ぐるぐる思考と心配を減らすセルフケア:「認知行動療法×マインドフルネス」で「考えすぎ」から抜ける方法
2026/04/06
みなさん、こんにちは。
神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
心理臨床において反すう思考(ぐるぐる思考委)や心配(不安)は数多く相談される内容であり、かつご本人にとっては負担の大きなものです。
そして真面目で、責任感があり、物事を丁寧に考えられる方ほど、ぐるぐる思考や心配に足を取られがちになります。
しかし考えること、つまり思考が「役に立つ範囲」を越えると、反芻や心配が増えて消耗してしまうことがあります。
ぐるぐる思考と心配は「問題解決のように見えて、問題を長引かせる」ことに繋がるリスクを持っています。
そのため対策としては、思考を止めるより「今に戻す技術」を持つことが有益です(この『今に戻す技術』は後に解説します)。
そこで今回は、私が専門にしている認知行動療法とマインドフルネスを用いて、ぐるぐる思考や心配(不安)を軽減する方法をシェアしたいと思います。
1.ぐるぐる思考と心配のループをほどく~マインドフルネス×認知行動療法を用いたセルフケア~
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繰り返しになりますが、ぐるぐる思考、つまり反芻(過去)や心配(未来)は、真面目で責任感のある方ほど起きやすい心の働きです。
問題は、それが「問題解決」のように見えながら、実際には不安と疲労を増やし、生活の行動量を減らしてしまうことにあります。
…ぐるぐる思考や心配が日常を支配していると、当然日常生活もしんどいものになってしまいますよね。
ここでは、心理臨床で使われるマインドフルネスと認知行動療法(CBT)の考え方をベースに、ループから抜けるための手順をテーマ別にシェアしたいと思います。
1-1.反すう(ぐるぐる思考)と心配の違い:「過去と未来のループ」を分けて捉える
まず最初にやるべきことは、「頭の中で起きていることに名前をつける」ことです。
つまり、「いま何が起きているのか」を理解するというものですね。
そして、反すうと心配は似ていますが、方向が違います。
● 反すう(ぐるぐる思考)
→過去の出来事に対して「どうしてああなった」「自分が悪かったのでは」と繰り返し振り返り続ける状態
● 心配(不安)
→未来に対して「もし○○になったら」と不確実な可能性を想定し続ける状態
両者に共通するのは、「考え続ければ安心できる」という感覚です。
つまり、ぐるぐる思考や心配をしていると脳は「考えている=備えている」と感じるため、ぐるぐる思考や心配が一時的な安全行動になります。
しかし現実には、考えるほど材料が増え、確信は得られず、疲労が増していきます。
これが「頭の中の会議」が終わらない状態です。
ここでのポイントは、ぐるぐる思考と心配を「悪い癖」と決めつけるより、不安を下げようとする試みが過剰になっていると理解することです。
理解が変わると、対処の方向も「止める」から「扱う」に変わります。
1-2.マインドフルネス:今この瞬間に戻る練習(考えを消すのではなく、戻る)
マインドフルネスは、ぐるぐる思考や心配を「止める」技術ではなく、注意を「今ここ」に戻す技術です。
マインドフルネスでは、ネガティブな感情や考えが浮かぶのは自然なことと位置付けています。
重要なのは、浮かんだことに気づき、注意を戻せることです。
ぐるぐる思考や心配が苦しいのは、内容よりも「ネガティブなものに注意が占拠され続けること」です。
そのため、注意を「ネガティブなもの→自分自身への感覚」へ戻す練習は、結果的に苦しさを軽減してくれる効果が期待できます。
では、すぐに使えるマインドフルネスの方法をご紹介しますね。
● すぐ使える:5・4・3・2・1法(五感で今に戻す)
不安が強いときほど、頭の中の映像(未来の最悪)に引っ張られます。
そこで、次のように五感に注意を移します。
見えるものを5つ
↓ ↓ ↓
聞こえる音を4つ
↓ ↓ ↓
触れている感覚を3つ(服の触感、椅子の硬さ、足裏の接地など)
↓ ↓ ↓
匂いを2つ
↓ ↓ ↓
味を1つ(なければ口の中の感覚)
狙いは「気分を変える」ではなく、注意の場所を変えることにあります。
コツは「丁寧にやりすぎないこと」です。
