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全般性不安症(全般性不安障害)の特徴~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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全般性不安症の特徴とは?他の不安障害との違いとケア

全般性不安症の特徴とは?他の不安障害との違いとケア

2026/03/12

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

不安症、特に全般的不安症(全般性不安障害)というものは、あらゆる場面において症状が出てしまうという特徴があるので、それを抱えている方にとっては大きな負担となります。

 

全般性不安症の中心にあるのは、「日常生活のさまざまな出来事に対する『止めることが難しい心配』」です。

 

つまり、全般性不安症の場合は「不安→心配」というものがセットになっている状態です。

 

そして、今回参照にした研究では、この過剰な心配が他の不安障害と比べても特徴的な心理プロセスであることが示されました。

 

つまり、全般性不安症は単に「不安が強い状態」ではなく、心配が習慣化し、広い範囲の出来事について続いてしまう状態と理解することができます。

 

日常生活の中で不安や心配を感じること自体は誰にでもあります。

 

仕事、人間関係、健康、将来など、さまざまなことを気にするのは自然な反応です。

 

しかし、その心配を止めることが難しくなる、心配の対象が次々と変わる、不安の持続期間がながい、そして日常生活に影響が出るとなってくると、何かしらの解決のためのアプローチが必要となります。

 

つまり、全般性不安症の特徴は特定の出来事だけではなく、生活の多くの領域にわたって心配が広がることです。

 

そして多くの場合、ご本人も「考えすぎかもしれない」と感じながらも、その心配をコントロールすることが難しい状態になっています。

 

そこで今回は、研究論文を参照にしながら、全般的不安症の特徴についてシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.全般性不安症の「心配」は何が特別なのか~研究から見える、止まらない不安の仕組み~

 

 

不安そのものは、誰にでもある自然な反応です。

 

しかし、全般性不安症では、その不安が「心配」として広い範囲に長く続き、しかも自分で止めにくくなります。

 

今回ご紹介する研究では、全般性不安症の特徴が、他の不安障害と比べてどこにあるのかを検討しました

 

そして結論としては、全般性不安症の中心には、量が多く、広がりやすく、止めにくい慢性的な心配があることを示しています。

 

1-1.研究の目的~全般性不安症の特徴は本当に特別なのか~

 

この研究の目的はとてもシンプルです。


全般性不安症の症状や心理的な働きが、他の不安障害と比べてどれくらい特有なのかを確かめることでした。

 

研究の主眼は、全般性不安症に特有の心配のあり方を明らかにする点にあります。

 

不安障害には、パニック症、社交不安症、特定の恐怖症など、いくつもの種類があります。

 

どれも不安を含むため、一見すると似て見えます。

 

しかし実際には、不安の出方や続き方、何を恐れるか、どう回避するかはかなり異なります。

 

そこで研究者は、「全般性不安症の心配は、他の不安障害の不安とどう違うのか」を検討したのです。

 

そして研究の主な結果ですが、全般性不安症の中心には「慢性的な心配」がある、ということが明らかになりました。

 

研究で特に重要だったのは、全般性不安症では、心配の量が多く、しかもその心配を自分で止めにくいという点です。

 

これは単に「不安が強い」というだけではなく、心配が習慣のように続き、いろいろなテーマへと広がっていく状態として理解できます。

 

例えば、仕事の失敗を心配していたはずが、次には家族の健康、将来のお金、人間関係、体調の変化へと心配が広がっていく、というイメージです。

 

しかも本人は「考えすぎだ」とどこかで分かっていても、頭の中の心配を止めることが難しい状態です。

 

この「止まらなさ」こそが、全般性不安症の中核だと考えられます。

 

また、この心配は単なる頭の中の思考ではありません。

 

心配が続くと、不安感、筋肉の緊張、落ち着かなさ、疲れやすさなど、身体的な負担とも結びつきやすくなります。

 

つまり全般性不安症では、「考えすぎているだけ」ではなく、心と体の両方が持続的に張りつめていることが多いのです。

 

1-2.心配が続く心理メカニズム~なぜ不安は止まらなくなるのか~

 

では、なぜ心配はこれほど続いてしまうのでしょうか。

 

心理学では、いくつかの仕組みが考えられています。

 

● 不確実さに耐えにくい

 

全般性不安症の方は、「どうなるか分からない状態」に対する負担が大きい傾向があります。

 

つまり、先が見えないこと、答えがまだ出ていないこと、失敗の可能性がゼロではないことに強い不安を感じやすいのです。

 

すると、人は不確実さに耐える代わりに、先回りして考え続けるようになります。

 

これが心配や不安として表れるのです。

 

● 心配が「役立つもの」に見えてしまう

 

心配は苦しいものですが、ご本人にとっては「備えている」「ちゃんと考えている」「最悪を防いでいる」という感覚も伴います。


例えば、次のようなものです。


「失敗しないように考えている」

 

「困らないように準備している」

 

「悪いことが起きてもショックを減らしたい」


このように、不安や心配は一見すると役立つ行動に見えます。

 

しかし実際には、不安や心配を重ねても確実な安心が得られるわけではありません。

 

むしろ、不安を抱え心配するほど不安が活性化し、体は緊張し、脳は「今は危険かもしれない」と学び続けます。

 

すると、さらに心配しやすくなるのです。

 

● 心配が不安を維持する

 

全般性不安症では、以下の悪循環が生じやすくなります。


① 心配する

② 不安が高まる

③ 不安を何とかしたくてさらに心配する

④不安が続く

 

この悪循環が長引くほど、ご本人は「何も起きていないときでも心配している」状態になりやすく、安心して休むことが難しくなります。

 

1-3.他の不安障害との違い~全般性不安症は「広がる心配」が中心~

 

