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人間関係を円滑にする「分かり合えない」を受け入れる方法~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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「わかり合えない」を「分かり合う」と関係は安定し楽になる

「わかり合えない」を「分かり合う」と関係は安定し楽になる

2026/03/13

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

「相手と分かり合えない」という悩みを抱えている方は多数おられます。

 

特にその対象が自分自身にとって大切な方、あるいは大きな影響力を持っている方だと、なおのこと、その悩みは深くなります。

 

ここでつらいのは、内容そのもの以上に「わかってもらえない」という消耗です。


しかし心理学的に見ると、そもそも人間関係は「完全な一致」を前提にしていません。

 

むしろ、違いがあることを前提にした方が、関係は安定しやすくなります。

 

つまり、「分かり合えない」を認めることは、あきらめではなく相互尊重と関係安定の土台になる、と言う事なんですね

 

「分かり合えない」は冷たい言葉に聞こえるかもしれませんが、実際には逆です。

 

そもそも、人間関係において完全一致の場面はそう多くありません。

 

そのため、完全一致を求めるほど、人は相手を自分の枠に押し込めやすくなりますし、思い通りにならない状況に対する苦悩が生じます。


一方で、「人はそれぞれ違う」という前提に立つと、相手の見え方・考え方を尊重しながら、どう折り合いをつけるかへ軸が移ります。

 

これが、関係を良くする現実的なスタート地点となります。

 

そこで今回は、「分かり合えない」関係について掘り下げてみたいと思います。

 

1.「分かり合えない」を分かり合う~重要な他者ほど「ズレ」が深くなる理由と、建設的に扱う視点とは~

 

 

「どうして伝わらないんだろう」「分かり合えない」と感じるのは、関係が悪いからとは限りません。

 

むしろ大切な相手ほど、期待も感情も大きくなり、ズレが痛みとして立ち上がりやすくなります。

 

そこでここでは、認知の仕組みと対人関係療法(IPT)の視点を使って、分かり合えなさを「関係を壊す要因」ではなく「関係を育てる題材」として考えてきたいと思います。

 

1-1.なぜ「分かり合えない」のが普通なのか~認知のフィルターとズレ~

 

同じ出来事でも受け取り方が違うのは珍しくありませんし、むしろ普通の事です。

 

人はそれぞれ、経験・価値観・関心・不安の強さなどの「認知のフィルター」を通して世界を見ています。


そのため、相手に対して「丁寧に説明した」と思っても、相手は全く異なる受け止め方をする宇ことは珍しいことではありません。

 

これは相手の悪意や無理解のせいだけではなく、人間の情報処理の仕組みとして自然に起きるズレです。

 

つまり、ある情報に対する情報処理の仕組み、つまり考え方や価値観が異なると、受け取り方も理解の仕方も全く変わってくるんですね。


さらに、私たちは自分のフィルターを「当たり前」だと思いがちです。

 

そのため相手の反応が予想と違うと、「なぜそうなる?」と驚き、衝突が生まれます。

 

ここで重要なのは、「ズレがある=失敗」ではなく、「ズレがある=異なる視点が同時に存在している」と捉え直すことです。

 

1-2.対人関係療法(IPT)の視点~重要な他者ほど「分かり合えない」が深くなりやすい~

 

対人関係療法では、気分やストレスの変動は対人関係と強く結びつくと考え、生活の中で影響力の大きい相手を「重要な他者」として扱います。


重要な他者とは、自分にとって感情や日常の安定に影響しやすい相手のことです。

 

典型的には、配偶者・恋人・家族(親子きょうだい)・親友・職場の上司や同僚など、「関係の質」が生活の安心感に直結しやすい相手が含まれます。

 

重要な他者ほど「分かり合えない」が深くなりやすい理由は、シンプルです。

 

期待が大きい(分かってほしい、支えてほしい)

 

失う不安がある(嫌われたくない、関係を壊したくない)

 

日常の接点が多い(小さなズレが積み上がる)

 

自分の価値や安全感が揺れやすい(評価・居場所・役割)

 

つまり、重要な他者とのズレは「ただの誤解」ではなく、安心・つながり・自己価値に触れる分だけ痛くなりやすいのです。

 

1-3.「分かり合えない」を認めると、なぜ尊重につながるのか

 

「完全に分かり合えるはず」という前提は、裏返すと「同じように感じてほしい」「同じ結論に到達してほしい」という期待を生みます。

 

そして、その期待が強いほど、ズレが出たときに相手を「おかしい」「間違っている」と評価しやすくなります。


反対に、「分かり合えないのが『普通』」と置くと、相手の違いは「矯正対象」ではなく「前提条件」になります。

 

すると、相手の立場や価値観を尊重しながら、共通点を探す・落としどころを作る方向へ進みやすくなります。


ここでの「認める」は、距離を置くことではありません。

 

相手を一人の別人格として扱うという、尊重の態度です。

 

1-4.重要な他者ほど「分かり合えないを分かり合う」ことが大切

 

重要な他者との関係は、生活の土台になりやすいぶん、ズレを放置すると不信や回避が積み上がります。

 

そのため目指したいのは、「一致」ではなく、「ズレを扱える関係」になることです。


ここで言う「分かり合えないを分かり合う」とは、すべてを理解し切ることではなくすれ違いが起きる前提を共有しズレが出たときに修復できる形を持つことを意味します。

 

たとえば、「あなたの感じ方は私と違う」「その違い自体は間違いではない」と確認し合えると、対立は「人格の否定」ではなく「調整するべき課題」に変わります。

 

これは、長期的に見て関係を安定させる重要なチカラとなります。

 

1-5.「分かり合えないを分かり合う」は、建設的な人間関係の構築である

 

ズレを認めて扱うことは、「建設的かつ発展的な妥協」です。

 

建設的とは、「同じ結論にそろえる」ことではなく、次の3点を整えることです。

 

意図と解釈を分ける(私はこういうつもり・あなたはこう受け取った)

 

確認する習慣を持つ(どう受け取った?どこが引っかかった?)

