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社交不安症(社交不安障害)に対するイメージの効果~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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社交不安を強める「心の中の映像」とは~イメージへの心理的支援の効果~

社交不安を強める「心の中の映像」とは~イメージへの心理的支援の効果~

2026/04/27

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

社交不安では、「どう思われたか」という考えだけでなく、失敗する場面や恥ずかしい記憶が映像のように浮かぶことがあります。


そして、こうした否定的なイメージは、不安や回避を強めることがあります。

 

つまり、社交不安では、言葉での考えだけでなく、頭に浮かぶ否定的なイメージが不安を強めていることがあります。

 

Thunnissenら(2024)の系統的レビューとメタ分析では、社交不安における否定的イメージを直接扱う心理的介入は、社交不安症状とイメージによる苦痛を軽減する可能性があると示されました。

 

そこでこのブログでは、社交不安症(社交不安障害)が生じさせる「イメージの問題」と、そのイメージに対する心理的介入についてシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.社交不安症における、頭に浮かぶ「嫌な映像的イメージ」とは?

 

 

社交不安症では、「失敗したらどうしよう」という言葉の不安だけでなく、失敗している自分の姿が映像のように浮かぶことがあります。


そして、このような否定的な心的イメージ(映像的イメージ)は、不安を強めたり、人との関わりを避けたくさせたりするという問題を生じさせるリスクを高めます。


そこで以下では、社交不安における否定的なイメージと、それを対象にした心理的支援について、研究をもとにお伝えしたいと思います

 

1-1.この研究は何を調べたものか

 

このブログ記事は研究論文を参考にしていますので、まずどのような研究だったかをカンタンにご説明しますね。

 

この研究の対象となったのは、社交不安症、または社交不安が高い方々でした。

 

この研究の目的は、単に「効果があるかどうか」を調べることだけではありません。


具体的にどのようなイメージを対象にしているのか、どのような方法が使われているのか、何回くらいのセッションで行われているのか、そして社交不安やイメージによる苦痛がどのように変化するのかを調査しました。

 

研究で扱われた介入は、成人を対象にしたものが中心で、多くは1回または2回のセッションで行われていました。

 

1-2.否定的な心的イメージ(映像的イメージ)とは何か

 

否定的な心的イメージとは、簡単に言えば、頭の中に浮かぶ嫌な映像や場面のことです。

 

社交不安では、たとえば次のようなイメージが浮かぶことがあります。

 

「人前で焦ってしまっている自分」


「声が震えて、周囲から変に見られている場面」


「過去に笑われた記憶」


「相手が冷たい表情をしている映像」


「自分だけが浮いているようなイメージ」

 

これは、単なる言葉の考えとは少し違います。


「失敗したらどうしよう」と考えるだけでなく、失敗している自分の姿が、映像のように頭に浮かんでいるという状態です。

 

このイメージが鮮明で苦痛を伴うほど、ご本人にとっては「本当にそうなりそうだ」「また同じことが起こる気がする」と感じやすくなります。


そのため、社交不安を理解するうえでは、言葉の思考だけでなく、頭の中に浮かぶイメージにも目を向けることが大切です。

 

1-3.なぜ社交不安ではイメージが問題になりやすいのか

 

社交不安では、「人からどう見られるか」が大きなテーマになります。


そのため、頭に浮かぶイメージも、しばしば他人から見られている自分のような形になります。

 

たとえば、実際にはそこまで目立っていなくても、本人の頭の中では…

 

「人前で頭が真っ白になっている」


「声が震えている」


「周囲が自分を見ている」

 

…というイメージが強くなることがあります。

 

すると、そのイメージが不安を強めます。


そして不安が強くなると、さらに自分の表情、声、視線、言葉づまりに注意が向きます。


その結果、実際の相手の反応や、その場の自然な流れを見る余裕が減ってしまいます。

 

つまり否定的なイメージは、社交不安の中で不安を強める材料になり、人前を避けたくなるきっかけになったり、過去の失敗記憶を現在に引き戻す働きにもなりうるんですね。

 

1-4.イメージ書き換え法とは何か

 

このレビューで多く扱われていたのが、イメージ書き換え法です。

 

イメージ書き換え法とは、過去のつらい記憶や否定的なイメージをただ思い出すだけではなく、そこに新しい視点や意味づけを加えていく方法です。


つまりイメージの中で、当時の自分への見方や、その出来事の受け止め方を少しずつ変えていくことを目指します。

 

例えば、過去に人前で失敗した場面が強く残っている場合、その場面を思い出しながら…

 

「そのときの自分は本当に責められるべきだったのか」


「今の自分なら、そのときの自分に何と言ってあげたいか」


「周囲の反応は、本当に自分が思っているほど否定的だったのか」

 

…といった視点を加えていきます。

 

ここで大切なのは、イメージ書き換え法は記憶を消す方法ではないということです。


つまり、ツラい出来事がなかったことにすることが目的ではありません。


その記憶にくっついている強い恥、恐怖、自己否定をやわらげ、別の意味づけを作っていく方法といえるでしょう。

 

1-5.どのような効果が示されたのか

 

このレビューでは、対照群のある研究を使った分析で、否定的イメージを対象にした介入は、社交不安症状とイメージによる苦痛に対して、中程度の効果を示しました。

 