短く戻る練習を繰り返すほど、ぐるぐる思考や心配に飲まれにくい土台ができます。
1-3.認知行動療法:思考を「事実」ではなく「仮説」として扱う(役立つかで選ぶ)
認知行動療法では、心配や反芻の内容を「真実」ではなく「脳が出してきた仮説」として扱います。
ここでの狙いは、ポジティブ思考に変えることではなく、思考との距離を取り、行動の自由度を取り戻すことです。
思考に巻き込まれているときは、頭の中の言葉が「現実そのもの」に見えます。
しかし認知行動療法的には、それはあくまで一つの見立て(仮説)にすぎないという立場を取ります。
例えば、「私は劣っている」ということを信じ切ってしまうと、自分自身の全てがダメに思えるでしょう。
しかし、「私は劣っている」ということが「仮説」ならば、それが本当かどうか検討できます。
その結果、「劣っていない」ことを発見したり、仮に劣っている面が見つかったという場合は、対処が可能になります。
では、認知行動療法を用いたセルフケアをご紹介します。
● 使える問い(2つで十分)
もしもぐるぐる思考につかまっている、あるいは心配に支配されている場合は、以下の2つの問いを自分自身に投げかけてください。
いまこの思考は、問題解決に向かっている?それとも不安を増やしている?
もしも解決のための「行動」に移すなら、次の一手は何?(5分でできるレベルにする)
これが重要なのですが…
ぐるぐる思考や心配が続くのは「行動に移せないほど大きい課題」か「不確実で結論が出ない課題」であることが多い、ということです。
そのため認知行動療法は、考えを止めるのではなく、行動に落とすサイズに調整する道具として使うと効果が出やすくなります。
1-4.「心配の見える化」:書き出して、整理して、1つだけ決める
心配は頭の中に置いておくほど膨らみます。
そのため、紙やメモに書いて外に出すと膨張を抑えることができ、かつ心配や反芻は「扱える情報」になります。
おすすめは次の3ステップです。
①心配を1〜2行で具体化(何が起きるのが怖い?)
②ントロール可能・不可能に仕分ける
③コントロールが可能なら、取れる行動の中から「次の一手」を1つだけ決める
ここまでやると、心配が「霧」から「作業」に変わります。
重要なのは「行動は1つだけ」です。
心配が強いときほど、行動量が多い完璧な計画を作ろうとして疲れてしまいます。
そのため、まずは小さな確実性を作ることが目的です。
1-5.行動活性化:動ける範囲を増やすと、ぐるぐる思考や心配が弱まる
ぐるぐる思考と心配が強いとき、人はどうしても動けなくなります。
しかし動けない状態というものは、思考を増やしやすい環境を作ってしまいます。
そこで認知行動療法の技法である行動活性化を入れると改善の可能性が開けてきます。
ポイントは、いきなり大きな行動を目指さないことです。
つまり、「小さく、短く、確実に」です。
行動活性化の具体例は以下の通りです。
カーテンを開けて深呼吸(30秒)
5分だけ散歩
机の上だけ片付ける
このように「できた」という小さな確実性が増えるほど、ぐるぐる思考や心配の燃料が減りやすくなります。
ぐるぐる思考や心配は「止める」より、「動くことで弱める」方がうまくいく場面が多いんですね。
1-6.目標は「ゼロ」ではなく「切り替え回数」を増やす
「ぐるぐる思考をなくす」「心配を完全にやめる」と目標を立てると、うまくいかない自分を責めやすくなってしまいます。
そもそも、ぐるぐる思考や心配は人間の自然な機能でもあるため、ゼロにするのはは現実的ではありません。
そのため、現実的な目標は次の3つです。
気づける回数を増やす
今に戻る回数を増やす
5分でできる一手を増やす
ぐるぐる思考や心配が出たときに、「またダメだ」ではなく「気づけた」「戻れた」「一手が出せた」と捉えることが大切です。
この積み重ねが回復の指標になります。
うまくいった日だけを評価するのではなく、戻る練習を続けた日を評価することが、長期的に安定につながります。
上記の内容を上手く活用して、ぐるぐる思考や心配に対するセルフケアを行ってくださいね。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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