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ポジティブ感情と幸福感を高める方法~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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幸福感やジティブ感情を増やす技術~セイヴァーリングの効果と実践~

幸福感やジティブ感情を増やす技術~セイヴァーリングの効果と実践~

2026/03/19

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

心理臨床において、多くの方がご自身のネガティブな感情に苦しんでおられます。

 

また不安や抑うつがあればあるほど、ポジティブな感情や幸福感を感じることは難しくなっていきます。

 

しかし、幸福感やポジティブ感情を高める方法があります。

 

それが今回ご紹介する「セイヴァーリング」というものです。

 

セイヴァーリングとはポジティブな体験を意識的に味わい、喜びを深め、持続させる心理的スキルです。

 

そして研究では、このスキルが高いほど幸福感が高まり、不安や抑うつなどのネガティブ感情が軽減される可能性が示されています。

 

つまり、幸せになるために特別な出来事を増やすこと以上に、すでにある「良い体験の感じ方」を変えることが重要である、というのがこの研究の重要なポイントです。

 

そこでこのブログでは、幸福感を高め、抑うつや不安に効果のあるセイヴァーリングについて解説したいと思います。

 

1.セイヴァーリングとは何か

 

 

日常の中にある「良い体験」をどう感じるかによって、私たちの幸福感は大きく変わります。

 

そしてセイヴァーリングとは、その感じ方を意識的に整えるための心理的なスキルです。

 

ここでは、その仕組みと効果についてシェアしたいと思います。

 

1-1.セイヴァーリングとは何か~ポジティブ感情を「増やす・深める・長くする」心理スキル~

 

セイヴァーリングとは、心理学において、以下のプロセスを指します。

 

①良い出来事に気づく

 

②それを意識的に味わう

 

③感情を深める

 

④その余韻を保つ

 

これは単なる「ポジティブ思考」とは異なります。

 

つまり無理に前向きになることではなく、すでに起きている良い体験を丁寧に受け取ることが中心となります。

 

具体的な例としてしては、以下のものがあります。

 

美味しい食事をゆっくり味わう

 

誰かとの会話の中で「いい時間だな」と感じる

 

小さな達成を振り返って満足感を味わう

 

楽しかった出来事を思い出し、その余韻に浸る

 

こうした行為はすべてセイヴァーリングに含まれます。

 

ここで重要なのは、「良いことがどれだけ起きたか」ではなく、その体験をどう受け取ったかです。

 

同じ出来事でも、深く味わう方と、すぐに流してしまう方では、感じる幸福感は大きく異なってきます。

 

1-2.研究が示した効果~幸福感の向上とネガティブ感情の軽減~

 

近年の研究では、セイヴァーリングが心の健康に与える影響が検討されています。

 

その結果、以下の効果が確認されました。

 

ポジティブ感情の増加

 

人生満足度の向上

 

不安や抑うつの軽減

 

さらに興味深いのは、セイヴァーリングは一時的な気分の変化だけでなく、ポジティブな体験の感じ方そのものを変える点です。

 

つまり、同じ出来事でも「より豊かに感じられるようになる」という変化が起こる、ということです。

 

また、その効果は一時的なものにとどまらず、時間を超えて持続する可能性も示されています。

 

これは、セイヴァーリングが感情の扱い方や感じ方そのものを変えるスキルであることを示しています。

 

さらに、研究ではセイヴァーリングが脳の反応にも影響し、ポジティブな刺激に対する反応を高めることも示唆されています。

 

つまりこれは、「気の持ちよう」ではなく、心理的・生理的なレベルで意味のある働きを持つと考えられます。

 

1-3.なぜセイヴァーリングが重要なのか~「良いことがあっても幸せになれない」という問題~

 

臨床の現場では、不安や抑うつは日常にあるのに、喜びや幸福感を感じることがないという方が大勢おられます。

 

毎日の生活が不安や抑うつと言ったネガティブなものに覆われているのは、とてもツラいものです。

 

しかし、このような状態は、「良い出来事が足りない」のではなく、良い体験をうまく味わうことで改善の可能性が高まります。

 

人は本来、ポジティブな出来事にもネガティブな出来事にも注意を向けることができます。

 

しかし、不安や抑うつが強い状態では、注意がネガティブな方向に偏りやすくなります。

 

その結果、良い出来事があっても、それを十分に受け取れなくなってしまうのです。

 

研究でも、セイヴァーリングの能力が低い場合、抑うつや心理的苦痛と関連する可能性が示されています。

 

ここから分かるのは、ネガティブ感情を減らすことだけでは不十分であり、ポジティブ感情を育てる力も必要という点です。

 

つまり、心の回復には「マイナスを減らす」だけでなく、プラスを感じる力を育てることが重要になるんですね。

 

1-4.セイヴァーリングの3つの時間軸~過去・現在・未来で味わう~

 

セイヴァーリングは、「今この瞬間」だけに限られたものではありません。

 

具体的には、次の3つの時間軸で捉えられます。

 

① 現在のセイヴァーリング

 

これは、今この瞬間の体験を味わうことです。


例えば、食事の味や香りに注意を向ける、自然の風景を感じる、人との会話に集中するなどが含まれます。

 

これらは、いわゆる「今ここ」に意識を向ける感覚に近いものです。

 

