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依存症を引き起こす感情との向き合い方~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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スマホで逃げる、食べて紛らわす、飲んで忘れる…をやめたい方へ~「感情回避」と依存の心理学~

スマホで逃げる、食べて紛らわす、飲んで忘れる…をやめたい方へ~「感情回避」と依存の心理学~

2026/01/14

 

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

誰だって「イヤな感情」を感じたくはありません(もちろん、私だってそうです)。

 

しかし、イヤな感情が沸き起こると、私たちはつい反射的にその感情を「消そう」として、色々なものに手を出します。

 

嫌な出来事のあと、気づいたらSNSを延々と見ている…


ダメだと分かっていながら過食をしてしまう…


「今日は飲まない」と決めていたのに、アルコールを飲んでしまった… 

 

これがある程度許容できる範囲で収まっているのであれば問題ありませんが、生活に影響が出てしまっているという場合は対応が必要になってきます。

 

そして、こうした行動が続く方の少なくない方が自分を責め、そして抜け出したくても抜け出せないことに対して深い悩みを抱きます。


ただ、ここで知っておいて頂きたいのは、そうしたものの原因を「性格に求めるべきではない」ということです。

 

むしろ問題なのは「脳の学習(習慣化)」にあります。 

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものではありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.「この気持ち、感じたくない…」の直後に手が伸びる理由

 

 

イヤな感情があるとき、私たちはその感情を何とかしようとします。

 

そして、その手段としてスマホやお酒、またお菓子が用いられます。

 

こうした手段を取る理由は、イヤな感情に対する「感情回避」が働いています。

 

1-1.まず押さえたい~それは「快楽」より「麻酔」かも~

 

スマホや飲酒、甘いもの、過食、買い物や動画…


これらが問題になりやすいのは、それが楽しいものだから、という要素もありますが、それだけではありません。

 

多くの場面で働いているのは、次の流れです。

 

①イヤな感情が出る(不安、恥、怒り、虚しさ、孤独、緊張など)

↓ ↓ ↓

②すぐに何かをする(SNS、飲酒、食べる、買う…)

↓ ↓ ↓

③一瞬ラクになる(気が紛れる・イヤな感情が鈍る)

↓ ↓ ↓

④脳が学ぶ(これをやればラクになる)

↓ ↓ ↓

⑤次に同じ感情が出たとき、また手が伸びる

 

この「一瞬ラクになる」が強力で、脳はそれを「対処法」として学習し記憶します。


そして脳がその対処法を学習し記憶した結果、感情が出るたびに同じ行動が自動化されてしまいます。

 

これはある意味で、「感情回避に基づく行動が感情に対する麻酔」のようになっている状態と言えるでしょう。

 

1-2. 感情回避は悪者ではない~本来は「身を守る大切な機能」~

 

人の脳はもともと、危険や不快を避けて安全を確保するようにできています。


不安や恥、怒りは「何かが脅威かもしれない」と脳が判断した結果生じます。

 

脳が(正しいか間違いかは別にして)危険や脅威を察知したのですから、それに対する感情回避そのものは「異常」ではありません。


ただ、問題となるのは以下の場合です。

 

✔回避が「唯一の手段」になる

 

✔回避が「自動化して止めにくくなる」

 

✔回避の代償(睡眠・健康・人間関係・自己評価に対する悪影響)が増える

 

こうなると、回避が回復を邪魔し、生活全体に問題が波及することになります。

 

1-3. 「一瞬ラク」のあとに起こること~感情は消えず、蓄積しやすい~

 

感情回避の難しさは、短期的には効果があるため、回避がどうしても続いてしまいます。

 

つまり、感情回避は「麻酔」ですので、短期的には効果があるんですね。

 

しかし中長期では、感情が処理されず、別のタイミングでぶり返したり、「またやってしまった」という自己嫌悪が増えてしまいます。

 

また「眠れない・集中できない・疲れが取れない」という状態も生じやすくなるため、それによっさらに不安が増え、また回避したくなるということになります。

 

つまり…

 

感情回避 → 一時的な麻酔効果→ 罪悪感・疲労 → さらに感情回避→再び麻酔が必要


というループができやすいのです。

 

1-4. 抜け出す最初の一歩~「感情」ではなく「回避の衝動」に気づく~


そうしたイヤな感情については「感情を消す」努力は、あまり効果的ではありません。

 

というのは、イヤな感情を消す努力が「麻酔」のように回避的な行動、つまりSNSやアルコール、動画を見続ける…ということになってしまうので、長い目で見ると先述しましたようにマイナスな影響の方が多くなるんですね。

 

それよりも「いま何が起きているか」を明確にすることが有効です。

 

方法はシンプルで、何かしらの衝動を感じたら以下のフレーズを完成させるだけです。

 

「いま私は、○○を『感じたくなくて』△△しようとしている」

 

