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愛着障害とネガティブ感情との関係~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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大人の愛着障害とメンタルヘルスの関係~愛着の問題はなぜ心をしんどくするのか?~

大人の愛着障害とメンタルヘルスの関係~愛着の問題はなぜ心をしんどくするのか?~

2026/04/02

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

大人の愛着スタイル(愛着障害)は、心の健康と無関係ではありません

 

特に大人の愛着障害の場合は対人関係のしんどさ、つまり「人に嫌われるのがとても怖い」「相手の反応に一喜一憂してしまう」「親しくなりたいのに、近づかれると苦しい」という形で現れがちです。

 

成人の愛着傾向は、メンタルヘルスとかなり一貫して関連していることが、今回参考にしている論文から示されています。

 

特に、愛着不安と愛着回避が高いほど、抑うつ、不安、孤独感、ネガティブ感情などの「つらさ」と関連しやすく、人生満足感や自尊感情、ポジティブ感情などの「心の健康」とは逆方向に関連していました。

 

しかも、その関連は、愛着不安のほうがより強い傾向がありました。

 

大人の愛着スタイルは心の健康とも関わる重要なテーマです。


そこで、今回は研究論文を参考にしつつ、大人の愛着障害が心の問題や人間関係にどう影響するのかをシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.成人の愛着スタイル(愛着障害)としんどい感情や対人関係の影響とは?

 

 

人との距離感の悩みは、単なる性格の問題ではなく、心の健康とも深く関わっていることがあります。

 

成人愛着という視点を持つことで、「なぜ同じような場面で傷つきやすいのか」「なぜ頼りたいのに頼れないのか」が見えやすくなります。

 

そこで、今回は、成人愛着とメンタルヘルスの関係をまとめた研究をもとに、その意味をお伝えしたく存じます。

 

1-1.そもそも成人愛着とは何か

 

まずは、成人愛着とは何かと言うことから始めたいと思います。

 

愛着障害と一言で言っても、大人の感情調節や対人関係のなかに表れやすい愛着の傾向を、「成人愛着」や「愛着スタイル」と呼びます。

 

今回参考にしている論文では、成人愛着を主に二つの次元で捉えています。

 

ひとつは愛着不安です。

 

これは、見捨てられることへの強い不安、拒絶に対する敏感さ、相手からの承認を強く求める傾向などを含みます。

 

つまり、相手の少しの変化にも心が大きく揺れやすく、「嫌われたのではないか」「見放されるのではないか」という不安が高まりやすい特徴があります。

 

そして、もうひとつは愛着回避です。

 

こちらは、人に頼ることや親密になることへのためらい、自己開示のしづらさ、過度に自立しようとする傾向などを指します。

 

これによって、誰かに近づきたい気持ちがまったくないわけではなくても、近づくこと自体に緊張や警戒が伴いやすく、結果として距離を取りやすくなります。

 

そして、この二つ、つまり愛着不安や愛着回避の状態がともに低い状態であるならば、比較的安定した愛着に近いものになっていきます。

 

1-2.この研究でわかったこと

 

ここでちょっとだけ研究内容に触れますね。

 

Zhangらのメタ分析では、愛着不安と愛着回避のいずれも、ネガティブなメンタルヘルス指標と関連していました。

 

ここでいうネガティブな指標とは、抑うつ、不安、孤独感、感情調整の困難、ネガティブ感情などです。

 

反対に、人生満足感、自尊感情、ポジティブ感情、心理的ウェルビーイングといったポジティブなメンタルヘルス指標とは、逆方向の関連が見られました。

 

つまり、愛着不安や愛着回避が高いほど、心の不調を抱えやすく、反対に安心感や満足感、自分を肯定する感覚とは結びつきにくい傾向が示されたということです。

 

さらに、この関連の強さには差があり、全体としては愛着不安のほうが、愛着回避よりもメンタルヘルスとの結びつきが強いと結論づけられています。

 

この点は、カウンセリングの臨床で感じられることとも重なります。

 

見捨てられ不安が強い方は、相手の表情や言葉、返信の遅れなどを大きな拒絶として受け取りやすく、そこから不安、落ち込み、自己否定へと気持ちが連鎖しやすくなります。

 

一方で、回避傾向が強い方は、苦しいときほど人に頼れず、一人で抱え込むことで孤独や緊張が長引いてしまうことがあります。

 

1-3.なぜ愛着の問題が心の不調につながりやすいのか

 

愛着理論の枠組みから考えると、愛着とは「自分はどう扱われる存在か」「他者は信頼できるか」といった内的なモデルに関わるとされています。

 

こうした見方は、感情調整の仕方や対人ストレスへの反応にも影響しやすいと考えられます。

 

愛着不安が強い場合、対人関係のなかで常に警戒が高まりやすくなります。

 

