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双極症(双極性障害)の早期発見~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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双極症の早期発見について~前駆症状と早期対応の重要性~

双極症の早期発見について~前駆症状と早期対応の重要性~

2026/03/23

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

双極症(双極性障害)というと、ある日突然状態が大きく変わるイメージを持たれることが多いかもしれません。

 

しかし実際には、その前の段階から少しずつ変化が現れていることがあります。

 

そのため、こうした変化に早く気づくことが、その後の状態を安定させるうえで重要な手がかりになります。

 

双極症は突然始まるものではなく、発症の前にすでにさまざまな変化(前駆症状)が現れていることが多いと研究で示されています。

 

これらの変化に早く気づき、適切に対応することが、重症化や再発の予防につながる可能性があります。

 

そこでこのブログでは、最新の研究をもとに「双極症の前駆症状」とその臨床的な意味等について解説したいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.双極症の前駆症状とは何か~発症の前に起きている変化に気づくことが回復を守る~

 

 

双極症は突然始まるように見えることがありますが、実際にはその前から少しずつ変化が起きていることがほとんどです。

 

今回参照にした研究では、初めての躁状態が起きる前の約1年間にどのような変化があったのかを明らかにしたものです。

 

そしてその研究の結果、「発症前に気づけるサインが存在する」という重要な示唆が示されました。

 

ここでは、その内容を心理カウンセラーの視点から分かりやすく解説していきます。

 

1-1.研究の概要~発症前1年間に何が起きていたのか~

 

この研究では、双極症の方とその家族にインタビューを行い、躁状態が初めて現れる前の1年間の変化を振り返る形で分析しました。

 

その結果、診断がつく前の段階からすでに、複数の領域にわたる変化が積み重なっていたことが明らかになりました。

 

つまり、双極症は「ある日突然発症するもの」ではなく、徐々に変化が重なっていくプロセスとして理解することが重要であるということになります。

 

1-2.前駆症状の特徴~7つの領域に広がる変化~

 

研究では、発症前に見られる変化(前駆症状)は、主に7つの領域に整理されています。

 

以下では、それぞれを丁寧に見ていきましょう。

 

① 行動の変化

 

ご本人の活動量が増えたり、衝動的な行動が目立つようになります。

 

例えば、急に予定を詰め込んだり、お金を使いすぎる、あるいは後先を考えずに行動するといった変化が見られることがあります。

 

ご本人としては「調子が良い」と感じていることも多いですが、コントロールの難しさが少しずつ現れている状態とも言えます。

 

② 身体的変化

 

特に重要なのが睡眠の変化です。

 

具体的には睡眠時間が短くなる、寝なくても平気に感じる、また睡眠リズムが崩れるといった変化が、比較的早い段階から見られることが多いとされています。

 

臨床的にも、睡眠の変化は非常に重要なサインです。

 

③ コミュニケーションの変化

 

双極症の発症は、対人関係のあり方にも変化が現れます。

 

例えば…

 

会話が増える、早口になる


SNSの投稿が増える


人との関わり方が急に変わる

 

…といった、普段とは異なるコミュニケーションスタイルが見られることがあります。

 

④ 思考の変化

 

双極症の前駆症状の1つとして、思考のスピードや内容にも変化が生じる場合がありあます。

 

具体的には、アイデアが次々に浮かんだり、会話の話題が次々に飛んでしまう、考えがまとまりにくくなるといった特徴が見られます。

 

「頭がよく回っている」と感じる一方で、まとまりのなさが出てくることもあります。

 

⑤ 認知の変化

 

双極症の前駆症状は、集中力や注意のコントロールにも影響が出ます。

 

例を挙げると…

 

注意が散漫になる


物忘れが増える


一つのことに集中しにくくなる

 

このように、日常生活の中での認知機能の変化が見られることがあります。

 

⑥ 感情の変化

 

双極症の前駆症状の中で大変なのは、気分の波が大きくなり、感情が強く出やすくなってしまう場合です。

 

特に特徴的なのは、気分が高揚したり楽観的になりすぎる、そして感情の振れ幅が大きくなるといった変化です。

 

ここでのポイントは、「良い気分」が過剰になる点です。

 

⑦ 人格的変化

 

これは、もともとの性格傾向が強調されるようになるということです。

 

例えば…

 

社交的な方がさらに活発になる


活動的な方が大胆になる

 

このように、その人らしさが極端な形で表れることがあります。

 

 

いままで7つの前駆症状を見てきましたが、これらの変化は単独で現れるというよりも、複数が重なりながら徐々に進行していくのが特徴です。

 