具体的には以下の通りです。

 

✔「いま私は、今日の失敗でのイヤな思いを『感じたくなくて』SNSを開こうとしている」

 

✔「いま私は、孤独を『感じたくなくて』食べ物を探している」

 

✔「いま私は、不安を『感じたくなくて』お酒を考えている」

 

この「感じたくない感情」が明確化されると、衝動と行動の間にほんの少しの隙間ができます。


そして、その隙間から回復へと進んでいくことができるようになります。

 

2.今日からできる「感情回避ループ」の止め方(簡単5ステップ)

 

 

では、ここからはセルフケアについてみていきたいと思います。

 

ここでのコツは「感情を消す」という努力をしないということです。

 

感情を消すのではなく、「イヤな感情→感情を消すための衝動的な行動(麻酔)」という流れを別に流れに置き換える、というものです。


2-1.ステップ① 3秒だけ止まる(自動運転を切る)

 

スマホを開く前、買う前、飲む前に、心の中で一言、次のようにつぶやいてください。


「いま、衝動による自動運転になってる」

 

つまり、回避的な行動を「取ろうとしている」というタイミングをきっかけにして、まずはつぶやきを入れる、ということでs。

 

2-2.ステップ② 感情に名前をつける(ラベリング)

 

私たちが体験するイヤな感情というものは、多くの場合非常に強いものですが、「どのような感情か?」と言われると曖昧なものです。

 

そのため、あえて「いま感じている感情」にラベルを貼ります

 

感情の一覧は次の通りです。

 

不安、恥かしさ、怒り、虚しさ、寂しさ、疲れ、退屈…

 

名前がつくと、感情は「得体のしれないもの」から「名前の付いたもの」になるので、感情そのものが少し扱いやすくなります。

 

2-3.ステップ③ 体の感覚を1か所だけ確認する(20秒)

 

感情というものは身体的な感覚で感じられるものです。

 

そのため、感情が生じている身体感覚に注意を向けます。

 

それは呼吸でも、胸でも、肩でも、胃でも構いません。


そして注意を向けたら「いま胸がザワザワ」「肩が硬い」など、実況だけします。


ここでのコツは、評価や分析をせず、ただ感情が生じているということに気づくだけで終わりにするということです。

 

つまり、「感情を身体感覚として感じているけど、それについては注意を向けるだけで考えたり分析したりしない」ということですね。

 

2-4.ステップ④ 衝動の波を「5分だけ」やり過ごす

 

衝動はずっと一定ではなく、波のように上がって下がります。

 

そして、時間の経過とともに波はあるものの、平均的な衝動のチカラはさがっていきます。


そのため、まずは5分だけ、タイマーをかけて衝動の波をやり過ごしてみてください。


そして、5分後にやる・やらないは、そのあとで決めましょう。

 

2-5.ステップ⑤ 「麻酔以外」の小さな代替行動を1つだけやってみる

 

最後に、いつも「ついやってしまっている」行動以外の、別の行動を取ってみます。

 

ただ、その際の代替行動は難しく考えないでください。

 

小さくて、そして現実的に行動可能なものを選びましょう。

 

例えば、水を飲む・温かい飲み物、1分だけ外気に当たる、顔を冷たい水で洗う、体を伸ばす(ストレッチ)などがおススメです。

 

ここで大事なのは、回避をゼロにすることではなく、衝動が生じた際の行動の選択肢を増やすことです。

 

選択肢が増えることによって、衝動が生じた時に「麻酔」以外の行動がとりやすくなります。

 

2-6.決して一人では抱え込まない

 

感情の回避、つまり「麻酔」に対してセルフケアは一定の効果が期待できます。

 

しかし、一人での抱え込みは決して良くありません。

 

そのため、次の状態が続く場合は、ひとりで頑張りすぎないでください。

 

✔やめようとしてもコントロールできない

 

✔生活(睡眠・仕事・家計・関係性)に明確な支障が出ている

 

✔罪悪感や自己嫌悪が強く、気分の落ち込みが続く

 

✔飲酒量が増え続けている・やめると強い不調が出る

 

依存や過食、飲酒には身体面も関わることがあります。

 

もしも上記に当てはまる場合は、必要に応じて医療や専門機関の支援も選択肢に入れてください。

 

まとめ

 

嫌な感情は、消す対象ではなく、何かしらの理由があって生じる大切なものです。


そして、回避が強まるとき、脳は必死に守ろうとしているときでもあります。

 

しかし、感情の回避、つまり麻酔が強くなっているときは注意が必要です。

 

次に手が伸びそうになったら、まずは一度だけでいいので、次のように自分自身に問いかけてください。


「いま私は、何を感じたくないんだろう?」


ここに、感情の回避による衝動から自分自身を守るコツがあります。

 

上手く自分自身を優しくケアしてくださいね。

  

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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