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夫婦、恋人関係はどうすれば良くなる?~カップルセラピーから学ぶ良好なパートナーシップの作り方~

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夫婦、恋人関係はどうすれば良くなる?~カップルセラピーから学ぶ良好なパートナーシップの作り方~

夫婦、恋人関係はどうすれば良くなる?~カップルセラピーから学ぶ良好なパートナーシップの作り方~

2025/12/11

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

夫婦関係や恋愛関係といったパートナーシップがうまくいかないとき、多くの過多は「誰が悪いのか」「どちらが変わるべきなのか」と考えがちです。


しかし、臨床心理学の世界では、関係の問題を「誰か1人」の問題として扱うことはほとんどありません。

 

というのは、パートナーシップは相互作用によって成り立っているからです。

 

そのため、家族療法・システム論では、「関係そのものが1つのシステムであり、2人の行動・感情・思考が循環的に影響し合う」 という部分に着目します。


つまり関係の不調は、2人の「相互作用の結果」として生じるのです。

 

今回参考にする研究は、このシステム論の考え方をベースに構築された IPCM(Integrative Problem-Centered Metaframeworks) という多体系統のカップル療法の治療経過を分析したものです。

 

この研究内容を踏まえつつ、夫婦関係や恋愛関係に対してカップルカウンセリングがどのような役割を果たすのか、ということについてシェアしたいと思います。

 

1.カップル療法の研究が示した3つの重要ポイント~どのようにして夫婦や恋愛は改善されるのか?~

 

 

今回の論文が扱う中心テーマは、「カップル療法において、関係の改善と個人の心理改善はどのように影響し合うのか」という点です。

 

意外かもしれませんが、通常カップルの問題は「コミュニケーション不足」「性格の違い」「価値観のすれ違い」といった表面的な理由だけでは説明できないんですね。


確かに、それらは非常に重要なのですが、それ以上に重要なのは深いレベルでの…

 

✔個人の心理的課題(不安・抑うつ・自己評価・感情調整の困難)

✔関係の課題(衝突、距離、負の循環)

 

…という2つが相互に影響しています。

 

そして、この研究では、結果として浮かび上がった 3つの重要ポイントがあります。

 

1-1.関係の改善が「個人の改善」を促す傾向がある

 

本研究で最も注目された結果は、「関係の調整」が改善し、その後に「個人の心理的機能が改善する」という「改善の順序性」が確認されたことです。

 

● 男性は特に、関係の改善 → 心の改善の順で進む

 

研究では、男性の場合は「関係の満足度が上がると、その後に心理状態が改善する」という因果的なつながりが最も強く見られました。

 

つまり男性は…

 

パートナーとの関係が落ち着く

↓ ↓ ↓

衝突が減る

↓ ↓ ↓

自分が受容されている感覚が増える

 

といった「対人環境の安定」が整って初めて、メンタルの回復が進むという特徴があります。

 

● 女性は「同時進行」で進む傾向

 

一方女性は、関係と個人の改善が同時進行で起こっており、特定の方向性(どちらが先か)は明確ではありませんでした。

 

これは臨床的にも極めて自然な結果で、女性は「関係の状態」と「自分の感情・心理状態」を同時に処理し、相互に影響しながら変化させる傾向があることが示唆されています。

 

1-2.システム論から見ると「関係の安全性」が重要

 

私がカップルカウンセリングで用いることが多いシステム論(family systems theory)の観点から見ると、個人の変化は「その人が属する関係システムの変化の影響」を受けます。

 

つまり、安全な関係や尊重し合える対話、感情的な「逃げ場」があること、協力性の高いコミュニケーションが存在すると、個人は自然と自己理解・感情調整・認知の柔軟性を発揮できるようになっていきます。

 

1-3.初期の変化が治療結果を大きく左右する

 

研究の分析では、全体のセラピーの中でも最初の 8 セッションに特に注目 しています。

 

● 初期の変化は強力な予測因子

 

認知行動療法・ACT・家族療法など多くの心理療法においては共通して、セラピー初期で「小さな改善」が見られるほど、その後の治療結果が良いという傾向が確認されています。

 

● なぜ「初期の変化」が重要なのか?

 

カップルカウンセリングにおいて、比較的最初の段階で変化が「起きる」という事実が、両者の希望と改善のためのモチベーションを高めてくれます。

 

またネガティブな循環が早い時点で断ち切られ、カップルが「協力して変わることができる」という体験を得ることで、セラピーの効果が強化されるという傾向もあります。

 

このような要素が働くため、初期介入が関係改善に大きく影響することが示唆されています。

 

1-4.カップルの関係改善の成否を決めるもの

 

カップルカウンセリングの場合、今、相手にどんな感情を感じているかに気づき、大切にしたい価値(支え合いたい、尊重したい等)を明確にし、その価値に沿った行動を小さく実行するという「初期の小さな実践」が、驚くほど関係を動かし始めるのです。

 

実際にカップルカウンセリングの初期の変化は本当に小さなものであり、「お互いの考えを理解する」というだけでも改善される傾向があります。

 

