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アダルトチルドレンの回復プロセス~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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アダルトチルドレンの回復プロセスとは?

アダルトチルドレンの回復プロセスとは?

2026/03/17

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

アダルトチルドレンを抱えておられる方の生きづらさは相当なものです。

 

そしてアダルトチルドレンの影響はご本人の生きづらさだけでなく、交友関係やパートナーシップにも影響します。

 

そのため、アダルトチルドレンからの回復は非常に大切なテーマです。

 

結論からお伝えすると、アダルトチルドレンの回復は「急に変わるもの」ではなく、少しずつ積み重なっていくプロセスです。

 

今回参照にした研究でも、回復力(レジリエンス)は段階的に育まれ、「気づく」「試す」「なじませる」といった流れの中で形成されていくことが示されています。

 

確かに、すぐにアダルトチルドレンから回復できないというのは、ご本人にとってはもどかしいものがあるでしょう。

 

しかし、一気に大きな変化を求めるというのは無理があるだけでなく、それそのものがご本人にとっては大きな心理的負荷となります。

 

つまり大切なのは、一気に変わろうとすることではなく、自分のペースで少しずつ変化を積み重ねていくことです。

 

ここからは、その回復のプロセスをシェアしたいと思います。

 

1.アダルトチルドレンの回復力はどのように育つのか

 

 

親にアルコールの問題があった、あるいは機能不全家族の元で育った方の回復は、突然起こるものではなく、少しずつ進んでいくプロセスです。

 

ここでは、研究で示された回復の流れをもとに、アダルトチルドレンの回復力がどのように形成されていくのかをシェアいたします。

 

1-1.回復は4つの段階を通って進む

 

この研究では、成人したアダルトチルドレンの方ににインタビューを行い、回復がどのように進むのかを分析しました。

 

そしてその結果、回復は大きく4つの段階を通って進むことが示されました。

 

1つ目は、影響を受ける段階です。


2つ目は、気づきの段階です。


3つ目は、行動の段階です。


4つ目は、適応の段階です。

 

そして、この一連の流れの中心には、「現実を受け入れながら、自分自身を取り戻していく」というテーマがあります。

 

これはとても大切な視点です。

 

というのは、回復とは、つらい過去をなかったことにすることでも、完全に傷つかなかった自分になることでないからです。

 

むしろ、過去に影響を受けた自分を理解し、そのうえで少しずつ自分の人生を取り戻していくことだと考えることができます。

 

では、そのプロセスを見ていきましょう。

 

第一段階:影響を受けながら日常を保とうとする

 

回復の最初の段階では、多くの方がまだ「回復」を意識しているわけではありません。

 

むしろ、家庭の不安定さや感情的な混乱、安心できない空気の中で、なんとか日常を保とうとしている状態にあります。

 

例えば、家の中で親の機嫌をうかがうことが当たり前になっていたり、自分の感情を出すと場が悪くなると感じて、気持ちを抑え込むことが習慣になっていたりします。

 

外から見ると普通に学校へ行き、仕事をし、人と関わっているように見えても、内側では常に緊張していることも少なくありません。

 

この段階では、ご本人は「自分は問題を抱えている」とはっきり自覚していないこともあります。

 

ただ、落ち着かない、人を信じにくい、自分を責めやすい、安心すると逆に不安になる、といった形で影響が表れていることがあります。

 

研究でも、この段階の中心には「日常を維持しようとする努力」があるとされています。

 

つまり、「生きづらさ」を感じながら、頑張って日常を送っている状態です。

 

これは臨床的にも非常に重要です。

 

問題を抱えながらも生活を続けてきたこと自体が、その方なりの適応であり、生き延びるための力でもあります。

 

まずはそこを否定せず、「よくここまでやってきた」と理解する視点が大切です。

 

第二段階:自分の状態に気づき始める

 

次の段階では、少しずつ気づきが生まれます。

 

例えば…

 

「なぜ自分は人間関係でこんなに疲れるのだろう」


「なぜ相手の反応にここまで敏感になるのだろう」


「なぜ自分はいつも自分を責めてしまうのだろう」

 

…といった問いが生まれます。

 

この段階では、自分の生きづらさが単なる性格の問題ではなく、育ってきた家庭環境や、そこで身につけた感情や行動のパターンと関係しているのではないか、と少しずつ理解が始まります。

 

具体的には…


・人に頼れないのは、頼っても応えてもらえなかった経験があるからかもしれない


・失敗への恐怖が強いのは、失敗したときに強く責められてきたからかもしれない


・自分の気持ちが分かりにくいのは、感じるより先に我慢することを覚えてきたからかもしれない

 

このような理解が少しずつ進んでいきます。

 

