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ADHDのサブタイプと併存症について~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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ADHDのサブタイプと併存疾患について

ADHDのサブタイプと併存疾患について

2026/03/09

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

ADHD、あるいはグレーゾーンの方は決して珍しいものではなく、ご本人の生きづらさだけでなく、周囲の方はどう接すればよいのか、という問題を生じさせます。

 

一言でADHDと言っても、それは単一の症状ではなく、不注意の強さや多動・衝動性の強さによっていくつかのサブタイプ(タイプ)に分かれることが分かっています。

 

そして重要なのは、ADHDはタイプによって併存する精神疾患の傾向が異なる可能性があることです。

 

結論から言いますと、今回参照にした研究では次のことを示しています。

 

・大人のADHDでは「混合型」が最も多い


・不注意症状は多くの成人で顕著に残る


・混合型では精神疾患の併存が多い

 

そこで今回はADHDのサブタイプと併存疾患についてシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.大人のADHDのタイプと併存症
 

 

ADHD(注意欠如・多動症)は、子どもの頃の問題として語られやすいものですが、ADHDが問題となるのは、大人になってからも生活上の困難が続くことです。

 

今回の研究は、成人のADHDがどのような症状で現れやすいのか、どのタイプが多いのか、そしてどのような精神疾患を併存しやすいのかを調査したものです。

 

結論から言うと、大人のADHDでは「混合型」が最も多く、不注意症状が非常に目立ち、混合型では併存症がより多いことが示されました。

 

1-1.ADHDとは何か~注意と衝動のコントロールの難しさ~

 

ADHDは、主に「不注意」と「多動・衝動性」という2つの特徴から成り立つ神経発達症です。

 

そこで、まずADHDの不注意とは何かについてみていきましょう。

 

不注意症状には、以下の特徴があります。

 

✔集中が続きにくい

 

✔気が散りやすい

 

✔忘れ物が多い

 

✔長く頭を使う作業を続けにくい

 

今回参照にした研究では、成人で特に多かったのは「気が散りやすい」「注意を持続しにくい」「持続的な精神的努力を要する課題が苦手」といった不注意症状でした。

 

一方、多動・衝動症状には以下の特徴があります。

 

✔落ち着かない

 

✔そわそわする

 

✔衝動的に発言・行動する

 

✔人の話に割り込む

 

成人では子どもの頃ほど「走り回る」ような多動は目立たなくなっても、内面的な落ち着かなさや衝動的な反応として残ることは珍しくありません。

 

研究では「答えを先に言ってしまう」「会話に割り込む」「そわそわする」が代表的でした。

 

また、この研究の背景でも、年齢とともに多動・衝動性はやや目立ちにくくなり、不注意症状が残りやすいことが先行研究として整理されています。

 

1-2.ADHDの3つのタイプ~不注意優勢型・多動衝動優勢型・混合型~

 

成人のADHDは、大きく分けて3つの型に分けることができます。

 

● 不注意優勢型

 

この型では、文字通り不注意症状が中心です。


具体例を挙げると、次の通りとなります。

 

✔ミスが多い

 

✔片づけや整理が苦手

 

✔注意が続かない

 

✔忘れ物やなくし物が多い

 

外からは比較的おとなしく見えやすいため、子どもの頃に十分気づかれず、大人になってから仕事や家事の困難として表面化するというのも不注意型の特徴です。

 

● 多動衝動優勢型

 

この型も文字通りとなりますが、多動や衝動性が中心です。

 

具体的には、以下の特徴を持ちます。

 

✔じっとしていられない

 

✔すぐ行動してしまう

 

✔相手の話を待てない

 

✔衝動買いや衝動的発言が出やすい

 

ただし、今回参照にした研究では、成人でこの型だけが単独で見られる人は少数でした。

 

● 混合型

 

混合型は、不注意と多動・衝動性の両方が目立つ型です。

 

以下、その特徴です。

 

✔集中が続かない

 

✔忘れやすい

 

✔そわそわする

 

✔衝動的に反応する

 

上記のように複数の困難が重なりやすく、臨床的には最も幅広い困難を抱えやすい型ともいえます。

 

1-3.研究で分かったタイプの分布

 

では、どのタイプが実際に多いのでしょうか?


まず結論を申し上げると、大人では混合型が最も多いということです。

 

この研究では、107名の成人ADHDの外来患者を調べ、その結果サブタイプの分布は次の通りでした。

 

✔混合型:62%

 

✔不注意優勢型:31%

 

✔多動衝動優勢型:7%

 

先述しましたように、大人のADHDでは混合型が最も多く、さらに混合型と不注意優勢型を合わせると93%にのぼり、成人ADHDの大部分で不注意症状が強く残っていることが分かります。

 

大人のADHDというと「落ち着きがない人」を想像しやすいのですが、実際には「集中できない」「忘れやすい」「段取りが苦手」といった不注意の側面が中心になることが多いのが実情です。

 

1-4.ADHDに併存しやすい精神疾患
 

ADHDで問題となるのは、それそのものの特性による「生きづらさ」があるのですが、それに加えて精神疾患の併存が多いということです。

 

今回の研究では精神疾患の併存がまったくなかったのは8%だけで、53%は4つ以上の精神科的併存症を持っていました。

 

研究で特に注目されたのは、行為障害や双極性障害、そして精神病性障害です。

 

これらは特に混合型で多く見られました。

 

1-5.タイプごとに併存症はどう違うのか

 

研究では、混合型の成人ADHDは、不注意優勢型よりも行為障害や双極性障害を多く併存していたと報告されています。

 

また精神病性障害も混合型で相対的に多く見られました。

 

なぜこの違いが出るのかですが、研究では厳密な因果までは断定していません。

 

ただ混合型では、不注意だけでなく衝動性や落ち着かなさも加わるため、対人トラブルが起きやすい、あるいは行動上の問題が増えやすい、さらには気分の波や刺激への反応の大きさが強まりやすいという傾向が強くなります。

 

その結果、生活全体への負荷が大きくなりやすいく、他の精神疾患も重なりやすくなる可能性があります。

 

まとめ~大人のADHDを理解するときに大切なこと~

 

この研究から見えてくるのは、成人のADHDは一様ではなく、不注意優勢型・多動衝動優勢型・混合型という違いがあり、特に大人では混合型が最も多く、不注意症状が目立ちやすいということです。

 

さらに、混合型では行為障害、双極性障害、精神病性障害などの併存症が多いことも示されました。

 

つまり、大人のADHDを理解するときは、「集中できない」だけでも「落ち着きがない」だけでもなく、どの型なのか、そして他の精神的な問題がどれほど重なっているのかを見ることがとても大切です。

 

こうした視点があることで、支援や治療もより現実的で、その人に合ったものになっていきます。

 

参考論文

Presenting ADHD Symptoms, Subtypes, and Comorbid Disorders in Clinically Referred Adults with ADHD

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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