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失恋や離婚を乗り越える心理学~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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失恋や離婚を乗り越えるには?~4つの心理要因と回復について~

失恋や離婚を乗り越えるには?~4つの心理要因と回復について~

2026/03/24

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

恋愛や夫婦関係の別れは、とても大きな痛みを伴います。


ただ、同じような別れであっても、深く傷つき長く引きずる方と、少しずつ回復していく方がいるという違いも存在します。

 

では、この違いはどのように生じるのでしょうか?

 

こうした失恋や離別を研究の研究において「自分を保つ力(自己分化)」が高いほど、離別後の適応が良い」ことが示されています。

 

つまり、別れそのものだけでなく、「関係の中で自分をどう保っていたか」が、その後の回復に大きく関わるということです。

 

そこで、このブログでは失恋や離婚と言った離別からの回復についてシェアしたいと思います。

 

1.離別の苦しさと自己分化~別れのつらさは「関係」だけでなく「自分のあり方」と深く関係している~

 

 

恋愛や夫婦関係の別れは、多くの人にとって大きな痛みを伴います。

 

しかし、その苦しさの強さや回復の仕方には個人差があります。

 

今回参照にした研究では「自己分化(自分を保つ力)」が離別後の回復に大きく関係していることが示されました。

 

つまり、別れの出来事そのものだけでなく、関係の中でどのように自分を保っていたかが、その後の心理的適応に影響するのです。

 

1-1.研究の概要
 

このブログは研究論文を参照していますので、軽くどのような研究だったかについて触れますね。

 

Moralら(2021)の研究では、恋愛関係やパートナーとの別れを経験した人を対象に、「自己分化」と心理的な回復の関係が検討されました。

 

その結果…

 

自分を保つ力が高い人ほど回復しやすい


感情や関係に強く影響されやすい人ほど苦しみやすい

 

という傾向が確認されました。

 

この結果は、離別の苦しさを理解するうえで重要な視点を提供してくれます

 

1-2.自己分化とは何か~ボーエンが提唱した「自分を保ちながらつながるチカラ」とは?~

 

失恋や離婚と言った離別において重要となるのは「自己分化」というものです。

 

自己分化は、家族療法の理論であるボーエン理論の中核概念です。

 

ボーエンは、人の心理的な成熟とは、「他者と感情的に関わりながらも、自分の考えや価値観を保てる状態」であると提唱しました。

 

ここで重要なのは、単に「自立する」ことではなく…

 

「人とつながることができる、しかし相手に飲み込まれない」というバランスです。

 

つまり、自己分化が高い状態とは以下のようなものです。

 

感情と考えを区別できる


状況に流されず判断できる


相手に左右されすぎない

 

一方で自己分化が低い場合の特徴は次の通りです。

 

感情に巻き込まれやすい


他者の影響を強く受ける


自分の軸が不安定になる

 

これらが離別の苦しさを強める要因となります。

 

1-3.離別の苦しさを強める4つの要因~自己分化を構成する心理的特徴~

 

この研究では、自己分化を構成する4つの側面が重要であるとされています。

 

これらを、離別の場面に即して見ていきましょう。

 

① 自分の立場を保つ力(Iポジション)~「私はどうしたいのか」を持てるか~

 

Iポジションとは、自分の考えや価値観を明確に持ち、それを保てるチカラを指します。

 

例えば…

 

相手に合わせすぎてしまう


本心を言えない


自分の意見が分からなくなる

 

…といった状態では、この力が弱くなっています。

 

これは離別の場面では…

 

相手の言動に振り回され続ける


関係が終わってしまったということを受け入れることができない

 

…といった形で、苦しみが長引く要因となります。

 

② 感情に巻き込まれやすい傾向(感情的反応性)~感情に飲み込まれる状態~

 

これは、感情が強くなりすぎてコントロールが難しくなる状態です。

 

この感情的反応性は離別の場面では…

 

怒りや悲しみが激しく揺れる


相手の一言に強く反応してしまう


気分が大きく上下する

 

…といった形で現れます。

 

離別を経験しているのですから、これらの感情そのものは自然な反応です。

 

しかし、こうした感情が過剰になると回復を妨げ、冷静な判断を難しくします。

 

③ 距離を取りすぎる傾向(情緒的遮断)~関係を断つことで自分を守る~

 

情緒的遮断とは、傷つかないために人との関係を避ける傾向です。

 

例えば…

 

もう誰とも関わりたくない


気持ちを感じないようにする(自身の感情の過度な回避等)


人との距離を極端に取る

 

…といった状態です。

 

こうした対処は一時的には楽になることもありますが、長期的には孤立を深め、回復の機会を減らしてしまいます。

 

④ 相手に溶け込みすぎる傾向(他者との融合)~「相手がいないと自分が保てない」状態~

 

これは、臨床的には一番大きな要因になっているのではないかと思えるものです。

 

この他者との融合等とは、相手との境界が曖昧になりすぎる状態です。

 

