アダルトチルドレンの恋愛がうまくいかない理由とは?
2026/03/26
みなさん、こんにちは。
神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
恋愛が上手く行かない、特に恋愛において同じパターンを繰り返してしまうというケースはご本人にとって、とても苦しいものです。
そして、「恋愛がうまくいかない理由」は性格的な問題ではなく「関係のパターン」かもしれません。
そして、それを生み出しているのが幼少期の家庭環境にあるという場合は珍しくありません。
いわゆる「アダルトチルドレン」の問題ですね。
親にアルコールの問題を持っていた、あるいは機能不全家族の元で育った方(いわゆるアダルトチルドレン)は、親密な関係において特有の困難を抱えやすいことが研究から示されています。
そしてその背景には、「愛し方」や「距離の取り方」に関する学習されたパターンが関係している可能性があります。
つまり、恋愛や夫婦関係がうまくいかないのは「自分の性格が歪んでいるから」ではなく、これまでの環境の中で身につけてきた関係のあり方が影響している可能性が高いということです。
そこで、ここではKearns-Bodkin & Leonard(2008)の研究を参考にしながら、アダルトチルドレンの恋愛の問題についてシェアしたいと思います。
1.アダルトチルドレンの関係性の特徴~恋愛や夫婦関係に影響する「関係の前提」とは何か~
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恋愛や夫婦関係がなぜかうまくいかない、同じようなパターンを繰り返してしまうという問題の背景には、過去の家庭環境が影響していることがあります。
アダルトチルドレンの概念は、単に親にアルコールの問題がある家庭に限らず、感情的に不安定・不適切な関わりが続く「機能不全家族」で育った方全体を含む広い概念として理解されています。
そこでここでは、研究をもとに、アダルトチルドレンの関係性の特徴を整理していきます。
1-1.アダルトチルドレンの関係性の特徴~親密な関係で生じやすい困難~
研究では、親にアルコール問題や機能不全家族の元で育った成人において、恋愛や夫婦関係に特徴的な傾向が見られることが示されました。
具体的には、以下の点です。
✔関係の満足度が低くなりやすい
✔衝突や不安定さが生じやすい
✔親密さの扱いに難しさがある
これらは個人の性格の問題ではなく、これまでに経験してきた関係のあり方の影響として理解されます。
1-2.なぜ関係が難しくなるのか~幼少期の経験が「関係の前提」に~
機能不全家族の中では、次のような環境が生じやすくなります。
親または養育者の感情の起伏が激しく予測が難しい
安心して頼れる大人がいない
子どもが親や養育者の感情や役割を支える立場になる
こうした環境の中で育つと、子どもは生き延びるために独自の適応を身につけていきます。
その過程で形成されるのが、いわば「関係の前提」です。
具体的には、以下のような認識を持つに至ってしまいます。
人は本当に信頼できるのか
親密になると傷つくのではないか
自分は大切にされる存在なのか
これらは無意識のうちに人との関わり方に影響し、大人になってからの恋愛や夫婦関係の中で繰り返されやすくなります。
1-3.恋愛・夫婦関係で起きやすいパターン~よく見られる4つの特徴~
こうした背景から、アダルトチルドレンには特徴的な関係パターンが見られることがあります
以下、代表的なものを整理します。
① 親密さへの不安~近づきたいのに怖いという葛藤~
アダルトチルドレンの方は、人と深くつながりたいという欲求がある一方で、以下のような矛盾した反応が起こることがあります。
相手に踏み込まれると不安になる
距離が近くなると離れたくなる
これは、過去に安心して関われる関係を十分に経験できなかった場合に生じやすい傾向です。
親密さは本来安心を伴うものですが、それが不安や緊張と結びついているため、関係が深まるほど苦しさが生じやすくなってしまいます。
② 過剰な気遣い~自分より相手を優先してしまう~
またアダルトチルドレンの方は相手の反応に敏感になり、次のような行動を取ってしまうことがあります。
自分の気持ちを後回しにする
相手の期待に応えようとしすぎる
これは、幼少期に周囲の感情を読み取ることが必要だった経験と関係しています。
家庭内で安心が不安定な場合、子どもは周囲の変化に敏感になることで適応しようとします。
その結果、大人になっても「相手に合わせること」が優先されやすくなってしまうんですね。
しかしこの関わり方は、関係の中で疲労感を生みやすく、長期的には満足度の低下につながることにつながります。
③ 感情のコントロールの難しさ~感情の揺れが大きくなりやすい~
次に見られる特徴は、感情の揺れやすさで、以下のような状態が見られることがあります。
小さな出来事で強く不安になる
怒りや悲しみが急激に高まる
相手の言動に過敏に反応する
これは、幼少期に感情を安定して扱う経験が不足していたことと関係しています。
感情は本来、他者との関係の中で調整されていくものですが、その経験が乏しい場合、感情の波が大きくなりやすくなります。
④ 関係の極端さ~依存か回避かに偏りやすい~
アダルトチルドレンの方は、関係の持ち方が極端になりやすいことも特徴として持っておられる場合が多々あります。
例えば…
相手に強く依存する
逆に距離を取りすぎる
…といった形で、「ちょうどよい距離感」を保つことが難しくなることがあります。
これは、安定した関係モデルを学ぶ機会が少なかった場合に生じやすい傾向です。
適切な距離を経験していないため、関係が近すぎるか遠すぎるかのどちらかに偏りやすくなります。
まとめ
アダルトチルドレンの関係性の特徴は、繰り返しになりますが個人の性格の問題ではなく、機能不全家族の中で形成された関係の前提と適応の結果として理解する必要があります。
親密さへの不安や過剰な気遣い、感情の揺れやすさや関係の極端さといった特徴は、過去の環境の中で身についたものです。
そして重要なのは、これらは固定されたものではなく、理解し直すことで変化の可能性を持つものであるという点です。
関係の中で繰り返されるパターンに気づくことは、現在の問題を単なる出来事としてではなく、より深い構造として理解することにつながります。
その理解が、新しい関係のあり方を築いていく第一歩となっていくでしょう。
参考論文
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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