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不安を生み出す「さまよう心」の扱い方~マインドワンダリングと不安との関係

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不安を生み出す「さまよう心」の扱い方~マインドワンダリングと不安との関係

不安を生み出す「さまよう心」の扱い方~マインドワンダリングと不安との関係

2026/02/10

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

不安が強い時、私たちの心は、まるで「さまよう」ようにあれこれと考え事をしてしまいます。

 

典型的なのは反すう思考(ぐるぐる思考)なのですが、不安な時、多くのテーマが頭の中を行き来しているという体験をされた方も多いのではないでしょうか?

 

この「心がさまよう」状態をマインドワンダリングと言います。

 

不安が強い時、このマインドワンダリングが発動して私たちの心は文字通り「さまよって」しまいます。

 

その不安を楽にするコツは、マインドワンダリング(さまよう心)をゼロにしようとしないことです。

 

そもそも、心は自然にさまようものなので…


①さまよいに気づく → ②注意を戻す → ③さまよいを使う場面を選ぶ


…という3点を身につける方が、現実的に不安が下がりやすくなります。

 

以下、その詳細を解説しますね。

 

1.不安を減らす方法~心を「止める」のではなく、さまよい方を「設計」する~

 

 

マインドワンダリング、つまり「さまよう心」の状態は不安を大きくする原因となります。

 

しかし先述しましたように、マインドワンダリングを止めることは非常に難しいんですね。

 

というのは、マインドワンダリングは脳が元々持っている機能でもあるからです。

 

1-1.マインドワンダリングとは

 

マインドワンダリングとは、いま目の前の作業や会話から注意が離れて、関係のない思考(過去の反省、未来の心配、空想、自己評価など)へ自然に移る現象です。

 

これは珍しいことではなく、日常の中でかなり頻繁に起こると報告されています。

 

例えば、ある経験サンプリング研究では、心は全サンプルの約半分で「さまよっていた」とされています。

 

ここで大事なのは、マインドワンダリング自体は「良い・悪い」ではなく、内容とタイミングで影響が変わる点です。

 

具体的には…

 

✔休憩中・散歩中のさまよい:発想力、頭の中の整理、計画に役立つことがある

 

✔作業中・会話中のさまよい:集中低下、ミス、不安の増幅につながりやすい

 

✔不安が強い時期のさまよい:心配・反すう(ぐるぐる思考)に「合流」しやすい

 

1-2.なぜ不安が増えるのか~さまよいが「心配・反すう」に変質する~

 

不安が強いとき、さまよう心は次の形を取りやすくなります。

 

✔未来の心配(最悪のシナリオを先回りで点検し続ける)

 

✔過去の反すう(言葉・場面を繰り返し再生し、結論が出ないのに止まらない)

 

✔自己評価の低下(『やっぱり自分は…』の結論へ早く飛ぶ)

 

この状態は、頭の中では「対策を考えている」つもりでも、実際は神経系を緊張させ続ける回転となっています。

 

実際、日常場面の研究では、心がさまよっているときの方が幸福感が低いという関連が示されています。

 

そのため不安の解消で重要なのは、ここで「正しい結論を出す」より先に、回転を止められる状態に戻すことです。

 

1-3.良いマインドワンダリングもある~創造性・整理が起きる条件~

 

心がさまよう状態、つまりマインドワンダリングは不安の原因となり、さらに不安を増幅させます。

 

しかし「さまよい=悪」ではありません。

 

というのは、創造性との関連を調べた研究では、創造的なアイデアの一部がマインドワンダリング中に生じていたことが報告されています。

 

ただし、不安の解消という観点で考えると、創造性を狙うよりも先に、次の切り分けが有効です。

 

✔役に立つさまよい:整理・計画・発想(行動に接続できる)

 

✔不安を増やすさまよい:心配・反すう・自己攻撃(行動が止まる)

 

つまり、心がさまよい始めた時、「それは役に立つ?立たない?」という問いかけを自分自身に対して行うというものです。

 

これによって、自分にとって害となるマインドワンダリングに対する対処の準備が整います。

 

2.不安の解消法~マインドワンダリングを整える3ステップ~

 

 

先述しましたように、マインドワンダリングには功罪があります。

 

創造性やアイデア、問題解決に役立つ場合もあれば、不安を増幅させてしまうという場合もあります。

 

そのため、不安を伴うマインドワンダリングが生じた場合、以下のセルフケアが役立ちます。


ステップ1:気づく(ラベリング)

 

さまよっていると気づいたら、まず短くラベルを貼りましょう。

 

✔「いま心配に入った」

 

✔「いま反すうが回ってる」

 

✔「いま自己評価のモードだ」

 

ポイントは、内容を解決しようとしないことです。

 

というのは、さまよっている心の内容を解決しようとすると、不安の渦に巻き込まれてしまいます。

 

ただ、マインドワンダリングに入ったという気づきが入るだけで、回転の強度が落ちることが期待できます。

 

ステップ2:戻す(注意のアンカーを作る)

 

次のどれかを「心を固定するアンカー(錨)」にします(1つでOK)。

 

✔呼吸:息を「吐く」を長めに3回

 

✔体感:足裏の接地や椅子に座っているときの背中の接触

 

✔感覚:見えるものを3つ、音を2つ、触感を1つ

 

「戻す」という作業は頑張るものではなく、不安から抜け出し心を安定させるための手順です。

 

毎回同じやり方にすると、不安の渦から早く戻りやすくなります。

 

ステップ3:使い分ける(さまよいの時間を『箱』に入れる)

 

不安が強い方ほど、無意識のさまよいが増えます。

 

そこで逆に、意図的に「さまよい枠」、つまり意図的にさまよう時間を設けると、日中の不安の暴走が減りやすくなります。

 

具体的な方法は以下の通りです。

 

①まず1日1回、5分だけ「考えてよい時間」を取ります(タイマーの使用をお勧めします)

 

②この際、「さまよわせる」テーマは以下の2択に設定します。

 

A)「不安の対象」→ 具体策を1つだけ書く

 

B)「大事にしたいこと」→ 今日の小さな行動を1つ決める

 

③タイマーが鳴ったら終了(続きは明日)

 

まとめ

 

不安を減らすコツは、さまよう心(マインドワンダリング)を止めることではなく、扱い方を決めることです。


心は自然に過去や未来へ飛びますが、不安が強いと「心配」や「反すう」に流れやすくなります。

 

そのため、対処が必要になるのですが、その方法はシンプルに3つです。

 

✔気づく:「いま心配に入った」「反すうが回ってる」と短くラベルを貼る

 

✔戻す:呼吸・足裏・周囲の感覚など「心の戻り先」を決めて注意を戻す

 

✔使い分ける:考える時間を1日5分などに区切り、それ以外は保留する

 

大事なのは、思考の内容の正しさを追いかける前に、マインドワンダリングによって生じた不安への巻き込まれから抜け出し、落ち着きを取り戻すことです。

 

ぜひ、セルフケアでマインドワンダリングが生み出す不安への巻き込まれから抜け出してくだいね。


参考論文

A Wandering Mind Is an Unhappy Mind

 

 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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