しかし、この小さな変化が、後の夫婦関係、恋人関係に大きな影響を与えるんですね。

 

2.カップルカウンセリングからわかる関係を良好にする3つのコツ

 

 

カップルカウンセリングや心理療法の臨床や研究から見えてくるのは、「うまくいくカップルには、共通する『関係の育て方』がある」ということです。

 

そこで、ここでは論文の知見と臨床経験から導かれた、カップルが関係を良い方向へ動かすための3つの実践的ポイントを紹介しますね。

 

2-2. 関係の「安全基地」をつくることが何より大切

 

カップルの関係は、まずはしっかりとした関係の基盤を整えるということが最初のステップであり、まずはここが重要となります。


どれほど高度なコミュニケーション技法や心理スキルを学んでも…

 

✔批判されるのではないか

✔傷つけられるのではないか

✔否定されるのではないか

 

…というような不安が強いと、当たり前ですが人は素直に向き合うことができません。

 

カップルカウンセリングの臨床や研究では、関係の「安全感」が整うことが、あらゆる改善のスタート地点になると示されています。

 

では、「安全感」とはなんでしょうか?

 

それは…

 

✔相手が自分を尊重してくれる

✔話を聴いてくれる

✔感情をぶつけても安定性が保たれている

✔攻撃ではなく理解を向けてくれる

 

…といった「心理的な安心さのことを指します。

 

このようにして関係に安心があれば、自然と対話が増え、問題も先鋭的にならず、「柔らかく扱える」ようになっていきます。

 

そして、これだけでも関係の安定化に大きく影響します。

 

2-3.「相手か自分か?」ではなく、「2人で変わる」という視点を持つ

 

カップルの相談ではよく、「相手が問題を抱えているからしんどい」、あるいは「私が悪いから治さなきゃ」といった「どちらに原因があるか」という二択の発想に陥りがちです。

 

確かに、一方の感情的あるいは行動的な不安定さのため、それがパートナーシップに影響を与えている場合も珍しくないのは事実です。

 

そして、そうした場合はカップルカウンセリングの後に、一方の方に対するカウンセリングに移行することは多々あります。

 

しかし、決して軽視してはならないのは、それでもパートナーシップの問題とは「相互作用」にある、という点です。

 

加えて、個人が変わる前に、まずは関係(相互作用)が変わる方が効果的というパターンが多く確認されています。

 

つまり、「相手か自分か」という視点も無視できませんが、「2人で作っている関係をどう変わるか」が改善に直結するのです。

 

実際のカウンセリングでも、関係という「システム」が少し変わるだけで、双方の心理状態が自然と良くなっていきます。

 

例えば、「相手を責める → もっと責められる気がして黙る」という悪循環が…

 

「気持ちを言葉にする → 受け止められる → 安心して話せる」


という好循環に変わるだけで、2人の心の状態は驚くほど安定します。

 

つまり、片方の言動に問題があっても、関係の改善から入った方が片方の問題も解決されやすくなっていくんですね。

 

2-3.初期の「小さな成功体験」を大切にする

 

カップル療法の場合、セッションが始まった「最初の数回に起きる小さな変化」が、その後の関係の方向性を大きく左右すると言われています。

 

これは、CBT(認知行動療法)でも ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)でも同じで、「小さくとも実感できる変化」が関係家改善の継続の鍵になる ということです。

 

そして、その変化は本当に小さなものでもよいんですね。

 

例えば次のようなものが挙げられます。

 

✔今日は相手の話を最後まで遮らずに聞けた

✔いつもなら怒るところで、一呼吸おけた

✔責める代わりに「私はこう感じた」と伝えられた

✔ありがとうを1回だけ言えた

 

こうした「小さな成功」は、確かにすぐに大きな結果を生むわけではありませんが、関係が良い方向へ動き出すための確かなきっかけになります。

 

心理学ではこうした現象を 「微小な変化が全体のパターンを変える」 と説明しています。

 

まとめ:関係は「技術」であり、育てることができる

 

カップルの関係は「相性」や「性格」という要素も重要ですが、それだけで決まるものではありません。


実際には、2人がどのように関係を育てていくか によって大きく変わります。

 

研究と臨床から導かれた3つのコツは…

 

✔安心して話せる安全基地を整える

✔どちらが悪いではなく、2人で変わるという視点をもつ

✔初期の小さな成功体験を積み上げる

 

…という、とてもシンプルなものです。

 

しかし、この3つを意識できるだけで、関係は驚くほど安定し、愛着の深まりやすい“育ちやすい関係”へと変化していく可能性を高めてくれます。

 

「どうすれば、今よりもっと良い関係になるのか?」という夫婦や恋人との関係の問題は、大きな努力でも、特別な才能でもなく、小さな一歩を2人で積み重ねることです。


ぜひ、前向きで建設的なパートナーシップを育んでくださいね。

 

参考論文

Treatment Response in Couple Therapy: Relationship Adjustment and Individual Functioning Change Processes

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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