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将来の不確かさがうつ病、不安症、強迫症に与える影響~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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不安や抑うつを深める「未来の不確かさ」~不確実性不耐が不安・うつ・強迫に関わる理由~

不安や抑うつを深める「未来の不確かさ」~不確実性不耐が不安・うつ・強迫に関わる理由~

2026/01/27

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

心の病を抱えている方の方のほとんどが共通して抱えているしんどさは不安、具体的に言えば「将来に対する不確かさ」に対するネガティブな感情です。

 

この問題は単なる性格の問題ではなく、「不確実性に対する耐性の低さ」が、心の健康に大きく影響している可能性があります。

 

そして、この未来の不確実性に対する耐性の弱さ「不確実不耐」と言います。

 

そこで今回は研究論文を踏まえながら、将来への不安への耐性、つまり「不確実性不耐」が不安症(不安障害)、うつ病、強迫症(強迫性障害)など複数の症状との関連についてシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものではありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.「不確実性不耐」はなぜ心の苦しさにつながるのか

 

 

心の病は、未来の不安によって症状がさらに大きくなるという傾向があります。

 

うつ病や不安症、強迫症を抱えていると、どうしても「先が見えない」という状態に至ってしまいます。

 

そして、その「先行きの不確かさ」に心が押しつぶされそうになるということは珍しくありません。

 

そのため、心の病において「先行きの見えなさ」に対しての耐性を持つことが必要になってきます。

 

1-1.不確実性不耐とは何か?

 

不確実性不耐とは…

 

未来の結果がはっきりしない・予測できないことに対して、強い不快感や恐怖を抱く傾向


…を指す心理的な特性です。

 

これは未来の不確実性そのものがストレスや不安を生む状態を意味しえいます。

 

例えば…

 

✔不確実な状況や将来への不確実性を耐えられない

 

✔不確実な出来事は危険であり、避けるべきだと認知する傾向

 

✔不確実性に対して強い不安や否定的反応を示す

 

…といった反応のことです。

 

この反応が強いと、日常生活のさまざまな場面で慢性的な不安感が続く可能性を高めてしまいます。

 

1-2.研究が示した不確実耐性と症状の関係

 

今回参考にした研究論文の、少しマニアックな部分について、少しだけ触れたいと思います。

 

今回参照にした研究論文ではメタ分析によって、不確実性不耐と心の症状との関連を評価しました。

 

その結果、不確実性不耐は不安障害・うつ病・強迫性障害の症状と高い関連性を持つことが明らかになりました。

 

具体的な内容は以下の通りです。

 

✔全般性不安症
→不確実耐性の平均相関は r = 0.57 と、高い関連性を示しました。

 

✔うつ病
→不確実耐性の平均相関は r = 0.53 と、中等〜やや強い関連性がみられました。

 

✔強迫症

不確実耐性の平均相関は r = 0.50 と、こちらも中等度の関連性でした。

 

つまり、不確実性不耐は 全般性不安症 だけでなくうつ症状や強迫症状とも比較的似た程度に関連しているという結果でした。


これは、不確実性不耐が 特定の心の病に限定されるものではなく、複数の心理症状に共通する脆弱性要因である可能性を示唆します。

 

1-3.どうして不確実性が苦しさにつながるのか?

 

不確実性不耐が心の苦しさに結びつく背景には、いくつかの心理的な仕組みがあります。

 

● 未来への予測が難しいときの心理的負担

 

未来の結果や状況がはっきりしないと、どうしても不安を感じやすくなります。

 

そして不確実性不耐が強い方にとって、この「はっきりしない状態」は、脅威として捉えられやすいのです。


この脅威感は、身体的な緊張や感情の過敏性につながり、日常生活で「安心感」を感じにくくする要因となります。

 

● 選択と結果への過度な思考

 

不確実不耐が高いと破局視、つまり「最悪の結果」を想像しやすくなる傾向があります。


これにより、判断が避けられない場面で苦しんでしまったり、同じ問題についてくり返し考えてしまう(ぐるぐる思考)、失敗への恐れが強くなるという問題が生じます。

 

そしてその結果、感情的な負担が積み重なります。

 

1-4.日常生活で感じる不確実性不耐の影響

 