つまり、否定的なイメージに働きかけることで、社交不安そのものや、そのイメージから受ける苦痛が軽くなる可能性があるということです。

 

一方で、イメージの鮮明さについては、はっきりした効果は示されませんでした。


これはとても重要です。

 

つまり、介入を受けたからといって、「嫌なイメージがまったく浮かばなくなる」「映像そのものが完全に消える」とは限らないということです。

 

ただし、イメージが浮かんだとしても、そこから受ける苦痛や社交不安は軽くなる可能性があります。


これは臨床的にも大切な視点です。

 

目標は必ずしも嫌なイメージを完全に消すことではなく、イメージが浮かんでも、それに圧倒されにくくなることが大切なんですね。

 

1-6.効果が見えやすかった方たち

 

このレビューでは、診断基準には満たないけれど社交不安が高い人よりも、臨床診断として社交不安症のある人のほうが、効果がより明確に見られたとされています。


つまり、否定的なイメージが社交不安の維持に深く関わっている方にとっては、そこを直接扱うことが重要な支援になりうるという可能性を示しています。

 

また社交不安のある方の中には、言葉で考える不安よりも、イメージのほうが強烈に残っている方がおられます。

 

「頭では大丈夫だとわかっているのに、映像が浮かぶと一気に不安になる」


「昔の失敗場面が何度もよみがえる」


「人前に出る前から、失敗している自分の姿が浮かぶ」

 

このような場合、イメージへの介入は特に検討する価値があります。

 

1-7.社交不安症を改善するための大切な視点

 

この研究は、社交不安における否定的イメージへの介入が有望であることを示しています。


ただし、確かにこうした否定的イメージへの介入は効果があるのですが、それ以外の要素も検討する必要があります。

 

社交不安には、考え方、身体反応、回避行動、過去の経験、人間関係のパターンなど、さまざまな要素が関わっています。


否定的イメージへの介入は、その中の重要な一部に働きかける方法です。

 

そのため、実際の支援では、イメージだけを扱えばよいというより…


考え方の整理


身体反応への理解


安全行動や回避の見直し


現実場面での練習


…などと組み合わせて考えることが大切です。

 

まとめ

 

社交不安では、「どう思われるだろう」という言葉の不安だけでなく、失敗している自分の姿や、過去の恥ずかしい記憶が映像のように浮かぶことがあります。


こうした否定的な心的イメージは、不安を強めたり、人前を避けるきっかけになったりすることがあります。

 

Thunnissenらのレビューでは、否定的イメージを対象にした心理的介入が、社交不安症状やイメージによる苦痛を軽くする可能性が示されました。


特に、イメージ書き換え法は、過去の記憶にくっついた恥や恐怖、自己否定をやわらげる方法として注目されています。

 

大切なのは、嫌なイメージを完全に消すことだけを目標にしないことです。


むしろ、イメージが浮かんでも、そこに飲み込まれず、少し距離を取れるようになることです。


それが、社交不安の支援において大切な一歩になります。

 

よくある質問と回答(FAQ)


Q1. 社交不安で頭に浮かぶ嫌なイメージとは何ですか?


社交不安で浮かぶ嫌なイメージとは、人前で失敗している自分、相手に変に思われている場面、過去の恥ずかしい記憶などが、映像のように頭に浮かぶことです。


「失敗したらどうしよう」という言葉の不安だけでなく、実際にその場面を見ているように感じるため、不安が強まりやすくなります。


Q2. 社交不安では、なぜ否定的なイメージが浮かびやすいのですか?


社交不安では、人からどう見られているかに注意が向きやすくなります。


そのため、「人前で頭が真っ白になっている自分」「声が震えている自分」「相手が冷たく見ている場面」など、他人から見られている自分のイメージが浮かびやすくなります。


このイメージが不安を強め、さらに自分の表情や声に注意が向くという悪循環が起こることがあります。


Q3. 否定的なイメージは社交不安を悪化させますか?


悪化に関わる可能性があります。


否定的なイメージが鮮明に浮かぶと、「本当に失敗しそう」「また同じことが起きそう」と感じやすくなります。


その結果、人前を避ける、会話を控える、自分を監視しすぎるなどの行動につながり、社交不安が続きやすくなることがあります。


Q4. イメージ書き換え法とは何ですか?


イメージ書き換え法とは、過去のつらい記憶や否定的なイメージに対して、新しい視点や意味づけを加えていく心理的な方法です。


これは記憶を消す方法ではなく、その記憶に結びついた恥、恐怖、自己否定をやわらげることを目指します。


たとえば、過去に失敗した場面に対して、今の自分の視点から「本当にそこまで責められることだったのか」と見直していきます。


Q5. 社交不安の嫌なイメージは完全に消せますか?


完全に消すことは困難ですし、また消す必要はありません


研究では、否定的イメージへの介入によって、社交不安症状やイメージによる苦痛は軽くなる可能性が示されています。

 

一方で、イメージの鮮明さそのものが必ず下がるとは限りません。


大切なのは、嫌なイメージが浮かんでも、そこに飲み込まれず、少し距離を取れるようになることです。

 

参考論文

Thunnissen, M. R., et al. (2024). Interventions Targeting Negative Mental Imagery in Social Anxiety: A Systematic Review and Meta-Analysis of Characteristics and Outcomes.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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