 

一致ではなく合意を作る(今後どうするか、行動の取り決めを作る)

 

この3点があると、分かり合えなさは「関係を壊す材料」ではなく、「関係を育てる材料」になります。

 

重要な他者とのズレが苦しいほど、関係を育てる材料手を入れる価値は大きくなります。

 

2.ズレを前提に関係を育てる:より良い関係を作る4つのコツ

 

 

人間関係は、完全に分かり合えることよりも「ズレが起きたときに戻れること」で安定します。

 

そこでここでは、職場・夫婦・恋愛など幅広い場面で使える、ズレを扱うための4つの実践ポイントを整理します。

 

コツ① 意図と解釈を分ける(誤解の修復が速くなる)

 

対立が大きくなる典型は、「私はこういうつもりだった(意図)」と「相手はこう受け取った(解釈)」がズレたまま、互いに「相手の悪意・無理解」として扱ってしまうことです。


そのため意図と解釈を分けると、責め合いではなく調整に移れます。

 

ポイントは、まず意図を短く提示し、そのあとで相手の解釈を確認する順番です。

 

具体的には、以下のようになります。

 

意図:私は○○を伝えたかった

 

解釈:あなたはどう受け取った?

 

● 具体例

「責めたかったわけではない。伝えたかったのは○○だった。あなたはどう受け取った?」


この形は、職場の指示・夫婦の家事分担・恋愛の連絡頻度など、誤解が起きやすいテーマほど効きます。

 

相手が反発しているときほど、「意図の説明」だけで終わらせず、「相手の解釈の確認」までセットにするのがコツです。

 

コツ② 「確認質問」を習慣にする(わかったつもりを減らす)

 

ズレを減らす最短ルートは、推測より確認です。

 

人は相手の言葉を、自分の経験や価値観で補って理解します。

 

そして、その補い方が違うと、同じ会話でも別物になります。


確認質問は、相手を論破するためではなく、相手の地図(世界の見え方)を知るための質問です。

 

その際に使いやすい問いは、次の3つです。

 

「いまの話、どういう意味で受け取った?」

 

「どこが一番引っかかった?」

 

「あなたにとって何が大事だった?」

 

特に「何が大事だった?」は、立場の違いを「価値の違い」として扱えるので、関係の温度が下がりやすい質問です。

 

確認が増えるほど、誤解の修復が早くなり、「言った・言わない」「そんなつもりじゃない」の泥沼化を防げます。

 

コツ③ 一致を目標にしない~合意は「行動」で作る~

 

分かり合えない前提に立つと、ゴールは「同じ考えになること」ではなくなります。

 

そして重要なのは、「一緒にやっていける合意(行動の合意)」です。


仮に価値観の一致は難しくても、行動の一致を決めることは可能です。

 

夫婦:家事の分担、連絡のルール、お金の確認頻度、予定の共有方法

 

恋愛:返信の目安、忙しい日の扱い、不安が出たときの確認の仕方

 

職場:報連相の形式、締切の確認、期待値(品質基準)の明確化

 

このように「どう感じるべきか」ではなく、「今後どうするか」に焦点を移すことで、ズレがあっても関係は前に進みます。

 

合意は「気持ち」より「行動の手順」で作る方が、実務的に機能しやすいのです。

 

コツ④ すれ違い後の「修復手順」を先に決める

 

実は、ここをしっかりと作っておくと、何か問題が生じても修復が容易になるという意味で重要です。

 

関係が長くなるほど、ズレは必ず起きます。

 

ここで大切になってくるのは、ズレを生じさせないということではなく、ズレが起きた後の「戻り方」です。

 

修復手順がないと、毎回同じ揉め方をして消耗します。

 

おすすめは次の3点セットです。

 

高ぶったら中断する(タイムアウト)

 

話し合いの再開時間を決める(今日の○時/明日の○時)

 

再開時は「事実→困りごと→提案」で話す

 

この手順があると、ズレが「破綻」ではなく「調整」になります。

 

特にタイムアウトは逃げではなく、話し合いを成立させるための技術として有効です。

 

まとめ~分かり合うとは「一致」ではなく「違いを扱える関係」になること~

 

「分かり合えない」ことを認めるのは、相手を突き放すことでも、関係を諦めることではありません。

 

むしろ、違いを前提にするからこそ、お互いの考え方を尊重し、現実的な合意と修復の力が育ちます。


一致を求めるほど苦しくなるときは、「ズレは起きるもの」と置いた上で、確認質問と行動の合意、そして修復手順を整えてみてください。

 

関係は、理解の「完璧さ」ではなく、「調整の上手さ」で安定していきます。

 

「分かり合えない」を「分かり合う」というのは、大切な関係ほど重要になってきます。

 

そして、これは強調したいのですが「分かり合えない」を「分かり合う」のは、諦めでも健全でない妥協ではなく、お互いの尊重と関係を良好にする基盤を作ってくれるものです。

 

どうか、お互いに違いを尊重できる関係へと育んでくださいね。

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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