不確実性不耐は、さまざまな日常の場面に大きな影響を与えます。

 

例えば…

 

● 人間関係

 

例えば相手の本音や反応を予測できないときに強い不安が出たり、関係が安定するかどうかという不安によって行動が鈍る、といったものです。

 

● 仕事や学業

 

この領域では、変化や未経験の課題に直面したときに不安が増したり、判断を先延ばしにしやすいといった形で問題として現れます。

 

● 生活の変化

 

不確実性不耐が強くなると、ちょっとした予定の変更などといった「変わること」に対して過度にストレスを感じるようになってしまいます。

 

こうしたパターンは、不確実不耐が強い方に特有の緊張感や先回り思考として現れやすい稽古いうがあります。

 

1-5.不確実性不耐を形成する要因

 

不確実性不耐が強いという感覚は、心理的特性のひとつであり、神経化学的要因や学習歴、発達背景に基づいて形成されるものと考えられています。


そのため、不確実不耐に対するアプローチも感情を無理に抑えつけるのではなく、仕組みを理解し、対処スキルを育てる方向が有効とされています。

 

2.不確実性にしんどさを感じやすい人のためのセルフケアのヒント

 

 

不確実性不耐が強いと、先の見えない状況そのものが大きなストレスになります。

 

しかし不確実性によって生じる感情を抑制することは現実的でも有効でもありません。


そのため、ここでは「治そう」「克服しよう」ではなく、日常で負担を減らすためのセルフケアとしてできる工夫を紹介します。

 

2-1.考え方を少し緩めるセルフケア

 

不確実性がつらいとき、心の中では「ちゃんとした見通しがないと不安」、「最悪の事態になってしまうのでは?」という考えが強くなりがちです。

 

そのためセルフケアとしては…

 

✔「全部分からなくても、その都度対応すればいい」

 

✔「今できることと、まだ分からないことを分けて考える」

 

…といった完璧な予測を手放す言葉を、意識的に使ってみることが助けになります。

 

つまり、不安を無理に消そうとするより、「不確かでも生きていけている事実」に目を向けることがポイントとなります。

 

2-2.不確実な状況を「小さく扱う」セルフケア

 

先が見えない状況を一度に全部考えようとすると、不安は膨らみやすくなります。


そのためセルフケアでは…

 

✔今すぐ決めなくていいことは後回しにする

 

✔今日・今週レベルでできることだけに区切る

 

✔「全部」ではなく「次の一歩」だけを考える

 

といったように、状況を小さな単位に分けることが有効です。

 

つまり、不確実性をゼロにするのではなく「扱えるサイズまで小さくする」ということが目標となります。

 

2-3.自分の反応を知るセルフケア

 

不確実性不耐に対しては、「自分は不確実な状況に弱い」という気づき自体が、セルフケアになります。

 

例えば…

 

✔どんな場面で特に不安が強くなるか

✔どんな考えが浮かびやすいか

 

✔身体にはどんな反応が出るか

 

…といったことを振り返ることで、「これは性格の問題ではなく、傾向なんだ」と理解しやすくなります。

 

この理解は、自己否定を減らし、「今日は無理をしない」「少し休もう」といった判断をしやすくしてくれます。

 

2-4.セルフケアは「不確実性をなくす」ためではない

 

不確実性不耐のセルフケアで大切なのは…

 

セルフケアの目的が不確実性を完全になくすことではない


…という点です。

 

不確実な状況は、誰にとっても避けられません。


そのたえセルフケアは、不確実性があっても自分を追い詰めすぎない、あるいは不安が出たときに立て直せる余地をつくるということが目的となります。

 

だだし、もしも不安が常に強かったり生活や仕事に大きく影響している、あるいは休んでも回復しにくいと感じる場合は、セルフケアに加えて専門的な支援を受けることも自然な選択です。

 

セルフケアは「一人で抱え込み頑張り続ける」ものではなく、必要な助けにつながるための土台でもあるという視点を持つことが重要です。

 

まずは、「そもそも心が弱っているときは、未来に対する不確実性そのものがストレスになる」という視点を持ってくださいね

 

参考論文

A meta-analysis of the relation of intolerance of uncertainty to symptoms of generalized anxiety disorder, major depressive disorder, and obsessive–compulsive disorder

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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