1-3.なぜ前駆症状が重要なのか~「突然の発症ではない」という理解~

 

この研究の最も重要なポイントは、双極症(双極性障害)が「突然起きるものではない」という理解です。

 

多くの場合…

 

小さな変化

複数の領域での変化

症状として明確になる

 

…という流れをたどります。

 

この視点は臨床的に非常に重要です。

 

なぜなら、前駆症状の段階で気づくことができれば、早期の対応や調整が可能になるからです。

 

つまり、「発症してから対応する」のではなく、発症に至る前の段階で気づく力を育てることが、安定した生活につながります。

 

1-4.臨床的に重要なポイント~特に注目すべきサイン~

 

研究や臨床の現場から見て、特に注意したい前駆症状には次のようなものがあります。

 

✔睡眠時間の減少

 

✔活動量の急激な増加

 

✔気分の高揚や不安定さ

 

✔衝動的な行動の増加

 

これらは比較的早い段階で現れやすく、重要なサインとなる可能性があります。

 

また、双極症の特徴として、本人よりも周囲の人のほうが変化に気づきやすい場合がある点も重要です。

 

例えば…

 

「最近少し様子が違う」


「元気すぎる気がする」


「寝ていないのに平気そう」

 

といった周囲の気づきは、非常に貴重な情報になります。

 

2.双極症の前ぶれに気づいたときの対処~小さな変化を見逃さず、早めに専門的な支援につなげるために~

 

 

今まで見てきましたように、双極症でははっきりした躁状態や抑うつ状態になる前に、日常の中で少しずつ変化が現れることがあります。

 

そのため大切なのは、その変化を「気のせい」で終わらせず、早めに整理して、必要であれば医療機関や心理カウンセリングにつなげることです。

 

そこで、ここではご本人や周囲の方が気づいたときに行いやすい対処をまとめたいと思います。

 

2-1.まず確認したい変化~睡眠・気分・活動量を見ていく~

 

前ぶれとして特に見つけやすいのは、睡眠、気分、活動量の変化です。

 

例えば…

 

睡眠時間が急に短くなった


あまり寝ていないのに本人は平気そうに見える


気分の波が大きくなっている


活動量が急に増えて落ち着きがなくなった

 

…といった変化です。

 

特に「寝なくても平気」と感じる状態は重要なサインです。

 

単なる元気さと区別がつきにくいこともありますが、睡眠の変化は双極症の前ぶれとして、とりわけ重要視されます。

 

2-2.記録をつける~変化を見える形にする~

 

気づいた変化は、簡単でよいので記録しておくことが大切です。

 

具体的には…

 

何時間寝たか


気分は安定していたか


活動量は増えていないか


衝動的な行動はなかったか

 

このようなことを短くメモするだけでも十分です。

 

ご本人は変化の最中には気づきにくいことがあるため、記録があると後で振り返りやすくなります。

 

2-3.周囲の声を大切にする~本人より先に周囲が気づくこともある~

 

双極症では、ご本人よりも家族や身近な人のほうが変化に気づきやすいことがあります。

 

具体的には最近少し様子が違っていたり、話し方が速くなった、また予定を入れすぎている、いつもより行動が大胆になっている、というものです

 

こうした指摘があったときは、ご本人は否定するよりも「そう見えるのか」と一度受け止めることが大切です。

 

周囲の気づきは、早めの対処につながる貴重な手がかりになります。

 

2-4.早めに専門家につなげる~医療機関や心理カウンセリングに相談する~

 

前ぶれが続いていると感じたら、我慢して様子を見るだけでなく、早めに専門的なケアにつなげることが重要です。

 

例えば…

 

精神科や心療内科で状態を相談する


心理カウンセリングで変化の整理をする


家族も一緒に相談し、対応を共有する

 

こうした支援につながることで、状態の悪化を防ぎやすくなります。

 

まとめ

 

この研究が示しているのは、双極症(双極性障害)には「発症前の『気づける変化』が存在する」ということです。

 

そして、その変化は複数の領域にわたり、ご本人だけでなく周囲も気づくことも珍しくありません。


また当然ですが早期対応ができると、その後のトリートメントの効果は高まります。

 

回復や安定のために大切なのは、症状が出てから対処することだけではありません。


その前の小さな変化に気づき、対応することが、長期的な安定につながります。

 

もしも「疑わしい」と思ったら、専門的な支援を仰いでくださいね。

 

参考論文

Maassen, E. F., et al. (2024). Prodromal symptoms of a first manic episode: A qualitative study of the perspectives of patients with bipolar disorder and their caregivers.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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