例えば…

 

相手の気分で自分の気分が決まる


相手の評価が自分の価値になる


一人になると不安が強くなる

 

…といった特徴があります。

 

この場合、別れは単なる関係の終わりではなく、「自分の一部を失う体験」として感じられます。

 

そのため、苦しみが非常に強くなりやすいのです。

 

1-4.なぜ離別がこれほどつらくなるのか~「関係」ではなく「自己」が揺らぐため~

 

これは非常に重要です。

 

離別の苦しさが強くなる背景には、自分の軸が弱くなる、感情に巻き込まれる、また人との距離感が極端になるといった要因があります。

 

つまり問題は、「別れた」という出来事だけではなく、「関係の中でどのように自分を保っていたか」に深く関係しています。

 

離別からの回復においては、それまで継続されていた関係の中で、どこまで「自己分化」ができていたか、別の言い方をすると感情と理性のバランスを保ちつつ、その関係性の中で、どこまで自律性を維持できていたか

 

…というものが大きく影響するんですね。

 

自己分化が低い状態では、関係が崩れると同時に自分の安定も崩れやすくなります。

 

そのため、離別がより大きな心理的ダメージとして体験されるのです。

 

2.離別の苦しさに向き合うセルフケア~自分を保ちながら回復に向かうための実践~

 

 

恋愛や夫婦関係の別れに直面したとき、強い感情や混乱が生じるのは自然なことです。


ここで大切なのは、無理に気持ちを整理しようとすることではなく、自分を保ちながら少しずつ回復の方向に進むことです。

 

ここでは、心理カウンセリングの考え方を応用したセルフケアと、その限界について解説します。

 

2-1.離別におけるセルフケア

 

セルフケア①「自分の立場」を言葉にする

 

別れの後は、相手のことばかり考えてしまい、自分の気持ちが見えにくくなることがあります。

 

そのため、まずはシンプルに、以下の内容を言葉にしてみてください。

 

私はどう感じているのか


私は本当はどうしたかったのか


これからどうしたいのか

 

ポイントは、正しい答えを出すことではなく、「自分の立場を持つ練習」をすることです。

 

これは自己分化の中核であり、回復の土台になります。

 

セルフケア②感情に飲み込まれないための距離を取る

 

別れの直後は、悲しみ・怒り・後悔などが強く出やすくなります。

 

ここで重要なのは、感情を抑え込むことではなく、感情に気づきながら、少し距離を取ること

です。

 

例えば、「いま強い悲しみが出ている」「怒りが湧いている」と、感情をラベリングするだけでも、巻き込まれにくくなります。

 

これは感情をコントロールするというよりも、感情との関係を整えるアプローチです。

 

セルフケア③人との距離を極端にしない

 

離別後は誰とも関わりたくなくなる、あるいは逆に誰かに依存したくなる、といった極端な反応が出やすくなります。

 

しかし回復のためには、人との適度なつながりを保つことが重要です。

 

そのため、信頼できる人と短時間でも話したり無理のない範囲で人と関わるといった形で、「孤立しすぎない」ことを意識します。

 

セルフケア④「関係」ではなく「自分」に戻る時間を作る

 

関係の中で自分を失っていた場合、別れの後に空白感が生じることがあります。

 

そのため、一人で過ごす時間を意識的に作ったり、小さな選択を自分で決める、そして日常の中で「自分の感覚」に戻るといったことが重要になります。

 

これは「自分を取り戻すプロセス」であり、回復の核心部分です。

 

2-2.セルフケアの限界~ひとりでは難しい理由~

 

セルフケアは有効ですが、限界もあります。

 

特に次のような場合は、一人での対処が難しくなります。

 

● 感情が強すぎる場合

 

強い悲しみや不安、怒りが続くと、思考や行動が大きく影響を受けます。


その結果…

 

同じことを繰り返し考える


自分を責め続ける


衝動的な行動をとってしまう

 

…といった状態に陥りやすくなります。

 

● 関係のパターンが繰り返される場合

 

これは例えば…

 

依存的な関係を繰り返す


同じような別れを経験する

 

…といった場合は、個人の中にあるパターンが影響している可能性があります。

 

この部分はセルフケアだけでは扱いにくい領域です。

 

まとめ

 

恋愛や夫婦関係の別れの苦しさは、出来事そのものだけで決まるわけではありません。

 

研究が示しているのは、自分を保つ力が回復を左右する、感情や関係への巻き込まれ方が影響する、そして自己分化が回復の鍵になるということです。

 

そして回復とは、誰かを失った痛みの中で、自分自身を取り戻していくプロセスでもあります。

 

離別は誰にとっても苦しくツラいものです。

 

そのため、セルフケアを行いつつ、しかし限界がある場合は一人で抱え込まないでくださいね。

 

参考論文

Moral, M. A., Chimpén-López, C. A., Lyon, T. R., & Adsuar, J. C. (2021). The Relationship between Differentiation of Self and Psychological Adjustment to Separation.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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