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パニック症(パニック障害)に対する認知行動療法の効果~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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パニック症への理解と認知療法の効果

パニック症への理解と認知療法の効果

2026/02/27

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

パニック症(パニック障害)で悩んでいる方の多くが、「また発作が起きたらどうしよう」「この苦しさはずっと続くのではないか」といった不安を抱えています。

 

しかし結論からお伝えすると、パニック症は適切な心理的アプローチによって改善が期待できる症状です。

 

研究でも、比較的短期間の認知療法によって症状が大きく軽減する可能性が示されています。

 

そして回復において重要となるのは、発作そのものだけでなく、発作に対する考え方や身体感覚の受け取り方を変えることです。

 

そこでこのブログでは、パニック症に対する認知療法の研究をもとに、回復の仕組みと心理的支援のポイントをシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.パニック症とは?過換気症候群との違いは?

 

 

まずはパニック症の基本的な理解から見ていきたいと思います。

 

というのは、症状の正体を知ることは、不安を軽くする第一歩になりやすいからです。

 

1-1.パニック症とは?

 

パニック症とは、突然強い不安や恐怖が生じる「パニック発作」を繰り返す状態を指します。

 

発作は予期せず起こることが多く、ご本人にとって非常に強い苦痛を伴います。

 

そして代表的な症状には次のようなものがあります。

 

✔動悸や心拍数の上昇

 

✔息苦しさや呼吸のしにくさ

 

✔めまい、ふらつき

 

✔胸の圧迫感や違和感

 

✔手足のしびれ

 

✔発汗や震え

 

✔「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖

 

✔「自分がおかしくなるのではないか」という感覚

 

ここで重要なのは、これらの症状は心臓や脳の病気ではなく、不安反応が急激に高まった結果として起きているという点です。

 

つまり身体に問題があるというよりも、身体の警戒システムが過剰に働いている状態だと言えるでしょう。

 

※ただし、医師によって他の疾患がないかどうかの点も踏まえての検査や診断が大前提となります。

 

1-2.パニック発作の仕組み

 

発作の正体は「危険に備えるための身体反応」が過剰に出ている状態です。

 

本来、人は危険を感じると、心拍が上がったり呼吸が速くなる、そして筋肉が緊張するといった反応が起こります。

 

これは脳が持つ生き延びるために生じさせる正常な反応です。

 

しかしパニック症では、実際には危険がない場面でもこの反応が急激に起こります。

 

そして身体の変化に反応することで、「何か重大なことが起きているのではないか」という恐怖が増幅され、さらに症状が強まるという悪循環が生じます。

 

1-3.予期不安と回避行動

 

多くの方にとって最もつらいのは発作そのものよりも、「また起きるのではないか」という不安であることがパニック症では珍しくありません(もちろん、パニック発作もツラいものであることに変わりはありません)。

 

この予期不安によって、例えば電車やバスに乗れなくなる、人混みを避ける、一人で外出できなくなるといった行動の制限が生じることがあります。

 

これを回避行動と呼びます。

 

回避は一時的には安心につながりますが、長期的には「やはり危険だから避けている」という学習を強めてしまい、症状を維持する要因になることがあります。

 

1-4.過換気症候群との類似点と違い

 

パニック症は過換気症候群と混同されることが多い状態です。

 

そして実際には、共通点も多くあります。

 

● 共通点

 

✔息苦しさや呼吸の乱れがある

 

✔動悸やめまいが起こる

 

✔手足のしびれが出ることがある

 

✔強い不安や恐怖を伴う

 

✔突然起こることがある

 

特に過呼吸(呼吸が速く浅くなる状態)は、パニック発作でもよく見られます。

 

● 違い

 

上記のようにパニック症と過換気症候群とは類似点もかなり多いのですが、しかし両者には重要な違いもあります。

 

過換気症候群は主に呼吸の乱れそのものが中心であり、二酸化炭素濃度の低下による身体症状が主な問題です。

 

一方でパニック症は、発作への強い恐怖や「また起きるのではないか」という予期不安、そして行動の回避といった心理的要素が中心になります。

 

つまり…

 

過換気症候群 → 呼吸の問題が中心


パニック症 → 不安の悪循環が中心

 

…という違いがあります。

 

ただし先述しましたように両者は重なることも多く、パニック発作の中で過呼吸が起きるケースも珍しくありません。

 

1-5.パニック症の重要なポイント

 

パニック症を理解するうえで最も大切なポイントは「症状は危険ではない」ということです。

 

発作中は非常に苦しいため、「命に関わるのではないか」と感じることがあります。

 