ただ、この段階は楽ではありません。

 

というのは、気づくことは希望でもありますが、同時に「自分はこんなに影響を受けていたのか」と痛みを伴うことも多いからです。

 

過去のつらさや、自分が抱えてきた孤独が見えてくるため、一時的に気持ちが不安定になることもあります。

 

それでも、この段階は回復のスタート地点です。

 

気づきがなければ、変化は始まりません。

 

これは自分を否定するための気づきではなく、自分を理解するための気づきへと変えていくことが、この段階では大切です。

 

第三段階:新しい行動を試していく

 

気づきが生まれると、次は行動の段階に進みます。

 

ここでは、これまでとは違うやり方を少しずつ試していくことになります。

 

例えば…

 

・人に頼る練習をする


・自分の感情を言葉にしてみる


・嫌なことに「嫌だ」と言ってみる


・自分の境界を守る


・無理に相手に合わせすぎない


・これまでなら選ばなかった選択肢を試してみる

 

…といった変化です。

 

しかし、この段階はとても勇気が必要です。

 

なぜなら、これまでの生き方を変えることには強い不安が伴うからです。

 

「頼って迷惑をかけないだろうか」


「本音を言ったら嫌われるのではないか」


「断ったら見捨てられるのではないか」


「変わろうとして失敗したら、余計につらくなるのではないか」

 

このような不安は、ごく自然なものです。

 

長い間、今までのやり方でなんとか生き延びてきたのですから、それを変えることは心にとって大きな挑戦です。

 

だからこそ、この段階では心理カウンセリングなどの支援がとても役立ちます。

 

安心できる関係の中で、自分の気持ちを整理し、小さな行動変化を一緒に確かめていくことで、「変わっても大丈夫かもしれない」という実感が少しずつ育っていきます。

 

第四段階:自分らしく適応していく

 

回復の最終段階では、少しずつ自分らしい適応が可能になっていきます。

 

ここでは…

 

・自分の過去を否定せずに受け止められる


・自分なりの価値観を持てる


・安定した人間関係を築ける


・無理のない形で自分を守れる


・過去の影響を受けながらも、自分の人生を選べる

 

…といった変化が見られます。

 

研究ではこの状態を、「自分自身になるプロセス」と表現しています。

 

これはとても象徴的です。

 

回復とは、誰か別の強い人になることではなく、ようやく「自分として生きられるようになること」だと言えます。

 

ここで重要なのは、過去を消すことではありません。

 

つらい経験があったこと、自分がその影響を受けてきたことを認めながらも、それだけで自分を定義しなくなることが大切です。

 

つまり、過去を含めた自分として生きられるようになることが回復の大きな目標になります。

 

1-2.なぜ回復は難しいのか

 

アダルトチルドレンの回復が難しいのは、いくつかの要因があります。

 

まず、幼少期の環境は自己認識そのものに影響します。

 

自分は大切にされる存在なのか、人は信頼できるのか、何を感じてもよいのか、といった心の土台が傷ついていると、大人になってからもその影響が残りやすくなります。

 

また、感情調整の難しさが続きやすいこともあります。

 

少しの出来事で強く落ち込んだり、逆に感情が分からなくなったりすることがあります。

 

人間関係に不安が出やすく、親しくなるほど苦しくなる場合もあります。

 

さらに、支援がない場合、多くの人が問題を抱えながらも一人で対処し続ける傾向があります。

 

助けを求めること自体が怖かったり、そもそも自分が支援を受けてよい存在だと感じられなかったりするからです。

 

だからこそ、回復には時間と人との関係性が必要になります。

 

一人で一気に変わるものではなく、安心できる関係の中で、少しずつ新しい経験を重ねながら育っていくものなのです。

 

まとめ

 

この研究が示しているのは、アダルトチルドレンの回復力は、段階を通して育っていくものだということです。

 

最初は影響を受けながら日常を保ち、次に気づきが生まれ、そこから新しい行動を試し、やがて自分らしく適応していく…。

 

こうした流れの中で、人は少しずつ自分自身を取り戻していきます。

 

回復は早い方もいれば、ゆっくり進む人もいます。

 

途中で立ち止まったり、戻ったように感じたりすることもあるでしょう。

 

それでも、自分を理解しようとすること、小さな行動を試してみること、安心できる関係を持つことは、確実に回復につながっていきます。

 

大切なのは、一気に変わることではなく、自分の現実を受け入れながら、自分自身として生きる力を少しずつ育てていくことなのです。

 

ぜひ、ご自身のペースで回復を目指していってくださいね。

 

参考論文

Process of Building Resilience in Adult Children of Alcoholics: A Grounded Theory Approach

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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