② 過去のセイヴァーリング

 

これは過去の良い出来事を思い出し、そのときの感情をもう一度味わうことです。


具体的には、写真を見返す、楽しかった記憶を振り返る、誰かとの思い出を語るといった行為がこれにあたります。

 

③ 未来のセイヴァーリング

 

これは、これから起こる楽しみを想像し、その期待を味わうことです。


旅行の予定を考える、会いたい人との約束を楽しみにするなど、未来に向けたポジティブな感情を育てます。

 

研究でも、こうした時間的な広がりを持つセイヴァーリングは、幸福感と強く関連することが示されています。

 

つまり、幸せは「今の出来事」だけでなく、「記憶」や「期待」とも深く関係しているのです。

 

2.セイヴァーリングを用いたセルフケア~「今の良い体験を味わう」シンプルな実践~

 

 

セイヴァーリングのセルフケアとして、もっとも取り組みやすく効果が実感しやすいのが、「1日1回の味わい直しワーク」です。

 

これは特別な準備は必要なく、日常の中で手軽に行える方法です。

 

2-1.セルフケアの方法~1日1回の「味わい直しワーク」~

 

では、セルフケアのワークを具体的にご紹介しますね。


① その日の「少し良かったこと」を1つ選ぶ

 

大きな出来事である必要はありませんし、逆に小さな出来事にも着目することが大切です。

 

例えば…

 

コーヒーが美味しかった

 

天気がよかった

 

誰かと少し気持ちよく話せた

 

仕事を1つ終えられた

 

などがあります。

 

ここでのコツは繰り返しになりますが、ほんの小さなことで十分ですので、小さな「良かったこと」を見出すというものです。

 

② その場面を具体的に思い出す

 

次に、その出来事をできるだけ具体的に思い出します。

 

どこにいたか

 

誰といたか

 

どんな音や匂いがあったか

 

身体はどんな感覚だったか

 

ここでは「考える」よりも「感じる」ことを意識します。

 

③ そのときの感情をゆっくり味わう

 

思い出したら、そのときの感情に少しだけ注意を向けます。

 

ほっとした感じ

 

少し嬉しかった感じ

 

安心した感じ

 

強い喜びでなくても構いません。


「少し良いかもしれない」という程度で十分であり、それでも効果はちゃんとあります。

 

④ 数秒〜数十秒、その感覚にとどまる

 

このワークでは、すぐに次のことを考えず、その感覚を10〜20秒ほどそのまま味わうことがポイントです。

 

この「とどまる時間」が、感情を深める重要なプロセスになります。

 

⑤ 「あ、今味わえた」と気づく

 

最後に、「今、自分は少し良い体験を味わえたな」と軽く認識します。

 

評価や反省は不要で、ただ気づくだけで十分です。

 

● このセルフケアのポイント

 

このワークはポイントを掴むことでコツを得ることができやすくなります。

 

そのポイントは以下の通りです。


小さく・無理なく・繰り返す

 

強いポジティブ感情を作ろうとしない

 

無理に前向きになろうとしない

 

小さな体験を丁寧に扱う

 

 

最初は「何も感じない」と思うこともありますが、それでも問題ありません。


続けることで、少しずつ「感じ取る力」が育っていきます。

 

2-2.ポジティブ思考との違い~無理に変えるのではなく、すでにあるものに気づく~

 

ここで重要なのは、セイヴァーリングはポジティブ思考とは異なるという点です。

 

ポジティブ思考は概ね以下の特徴があります。

 

ネガティブな考えをポジティブに変えようとする

 

前向きに考えようと努力する

 

一方でセイヴァーリングは…

 

今ある体験に気づく

 

それをそのまま味わう

 

無理に感情を変えようとしない

 

…というアプローチです。

 

例えば、「今日は全然ダメだったけど、良かったこともあったはずだ」と無理に考えるのではなく…

 

「コーヒーを飲んだとき、少し落ち着いたな」


…という事実を、そのまま味わうのがセイヴァーリングです。

 

2-3.なぜこの違いが重要なのか

 

無理にポジティブになろうとすると、現実とのズレや自己否定、そして「できない自分はダメ」という感覚が生まれることがあります。

 

一方でセイヴァーリングは、すでに存在している「小さな良さ」に気づく方法です。

 

そのため、自然な形で感情が広がりやすく無理が少ない、そして継続しやすいという特徴があります。

 

まとめ

 

セイヴァーリングのセルフケアは、「良い体験を作ること」ではなく、「すでにある良い体験を味わうこと」です。

 

1日1回、ほんの少しでも「良かった瞬間」に気づき、それを数秒でも味わうことという、その積み重ねが、ポジティブ感情を育て、心の安定や回復につながっていきます。

 

ポジティブ思考を否定するつもりは全くありませんが、少なくともメンタルのケアという観点で言うと、ポジティブ思考に無理に持っていこうとするよりも、セイヴァーリングの方が幸福感が増し、不安や抑うつに対する効果が家訓されています。

 

まずは日々の小さな出来事から、幸福感を味わうという実践から始めてくださいね。

 

参考論文

Chen, P.-H., Tung, H.-H., Wu, Y.-C., & Sie, J. (2026). Effects of savoring interventions on positive and negative affect: A systematic review and meta-analysis.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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