しかし実際には身体の過剰な警戒反応であり、時間とともに自然に収まります。

 

そしてもう一つ重要なのは、「パニック症は改善可能なものである」ということです。

 

具体的には、医師による薬物療法や心理カウンセラーによる心理療法、そして周囲の方の適切な支援によって、不安の悪循環を断ち切り回復へ向かうことは十分に期待できます。

 

2.認知療法の効果

 

 

ここでは、研究で明らかになった認知療法の効果についてシェアしたいと思います。

 

2-1.研究論文の内容

 

今回参照にした研究論文では、パニック症に対して比較的短期間で行う認知療法の効果が検討されました。

 

まず、認知行動療法はざっくりと分けると「認知療法」と「行動療法」の組み合わせでできています。

 

そして一般的にパニック症については行動療法が取られることが多いのですが、この研究では認知療法に焦点を当て、その効果について検証しています。

 

そして認知療法の効果として…

 

✔発作の回数が減る

 

✔不安の強さが軽くなる

 

✔避けていた行動ができるようになる

 

✔全体的な症状が改善する

 

…といった変化が確認されています。

 

特に重要なのは、それほど長い期間、心理療法を行わなくても改善が見られたという点です。

 

これは、パニック症の苦しさが性格的な要因ではなく、修正可能な心理的な仕組みによって維持されていることを示しています。

 

つまり、適切な理解と対処によって変化が期待できる状態だということです。

 

2-2.なぜ認知療法が効果を持つのか

 

認知療法の中心となる考え方は、「身体の感覚の受け取り方」です。

 

パニック発作では、身体に起きた変化そのものよりも、それをどう解釈するかが重要になります。

 

例えば、一例を挙げると…

 

心拍が速くなる

「心臓がおかしいのではないか」

恐怖が強まる

さらに心拍が上がる

 

…という悪循環が生じます。

 

つまり、身体反応に対する「危険だ」という解釈が恐怖を増幅させているのです。

 

これに対して認知療法では…

 

①身体反応は危険ではないと理解する

 

②不安反応の仕組みを学ぶ

 

③身体感覚に慣れていく

 

というプロセスを通して、この悪循環を断ち切っていきます。

 

2-3.回避行動が症状を維持する理由

 

パニック症では、多くの方が無意識のうちに回避行動を取るようになります。

 

例えば、電車やバスに乗らない、あるいは人混みを避ける、そして一人で外出しないなどです。

 

確かに回避をすると、その場では安心できます。

 

しかし長期的には、「やはり危険だから避けた」という認識が強まり、不安が維持されてしまいます。

 

つまり、脳は「回避行動があったからパニックを避けることができた」という理解をするので、それがパニック症を維持し悪化させる要因になるんですね。

 

認知療法では、無理のない段階で行動を広げ、「やってみたら大丈夫だった」という経験を少しずつ積み重ねていきます。

 

この体験的な理解が回復の鍵になります。

 

2-4.心理カウンセリングの役割

 

心理カウンセリングでは、単に発作を減らすことだけを目標にするわけではありません。

 

支援の目的には次のようなものがあります。

 

✔不安の仕組みを理解すること

 

✔身体感覚に対する安心感を取り戻すこと

 

✔自分には対処できるという感覚を育てること

 

✔生活の自由度を回復すること

 

特に重要なのは、怖さをなくしてから行動するのではなく、怖さがあっても行動できる感覚を育てることです。

 

多くの回復事例では、「不安がゼロになったからできるようになった」のではなく、「不安があっても大丈夫だと分かった」ことが変化につながっています。

 

2-5.薬物療法との併用について

 

パニック症の治療では、薬物療法が有効な場合もあります。

 

薬物療法には、症状の強さを和らげ不安のベースラインを下げるという役割があります。

 

一方で心理療法には、不安の仕組みそのものを変え、再発を防ぐ力を育てるという役割があります。

 

そのため、薬物療法と心理療法を組み合わせることで回復が進みやすいケースも多く見られます。

 

まとめ

 

今回参照にした研究から分かる重要なポイントは、パニック症は適切な心理的アプローチによって改善が期待できるということです。

 

身体反応への理解を深め、回避を減らし、安全な経験を積み重ねていくことで、不安の悪循環は変えていくことができます。

 

苦しさは現実ですが、変化の可能性も同じように現実なのです。

 

適切なアプローチによって、1日も早い回復を目指してくださいね。

 

参考論文

Brief Cognitive Therapy for Panic Disorder A Randomized Controlled Trial

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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