この研究で大切なのは、全般性不安症の特徴が心配の広がりにあると考えられる点です。


全般的不安症に比べ、他の不安障害では、不安の焦点が比較的はっきりしています。

 

例えば…

 

パニック症:突然の強い身体症状や発作への恐怖が中心になりやすい。

 

社交不安症で:人前で恥をかくことや評価されることへの恐れが中心になりやすい。

 

特定の恐怖症:高所、動物、注射など、特定の対象への恐怖が中心になる。

 

それに対して全般性不安症では、心配の対象が一つに限られません。

 

仕事、健康、家族、将来、お金、日常の小さなミスまで、生活全体に心配が広がります。

 

つまり、特定の恐怖ではなく、広範囲で慢性的な心配が続くことが全般性不安症の特徴なんですね。

 

1-4.臨床的に大切なこと~「考えすぎ」ではなく、心配の仕組みとして理解する~

 

全般性不安症の方に対して「心配が過ぎる」というような捉え方だと、ご本人はさらに自分を責めやすくなります。

 

しかし実際には、心配にはそれなりの心理的役割があり、不確実さへの不安や安心を得たい気持ちから続いている場合が多いのです。

 

そのため支援では、心配を無理に止めようとするよりも…

 

心配がどんな役割を持っているのかを理解する

 

不確実さに少しずつ耐える練習をする

 

心配と問題解決を区別する

 

心配に巻き込まれすぎない距離感を育てる

 

…といった方向が大切になります。

 

2.全般性不安症に対するセルフケア

 

 

全般性不安症では、「心配しないようにしよう」と頑張るほど、かえって心配が強くなってしまう傾向があります。

 

そして全般性不安障害においては不安と心配はセットになっています。

 

そのため大切なのは、心配を無理になくすことではなく、心配との付き合い方を少しずつ変えていくことです。

 

ここでは、心理カウンセリングでよく用いられる考え方をもとに、自分で取り組みやすいセルフケアをシェアしたいと思います。

 

2-1.まずは心配のパターンを知る

 

繰り返しになりますが、不安と心配はセットでやってきます。

 

そのため最初に大切になってくるのが、「自分はどんなときに、どんなふうに心配しやすいのか」を知ることです。

 

例えば…

 

朝起きたときから仕事の失敗を考えてしまう

 

家族の体調の小さな変化が気になって止まらない

 

将来のことを考え始めると不安が広がる

 

…といったパターンがあるかもしれません。

 

セルフケアとしては、心配が強くなったときに…

 

何がきっかけだったか

 

どんな考えが浮かんだか

 

そのあと気分や体にどんな変化が出たか

 

…と言う内容を簡単にメモしてみるのがおすすめです。

 

自分の心配の流れが見えてくると、「ただ不安に飲み込まれる」状態から少し距離を取れるようになっていきます。

 

2-2.思考と現実を分けて考える

 

全般性不安症では、頭の中で浮かんだ心配が、そのまま「現実に起こること」のように感じられやすくなります。

 

具体的に言うと…

 

「失敗するかもしれない」


「悪いことが起きるかもしれない」


「相手に嫌われたかもしれない」

 

…という考えが浮かぶと、それが事実のように感じられてしまいます。

 

ここで役立つのは、「これは現実そのものではなく、自分の頭の中に浮かんだ考えだ」と確認することです。


例えば…

 

これは事実か、それとも予想か

 

証拠はあるか

 

別の見方はあるか

 

…という内容を自分に問いかけてみます。

 

心配を否定する必要はありません。

 

ただ、考えと現実を少し分けるだけでも、不安の強さは変わってきます。

 

2-3.不確実さに少しずつ慣れていく

 

全般性不安症では、「はっきり分からないこと」に強い不安を感じやすい傾向があります。

 

そのため、何でも確実にしておきたくなり、何度も確認したり、最悪の事態を考え続けたりしやすくなります。

 

しかし、現実には不確実なことをゼロにすることはできません。


そこでセルフケアでは、分からないままでも少し待つ練習が役立ちます。

 

例えば、次のような方法です。

 

すぐに答えを見つけようとせず、10分待ってみる

 

相手の返事を何度も確かめず、しばらくそのままにしてみる

 

予定外のことが起きても、最悪以外の想定も考えてみる

 

大事なのは、不安をなくしてから慣れるのではなく、不安が少しあるままでも「大丈夫だった」という経験を積むことです。

 

2-4.心配との付き合い方を変える

 

心配は完全になくすものではありません。

 

むしろ、「また心配しているな」と気づけることが大切です。

 

たとえば、心配が始まったときに、「今、心配モードに入っているな」「頭が先回りしているな」と名前をつけるように意識します。

 

これだけでも、心配に巻き込まれにくくなります。

 

また、心配している内容の中でも…

 

今すぐ対処できること

 

今は考えても答えが出ないこと

 

という2つに分けてみるのも有効です。

 

対処できることには具体的な行動を、対処できないことには「今は保留」とする姿勢が役立ちます。

 

まとめ

 

全般性不安症に対するセルフケアで大切なのは、心配を努力で止めようとすることではありません。

 

自分の心配のパターンを知り、思考と現実を分けてみる。

 

そして不確実さに少しずつ慣れていき、心配との付き合い方を変える。

 

こうした積み重ねによって、不安そのものよりも「不安への反応」が変わっていきます。

 

心配があること自体は悪いことではありません。

 

大切なのは、その心配に振り回されすぎず、自分の生活を少しずつ取り戻していくことです。

 

ただ、どうしてもセルフケアでは追い付かないという場合は、医師や心理カウンセラーのサポートを受けることも検討してくださいね。

 

参考論文

Specificity of Generalized Anxiety Disorder Symptoms and Processes

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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