

 

そのため、まずは「原因は必ずしも自分とは限らない」というところから始めてみてください。

 

質問3:他に考えられる理由はあるか?

 

これは「質問2」にも通じるものですが、別の見方を3つ挙げてみてください。

 

例えば、職場に不機嫌な人がいるとしたら…

 

✔忙しすぎただけかもしれない

✔体調が悪いのかもしれない

✔元々感情に波があるタイプなのかもしれない

 

このように別の見方を3つ考えると、「感情=単一の原因」という極端な思考が緩み、現実には、たくさんの理由があり得るという、柔軟な見方が戻ってきます。

 

3-3.「感情を距離化する力」は習慣で身につく

 

上記の内容は、最初はうまくできなくても構いません。

 

大切なのは…

 

感情に影響されていることに後から気づく→大成功

 

…という理解です。

 

リアルタイムで完璧に切り分けられなくても、後から振り返ることができれば十分です。

 

その振り返りが、次第に他者の感情に柔軟に対応することができるようになり、振り回されることが減っていくでしょう。

 

まとめ:感情に優しく、境界線をしっかり

 

他者の感情に振り回されるのは、確かに感受性や共感性が高いということが影響している可能性もあります。


感じ取れる力がとても高いこと、それそのものは肯定的な意味があります。

 

あとは、「引き受ける必要がない他者の感情」をそっと下ろす習慣を意識するだけです。

 

感じ取り、振り回されがちならば、「感じた感情と上手に付き合う方法」を身につけていきましょう。

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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