そのため、相手の何気ない態度の変化にも大きく傷つきやすく、「嫌われたかもしれない」「もう大事にされていないかもしれない」と感じやすくなります。

 

この状態が続くと、不安や抑うつが強まりやすくなります。

 

一方で、愛着回避が強い場合は、表面的には落ち着いて見えても、実際には「頼らない」「見せない」「距離を取る」というかたちで自分を守るという手段を取りがちです。

 

そのため、必要な支えを受け取りにくく、結果として孤独感やストレスが慢性化しやすくなります。

 

そして、ご本人が勝欠ける「苦しさ」が見えにくいぶん、本人も周囲も気づきにくいことがあるのも特徴です。

 

1-4.なぜ愛着不安や愛着回避が心の不調につながりやすいのか

 

成人愛着の問題を考えるときに重要なのは、愛着が単なる対人関係の癖ではなく、自分と他者をどう見るかという内面の土台にも関わっていることです。

 

愛着不安が強い場合、「私は見捨てられるかもしれない」「相手はいつか離れていくかもしれない」という警戒が高まりやすくなります。

 

その結果、人間関係に少し揺れが起きただけでも、心が大きく乱れやすくなります。

 

相手の返信が遅い、表情が少し硬い、それだけでも強い不安や落ち込みにつながってしまうことがあります。

 

一方で、愛着回避が強い場合は、「人に頼ると傷つくかもしれない」「自分で何とかしなければならない」という感覚が強まりやすくなります。

 

そのため、本来なら支えを受けられる場面でも距離を取ってしまい、結果として孤独や緊張を抱え込みやすくなります。

 

つまり、愛着不安も愛着回避も、それぞれ違う形で心に負担をかけやすいのです。

 

前者は人とのつながりの揺れに過敏になること、後者はつながりを受け取りにくくなることが、メンタルヘルスのしんどさにつながりやすいと考えられます。

 

1-5.人間関係の悩みとメンタルヘルスは別々ではない

 

「人間関係の悩み」と「心の不調」は、別の問題として扱われがちです。

 

しかし実際には、この二つはかなり重なり合っています。

 

例えば、いつも人の顔色をうかがって疲れ切ってしまう方は、不安や抑うつを感じやすくなることがあります。

 

逆に、人に頼れず何でも抱え込んでしまう方は、孤独感や無力感が強くなりやすいことがあります。

 

ここで言う心の健康とは、単に症状が少ないことだけではありません。

 

自分を少し信じられること、必要なときに人を頼れること、人と一緒にいても過剰に揺さぶられすぎないこと、安心できるつながりを感じられることも含まれます。

 

その意味で、成人愛着を理解することは、生きやすさを考えるための大切な手がかりになります。

 

1-6.愛着の問題があると回復は難しいのか

 

ここはとても大事な点ですが、成人愛着とメンタルヘルスが関連しているからといって、愛着の傾向が固定されていて、ずっと変わらないと考えるべきではありません。

 

実際の支援の現場では、安心できる関係の経験や、自分の感情への理解、少しずつ助けを求めるアプローチ、新しい対人経験の積み重ねによって、人との関わり方が和らいでいくことがあります。

 

もちろん回復にはそれぞれ個人差がありますが、愛着のパターンを理解することは対人関係やネガティブ感情の変化の第一歩になります。

 

愛着の視点は、自分を責めるためのものではありません。


なぜ同じような場面でつらくなるのか、なぜ人間関係で同じ苦しさを繰り返しやすいのかを理解するためのものです。

 

そして、その理解を踏まえて適切なケアのアプローチを行えば回復の可能性は十分にあります。

 

まとめ

 

Zhangら(2022)のメタ分析は、成人愛着とメンタルヘルスの間に、かなり強い関連があることを示しました。


愛着不安・愛着回避が高いほど、抑うつ、不安、孤独感、ネガティブ感情などと関連しやすく、人生満足感、自尊感情、ポジティブ感情、心理的ウェルビーイングとは逆方向に関連していました。

 

とくに、愛着不安のほうがより強くメンタルヘルスと結びついていました。

 

人間関係の悩みが続いているとき、その背景には「自分は人とどうつながろうとしているのか」「どこで不安になり、どこで距離を取ろうとしているのか」という愛着のテーマがあるかもしれません。


それに気づくことは、自分を責めることではなく、これからの支援や回復の糸口を見つけることにつながります。

 

自己理解は自己否定をやわらげ、自分自身に対して受容的になれる大きな助けになります。

 

そして自己理解は回復のへ大切なステップになります。

 

ぜひ、回復へ向けて着実に進んでいってくださいね

 

参考論文

Zhang, X., Li, J., Xie, F., Chen, X., Xu, W., & Hudson, N. W. (2022). The relationship between adult attachment and mental health: A meta-analysis

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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